寒冷環境下における女子ジュニアサッカー選手の水分状態と 水分および

寒冷環境下における女子ジュニアサッカー選手の水分状態と
水分およびナトリウムのバランス
J. C. Gibson et al. Appl. Physiol. Nutr. Metab. 37: 931–7, 2012
脱 水 は 、 サ ッ カ ー 選 手 の フィ ール ドパ
フォーマンスやメンタルを低下させる。し
かし、女子ジュニア選手のデータはほとん
どなく、寒冷環境での水分と電解質の損失
を調査した研究は不足している。本研究の
目的は寒冷環境での、34名のカナダのジュ
ニアのエリートサッカー選手(15.7 0.7歳)
のトレーニング前の体水分状態、水分バラ
ンス、発汗によるナトリウムの損失を調査
することとした。2つの90分のフィールド
トレーニングセッション(9.8 3.3、相対
湿度63 12%)でデータを得た。トレーニ
ング前の尿比重(USG)、汗の損失(トレー
ニング前後の体重)、汗のナトリウム濃度
(汗のパッチテスト)は、それぞれのセッ
ションで測定を行った。対応のあるt検定
はトレーニングセッション間の差を確認す
ることに用い、ピアソンの相関係数は評価
項目間の関係を評価することに用いた(p
< 0.05)。我々は45%の選手で脱水した状
態(USG > 1.020)であることを確認した。
ト レ ー ニ ング に お け る 体 重 減 少 % は
0.84 0.07%で、発汗量は0.69 0.54Lであっ
た。しかし、水分補給はどのトレーニング
セッションでも可能だったにも関わらず、
トレーニング中の水分摂取量は少なかった
(63.6%の選手で250ml未満)。汗の平均
ナトリウム濃度は48 12mmol/Lであった。
発汗量は少なくナトリウム損失もそれほど
多くなかったにも関わらず、選手はトレー
ニング中の水分やナトリウム不足を防ぐの
に十分な水分を補給しなかった。今回の結
果は、競技者の水分補給法には個人差があ
るため、個人ごとの水分補給の指針が必要
なことを示している。(2015年3月3日 博士後期課程2年 長谷川尋之)
今日の論文も前回と同様に女性を研究対象とした
もの。運動時の水分補給に関しても女性のデータは
男性にくらべて少ないとのこと。(岡村浩嗣)