January 2015 日本システム監査人協会 会報 2014.12 めだか 【 情報システム部門のためのシステム監査 】 2015年(平成27年)の干支は「乙未」(きのとひつじ)である。十二支(じゅうにし)は、子・丑・寅・卯・辰・巳・午・ 未・申・酉・戌・亥の12種類からなっていて「未」は8番目である。十干(じっかん)は、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・ 壬・癸である。干支(かんし、えと)は、十干と十二支を掛けた120通りではなく、十干と十二支を順列にならべてい き最小公倍数の60通りとなる。「乙未」は干支の組み合わせの32番目で、前は「甲午」、「乙未」、次は「丙申」であ る。60年に一度、同じ干支が回ってくる。還暦である。ちなみに前回の「乙未」は、1955年、日本の高度経済成長 の開始(1955年~1957年の神武景気から)の年であった。 システム監査でいうと、前回の「乙未」の1955年から30年経った1985年(昭和60年)に、経済産業省がシステム 監査基準を制定している。パソコンが現われ情報化社会が言われ始めた頃である。現在の基準は、2004年(平 成16年)に情報セキュリティ監査制度との整合性の観点を踏まえた、新「システム監査基準」と「システム管理基 準」である。その後、内部統制制度の開始、つまり金融証券取引法(日本版SOX法)の成立を契機に、2007年 (平成19年)に、財務報告に係るIT統制ガイダンスとして追補版が公表されている。また最近では、2014年(平成 26年)に、公益財団法人 金融情報システムセンター(FISC)が、「金融機関等のシステム監査指針(改訂第3 版)」を発刊している。今に目を向けると、情報システム部門のためのシステム監査は、情報システムを対象 とする内部監査であり内部統制でも重要であることをアピールしていきたい。 次回の「乙未」は、2075年である。今年誕生する人が60歳になっている社会である。日本の社会や人口構成は どうなっているのであろうか。国土は海に囲まれ、その国土に住む人たちは、今と同様、地震、津波、台風に脅か されているだろうが、情報技術(IT)の発達により、今よりは前もっての対応ができるようになっているだろう。また、 社会は人とアンドロイドが平和に共存し、家庭では鉄腕アトムやドラえもんが人や犬猫といっしょに住んでいる風 景が目に浮かぶ。そう考えると、情報技術(IT)発達の健全性(Integrity)が、次回の「乙未」に向けた重要成功要 因(Critical Success Factors)であると分かる。 ただし、情報技術(IT)の発達が人を傷つけたりしないようITガバナンス(Corporate Governance of Information Technology)が必要である。そして、ITガバナンスのCheck機能を担うシステム監査は、情報技術(IT)発達の健 全性に必須であることをあらためて社会に訴えていきたい。2014年12月14日に衆議院議員総選挙が行われ、与 党が定数の3分の2を超えた。この結果、2014年6月24日閣議決定の「世界最先端IT国家創造宣言」 は加速して実現の方向に進んでいくと思う。2015年(平成27年)は、システム監査人が、「世界 最先端IT国家創造宣言」の方向性を良く認識し、システム監査に当る年になる。 (空心菜) (このコラム文書は、投稿者の個人的な意見表明であり、SAAJの見解ではありません。 ) <目次> 日本システム監査人協会 会報 8
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