平出 敦 近畿大学医学部救急医学 主任教授 高齢者の救急患者の実態

平出
敦
近畿大学医学部救急医学
主任教授
高齢者の救急患者の実態に関する調査研究
高齢者に配 慮でき る救 急システム を構築 して いくために 必要な 基礎 データを、
集積して提 示する のが この研究の 目的で ある 。救急シス テムの 効率 を反映する
病院外心停止患者の記録集計データをもとに、質が保証された全国データ、
大阪府のデータ、大阪市のデータを用いて検討を進めた。
病院外心停止患者数は、11 万人を越えて年々増加している。うち 65 歳未満は
およそ 3 万人であり、大きく変化していないが、65 歳以上の患者は、その 2 倍
以上にのぼ り、か つ急 増している 。年齢 別発 生率で検討 すると 、年 齢が進むに
従って著し く増加 する が、男女差 が大き く男 女別に検討 する必 要が ある。こう
した差異の 根底に は、 性ホルモン の影響 があ る。救命に 関して は、 胸骨圧迫の
みの蘇生処置の推進と、PAD(Public Access Defibrillation)が重要である。PAD
が介護施設で 11%実施されていることは注目される。