授業科目名: 保育内容指導法(造形表現) 科目番号: FOI208 単位数: 2単位 担当形態: 単独 担当教員名: 守川 美輪 開講時期: 2年前期 オフィスアワー: 1.授業の到達目標・テーマ まず、幼児の造形表現のねらいと内容を知る。また、造形表現活動に関わる子ども の発達を知る。さらに、造形表現活動の内容について体験的に学び、造形表現活動の 準備、評価、援助が出来るようになることを目標としている。 2.授業概要 学生自身がイメージを持ち感性を働かせながら表現することを通して、表現の喜び を得るとともに、造形的な表現活動の能力や創造性を高める。子どもの発達を知り、 造形表現活動のねらいと内容を理解し、ねらいの達成のための教材について体験的に 学ぶ。さらに、製作過程を振り返り、製作によって幼児が発揮し伸長させる能力や材 料用具等の準備、保育者の援助や配慮について検討することで、造形表現活動を幼児 に指導できる力を養う。 授業形態は演習とする 3.授業計画 第1回:表現とは何か、造形表現とは何か理解する。表現者の心が重要であるとつか む。色紙を使った製作をする。「星」、「 桜」、「梅」、「雪」の切り紙をする。 折り紙 2 枚を使ってクルクル回るおもちゃをつくる。折り紙やお花紙、クラフト紙 等を使ってお店ごっこの商品を発想して製作することで、発想力と多様な紙を扱う 技能を高める。 第2回:造形表現の価値を理解する。技能や想像力を養う他、感受性や想像力を育て るという大きな目標があることをつかむ。新聞紙を使った製作をする。「紙鉄砲」、 「変わり帽子」及び「炎の剣」、「新聞紙のおはなし」を折る。新聞紙を使ったお もちゃをつくることで、新聞紙の折り方遊び方を数種類習得する。 第3回:粘土遊び 粘土の種類と道具、その扱いを理解する。土粘土での遊びを数種類体験した後、土 粘土を土台にして、自然物を飾ったオーナメントをつくる。土粘土を扱う技能を高 める。 第4回:絵具遊びなど 絵の具の種類と道具、その扱いを理解する。「糸引き絵」、「合わせ絵」、「シャ ボン玉絵」、「型押し絵」、「ビー玉ころがし」、「にじみ絵」、「砂絵」、「染 め紙」遊びを体験する。材料用具の準備の仕方を学び、想像力、絵の具遊びの技能 を高める。 第5回:製作遊び 前回製作した「絵の具遊び作品」を使って、「ちょうちょう」、「さいふ」、「こ いのぼり」、「花火」などをつくる。また、できた模様から発想して、作品に貼り 絵や描画を加えた後、「お話」を作品の裏に書き加える。製作を通して発想力、表 現力を高める。また、学生同士で鑑賞し合うことで、よさを読み取りそれを言葉で 伝える能力を高める。 第6回: 製作表現の発達についてその発達段階を理解する。 小麦粉、塩、染料、水、サラダ油を使って小麦粉粘土を製作し、出来た粘土でグル ープ製作をする。また、フィンガーペイント製作及びスライム製作を体験する。小 麦粉粘土、フィンガーペイント、スライムの材料や製作方法、遊び方を習得す る。 第7回: 見立て遊びと製作 クリーム粘土による「ケーキやさん」の遊びを体験する。ケーキ作品と前回作った 小麦粉粘土作品を鑑賞する。教材の面白さや子どもはどんな体験を深めているか、 今後工夫できることなどを話し合い、造形表現活動の教材研究の視点を得る。 第8回:季節の製作 「ネイチャーゲーム」と自然物を使った製作を体験する。自然物の形態や色彩の美 しさ、木の幹の手触りや落葉を踏みしめる感触などを味わう。「木の葉のファッシ ョンショー」、「木の葉の冠」、「木の葉のお弁当」、「どんぐりペンダント」な どの製作をし、気付いたことを発表し合う。自然物を使って製作をすることで、自 然環境への関わりが深まることを体験する。 第9回:保育者の援助 保育者の援助を、材料、用具、教材、導入、言葉掛け、鑑賞の観点から事例を挙げ て考察する。 牛乳パックを使った製作をする。「けん玉」、「羽子板」、「ゴム動力の船」の作 り方を知り、選択して製作する。丈夫で美しい作品づくりを心掛ける。おもちゃ製 作の楽しさ、幼児が困難な部分はあらかじめ作業しておくことの大切さを理解する。 第10回:絵を描けないという子へ 絵を描けない理由を 7 つに分け、その理由別の指導法を考察する。 紙コップを使った製作をする。「風車」、「パクパク人形」、「はねるカエル」、「マラカス」の 作り方を知り、選択して製作する。 第11回:幼稚園教育要領 幼稚園教育要領の「表現」の部分の目的と内容を学ぶ。感性を育てるためにはどう すればよいか、自分なりに表現を楽しむためにはどうすればよいか、イメージを豊 かにするにはどうすればよいかを理解する。 空き箱を使って「動く車」を製作し、製作の手順と留意点を理解する。 第12回:保育指導案作成 保育指導案の様式を理解し、教材を選んで造形表現に関する保育指導案を作成する。 ビニール袋を使って「パラシュート」を製作し、製作の手順と留意点を理解する。 第13回:導入の工夫 作成した保育指導案の導入部分を発表し合う。 紙皿を使った製作をする。「カエルのカスタネット」、「空飛ぶ円盤」、「揺れる 飾り」、「こま」の作り方を知り、選択して製作する。 第14回:子どもの絵の心理 子どもの絵の形態や色彩から子どもの心がある程度想像できることを知り、気にな る表現があったら、子どもに優しくしたり、子どもの気持ちを受け止めたり、職員 や保護者に相談するなどの対応ができることを学ぶ。 「ポップアップカード」を製作し、仕掛けカード製作の技能を習得する。 第15回:子どもの絵の見方・育て方 幼児の描画表現の発達段階を知り、援助の方法を考察する。 「牛乳パック物入れ」を製作し、丁寧につくる意識を高める。 定期試験 4.テキスト 特になし 5.参考書・参考資料等 ・『幼稚園教育要領』 ・『保育所保育指針』 6.事前・事後学習 ・次回の課題に関わる図書等を読んで予習をしておく。 ・第1回授業後に、各回で習得した事項を記入する用紙を配布する。製作終了後に各自で記 入し、自分の学びを確認する。用紙は第15回授業で提出すること。 ・各回の製作が時間内に終了しない場合は、放課後等を利用して完成させ担当教員に提出す る。 7.学生に対する評価: 作品30% ノート記述30% 定期試験25% 保育指導案作成15% 8.その他 事前に学生準備物を示すので、忘れず準備すること。道具等の購入場所が分からない場合は 担当教員に相談すること。
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