天理大学学報 2 1 5: 1 7 2 4,2 0 0 6 運動時間と休息時間の割合 を一定に した 間欠的 トレーニング時の心拍数変動 白 石 晃1),中 谷 敏 昭1) Efectofi nt ermi t t entt ra i ni ngofconst antworkrest durat i onsonheartrat e Aki r aShi r ai s hi l , Tos hi akiNakat ani l EeyW ords I nt er mi t t e nte xer c i s e, r unnl ngPe r f or manc e, wor kr es tdur at i on Abs t ract I nt e r mi t t e nte xe r c i s et r a i ni ngma yha ves o mebe ne ic f i ale fe c t so nanae r o bi c a ndae r o bi cpe r f o r ma nc e s .Thi ss t udye xami ne dt hee fe c to fe i h ts g e t so f3001m i nt e r mi t t e ntr unni ngt r a i ni ngpr o g r amsa tc o ns t a ntwo r kr e s tdur at i o nso nt he he a r tr a t e( HR)andr unni ngpe r f b m anc e .El e ve ns e ni o rhi g hs c ho o ls t ude nt s d:a ge1 6. l 上o . 7ye a r s , he i h t1 g 7 2. 1±3. 7c m, a ndbo dywe i h t61. g 2±4. 6 ( me an±s kg)unde r we nte i ghts e t so r300-m i nt e r mi t t e ntt r a i ni ngs e t si nvo l vi ngr e pe a t e d r unnl nga tma x i male f f o r ta te ac ht ia r l .Thewo r kr e s tr a t i owasc o ns t a nta t1: 2 e eandma x i mal f o ral ls e t s .Runni ngpe r f o r ma nc et i mef o r2400m was609± 42s andr e s t i nghe a r tr at e swe r e1 91 . 8j =6. 9a nd60. 5j =7. 1bpm, r e s pe c t i ve l y.Dur ing t hei nt e r mi t t e ntr unni ng,t hea ve r a ge dr unni ngt i mewas5 4. 0j =1. 3s e e ,andno s i g ni ic f a ntdi fe r e nc ewasde t e c t e di nt he3 00-m r unni ngt i meamo ngt het r a i ni ng s e t s .Theme a nhe a r tr a t ewas1 82. 3土 7. 9bpm f わ rt hee i ghts e t s , c o r r e s po ndi ngt o 9 2. 7± 3. 0% o ft hehe a r tr a t er e s e r v e.I ti sc o nc l ude dt ha tac o ns t a ntwo r kr e s t r a t i oo r1: 2f ♭ re i ght300-m i nt e r mi t t e ntmnnl ngt r a i nl ngS e t sr e qul r e Sne a r ma x i ma le xe r c i s ehe a r tr a t e. は体 内に貯蔵 された ATPや ク レアチ ン, グ Ⅰ.は じ め に リコーゲ ンか ら短時間に大 きなエネルギー を 多 くの運動やスポーツは無酸素系 と有酸素 得 られる反面,数秒 か ら数十秒程度 しか発揮 系 の二面性 のエネルギー供給 によって行われ す ることはで きない。一方,グ リコーゲ ンや 9 9 4) 。無酸 素系 エ ネルギ ー てい る ( 山本 ,1 脂質 を酸素 の利用下でエ ネルギー供給す る育 1)天理大学体育学部 a c u l t yo fHe a l t h,Bu d oa ndS p o r t sS t u d i e s ,Te n i r i.F Un i v e r s i t y 1 8 運動時 間 と休息時 間の割合 を一定 に した 間欠的 トレーニ ング時の心拍数変動 酸素系で は,数時 間 にお よぶ運動 で もエ ネル 9 9 6) 。一 せ た報告 は少 ない ( 中谷 と伊 藤 ,1 ギー を発揮 し続 ける こ とがで きる。多 くの運 般 的な試 合で は運動 時 間 と休息時 間の長 さや 動 は無酸素系 と有酸素系 エ ネルギーの混合運 その割合 は多様 に変化 す るこ とか ら, これ ら 動が ほ とん どであ る ( 金久 ,1 9 9 4) 0 を固定 した検討 は実験室 的研 究の域 を出ない。 短時間の運動 と休息 が交互 に繰 り返 され る 現場 で利用可能 な間欠的 トレーニ ング とす る 運 動 様 式 は 間 欠 的 運 動 ( i nt e r mi t t e nt ためには,セ ッ トの進行 に ともな う疲労蓄積 e x e r c i s e) といい,球技 や格 闘種 目な どが相 に応 じた休息時 間 を設 ける方が よ り適切 と考 当す る。例 えば, テニスやバ ドミン トン,バ え られ る。そ こで本研 究 で は,運動時 間 と休 レーボールな どの球技 で はサー ビス に続 きラ 息時 間の割合 を一定 (1 :2) に して,各 セ リー を応酬す る運動 と, ラ リーが終 了 してか ッ トの運動時 間 に対 して休息時 間 を設定す る ら次 のサ ー ビスが開始 され るまでの休息が繰 間欠的 トレーニ ングが走パ フォーマ ンスや心 り返 され る。 間欠的運動で は運動時 に高強度 拍 数 に及 ぼす影響 につ いて検討す るこ とを目 な無酸素系エ ネルギーの発揮が必 要 とされ る 的 と した。 が,試合全体で は有酸素系エ ネルギー も重 要 Ⅰ.方 であ る ( 阿部 ら,1 9 9 2) 。 間欠 的 な運動 を用 いた トレーニ ング ( 間欠 法 1.被検看 的 トレーニ ング) はイ ンターバ ル ・トレーニ 破検者 はサ ッカーや野球 な どの クラブ活動 ング形式 の ひとつであ り,運動 時間 と休息 時 を 日頃か ら行 ってい る高等学校男子生徒 11 名 間 を一定 に した り,それぞれの時 間や割合 を 5-1 7 歳であ った。本研 究 を始め で,年齢 は1 変化 させ る こ とで運動負荷が容易 に変 え られ る前 にすべ ての被検者 に研 究 の 目的お よび内 9 9 6) 。球 技 種 目で は,ゲ る ( 中谷 と伊 藤 ,1 容 を口頭 と書面 で説明 し,研 究協 力へ の同意 ームの時 間分析 か ら試合 で必 要 とされ る運動 を得 た。被検者 の身体 的特性 を表 1に示 した。 特性 を明 らか にで きれ ば一般 的あ るいは専 門 的 トレーニ ングの課題 は抽 出可能 となる。例 えば,バ ドミン トンにおいては シングルス試 0 6 7 1 BMI 4 0 7 1 5 1 20 L 2 6 61 4. 0 1 7 1 0 ワ 山0 0 4 8 「 ⊥0 0 6 0 61 65 58 58 57 55 65 別 69 糾 6 0 6 6 1 1.7. 2 7 3 7 6 6 1 4 0 7 1 0 2 7 1 2 3 7 1 0 6 7 1 0 9 7 1 0 2 7 1 1.7 16 0. 7 う疲労状態 を考慮 に入 れて休息時 間 を変化 さ 1 ,セ ッ トの 進 行 に と もな Gul l s t r a nd, 1 996) 5 1 させ た場合 が多 く ( Pr i c eと Ha l a bi , 20 05; 5 1 これ まで, 間欠的 トレーニ ングに関す る報 告で は,運動時間 と休息時 間 を固定 して実施 差 均 偏 平 準 標 を 1:1- 1:2の間 に設定 した間欠 的 トレ ーニ ングが必 要 となろ う。 より 亡U 7 1 1 1 したが って, これ らの球技種 目で はこの割合 6 1 イムがあ り休息時 間はバ ドミン トンよ り長 く, 運動時 間 と休息時 間の割合 は 1:2に近づ く。 6 1 一方 ,テニスやバ レーボールでは,2ゲーム 毎 の休息 や試合 中 に選手交代 あ るい は作戦 タ 7 1 ニ ングが実 施 され て い る ( 阿部 ら,1 9 9 2) 0 6 1 9 8 5) , この割 合 を用 い た トレー ( 阿部 ら,1 年齢 ( 読 ) 身長 ( c m) 体重 ( kg) 6 1 . 4,女子 が 1:1 . 5と報告 され の男子が 1:1 被検者 A ち C D E F G H I ∫K 合時の運動時 間 と休息時 間の割合 は一流選手 表 1 被横着の身体的特性 1 9 白石 ・中谷 2.測定内容 較検 定 ( Tuke y法)を用 い て分 析 した。統 ( り 安静時心拍数 t e psエ クセル統計 ( OMS) に 計処理 には 4s 付属するエクセルのア ドインソフ ト ( St a t c e 1 安静時心拍数は体育館 のフロアで被検者に 0分間継続 させた後 にパ ルスウ 仰臥位安静 を1 オッチ ( Vanda ge XL: Po l ar社製) を用い て測定 した。測走時は全員が 目を閉 じてで き るだけ安静 にす ることを意識 させた。 2) を用いた。有意水準 は P<0. 0 5とした。 Ⅱ.結 果 安静時心拍 数 と2 4 0 0 m 走 タイム,直後 に 求めた最高心拍数の結果 を表 2に示 した。安 ( 2 )最高心拍数 最高心拍数 は一周3 0 0 m の陸上 トラ ックを 2 4 0 0 m 走)走 らせ た 使 用 して全 力 で 8周 ( 静 時心拍 数 は5 1-71 拍/分 の範 囲で平均 は 6 0. 5±7. 1 拍/分 であ った。2 4 0 0 m 走の タイ ムは 8分5 8 秒 ∼11 分3 8 秒 の範囲で被検者の問 直後 に測定 した。被検者 には十分 なウオー ミ で 2分4 0 秒程度の差がみ られ,平均 は1 0分0 9 ングア ップを行 わせた後 に,パルスウオッチ 秒 ±4 2 秒であった。最高心拍数 は1 7 7-1 9 9 拍 ( Vanda ge XL: Po l a r社製)の信号が混信 しない ように各 人の位 置 を約 1 0 m あけて笛 /分の範囲で平均 は1 91 . 8±6. 9 拍/分であっ の合図で一斉 にスター トさせた。走行中は信 走 タイムの変化 を図 1に示 した。 1セ ッ ト目 号の混信 を防 ぐために追い抜 く際や併走する に比べ て 2セ ッ ト目以 降 にタイムが遅 くな た。3 0 0 m の仝力走 を 8セ ッ ト行 わせ た際の 際は両手間隔以上 に離れて走るように指示 し り,4-7セ ッ ト白はほぼ同 じタイムで推移 た。最高心拍数は腕時計型の受信機 に表示 さ し最終の 8セ ッ ト目では 1セ ッ ト目とほぼ同 4 0 0 m 直後の値 と し,そ の値 を記録 し れた2 じタイムまで早 くなった。各セ ッ ト間のタイ た。走 タイムはス トップウオッチ ( ス タンダ ムに有意な差 は認め られなかった。 8セ ッ ト ー ド:セイコー社製)で計測 した。 4. 0±1 . 3 秒 であ った。 の走 タイムの平均 は5 次 に,間欠的な走 トレーニ ング中における各 3.間欠的 トレーニング 0 0 m の仝力走 を 8セ ッ ト トレーニ ングは3 行 わせた。セ ッ ト間の休息は走 タイムの 2倍 ( 運動時間 と休息時間の割合 を 1:2) とし, セ ッ トのス ター ト時 とゴール時の心拍数変動 を図2に示 した。スター ト時の心拍数は 1セ ッ ト目が 1 0 2. 2±1 7. 4拍/分 であ ったが, 2セ ッ ト目以 降 は有意 な増 加 を示 し ( P< 各セ ッ トのタイムの記録 と次セ ッ トのスター 0. 0 5) ,8セ ッ ト目では1 3 7. 6±1 1 , 3 拍/分 ま ト指示 はパー トナーに行 わせた。セ ッ ト間の で上昇 した。 また,各セ ッ トのゴール時 にお 休息は立ち止 まらず歩 き続けるように指示 し ける心拍数 は 1セ ッ ト目が1 7 3. 0±8. 5 拍/分 0 0 m の陸上 トラ た。走 トレーニ ングは一周3 であ り,その後 もわずか に増 え続 け 5セ ッ ト ックを使用 した。 トレーニ ング中の心拍数は 目以降で有意な差が観察 され パルスウオッチ を用いて 5秒毎 に連続記録 し, セ ッ ト目では1 8 7. 8±6. 6 拍/分 となった。ス データ処理 ソフ トウェア ( Po l a r社製)で後 ター ト時お よびゴール時の心拍数に他のセ ッ ( P<0. 0 5) ,8 日算出 した。なお,各セ ッ トのス ター ト時 と ト間で有意 な差 は認め られなかった。本研究 ゴール時は腕時計型の受信機 にあるマーカー の間欠的 トレーニ ングにおける各セ ッ トゴー を押 させて区別がで きるようにした。 8 2. 3±7. 9 拍/分 とな り, ル時の平均心拍数は1 最高心拍数 と安静時心拍数か ら求めた運動強 4.統計的検定 本研究で得 られた測定値はすべて平均値 ± 標準偏差で示 した。各測定値の比較 は多重比 8. 3皮 ( カルボ ー ネ ン法 に よる算 出)は8 9 8. 4%で,平均 は9 2. 7±3. 0%で あ っ た ( 表 3) 08セ ッ トの走 トレーニ ングを 1-3セ 20 運動時間 と休息時間の割合 を一定 に した 間欠的 トレーニ ング時の心拍数変動 ツ ト目の前半 , 4- 5セ ッ ト目の中間, 6- -ル時 における心拍数の平均 は前半が 1 7 7. 5 8セ ッ ト目の後半の心拍数 としてス ター ト時 ±8. 1 拍/分,中 間 は1 8 3. 9±7. 9 拍/分,級 とゴール時 に分 けて図 3に示 した。ス ター ト 半は1 8 6. 0±6. 9 拍/分 と,ス ター ト時 と同様 時 にお け る心拍 数 の平 均 は前 半 が 1 1 9. 2± 拍/分,中 間 は1 3 2. 3±1 2. 1 拍/分,級 1 4. 7 3 6. 3±9. 4拍/分 と,前半 に比べて後半 半は1 P<0. 0 5 ) 。ゴ は有 意 な増加 が認 め られ た ( に前半 に比べ て後半で有意 な増加がみ られ 表 2 安静時および2 4 0 0 m走のタイムと最高 ( P<0. 0 5) ,セ ッ トの進行 に と もな って個 人差 ( 標準偏差)は小 さくなった。 表 心拍数 動強度 1 1 分1 5 秒 52 1 0 分0 1 秒 68 11 分3 8秒 51 8分 5 8 秒 59 1 0分 1 2 秒 9分48秒 55 9分5 7 秒 9分 5 7 秒 9分 5 5 秒 57 71 69 7 3 7 7 4 3 0 1 3 3 2 92 91 90 97 98 細 93 93 90 光 9 59 4 6 1 9 9 9 4 0 4 6 6 円 83 89 96 79 1 76 1 85 1 86 1 1 1 86 1 77 1 1 1 6 1 1 0分 2 0 秒 A B C D E F E IG H I ∫ K 9分3 8秒 57 ( 拍/分 ) 99 88 90 1 99 1 97 1 96 86 93 77 1 1 98 1 1 1 87 1 1 1 A B C D E F G 班 I ∫ 汰 67 最高心拍数 数 安静 心拍 数 2 4 0m タイム ( 拍/分) 潮 ・ し か / 称 舶 辛 被検者 3 各セット終了時の平均心拍数からみた連 7 0 92 3. 差 均 偏 平 準 標 1 0分0 9 秒 42 秒 6 5 4 5 走 タイ ム ( 秒) 1 2 3 4 5 6 セット 図 1 間欠的 トレーニングにおける各セットの走タイムの変化 7 8 谷 中 石 白 21 * * * * 0 6 1 心拍数 0 4 1 ( 拍 /分 ) 1 2 3 4 5 6 8 7 セット 図 2 間欠的 トレーニングにおける各セッ ト前後の心拍数変動 0 2 2 0 0 2 0 8 1 声 0 6 1 中間 ■ 後半 0 4 1 * P<0. 05, vs . 前半 0 2 1 心拍数 ( 拍 /分) □ 前半 0 0 ー スター ト時 ゴール時 図 3 間欠的 トレーニングにおける前半 ・中間 ・後半の心拍数の変化 22 運動時間 と休息時間の割合 を一定 に した 間欠的 トレーニ ング時の心拍数変動 Ⅳ.考 察 運動 と休息 ( 軽度 な運動 も含 む)が繰 り返 度運動 の場合は高い負荷 を与 え続 けることが 大切 なため, トレーニ ング全体 にわた り休息 時間を変化 させ る方が適切 な方法であろ う。 される様式 を もつスポーツ種 目は多い。間欠 本研究では, この ような理由か ら運動時間に 的運動では,運動 で消費 した無酸素系エネル 応 じて休息時間を変化 させ た ( 運動時間 :休 ギーの補充 を有酸素系エ ネルギーが担 うこと 息時間- 1 :2) 間欠的な走 トレーニ ングを で高いエ ネルギー発揮 を続 けることが可能 に 実施 させ た。 CP系 のエ ネル なる。休息 時 間内で は ATP- 多 くのスポーツ種 目においては,数秒 間の ギー基質 を再合成 し,運動で解離 した酸素が 運動 だけが繰 り返 されるこ とはな く3 0 秒 を越 筋 ミオグロビンや血中ヘモ グロビンに補給 さ える運動 も試合 中にみ られる。本研究 におけ 9 9 4) 。山本 と金 久 ( 1 9 9 0)は れる ( 山本 ,1 0 0 m の走 タイムは5 2-5 5 秒前後 であ った る3 5秒 間 の 全 力 ペ グ リ ン グ を1 0秒 間 の 休 息 ことか ら トレーニ ングは乳酸系のエ ネルギー (1:2) ,2 0秒 間の休息 (1:4) ,4 0秒 間 発揮 に依存 した運動 内容であった と推察 され の休息 (1:8) と運動時問に対 して休息時 る。本研究では, トレーニ ング中に全力で走 0セ ッ ト行 わせ た際 間 を変化 させてそれぞれ2 るように動機づ けを行 って励 ま し続 けたこと の仕事量 ( 最大無酸素パ ワー)への影響 を報 か らセ ッ トの進行 にともなうタイムの低下 は 告 している。それによると,休息時間が長い 0 0 m の走 タイムの 2倍 を休 数秒 であ った。3 ほ ど最大無酸素パ ワーが高い値 を示 し,休息 息時間にあてた間欠的 トレーニ ングでは, 8 時間の長 さによって無酸素系エ ネルギーの回 セ ッ トにわた り全力のパ フォーマ ンス を維持 5 m 復 は異 なることを明 らか に した。 また,2 し続 けることは可能 な内容 と考 えられる。 ま の仝力泳 を運動 時 間 と休 息 時 間 を同 じ割合 1 9 9 6) た, 本研究では, 先行研究 ( 中谷 と伊藤 , 0セ ッ ト繰 り返 した報告では, (1 :1)で4 と同様 に最終セ ッ トの タイムが早 くなった。 心拍 数 は高 い強度 を示 したが血 中乳酸値 は その理 由は不 明であるが,最終 とい う心理的 3mmo l / J程 度 で あ っ た ( Gul l s t r a ndと な影響が加 わった可能性 は考 え られ る。 La wr e nc e,1 9 8 7 ) 。 これ らの研究の ように運 本研究では各セ ッ トにおけるゴール時の心 動時間や休息時間,その割合が異 なれば仕事 拍数は トレーニ ングの進行 にともない徐 々に 量や循環器系 ( 心拍数) に及ぼす影響 も違 う 上昇 し, 1セ ッ ト目に比べ て 5セ ッ ト目以降 ことになる。 4 0 0 m 走 に よって で有 意 な増 加 を示 した。2 間欠的 トレーニ ングを用いてパ フォーマ ン 1 91 . 8 拍/分) 求め た最 高心拍数 の平均 値 ( スや循 環器系へ の影響 を検討 した報告 では, 0. 2% ( 1 7 3. 0拍/ に対 して, 1セ ッ ト目は9 連動時間 と休息時間の割合 を一定 に している 分), 5セ ッ ト目で は9 6, 4% ( 1 8 4. 9拍/分), が, トレーニ ングの進行 にともない休息時間 最終の 8セ ッ ト目では9 7. 9%( 1 8 7. 8 拍/分) Gul l s t r a nd を変化 させ ていない ものが多い ( 0 0 m の距離であ って も全力走 を間 に達 し,3 と La wr e nc e ,1 9 8 7;山 本 と 金 久 ,1 9 9 0; 欠的 に 8セ ッ ト繰 り返す と最高心拍数 に近い 0 01;Li bi c z Gul l s t r a nd,1 9 9 6;Bi l l a tら,2 ら,2 0 05 )。 これ らの形式 で は連動 時 間 と休 負荷 が加 わ る こ とが示 され た。先行 研 究 で 息時間を固定 して繰 り返す ことにな り, トレ と同様 にタイムに応 じて休息時間を変化 させ ーニ ングの進行 に ともな う疲労蓄積 によって た場合 ( 運動 と休息 の割合 は 1:1),セ ッ パ フォーマ ンスが低下 して トレーニ ング効率 トの進行 によってみ られたゴール時の心拍数 9 9 6) 。特 に,乳酸系 エ が落 ち る ( 中谷 ら,1 は後半 3セ ッ トでは最高心拍数 に達 していた ネルギーを動員 させ るような3 0秒以上の高強 9 9 8) 。本研 究 におい て は, トレ ( 中谷 ら,1 0 0 m 仝力泳 を本研 究 は, 6セ ッ トにわたる2 23 白石 ・中谷 一二 ング後半 もゴール時の心拍数がわずかに V.ま と め 上昇す る傾 向を示 したことは先行研究 ( 中谷 9 9 8 ) と異 なる結果であった。 このこと ら,1 本研究 は, トレーニ ングの進行 に ともな う は,先行研 究が2 0 0 m とい う距離 をお よそ 2 パ フォーマ ンスの低下 を考 日 削 こいれて運動時 分3 0 秒 で泳いだのに対 し,本研究では5 0数秒 間に対す る休息時間の割合 を一定 に して,逮 の運動であって休息 も 2倍の時 間 をあてたこ 動時間に応 じて休息時間を変化 させ た間欠的 とか ら無酸素系エネルギーの回復 に違いがみ トレーニ ングによる走パ フォーマ ンス と心拍 られ た こ とが原 因 と考 え られ る ( 中谷 と伊 数変動 について検討 した。対象者 は高等学校 9 9 6) 。図 3に示 した ように,ス ター ト 藤 ,1 に在籍 し,体育系 クラブに所属す る男子生徒 時 とゴー ル時 の心 拍 数 は前 半 (1- 3セ ッ 11名であった。結果は以下の とお りである。 ト) に比べ て 6セ ッ ト目以降の後半で有意 な 増加が認め られたが,中間 (4- 5セ ッ ト) と後半 (6- 8セ ッ ト)では差がなか った。 しか し,本研究の間欠的 トレーニ ングにおけ るス ター ト時 とゴール時の心拍数の変化 をみ る と,後半のセ ッ トで最高値 に達 していない こ と,カ ル ボ ー ネ ン 法 ( Ka Ⅳo ne nと vuo r i ma a,1 9 8 8)に よって求め た運動 強度 8. 3-9 8. 4%と個 人差が認め られ,平均 で が8 は9 2. 7%であった ことか ら考 える と,仝力走 ではあったが最大負荷 ( 最高心拍数) に達 し ていなかった もの と推察 され る。被検者の中 1.2 4 0 0 m 走 の タ イ ム は1 0分0 9 秒 ±4 2 秒 で, 運動 直後 に求めた最高心拍数 は1 91 . 8± 拍/分であった。安静時心拍数は6 0. 5 6. 9 ±7. 1 拍/分 であった。 2.3 0 0 m の仝力走 を 8セ ッ ト行 わせ た間欠 的 トレーニ ング中の平均 タイムは5 4, 0± 秒 とな り,セ ッ ト間に走 タイムの差 1 . 3 は認め られなかった。 3.間欠的 トレーニ ングにおける 8セ ッ トの 2 8. 7±1 1 . 6 平均 心拍数 はス ター ト時が 1 拍/分で, ゴール時は1 8 2. 3±7. 9拍/分 であった。 ゴール時の平均心拍数か ら求 で 8セ ッ ト終 了時 の心 拍 数が2 4 0 0 m 走 直後 めた運動強度 は9 2. 7±3. 0%であった。 の最高心拍数 に達 していた者 は11名中 2名の 以上 の こ とか ら,3 0 0 m の仝力走 を 8セ ッ みであった ことか らもうなづける。 ト行わせた間欠的 トレーニ ングを走 タイムに 指導現場で実際的な トレーニ ングを行 う場 応 じて休息時 間を変化 させてその割合 を 1 : 令,選手に課せ られた負荷 を知 るため に手軽 2に した内容 は,各セ ッ トにおけるス ター ト に測定で きる心拍数や走 タイムの変化 を用 い 時や ゴール時の心拍数か ら高強度 な負荷が加 ることは重要である。本研 究の結果か ら,低 わっていた ものの最大負荷 には達 していなか 下するパ フォーマ ンスに応 じて休息時間を調 った と考 えられる。 整す る方法は走 タイムの低下 を防 ぎ, トレー Ⅵ.文 ニ ング効率 を保 ち続 けることがで きる と考 え られ る。 しか し,加 えられた負荷 を知 る重要 阿部一任 ・渡辺雅弘 ・星 な指標である血 中乳酸値 を測定 していない こ 地 力 ・前 田 とは本研 究の限界 である。今後 は,仝力走 を 一 ・岡 本 献 猛 ・小林一散 ・宮 寛 ・芳賀修光 ・佐 々木純 進 ・内 藤 安 雄 ・須 田 和 裕 用 いた間欠的 トレーニ ングが呼吸循環機能や ( 1 9 8 5 ) バ ドミン トン競技 ( シングルス) 血 中乳酸値 に及ぼす影響,セ ッ ト数や運動時 9 の時 間分析法の開発 とその検討.昭和 5 間お よび休息時間,その割合 を変化 させた内 年度 日本体育協会スポーツ医 ・科学研究 容 について詳細 に検討 し,現場 に役立つ トレ 3 2 7 3 4 4. 報告 8: ーニ ングを明 らかに してい きたい。 佐 々木道子 ( 1 9 9 2)バ ドミン トン競技 に 24 運動時 間 と休息時 間の割合 を一定 に した 間欠的 トレーニ ング時の心拍数変動 お ける素振 り運動 の運動 強度一 上肢 のみ 中谷 敏 昭 ・伊 藤 稔 ・河 瀬 雅 夫 ・灘 本 雅 一 の素振 り運動 にお ける呼吸循 環機能お よ ( 1 9 9 8)女性競泳選手 における間欠 的水 び乳酸値 の変化- .いば らき ・体 育 スポ 泳 トレーニ ングの運動強度 .天理大学学 ー ツ科学 7 :1 3 -21 . 8 8:2ト3 2. 報1 c qe t ,V. , Bi l l at ,V. L. ,Sl awi nks i , I" Bo Chas s a l ng,P"I ) emar l e,A.and Ko T al s z t ei n,∫. P.( 2001 )Ve r ys ho r t( 1 5S 1 5S) i nt e Ⅳal t r ai ni ng a r o und t he c r i t i c al ve l o c i t y al l o ws mi ddl eaged r unne r st omai nt inVO2ma a xf o r1 4 mi nut e s Jnt .J.Spo r t sMed.22: 201 208. Pr ic e,M.andHal abi ,K ( 2005)Thee fe c t s o fwo r kr es tdur at i o no ni nt e r mi t t e nt e xe r c i s eands ubs e que ntpe r f o r manc e. I Spo r t sS° i . 23: 835 -842. 山本 正 嘉 ( 1 9 9 4)Anae r o bi c sと Ae r o bi c sの 二面性 を もつ運動 を とらえる一 間欠的運 J. Spo r t s 動 のエ ナ ジ ェテ イクス一 .J. Sc i .1 3: 607 -61 5. Gul l s t r and,L.and La wr e nc e,S.( 1 987) 山本正嘉 ・金久博昭 ( 1 9 9 0)間欠的 な全力運 Hear tr at eandbl o o dl ac t at er es po ns e 動 の持 久性 に関す る研 究 ;無酸素性 お よ t os ho r ti nt e r mi t t e ntwo r katr ac epac e ∫. び 有 酸 素 性 作 業 能 力 と の 関 係 .∫. i nhi ghl yt r ai neds wi mme r s .Aus t r al . J. Spo r t sSc i . 9: 5261530. Sc i . Me d. Spo r t1 9:1 011 4. Gul l s t r and,L. 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