当院での喘息長期管理について

当院での喘息長期管理について
土屋小児病院
土屋喬義、阿部利夫、山田裕美、
尾上彰則、小沼俊一、清水亜妃、
河口修子、土屋恭子
はじめに
• 必要最小限の薬剤の使用でより高い効果を
あげ、気道炎症とリモデリングが改善し、一日
も早く臨床的治癒(無治療、無症状の5年継
続)が達成できる事が求められます。
• 小児気管支喘息治療管理ガイドライン2005
では、長期管理に関する薬物療法で、長期管
理薬には抗炎症作用を有することが必要で
ある事が提唱されている。
目的
• 当病院での喘息長期管理薬の使用状況を紹
介し、喘息治療における長期管理薬の使用
方法について考察する。
方法
当院に受診中で喘息長期管理のために受診し
ている患児の長期管理薬の実態を知るため
に調査を行った。
• 記録は2000年以降に喘息長期管理がなされ
ている全症例に対し、コンピュータに登録され
た診断、投薬記録について検討した。
喘息長期管理児の割合
喘息児
喘息長期管理児
%
2004年
2173名
572名
26.3%
2005年
2181名
644名
30.4%
2006年
1996名
633名
31.5%
喘息長期管理児の推移
長期管理 長期管理 新規
積算
治療中
2004年 669人
572人
-
治療終了*
2005年 776人
644人
107人
132人
2006年 825人
633人
49人
192人
97人
*治療終了には追跡不能も含まれる
長期管理薬の関する薬物療法プラン
(幼児2-5歳)
主に使用している喘息長期管理薬
• ロイコトリエン拮抗薬(LTRA)
– モンテルカスト(シングレア、キプレス)
– プラルンカスト(オノン)
• DSCG(インタール)
• H1拮抗薬
• 吸入ステロイド(ICS)
– フルチカゾン(フルタイド)
– ベクロメサゾン(キュバール)
– ブデソニド(パルミコート)
2006年度長期管理象者633名
長期管理薬
DSCG
シングレア
オノン
オキサトミド
投与対象者
ICS併用例
188人
19%
112人 59.6%
73人
12%
24人 32.9%
383人
61%
221人 57.2%
35人
6%
33人 61.1%
2006年までの長期管理離脱者192名
長期管理薬
投与対象者
ICS併用例
DSCG
121人
63%
70人
57.8%
シングレア
14人
7%
9人
64.3%
オノン
65人
34%
39人
60.0%
オキサトミド
10人
5%
7人
70.0%
長期管理薬の併用率(ICSを除く)
薬剤名
併用率
DSCG
19.6%
シングレア
0%
オノン
9.1%
オキサトミド
44.4%
長期管理対象者の併用薬状況
2006年度663名
DSCG
DSCG
シングレア オノン
オキサトミド
ICS
188
0
23
12
112*
73
0
0
24*
シングレア 0
オノン
23
0
383
12
221*
オキサトミド
12
0
12
54
33*
ICS
112*
24*
221*
33*
349
*項アレルギー薬2薬剤以上使用の場合、重複あり
長期管理薬の変更
2006年までに管理した全症例825
• オノン
• オキサトミド
• オキサトミド
• オキサトミド
• DSCG
• オノン
→
→
→
→
→
→
シングレア
オノン
シングレア
DSCG
オノン
DSCG
9名
15名
0名
9名
2名
10名
長期管理薬の投与期間
• ICSは3ヶ月の無発作でステップダウン
• 抗アレルギー薬は3年の無発作持続で治療
終了
• 無治療、無症状の5年継続で臨床的治癒
まとめ
• 当院での長期管理薬の使用状況を報告した。
• 喘息児の中で喘息長期管理要した患児は31.5%で
•
•
•
あった。
使用した長期管理薬はLTRAが73%と多く次いで
DSCGが19%であった。
一方、長期管理離脱者ではDSCGが63%で最も多く
LTRAは41%であった。
軽症持続型以上の患児には抗アレルギー薬を投与
を開始し、その後重症度の再評価を行いICSの開始
を検討している。