館長のご挨拶 吉野作造記念館(以下、当館)は平成7(1995)年の開館以来、 124, 638名 (平成26年11月現在)の方にご来館いただき、平成27(2015) 年1月に開館20周年を迎えることとなりました。ご支援ご愛顧頂き ました皆様に心から御礼申し上げます。 当館設立の原動力となったのが、昭和37(1962)年に結成された「吉 野先生を記念する会」です。結成の際の趣意書には「日本民主主義 吉野作造記念館 館 長 大川 真 の唱道者、吉野作造博士の偉大なる業績をたたえ、その遺志を承け て後世のため、ここに市民の総意を結集し、博士を記念する事業を おこそうとする次第であります。 (後略)」とあり、市民総意の顕彰 会として発足したことがうかがえます。この「記念する会」を中心 に吉野の遺品や著書、その他関係資料の収集が進められ、吉野生誕 117周年にあたる平成7(1995)年1月29日の開館式には、長男の吉 野俊造氏や三谷太一郎先生をはじめ多くの関係者に御臨席を賜りま した。開館から2年後の平成9(1997)年には天皇・皇后両陛下もご 来館いただきました。 当館は平成14 (2002)年からは NPO法人古川学人が民間委託(∼平 成17年) 、 続いて同法人は平成18(2006)年から指定管理者(第一期 平 成18 ∼ 22年。第二期 平成23年∼現在)となり、管理・運営を行っ ております。大幅な予算削減のなかにあって、NPO 法人古川学人は、 窓口対応の改善、開館時間の延長、読売・吉野作造賞受賞者講演会、 夏季人材育成研修会、子ども向けイベントの開催、所蔵資料目録の 刊行、研究紀要の年度発行の継続(計10号)を行ってきました。さ らに現代の様々な課題に対応すべく、南三陸町や石巻市などでの被 災地支援事業、日中文化交流を中心とした東アジア交流事業なども 実施してきました。 開館から20年の間には9.11テロ事件や東日本大震災など内外で 様々な大きな出来事がありました。私たちは安心やゆとりを実感し にくい日々を依然として過ごしております。吉野作造が提唱したデ モクラシーの原点に立ち返る場所・空間として当館はあり続けたい と思います。
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