筋原繊維の自励振動についての考察 東北大理 佐藤勝彦 【はじめに】 筋肉は細胞内のカルシウム濃度の変化に応じて収縮状態と弛緩状態を取るが,カルシウム濃 度もしくは(ADP,Pi)濃度ある特定の値に設定すると収縮と弛緩を繰り返す(自励振動を起こ す)ことが知られている. この自励振動の仕組みをミクロ的な描写(ミオシンーアクチンの相 互作用がイメージできるレベル)から考察し,自励振動の原因となっているものを探り当てる 試みをする. 【結果と考察】 筋肉が収縮したとき,アクチンーミオシンフィラメントの格子間隔が変化すると考えられそ の効果を取り入れて自励振動を説明するモデルを構築した.このモデルは筋原繊維の最小単 位であるサルコメアの動きに対応するものであり,このモデルを実際の筋原繊維に対応する ように連結することによって実験で見られる自励振動の伝播(位相の伝播)が観測された.この モデルが妥当なものであるかは実験事実との対応によって判定される予定. 【参考文献】 (1)S. Ishiwata and K. Yasuda, Phase transitions, 45, 105-136 (1993) Copyright(c) 2006-2010 ソフトマター物理 All Rights Reserved
© Copyright 2024 ExpyDoc