公共経済論 - 神戸大学大学院経済学研究科 神戸大学経済学部

開講科目名
公共経済論
担当教員
畳谷 整克
開講区分
単位数
後期
2単位
授業のテーマと到達目標
テーマ:公共部門の経済活動および集合的意思決定について
ミクロ経済学やゲーム理論を用いて,公共財が存在する経済における資源配分問題について主に議論します.
到達目標:公共経済学に関する専門的な知識を身につけ,社会において生じている事象を専門的に分析し,論理的
に思考できる能力の修得を目標とします.
授業の概要と計画
学部上級及び大学院初級レベルの公共経済学です.この授業は,公共経済学の体系的なお話をするというよりも,
いくつかのトピックスを紹介する形になります.
主なトピックスは以下の通りです:
(1)公共財が存在する経済:公共財,パレート効率性,市場の失敗
(2)公共財が存在する経済における厚生経済学の基本定理:リンダール均衡,フリー・ライダー問題
(3)資源配分メカニズムと誘因両立性:メカニズム,誘因両立性,遂行,顕示原理
(4)公共財が存在する経済でのいくつかのメカニズム:VCGメカニズム,Walkerメカニズム
(5)公共財の私的供給:自発的寄付メカニズム
(6)Arrowの不可能性定理と多数決投票による公共財供給:Arrowの不可能性定理,中位投票者の定理
(7)自然独占企業の規制(情報の非対称性の観点からの分析)
(8)マーケット・デザイン:マッチング理論の応用
成績評価と基準
5回程度の課題(30%)と期末試験(70%)で評価します.大学院生が学力試験指定科目として本講義をとる場合の
評価基準も上記に従います.
履修上の注意(準備学習・復習、関連科目情報等を含む)
履修前後の関連科目
・「(上級)ミクロ経済学 I」,「(上級)経済数学」(あるいは「経済数学」)を履修済みであることがかなり望
ましいです.
・学部の関連科目としては「財政学総論」や「公共経済論」,「上級財政学」があります.
・大学院の関連科目としては「ミクロ経済学 I・II」や「財政学」,夏季集中講義「マッチング理論」(担当:安田
洋祐先生(大阪大学))があります.
履修上の注意
1つ1つの概念の学習の積み重ねが重要ですので,必ず毎回復習が必要です.
オフィスアワー・連絡先
オフィスアワー:週に一度設けます.曜日と時間は講義初回にお知らせします.
連絡先:tatamitani#econ.kobe-u.ac.jp (#を@にかえてください)
学生へのメッセージ
・1つ1つの概念の学習の積み重ねが重要ですので,必ず毎回復習が必要です.
・5回程度の課題を出します.課題を解くためには,それ相応の時間が必要になります.
今年度の工夫
以前の授業アンケートで,試験問題の内容について(学部生からだと思われますが)コメントがありました.
試験では計算問題だけでなく証明問題も出る可能性があります.
教科書
指定教科書はありません.講義資料等は,授業中に配布するとともに,指定のウェブページからダウンロード(要
パスワード)できるようにします.
参考書・参考資料等
基本文献については,各トピックで紹介します.
授業における使用言語
日本語
キーワード
公共財,サミュエルソン条件,情報の非対称性,インセンティブ,メカニズム