第59号 平成27年9月 鈴木労務管理事務所便り 連絡先:〒983-0852 仙台市宮城野区榴岡 3-6-30-505 電話:022-292-7489 FAX:022-292-7490 E-mail:t_suzu @ camel.plala.or.jp http://www.office-suzu.com/office.html マイナンバー制度がいよいよ始まります。まず、来月から「通知カード」が順次発送されます。国会では、早く も改正案が3日に衆議院で可決・成立しました。 そもそもは、税と社会保障を一体化するところから始まったこの制度ですが、この改正案ではマイナンバーが各 人の預金口座に紐づけされ、医療分野、自治体の利用まで拡大される反面、肝心の基礎年金番号との連結は年金機 構の失態により延期となりました。 利用の拡張により、情報漏えいによる被害が拡大されることを懸念する声が多い中、ガイドラインに基づいたセ キュリティの強化はますます重要になってきます。大企業等が着々と準備を進めているのに対し、中小企業には限 界があり、企業間の認識の違いが浮き彫りになっております。認識の差は、関連省庁である国税庁と厚労省にもあ ります。国税庁が順当に進めているのに対して、社会保障関連は年金流失も相俟って遅々として進んでいない印象 を受けます。いろんな意味で一枚岩になっていないこの制度が間もなくスタートします。 社会保険労務士 鈴木 隆彦 今回は高年齢者に係る助成金についてご案内致します。 《 第六回 高年齢者雇用安定助成金 》 高年齢者の活用促進の為に雇用環境を整備する事業主に対して助成するものであり、高年齢者の雇用の安定を図 ることを目的としている助成金です。高年齢者活用促進を図る為、次の 1【環境整備計画書の認定】と 2【高年 齢者活用促進の措置の実施】を実施した場合に受給する事が出来ます。 また、申請日の前日において、当該事業主に 1 年以上雇用される 60 歳以上の雇用保険被保険者が 1 人以上いる ことも要件の 1 つです。 1【環境整備計画書の認定】 次の(1)~(4)のいずれかを記載した「環境整備計画書」を作成し、(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構 認定を受けること。 (1)新たな事業分野への進出等による高年齢者の職場または職務の創出 (2)機械整備、作業方法、作業環境の導入または改善による、既存の職場又は職務における高年齢者の就労の機 会の拡大 (3)高年齢者の就労の機会を拡大する為の能力開発、能力評価、賃金体系、労働時間の雇用管理制度の導入ま たは見直し (4)労働協約又は就業規則による定年の引き上げ、定年の定めの廃止、希望者全員を対象とする継続雇用制度 の導入 2【高年齢者活用促進の措置の実施】 1【環境整備計画書の認定】による環境整備計画に基づき、当該整備環境計画の実施期間内に「高年齢者活用促進 の措置」を実施すること。 【中小企業助成金額】 申請事業主の環境整備計画の期間内にかかった高年齢者活用促進の措置の種類ごとに示した支給対象経費 (※人件費は含まない)に 2/3 を乗じて得た額 マイナンバー制度の企業の対応について(2) マイナンバーの通知書が、いよいよ来月10月から住民票の住所地宛てに発送されます。制度自体の利用開始 は、来年1月からスタートしますが、まずは、それまでに何をしなければならないのかをお伝えしていきます。 1.社内体制の構築 マイナンバーを取り扱う部署がどこなのか、この取り扱いに対しどのような組織体制にすべきか、責任 はだれがとるのか、対応時期のスケジュール確認等を決めなければなりません。通常は、従業員と家族 の社会保険手続き・年末調整・源泉徴収票を行う人事・総務や各種支払調書関係を取り扱う経理、関連 のシステムの構築・運用管理を行う情報システム等が当てはまると思います。 2.マイナンバー収集対象者の洗い出し 対象者は、従業員のみならず、支払報酬を受ける弁護士、税理士、社会保険労務士などの外部専門家や 不動産関係も含まれます。 3.従業員への周知 従業員にマイナンバーについて、制度概要・漏えい等の会社責任と個人責任、個人番号の通知等を周知 する必要があります。文書で通知するだけでなく、研修会等を実施するとより徹底が図れます。 4.従業員の住民票の住所地の確認 個人番号の通知は、住民票の住所に送付されます。 5.マイナンバー「事前収集」 個人番号の利用開始は、来年1月ですが、個人番号は年内中にあらかじめ収集することができます。こ れを「事前収集」といいます。「事前収集」は、利用開始後に関係事務をスムーズに行えるとともに、年 内に送付される「通知書」を早めに確保することで紛失等により収集が困難になることを防ぐことができ るというメリットがあります。 多くの会社で「事前収集」をされることが想定されますが、これを行うためにはガイドラインに基づい た「安全管理措置」が整備されていることが前提になります。 次回は、この「安全管理措置」説明を行います。 ●厚生年金保険料改定について● 9月分より下記の通り厚生年金保険料率が変更となりますのでご注意下さい。 改定前(被保険者負担分) 厚生年金保険料率・・・87.370/1000 改定後(被保険者負担分) 89.140/1000 普通徴収の事業所様は10月支払い給与保険料から、当月徴収の事業所様は9月支払い給与保険料から変更 されます。9 月に賞与を支給される事業所様は、9 月支払いの賞与は新しい料率が適用となりますのでご注 意ください。 ●最低賃金の改正について● 平成27 年10月 3 日より最低賃金が改正され、現行の時間額 710 円から16 円引上げし、 『時間額726 円』となります。 実際の給与額等はどうなるか?(宮城県の場合) これらの額をご参 【月給者】月の所定労働時間を173時間で計算した場合(月平均 21.625日×8時間) 考に、貴社の給与の 給 与…173時間×726 円= 125,598円 【日給者】所定労働時間8時間の場合 給 与…726 円×8時間=5,808円 確認をしていただ きますようお願い します。
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