2015/10/31更新『 夢の島熱帯植物館 ニュース vol.33』

夢の島熱帯植物館 ニュース
vol.32
2015年 11月
【榎本館長からのメッセージ】
ここ数日、空気が気持よく過ごしやすい日が続いています。それでも明け方や晩になると少し肌寒く、本格的な秋の到来を感じさせ
ます。この時期は体調を崩し易くなっています。皆様、ご病気などを召しませぬよう体調管理には十分お気をつけください。
夢の島の秋の風物詩 「おばけカボチャ」ですが、今年は昨年以上に傷みが早かったものの、ハロウィンまで無事に芝生の広場を
明るく盛り上げてくれました。さて、11月は植物館恒例の 「こどもしぜん科学大賞」 「絵画コンクール」。公園ではユニークなマラソン
イベント 「エレクトロダッシュ」 が一年ぶりに凱旋。他にも 「熱帯マルシェ」 「開館記念」 等、イベントがイッパイ!!。
ぜひ秋は熱帯植物館でのんびりとお過ごしください。
館長
屋外で見られる植物の紹介(副館長:矢部)
▲ オリーブ(モクセイ科)
11 月 19 日で当熱帯植物館は開館 27 年目を迎えます。こつこつと歴史を積み上げてまいりま
した。では、公園の植物で歴史のあるものは何でしょう。その一つが『オリーブ』です。当公園で
は植物館の前庭や植物館とワイルドフラワー畑の間に植えられています。
原産地や起源はシリア・メソポタミアなど中近東一帯と言われておりますが、定かではありま
せん。紀元前 3000 年~2000 年には栽培されていたというので驚きです。現在は温暖で、雨の
少ない地中海が世界一の生産地です。日本では瀬戸内の気候が似ており、香川県小豆島や
岡山県牛窓町が一大産地となっています。
公園で見られるオリーブは高さ5m近くありますが、剪定に強 いのでコンパクトに育てることも
できます。日当たりが良いベランダでの鉢植え栽培も可能です。果実は一般的にオイルを絞っ
たり、ピクルスなどの食用にしたり、化粧品や石鹸など多岐に渡って利用されています。特にオ
リーブオイルは健康にも良いとされ、コレステロール値や血糖値の低下、抗酸化作用があること
が知られています。
たわわに実ったオリーブの実は 10 月末時点で緑や黄緑、赤とさまざまな色が混在していま
す。11 月中旬になると大体完熟し、黒紫色に変化します。この状態になった実を絞ってオリーブ
オイルを作ります。
温室で見られる熱帯植物の紹介(植物館植栽担当:横平)
大温室Aドームの池の隣は、マングローブを模した景観となっています。そ
のなかのヒルギ科のオヒルギは、マングローブの厳しい環境で生きてゆくため
に、いくつかの特徴を持っています。
太陽光が強く照りつけるため、常緑で葉は肉質、表面に光沢があります。
また地下の根から地上に突き出たループ状の根(呼吸根)をもっています。
オヒルギの根は屈曲していて、膝曲根といい、ところどころ膝を立てたように地
面から持ち上がっています。自身の体を支えるとともに、酸素が少ない土中か
ら空中に出た部分で、酸素を吸収する役割をしています。
さらに、種子が胎生することも特徴です。果実が枝についているうちに、種
子が中で発芽することを胎生種子といい、陸上植物には見られないものです。
20センチ以上の緑色の棒状になり、やがて果実ごと枝から落ち、地面に刺さ
り水に流されないようすぐに根を張るか、流されて分布域を広げます。
直径3センチほどの花はがく苞が鮮やかな赤色で、5~6月に咲きます。大
温室のオヒルギは室内にあるためか、現在開花中です。その下では、以前自
然に落ちて根をはった生長しているオヒルギがご覧いただけます。
▲ オヒルギの花
(ヒルギ科)
▲ 地面に刺さって
生長している
オヒルギの実
今 月 の 花と実
▲
▲エパクリス・ロンギフロラ
▲クレロデンドルム・ウガンデンセ
予告: 次回は 12/25 の発行予定です。
♪ この時期の人気者 ♪
この時期の公園は沢山のマテバシイ
のドングリと、それを拾う遠足の子供
達でいっぱいです。ウバメガシの実、
ウラジロガシの実。最近は珍しくなっ
てしまった服にくっつくオナモミの実。
色づくサクラの葉に、アカマンマの花
や、木の実を乗せておままごと。
豊かな秋の実りと、それで遊ぶ
楽しみは、この時期だけの
贅沢なひとときです。
秋の色彩に注目!!