GKH021502

天理大学学報 2
1
5: 1
7
2
4,2
0
0
6
運動時間と休息時間の割合 を一定に した
間欠的 トレーニング時の心拍数変動
白
石
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e.
は体 内に貯蔵 された ATPや ク レアチ ン, グ
Ⅰ.は じ め に
リコーゲ ンか ら短時間に大 きなエネルギー を
多 くの運動やスポーツは無酸素系 と有酸素
得 られる反面,数秒 か ら数十秒程度 しか発揮
系 の二面性 のエネルギー供給 によって行われ
す ることはで きない。一方,グ リコーゲ ンや
9
9
4)
。無酸 素系 エ ネルギ ー
てい る (
山本 ,1
脂質 を酸素 の利用下でエ ネルギー供給す る育
1)天理大学体育学部
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1
8
運動時 間 と休息時 間の割合 を一定 に した
間欠的 トレーニ ング時の心拍数変動
酸素系で は,数時 間 にお よぶ運動 で もエ ネル
9
9
6)
。一
せ た報告 は少 ない (
中谷 と伊 藤 ,1
ギー を発揮 し続 ける こ とがで きる。多 くの運
般 的な試 合で は運動 時 間 と休息時 間の長 さや
動 は無酸素系 と有酸素系 エ ネルギーの混合運
その割合 は多様 に変化 す るこ とか ら, これ ら
動が ほ とん どであ る (
金久 ,1
9
9
4)
0
を固定 した検討 は実験室 的研 究の域 を出ない。
短時間の運動 と休息 が交互 に繰 り返 され る
現場 で利用可能 な間欠的 トレーニ ング とす る
運 動 様 式 は 間 欠 的 運 動 (
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ためには,セ ッ トの進行 に ともな う疲労蓄積
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e) といい,球技 や格 闘種 目な どが相
に応 じた休息時 間 を設 ける方が よ り適切 と考
当す る。例 えば, テニスやバ ドミン トン,バ
え られ る。そ こで本研 究 で は,運動時 間 と休
レーボールな どの球技 で はサー ビス に続 きラ
息時 間の割合 を一定 (1 :2) に して,各 セ
リー を応酬す る運動 と, ラ リーが終 了 してか
ッ トの運動時 間 に対 して休息時 間 を設定す る
ら次 のサ ー ビスが開始 され るまでの休息が繰
間欠的 トレーニ ングが走パ フォーマ ンスや心
り返 され る。 間欠的運動で は運動時 に高強度
拍 数 に及 ぼす影響 につ いて検討す るこ とを目
な無酸素系エ ネルギーの発揮が必 要 とされ る
的 と した。
が,試合全体で は有酸素系エ ネルギー も重 要
Ⅰ.方
であ る (
阿部 ら,1
9
9
2)
。
間欠 的 な運動 を用 いた トレーニ ング (
間欠
法
1.被検看
的 トレーニ ング) はイ ンターバ ル ・トレーニ
破検者 はサ ッカーや野球 な どの クラブ活動
ング形式 の ひとつであ り,運動 時間 と休息 時
を 日頃か ら行 ってい る高等学校男子生徒 11
名
間 を一定 に した り,それぞれの時 間や割合 を
5-1
7
歳であ った。本研 究 を始め
で,年齢 は1
変化 させ る こ とで運動負荷が容易 に変 え られ
る前 にすべ ての被検者 に研 究 の 目的お よび内
9
9
6)
。球 技 種 目で は,ゲ
る (
中谷 と伊 藤 ,1
容 を口頭 と書面 で説明 し,研 究協 力へ の同意
ームの時 間分析 か ら試合 で必 要 とされ る運動
を得 た。被検者 の身体 的特性 を表 1に示 した。
特性 を明 らか にで きれ ば一般 的あ るいは専 門
的 トレーニ ングの課題 は抽 出可能 となる。例
えば,バ ドミン トンにおいては シングルス試
0
6
7
1
BMI
4
0
7
1
5 1
20 L
2 6
61 4.
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1
7
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6
1
1.7.
2
7
3
7
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1
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2
7
1
1.7
16 0.
7
う疲労状態 を考慮 に入 れて休息時 間 を変化 さ
1
,セ ッ トの 進 行 に と もな
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1
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5
1
させ た場合 が多 く (
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5
1
これ まで, 間欠的 トレーニ ングに関す る報
告で は,運動時間 と休息時 間 を固定 して実施
差
均 偏
平 準
標
を 1:1- 1:2の間 に設定 した間欠 的 トレ
ーニ ングが必 要 となろ う。
より 亡U 7
1 1 1
したが って, これ らの球技種 目で はこの割合
6
1
イムがあ り休息時 間はバ ドミン トンよ り長 く,
運動時 間 と休息時 間の割合 は 1:2に近づ く。
6
1
一方 ,テニスやバ レーボールでは,2ゲーム
毎 の休息 や試合 中 に選手交代 あ るい は作戦 タ
7
1
ニ ングが実 施 され て い る (
阿部 ら,1
9
9
2)
0
6
1
9
8
5)
, この割 合 を用 い た トレー
(
阿部 ら,1
年齢 (
読 ) 身長 (
c
m) 体重 (
kg)
6
1
.
4,女子 が 1:1
.
5と報告 され
の男子が 1:1
被検者
A ち C D E F G H I ∫K
合時の運動時 間 と休息時 間の割合 は一流選手
表 1 被横着の身体的特性
1
9
白石 ・中谷
2.測定内容
較検 定 (
Tuke
y法)を用 い て分 析 した。統
(
り 安静時心拍数
t
e
psエ クセル統計 (
OMS) に
計処理 には 4s
付属するエクセルのア ドインソフ ト (
St
a
t
c
e
1
安静時心拍数は体育館 のフロアで被検者に
0分間継続 させた後 にパ ルスウ
仰臥位安静 を1
オッチ (
Vanda
ge XL:
Po
l
ar社製) を用い
て測定 した。測走時は全員が 目を閉 じてで き
るだけ安静 にす ることを意識 させた。
2) を用いた。有意水準 は P<0.
0
5とした。
Ⅱ.結
果
安静時心拍 数 と2
4
0
0
m 走 タイム,直後 に
求めた最高心拍数の結果 を表 2に示 した。安
(
2
)最高心拍数
最高心拍数 は一周3
0
0
m の陸上 トラ ックを
2
4
0
0
m 走)走 らせ た
使 用 して全 力 で 8周 (
静 時心拍 数 は5
1-71
拍/分 の範 囲で平均 は
6
0.
5±7.
1
拍/分 であ った。2
4
0
0
m 走の タイ
ムは 8分5
8
秒 ∼11
分3
8
秒 の範囲で被検者の問
直後 に測定 した。被検者 には十分 なウオー ミ
で 2分4
0
秒程度の差がみ られ,平均 は1
0分0
9
ングア ップを行 わせた後 に,パルスウオッチ
秒 ±4
2
秒であった。最高心拍数 は1
7
7-1
9
9
拍
(
Vanda
ge XL:
Po
l
a
r社製)の信号が混信
しない ように各 人の位 置 を約 1
0
m あけて笛
/分の範囲で平均 は1
91
.
8±6.
9
拍/分であっ
の合図で一斉 にスター トさせた。走行中は信
走 タイムの変化 を図 1に示 した。 1セ ッ ト目
号の混信 を防 ぐために追い抜 く際や併走する
に比べ て 2セ ッ ト目以 降 にタイムが遅 くな
た。3
0
0
m の仝力走 を 8セ ッ ト行 わせ た際の
際は両手間隔以上 に離れて走るように指示 し
り,4-7セ ッ ト白はほぼ同 じタイムで推移
た。最高心拍数は腕時計型の受信機 に表示 さ
し最終の 8セ ッ ト目では 1セ ッ ト目とほぼ同
4
0
0
m 直後の値 と し,そ の値 を記録 し
れた2
じタイムまで早 くなった。各セ ッ ト間のタイ
た。走 タイムはス トップウオッチ (
ス タンダ
ムに有意な差 は認め られなかった。 8セ ッ ト
ー ド:セイコー社製)で計測 した。
4.
0±1
.
3
秒 であ った。
の走 タイムの平均 は5
次 に,間欠的な走 トレーニ ング中における各
3.間欠的 トレーニング
0
0
m の仝力走 を 8セ ッ ト
トレーニ ングは3
行 わせた。セ ッ ト間の休息は走 タイムの 2倍
(
運動時間 と休息時間の割合 を 1:2) とし,
セ ッ トのス ター ト時 とゴール時の心拍数変動
を図2に示 した。スター ト時の心拍数は 1セ
ッ ト目が 1
0
2.
2±1
7.
4拍/分 であ ったが,
2セ ッ ト目以 降 は有意 な増 加 を示 し (
P<
各セ ッ トのタイムの記録 と次セ ッ トのスター
0.
0
5)
,8セ ッ ト目では1
3
7.
6±1
1
,
3
拍/分 ま
ト指示 はパー トナーに行 わせた。セ ッ ト間の
で上昇 した。 また,各セ ッ トのゴール時 にお
休息は立ち止 まらず歩 き続けるように指示 し
ける心拍数 は 1セ ッ ト目が1
7
3.
0±8.
5
拍/分
0
0
m の陸上 トラ
た。走 トレーニ ングは一周3
であ り,その後 もわずか に増 え続 け 5セ ッ ト
ックを使用 した。 トレーニ ング中の心拍数は
目以降で有意な差が観察 され
パルスウオッチ を用いて 5秒毎 に連続記録 し,
セ ッ ト目では1
8
7.
8±6.
6
拍/分 となった。ス
データ処理 ソフ トウェア (
Po
l
a
r社製)で後
ター ト時お よびゴール時の心拍数に他のセ ッ
(
P<0.
0
5)
,8
日算出 した。なお,各セ ッ トのス ター ト時 と
ト間で有意 な差 は認め られなかった。本研究
ゴール時は腕時計型の受信機 にあるマーカー
の間欠的 トレーニ ングにおける各セ ッ トゴー
を押 させて区別がで きるようにした。
8
2.
3±7.
9
拍/分 とな り,
ル時の平均心拍数は1
最高心拍数 と安静時心拍数か ら求めた運動強
4.統計的検定
本研究で得 られた測定値はすべて平均値 ±
標準偏差で示 した。各測定値の比較 は多重比
8.
3皮 (
カルボ ー ネ ン法 に よる算 出)は8
9
8.
4%で,平均 は9
2.
7±3.
0%で あ っ た (
表
3)
08セ ッ トの走 トレーニ ングを 1-3セ
20
運動時間 と休息時間の割合 を一定 に した
間欠的 トレーニ ング時の心拍数変動
ツ ト目の前半 , 4- 5セ ッ ト目の中間, 6-
-ル時 における心拍数の平均 は前半が 1
7
7.
5
8セ ッ ト目の後半の心拍数 としてス ター ト時
±8.
1
拍/分,中 間 は1
8
3.
9±7.
9
拍/分,級
とゴール時 に分 けて図 3に示 した。ス ター ト
半は1
8
6.
0±6.
9
拍/分 と,ス ター ト時 と同様
時 にお け る心拍 数 の平 均 は前 半 が 1
1
9.
2±
拍/分,中 間 は1
3
2.
3±1
2.
1
拍/分,級
1
4.
7
3
6.
3±9.
4拍/分 と,前半 に比べて後半
半は1
P<0.
0
5
)
。ゴ
は有 意 な増加 が認 め られ た (
に前半 に比べ て後半で有意 な増加がみ られ
表 2 安静時および2
4
0
0
m走のタイムと最高
(
P<0.
0
5)
,セ ッ トの進行 に と もな って個
人差 (
標準偏差)は小 さくなった。
表
心拍数
動強度
1
1
分1
5
秒
52
1
0
分0
1
秒
68
11
分3
8秒
51
8分 5
8
秒
59
1
0分 1
2
秒
9分48秒
55
9分5
7
秒
9分 5
7
秒
9分 5
5
秒
57
71
69
7 3 7 7 4 3 0 1 3 3 2
92 91 90 97 98 細 93 93 90 光 9
59
4 6 1 9 9 9 4 0 4 6 6
円 83
89
96 79
1 76
1 85
1 86
1 1
1 86
1 77
1 1
1 6
1
1
0分 2
0
秒
A B C D E F
E
IG H I ∫ K
9分3
8秒
57
(
拍/分 )
99 88
90 1
99 1
97 1
96 86
93 77
1
1 98
1 1
1 87
1 1
1
A B C D E F G 班 I ∫ 汰
67
最高心拍数
数
安静 心拍 数 2
4
0m タイム
(
拍/分)
潮
・
し か
/
称 舶
辛
被検者
3 各セット終了時の平均心拍数からみた連
7 0
92 3.
差
均 偏
平 準
標
1
0分0
9
秒
42
秒
6
5
4
5
走 タイ ム (
秒)
1
2
3
4
5
6
セット
図 1 間欠的 トレーニングにおける各セットの走タイムの変化
7
8
谷
中
石
白
21
*
*
*
*
0
6
1
心拍数
0
4
1
(
拍 /分
)
1
2
3
4
5
6
8
7
セット
図 2 間欠的 トレーニングにおける各セッ ト前後の心拍数変動
0
2
2
0
0
2
0
8
1
声
0
6
1
中間
■ 後半
0
4
1
*
P<0.
05,
vs
.
前半
0
2
1
心拍数 (
拍 /分)
□ 前半
0
0
ー
スター ト時
ゴール時
図 3 間欠的 トレーニングにおける前半 ・中間 ・後半の心拍数の変化
22
運動時間 と休息時間の割合 を一定 に した
間欠的 トレーニ ング時の心拍数変動
Ⅳ.考
察
運動 と休息 (
軽度 な運動 も含 む)が繰 り返
度運動 の場合は高い負荷 を与 え続 けることが
大切 なため, トレーニ ング全体 にわた り休息
時間を変化 させ る方が適切 な方法であろ う。
される様式 を もつスポーツ種 目は多い。間欠
本研究では, この ような理由か ら運動時間に
的運動では,運動 で消費 した無酸素系エネル
応 じて休息時間を変化 させ た (
運動時間 :休
ギーの補充 を有酸素系エ ネルギーが担 うこと
息時間- 1 :2) 間欠的な走 トレーニ ングを
で高いエ ネルギー発揮 を続 けることが可能 に
実施 させ た。
CP系 のエ ネル
なる。休息 時 間内で は ATP-
多 くのスポーツ種 目においては,数秒 間の
ギー基質 を再合成 し,運動で解離 した酸素が
運動 だけが繰 り返 されるこ とはな く3
0
秒 を越
筋 ミオグロビンや血中ヘモ グロビンに補給 さ
える運動 も試合 中にみ られる。本研究 におけ
9
9
4)
。山本 と金 久 (
1
9
9
0)は
れる (
山本 ,1
0
0
m の走 タイムは5
2-5
5
秒前後 であ った
る3
5秒 間 の 全 力 ペ グ リ ン グ を1
0秒 間 の 休 息
ことか ら トレーニ ングは乳酸系のエ ネルギー
(1:2)
,2
0秒 間の休息 (1:4)
,4
0秒 間
発揮 に依存 した運動 内容であった と推察 され
の休息 (1:8) と運動時問に対 して休息時
る。本研究では, トレーニ ング中に全力で走
0セ ッ ト行 わせ た際
間 を変化 させてそれぞれ2
るように動機づ けを行 って励 ま し続 けたこと
の仕事量 (
最大無酸素パ ワー)への影響 を報
か らセ ッ トの進行 にともなうタイムの低下 は
告 している。それによると,休息時間が長い
0
0
m の走 タイムの 2倍 を休
数秒 であ った。3
ほ ど最大無酸素パ ワーが高い値 を示 し,休息
息時間にあてた間欠的 トレーニ ングでは, 8
時間の長 さによって無酸素系エ ネルギーの回
セ ッ トにわた り全力のパ フォーマ ンス を維持
5
m
復 は異 なることを明 らか に した。 また,2
し続 けることは可能 な内容 と考 えられる。 ま
の仝力泳 を運動 時 間 と休 息 時 間 を同 じ割合
1
9
9
6)
た,
本研究では,
先行研究 (
中谷 と伊藤 ,
0セ ッ ト繰 り返 した報告では,
(1 :1)で4
と同様 に最終セ ッ トの タイムが早 くなった。
心拍 数 は高 い強度 を示 したが血 中乳酸値 は
その理 由は不 明であるが,最終 とい う心理的
3mmo
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J程 度 で あ っ た (
Gul
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な影響が加 わった可能性 は考 え られ る。
La
wr
e
nc
e,1
9
8
7
)
。 これ らの研究の ように運
本研究では各セ ッ トにおけるゴール時の心
動時間や休息時間,その割合が異 なれば仕事
拍数は トレーニ ングの進行 にともない徐 々に
量や循環器系 (
心拍数) に及ぼす影響 も違 う
上昇 し, 1セ ッ ト目に比べ て 5セ ッ ト目以降
ことになる。
4
0
0
m 走 に よって
で有 意 な増 加 を示 した。2
間欠的 トレーニ ングを用いてパ フォーマ ン
1
91
.
8
拍/分)
求め た最 高心拍数 の平均 値 (
スや循 環器系へ の影響 を検討 した報告 では,
0.
2% (
1
7
3.
0拍/
に対 して, 1セ ッ ト目は9
連動時間 と休息時間の割合 を一定 に している
分), 5セ ッ ト目で は9
6,
4% (
1
8
4.
9拍/分),
が, トレーニ ングの進行 にともない休息時間
最終の 8セ ッ ト目では9
7.
9%(
1
8
7.
8
拍/分)
Gul
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nd
を変化 させ ていない ものが多い (
0
0
m の距離であ って も全力走 を間
に達 し,3
と La
wr
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e
,1
9
8
7;山 本 と 金 久 ,1
9
9
0;
欠的 に 8セ ッ ト繰 り返す と最高心拍数 に近い
0
01;Li
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9
9
6;Bi
l
l
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tら,2
ら,2
0
05
)。 これ らの形式 で は連動 時 間 と休
負荷 が加 わ る こ とが示 され た。先行 研 究 で
息時間を固定 して繰 り返す ことにな り, トレ
と同様 にタイムに応 じて休息時間を変化 させ
ーニ ングの進行 に ともな う疲労蓄積 によって
た場合 (
運動 と休息 の割合 は 1:1),セ ッ
パ フォーマ ンスが低下 して トレーニ ング効率
トの進行 によってみ られたゴール時の心拍数
9
9
6)
。特 に,乳酸系 エ
が落 ち る (
中谷 ら,1
は後半 3セ ッ トでは最高心拍数 に達 していた
ネルギーを動員 させ るような3
0秒以上の高強
9
9
8)
。本研 究 におい て は, トレ
(
中谷 ら,1
0
0
m 仝力泳 を本研 究
は, 6セ ッ トにわたる2
23
白石 ・中谷
一二 ング後半 もゴール時の心拍数がわずかに
V.ま と め
上昇す る傾 向を示 したことは先行研究 (
中谷
9
9
8
) と異 なる結果であった。 このこと
ら,1
本研究 は, トレーニ ングの進行 に ともな う
は,先行研 究が2
0
0
m とい う距離 をお よそ 2
パ フォーマ ンスの低下 を考 日
削 こいれて運動時
分3
0
秒 で泳いだのに対 し,本研究では5
0数秒
間に対す る休息時間の割合 を一定 に して,逮
の運動であって休息 も 2倍の時 間 をあてたこ
動時間に応 じて休息時間を変化 させ た間欠的
とか ら無酸素系エネルギーの回復 に違いがみ
トレーニ ングによる走パ フォーマ ンス と心拍
られ た こ とが原 因 と考 え られ る (
中谷 と伊
数変動 について検討 した。対象者 は高等学校
9
9
6)
。図 3に示 した ように,ス ター ト
藤 ,1
に在籍 し,体育系 クラブに所属す る男子生徒
時 とゴー ル時 の心 拍 数 は前 半 (1- 3セ ッ
11名であった。結果は以下の とお りである。
ト) に比べ て 6セ ッ ト目以降の後半で有意 な
増加が認め られたが,中間 (4- 5セ ッ ト)
と後半 (6- 8セ ッ ト)では差がなか った。
しか し,本研究の間欠的 トレーニ ングにおけ
るス ター ト時 とゴール時の心拍数の変化 をみ
る と,後半のセ ッ トで最高値 に達 していない
こ と,カ ル ボ ー ネ ン 法 (
Ka
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a,1
9
8
8)に よって求め た運動 強度
8.
3-9
8.
4%と個 人差が認め られ,平均 で
が8
は9
2.
7%であった ことか ら考 える と,仝力走
ではあったが最大負荷 (
最高心拍数) に達 し
ていなかった もの と推察 され る。被検者の中
1.2
4
0
0
m 走 の タ イ ム は1
0分0
9
秒 ±4
2
秒 で,
運動 直後 に求めた最高心拍数 は1
91
.
8±
拍/分であった。安静時心拍数は6
0.
5
6.
9
±7.
1
拍/分 であった。
2.3
0
0
m の仝力走 を 8セ ッ ト行 わせ た間欠
的 トレーニ ング中の平均 タイムは5
4,
0±
秒 とな り,セ ッ ト間に走 タイムの差
1
.
3
は認め られなかった。
3.間欠的 トレーニ ングにおける 8セ ッ トの
2
8.
7±1
1
.
6
平均 心拍数 はス ター ト時が 1
拍/分で, ゴール時は1
8
2.
3±7.
9拍/分
であった。 ゴール時の平均心拍数か ら求
で 8セ ッ ト終 了時 の心 拍 数が2
4
0
0
m 走 直後
めた運動強度 は9
2.
7±3.
0%であった。
の最高心拍数 に達 していた者 は11名中 2名の
以上 の こ とか ら,3
0
0
m の仝力走 を 8セ ッ
みであった ことか らもうなづける。
ト行わせた間欠的 トレーニ ングを走 タイムに
指導現場で実際的な トレーニ ングを行 う場
応 じて休息時 間を変化 させてその割合 を 1 :
令,選手に課せ られた負荷 を知 るため に手軽
2に した内容 は,各セ ッ トにおけるス ター ト
に測定で きる心拍数や走 タイムの変化 を用 い
時や ゴール時の心拍数か ら高強度 な負荷が加
ることは重要である。本研 究の結果か ら,低
わっていた ものの最大負荷 には達 していなか
下するパ フォーマ ンスに応 じて休息時間を調
った と考 えられる。
整す る方法は走 タイムの低下 を防 ぎ, トレー
Ⅵ.文
ニ ング効率 を保 ち続 けることがで きる と考 え
られ る。 しか し,加 えられた負荷 を知 る重要
阿部一任 ・渡辺雅弘 ・星
な指標である血 中乳酸値 を測定 していない こ
地
力 ・前 田
とは本研 究の限界 である。今後 は,仝力走 を
一 ・岡 本
献
猛 ・小林一散 ・宮
寛 ・芳賀修光 ・佐 々木純
進 ・内 藤 安 雄 ・須 田 和 裕
用 いた間欠的 トレーニ ングが呼吸循環機能や
(
1
9
8
5
)
バ ドミン トン競技 (
シングルス)
血 中乳酸値 に及ぼす影響,セ ッ ト数や運動時
9
の時 間分析法の開発 とその検討.昭和 5
間お よび休息時間,その割合 を変化 させた内
年度 日本体育協会スポーツ医 ・科学研究
容 について詳細 に検討 し,現場 に役立つ トレ
3
2
7
3
4
4.
報告 8:
ーニ ングを明 らかに してい きたい。
佐 々木道子 (
1
9
9
2)バ ドミン トン競技 に
24
運動時 間 と休息時 間の割合 を一定 に した
間欠的 トレーニ ング時の心拍数変動
お ける素振 り運動 の運動 強度一 上肢 のみ
中谷 敏 昭 ・伊 藤
稔 ・河 瀬 雅 夫 ・灘 本 雅 一
の素振 り運動 にお ける呼吸循 環機能お よ
(
1
9
9
8)女性競泳選手 における間欠 的水
び乳酸値 の変化- .いば らき ・体 育 スポ
泳 トレーニ ングの運動強度 .天理大学学
ー ツ科学 7 :1
3
-21
.
8
8:2ト3
2.
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ニ ングが呼吸循環機能 とパ フ ォーマ ンス
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