インフルエンザワクチン(不活化)接種について -接種前にお

成人用
2015 年 9 月 30 日
インフルエンザワクチン(不活化)接種について
-接種前にお読みください-
日本クラブ診療所
インフルエンザワクチンは、季節性インフルエンザの予防を目的としており、WHO の流行予測に基づ
いた 3 種類のウイルス株に対し毎年新たに製造されています。成人に対するインフルエンザワクチンの
予防効果はワクチン株と流行株が一致すれば 70-90%と言われております。現在の予想としては今年も
新型の出現はなさそうですのでワクチンにより十分な効果が得られることと期待されます。規定の接種
方法に従って接種すれば、そのシーズン中は効果が持続します。
接種方法
0.5ml
一回接種(筋肉内注射)
 インフルエンザワクチンを受けたことが無い場合は4週後以降に 2 度目の接種をします。
接種が不適当な場合
1. 明らかな発熱:平熱にもよりますが一般的に 37.5℃以上では延期をお勧めします。
2. 重度の卵アレルギー(アナフィラキシー):本剤は鶏卵を使用して作られるため、卵アレルギー
のある方は注意が必要です。過去にアナフィラキシー(全身の蕁麻疹とともに呼吸器症状、消化
器症状、ショックなどの身体症状を呈する)の既往がある場合は接種が出来ませんが、それ以外
の方は多くの場合、慎重に接種後の経過観察をすれば打つことが可能です。
接種後の注意
 稀ながらワクチンに対するアレルギー反応があります。特にもし、アナフィラキシー症状(蕁麻
疹とともに、咳嗽、喘鳴、呼吸困難、嘔吐、腹痛、顔色不良などの全身症状を伴う)が出た場合
は、すぐにご相談ください。一般に接種から 30 分程度までの間に多くみられますので、接種後
一時間以上経てば、まず心配はありません。
 その他、発熱、倦怠感などの全身症状や注射部位の発赤、腫脹、硬結、熱感、疼痛などの局所反
応がみられることが少なからずありますが、通常数日以内におさまりますので心配はありません。
症状に応じて適宜、解熱鎮痛剤や局所の冷却などで経過を見てください。ただ程度がひどく、ご
心配な場合は遠慮無くご相談ください。
 接種当日は、激しい運動のみお控えください。入浴は支障ありません。
参考
一部でインフルエンザワクチンは打っても意味が無い(効かない)という評判があります。確かに幼児期を中心とした
小児患者では予防効果が 30-50%とも言われ効果が低いことが問題視されてきました。こうした中で近年生ワクチンが登
場し、とくに幼若小児に効果が高い(予防効果 80%以上)との報告がなされ関心が高まっています。しかし一方では、小
児でも 13 歳以降の検討では不活化ワクチンの方が予防効果が高かったという報告もありますので、すべての年齢で生ワ
クチンが優位ということが証明されているわけではありません。

英国では生ワクチンの接種対象年齢が 2 歳から 18 歳未満になっております。

生後 6 ヶ月-2 歳未満と 18 歳以上の方は生ワクチンの接種を受けることが出来ませんので不活化ワクチンを接種
していただくこととなります。

2 歳から 18 歳未満の方は不活化ワクチンと生ワクチンのいずれかを選択していただけます。