平成27年2月5日(木)熊本県警察本部公安委員会室 平成27年第4回公安委員会定例会議概要 第1 全体会議 各部からの報告 1 被疑者取調べ監督制度の運用状況について 【報告の要旨】 (1) 平成26年第4四半期(10月~12月)の状況 被疑者取調べ件数 6,503件、視認率97.4% 事前承認を受けた取調べ件数 363件(被疑者取調べの約5%) 取調べを巡る苦情申出 0件 警察署への巡察回数 56回 (2) 平成26年中の被疑者取調べ監督制度運用状況 ア 取調べ件数及び視認率 ・ 取調べ件数22,754件(前年比+196件) ・ 視認率97.3%(前年比+1.6ポイント) イ 事前承認を受けた取調べの件数 ・ 1,246件(被疑者取調べの約5%) ウ 取調べを巡る苦情申出の状況 ・ 1件(前年比-5件) エ 巡察実施状況 ・ 警察署に対して 305回 【委員からの質問及び警察からの説明等】 委員から、「飲食物等の便宜供与可否について基準等はあるのか。」旨の発言が なされ、警察から、「取調べの任意性確保のための制限であり、例えば食事は、 逮捕後は公費で、逮捕前の任意状態では、自費購入で食べてもらうというように、 制度に従い厳正に実施している。」旨の説明がなされた。 2 「『安全・安心くまもと』実現計画2014」の平成26年中の推進状況につ いて 【報告の要旨】 (1) 基本目標の推進状況と特徴点 ア 安全・安心を体感できる犯罪抑止 ○ 刑法犯認知件数は、平成16年以降、11年連続で減少している。 ○ 特殊詐欺の認知件数は87件、被害額約6億4千万円(前年比12件、 約2億9千万円増加)と増加している。 イ 交通死傷事故の抑止 ○ 第9次熊本県交通安全計画において「平成27年までに交通事故死者 数56人以下」の目標を定めているが、ここ数年の交通事故死者数の減 少幅は縮小傾向にある。 ウ 県民生活を脅かす犯罪の徹底検挙 ○ 刑法犯全体の検挙率は、前年より10.3ポイント上昇しているが、 強盗及び強姦罪の検挙率は低下している。 ○ 窃盗犯全体の検挙率は、前年より11.2ポイント上昇しており、特 - 1 - に、自動販売機ねらい、車上ねらい、乗り物盗などが上昇している。 (2) 重点ごとの推進状況 8つの重点ごとに、平成26年中の主な取組みと実績指標等の推進状況を 踏まえ、主な課題と対策を取りまとめた。 (3) 今後のスケジュール 取りまとめ結果については、2月中旬に県警のホームページ上に公表する こととしている。 3 平成26年度第3・四半期の留置施設に対する実地監査実施結果について 【報告の要旨】 警務部から、平成26年度第3・四半期において実施した県下23留置施設中 10留置施設に対しての実地監査結果報告が行われた。 4 平成26年中のわいせつ・声かけ事案の届出、通報状況について 【報告の要旨】 (1) わいせつ・声かけ事案届出、通報状況 平成26年中の月別届出・通報状況を見ると、7月が最も多く、次いで 10月、6月の順であり、手口別届出では、声かけ、迷惑防止条例違反、つ きまといが集中して発生している状況にある。 また、被害者の学識別及び状態別届出・通報状況を見ると、中学生以下が 449件(前年比+90件、構成比35.2%)、高校生265件(同-5 件、同20.8%)、大学生・専門学校生96件(同-17件、同7.5 %)、会社員・公務員1138件(同+19件、同10.8%)などとなっ ている。 被害者状態別状況では、帰宅中(下校中)626件(前年比+9件、構成 比49.0%)、登校中122件(同+21件、同9.6%)、買物中88 件(同+28件、同6.9%)、在宅中56件(同-3件、同4.4%)な どであった。 (2) 検挙、指導・警告状況 平成26年中の検挙、指導・警告の総件数は311件(前年比+111件) で、検挙状況を見ると、迷惑防止条例違反55件、強制わいせつ20件、軽 犯罪法違反8件、公然わいせつ7件、強姦2件などとなっている。 また、指導・警告状況は、声かけ73件、つきまとい(軽犯罪法除く)2 件、ストーカー法1件、写真撮影9件などであった。 5 平成26年中のサイバー犯罪の検挙状況等について 【報告の要旨】 (1) サイバー犯罪検挙状況 平成26年中の検挙件数は、135件(前年比+35件)で、内訳は、不 正アクセス禁止法違反1件、電磁的記録対象犯罪1件、ネットワーク利用犯 罪133件であった。 主な検挙事例は、以下のとおり。 ○ インターネットバンキング不正送金事犯に係る犯罪による収益の移転 防止に関する法律違反事件 ○ 不正に入手したクレジットカード情報を使用して電子マネーをチャー ジした電子計算機使用詐欺事件 ○ LINEを使用した詐欺事件 - 2 - (2) サイバー犯罪相談受理状況 平成26年中の相談受理件数 1,577件(前年比+244件)で、主な 相談事例として、 ○ アダルトサイトの動画を閲覧するため、無料と表示されたボタンを押し たところ、いきなり登録完了画面が表示して、料金を請求された ○ 身に覚えのないサイト利用料金を請求された ○ インターネット通販で商品を購入したが送られてこない などであった。 (3) インターネットバンキングに係る不正送金事犯の発生状況 平成26年中のインターネットバンキングに係る不正送金事犯の発生状況は 8件(前年比+1件)(4金融機関(同+1金融機関))、約484万円(同 -約352万円)であった。 (4) 平成27年中の主な取組み 平成27年中は、 ○ サイバー犯罪対処能力の強化 ○ インターネットバンキング不正送金事犯対策の推進 ○ 官民連携による広報啓発活動の推進 などに取り組むこととしている。 6 菊池郡大津町における死体遺棄事件の発生・検挙について 【報告の要旨】 平成27年1月31日(土)午前7時40分ころ、菊池郡大津町の店舗敷地内 で発生した死体遺棄事件につき、同日午後、被疑者A(飲食店経営、69歳、男 性)を死体遺棄で通常逮捕した。 Aは、上記日時・場所において、被害者甲さん(68歳、男性)の死体を土中に 埋めて遺棄したもの。 7 荒尾市における持凶器強盗事件の検挙について 【報告の要旨】 平成27年1月12日(月)午前3時ころ、荒尾市荒尾所在のファーストフー ド店で発生した持凶器強盗事件につき、同年2月4日(水)夕刻、被疑者B(無 職、37歳、男性)を強盗及び建造物侵入で通常逮捕した。 【委員からの質問及び警察からの説明等】 委員から、「強盗事件の検挙率が上がっていないという報告があったが、県内 では、印象に残るような重大な凶悪事件は検挙されていると思う。今回、荒尾の 強盗事件も早期に検挙していただいた。警察の御努力に感謝申し上げる。」旨の発 言がなされ、警察から、「まだ未検挙の強盗事件もあるので、さらに捜査を強化 してまいりたい。 」旨の説明がなされた。 8 平成26年中の運転適性相談等の状況と取組について 【報告の要旨】 (1) 平成26年中の運転適性相談等の状況 平成26年中の運転適性相談件数は1,908件で、前年比+1,490 件と、運転適性相談業務施行後の6月から増加した。 また、同年中の臨時適性検査は59件で、前年比+23件であり、同相談 業務の施行前が26件、施行後が33件と同様に増加傾向にあった。 なお、暫定停止及び医師の届出状況は - 3 - ○ 暫定停止 6件(交通事故4件、医師の届出2件) ○ 医師の届出 3件 であり、運転免許再取得時の試験の一部免除措置は、同年中8件であった。 (2) 取組状況 ア 運転適性相談業務への医療系専門職員の配置 ○ 業務の概要 ・ 県と協働して、1月19日(月)から看護師の資格を有する者2人 を非常勤職員として運転免許課へ配置 ・ 2月2日(月)午前10時から運転免許センターに於いて「運転適性 相談における認知症等早期対応推進事業」開始式を実施 ○ 業務内容 ・ 運転適性相談時における医療的側面からの聴取及び支援 ・ 知事部局認知症対策・地域ケア推進課と認知症対策で連携 イ 体制等の強化 運転適性相談係の新設及び係員の増員を要望中 ウ 医師会(病院)等との協力体制の確保 認知症専門医2人を追加委嘱 【委員からの質問及び警察からの説明等】 委員から、「運転適性相談により高齢者事故の未然防止につながるので、是非 頑張っていただきたい。業務負担は増加するが、報告にあったように、制度の趣 旨をしっかりと広報していただくとともに、医師会などと連携を強化し進めてい ただきたい。」旨の発言がなされ、警察から、「毎年、一定の病気に起因すると思 われる交通事故が発生している。高齢化社会が進んでおり、制度の趣旨をご理解 いただき、適性相談等をしていただいて、その上で運転していただきたい。また、 警察においても、年間約5万件の物件事故の取扱をする中で、対象者と思われる 方には、適性相談をするように勧めていく。制度の趣旨を御理解いただくよう、 広報啓発もしっかりと進めていく。」旨の説明がなされた。 9 初任科第303期長期課程生初任教養の総括ついて 【報告の要旨】 熊本県警察学校初任科第303期長期課程生48人は、平成26年4月1日 から平成27年1月28日までの間、警察官としての知力・体力の醸成のために 熊本県警察学校に入校し、必要な教養を修了した。 教養の内容は ○ 集団行動・集団生活への早期順応 ○ 体力・気力の醸成と絆の構築 ○ 法学・術科などの授業 ○ 職務倫理教養 ○ 長崎県島原市における普賢岳被災地などの校外研修 ○ 警察史や人権擁護活動の現状と課題等の社会教養 ○ ロールプレーイング方式での実戦的訓練 ○ 自主性を育む授業としてのプレゼンテーション大会 などを実施した。 また、平成26年9月8日から同月12日(2当務1日勤)には、熊本市内3 警察署において、制服による実務研修が実施され、窃盗(万引き)、暴行、傷害 - 4 - 道交法違反検挙などの事案を取り扱った。 なお、卒業式が平成27年1月28日に執り行われ、それぞれが14所属に 配属された。 【委員からの質問及び警察からの説明等】 委員から、「実戦的訓練では、ロールプレーイングを取り入れているというこ とであり、ビデオ等を活用し学生に検証させながら、是非、効果の上がるように 工夫していただきたい。」旨の発言がなされ、警察から、「訓練状況はビデオで撮 影するなどして、学生の技能向上に努めている。また、管区内でもロールプレー イング大会が開催されており、成績上位県は全国大会に出場する。今後も、 ビデ オ等を活用し、学生の訓練状況等を検証しながら、更に効果が上がるようにして いく。」旨の説明がなされた。 第2 その他の委員会活動 1 報告・決裁等 (1) 島根県警察からの援助の要求受理及び回答の決裁について 警備指導官から、島根県警察からの援助の要求受理及び回答の説明があり、 決裁が行われた。 (2) 熊本県警察の交番、駐在所及び警備派出所の名称、位置、所管区域又は警備 区域(公安委員会告示)の一部改正について 地域課長から、熊本県警察の交番、駐在所及び警備派出所の名称、位置、所 管区域又は警備区域(公安委員会告示)の一部改正についての説明があり、決 裁が行われた。 (3) 放置違反金納付命令に対する異議申立の取り下げについて及び異議申立てに 対する棄却の決定と決定書の送付について 交通指導課長から、放置違反金納付命令に対する異議申立の取り下げについ て及び異議申立てに対する棄却の決定と決定書の送付についての説明があり、 決裁が行われた。 (4) 苦情の回答に関する決裁について 公安委員会事務室から、苦情の回答(平成26年№11)についての説明が あり、決裁が行われた。 (5) 苦情の受理に関する決裁について 公安委員会事務室から、苦情の受理(平成26年№2)についての説明があ り、決裁が行われた。 (6) 平成27年第3回定例会会議録の決裁について 公安委員会事務室から、第3回定例会会議録について報告があり、決裁が行 われた。 2 事務連絡等 公安委員会事務室から、当面の行事予定についての事務連絡等が行われた。 - 5 -
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