No.208 2015年3月 丸子中央病院 薬局 喘息患者さんは増えており、日本全体では400万人を超えていると言われています。 喘息患者さんの気道は、症状がないときも常に炎症が起こっていて、 粘膜がむくんで健 康な気道に比べて狭くなっています。 炎症が起こっている気道はとても敏感になっていて、健康な気道ならなんともないものが 刺激になり、痰などの分泌物が増えて、さらに気道を狭くして、発作を引き起こします。 喘息発作は、夜間や早朝に起こりやすいのが特徴です。 また、他のアレルギーが関連した病気や、気管支とつながっている鼻や副鼻腔の病気 が多いことが分かっています。 発作の原因 ○アレルゲン(ダニ・ハウスダスト・動物の毛・花粉など) ○タバコ ○薬(風邪薬など) ○ストレス ○天気や気圧の変化 など いくつかの誘因が絡み合って発作がおこります。これらの誘因をできるだけ遠ざけるこ とが発作の予防になります。 症状 ○息苦しい、咳込む ○呼吸時にゼーゼ-、ヒューヒューという音がする ○走ったり運動した後に、息苦しい 炎症を放っておくと、どうなるの? 気道の粘膜に変化が起こり、気道が狭くなったまま元に戻らなくなってしまいます。 その為、早期に治療を始めることが重要です。 また、少し症状が良くなって、自分の判断で治療を中止した為に、炎症のコントロールが 不十分になってしまい、以前よりも重症になることもあります。 治療薬 大きく2種類に分けられます。 形状は、内服薬、吸入薬、貼付薬、注射薬があり、 目的や患者さんの使いやすさや年齢などに応じて使い分けがされます。 中でも、標的となる気道に直接届いて少量で効果が得られる吸入薬が主に用いられて います。 ◇コントローラー:発作が起こらないように、毎日続けて使う。 気道の炎症と狭窄は慢性的に続いているので、発作がないときでも継続的な使用が 必要です。 主な薬 作用・特徴 アズマネックス アドエア シムビコート テオロング シングレア ホクナリンテープ 1日2回使用のステロイドの吸入薬 1日2回使用の配合剤の吸入薬 1 日2回使用の配合剤の吸入薬。発作時にも使用 抗炎症作用と気管支拡張作用を併せ持つ内服薬 抗アレルギー作用の内服薬 気管支拡張作用の貼付薬 ◇発作治療薬:起こってしまった発作を鎮める 主な薬 作用・特徴 メプチン(吸入薬) プレドニン ネオフィリン注射薬 短時間作用の、気管支拡張吸入薬 炎症を強く抑える内服薬 気管支拡張作用の注射薬 吸入薬の使い方は薬によって異なるので、薬剤師にお尋ね下さい。 文責 薬局 甲田・仁平
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