庄内 平成27年10月1日 麦 情報 第4号 庄内総合支庁 産業経済部 農業技術普及課 TEL (0235) 64-2103 FAX (0235) 64-2104 1.播種作業前にほ場の準備を進めましょう! ①まもなく麦の播種時期を迎えます。雑草が繁茂しているほ場では事前耕起を行いま しょう。 ②湿害は、麦にとって最も大きい障害のため、排水対策は必須です。排水が不備なほ 場は、播種前に明きょを堀り、さらにサブソイラで心土破砕を行うことで排水対策 を万全にしましょう。 ③麦は酸性土壌に弱く、土壌pHの適正値は、小麦:pH6.0~6.8、大麦:pH6.5 ~7.5 が目安です。事前に土壌pHの測定を行い、下表を参考に苦土石灰や炭カル 等を施用しましょう。 <圃場の排水対策のイメージ> 幅 2~3m m 排水溝 心土破砕 低くて湿害を受けたところは 生育が悪い 明 き ょ 排水溝 表 土壌 pH と土壌改良資材投入の目安 土壌pH 苦土石灰施用量(kg/10a) 4.5 80~100 5.0 60~80 5.5 40~60 2.品種の特徴を理解しましょう! 品種名 出穂期・成熟期の目安 ナンブコムギ 出穂期 5 月13 日 (小麦) 成熟期 6 月24 日 シュンライ (大麦) 草姿 長稈 穂数はやや少ない 長所 欠点 品質加工適正に優れ 多肥で倒伏しやすい る 開溝未熟粒が発生しやす 品質が低下しにくい い 短稈で倒伏しにくい 短稈 耐雪性が弱い(根雪期間が 出穂期 5 月2~5 日 千粒重が重く、収量性 穂数はべんけいむぎ 50 日程度までの地域に向 成熟期 6 月9~12 日 はべんけいむぎ並で より少ない く) ある 3.種子消毒を実施しましょう! 麦の主要病害である裸黒穂病や雲形病等を防除するために種子消毒を行いましょう。 裸黒穂病や雲形病の防除には、薬剤と冷水浸漬法や風呂浸漬法との併用が有効です。 対象病害 防除法 麦類 裸黒穂病 なまぐさ黒穂病 大麦 斑葉病 (雲形病) 麦類 裸黒穂病 なまぐさ黒穂病 小麦 ふ枯病 大麦 雲形病 留意事項 ◎薬剤による種子消毒 他の消毒と併用する場合は ベンレート T 水和剤 20 を乾燥種子重量の 0.5%粉衣するか、 冷水浸漬法等を行ってから 又は20 倍液に10 分間浸漬後、 水洗せずに風乾してから播種。 薬剤による消毒を行う。 水温と冷水浸漬時間の関係 ◎冷水浸漬法 水温5℃ 10 時間 袋またはざるに入れた種子を冷水に3~10 時間浸漬する。 水温10℃ 5 時間 冷水浸漬後は、50℃の温湯に数分間浸漬し種子を温めた後 水温15℃ 3 時間 に、小麦 54℃、大麦 53℃の湯に 5 分間浸漬する。浸漬後は ※温度と浸漬時間を厳守す 直ちに水で冷却し、十分に風乾してから播種する。 る。 ◎風呂浸漬法 風呂の湯を 42~45℃(小麦 45℃、大麦 42℃)とし、袋ま 温湯がざるや袋の中まで通 たはざるに入れた種子を約 10 時間、風呂の湯の中に浸漬す るよう十分に注意する。 る。この際、風呂のふたは 4~6cm あけておく。浸漬後は水 で冷却し、十分に風乾してから播種。 4.適正な施肥管理を行いましょう! 10a 当たりの基準基肥量は、窒素、リン酸、カリ、各 10kg です。麦の生育は肥料 の影響を受けやすいため、適正な施肥管理が重要になります。堆肥等の有機物施用 も収量向上には効果的です(1t/10a 程度)。 品 種 名 基 肥 量(成分kg/10a) N ― P - K 融 雪 期 追 肥 ナンブコムギ(小麦) 10 - 10 - 10 N成分 4 kg/10a シュンライ(大麦) 10 - 10 - 10 N成分 4 kg/10a (※播種晩限である 10 月 20 日頃に播種する場合には、基肥を 2 割程度増量する。) 5.適期播種ができるよう計画的に準備を進めましょう! 播種適期は、10 月 1 日~10 日、播種晩限は、10 月 20 日です。昨年は、播種時期の遅れ により積雪前の生育量が小さくなり、結果として収量の低下を招いたほ場も見られ ました。適期播種を行うことで生育量の確保に努めましょう。 播種方法 ドリル播き 播 種 量 10~12kg/10a 畦 幅 15~30cm 播 種 深 播 種 時 期 2~3cm 播種適期:10 月1 日~10 日 (平均気温14~15℃の頃まで) 播種晩限:10 月 20 日 (※播種晩限である 10 月 20 日頃に播種する場合には、播種量を 20kg/10a とする。 9月1日~10月31日 秋季農作業事故防止運動強化期間
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