化 学

化 学
− 22 −
化 学
必要があれば,原子量,定数は次の値を用いること。
原子量 H;1.0 C;12 N;14 O;16 Na;23 Al;27
S;32 Cl;35.5 Fe;56 Cu;64 Zn;65
標準状態で気体 1 mol が占める体積 22.4 L
第1問 次の各問いに答えよ。
問1 M 殻に電子が存在しないものを,次の①~⑥のうちから一つ選べ。
1
① Al ② Ar ③ Ca ④ Cl ⑤ S ⑥ Mg
3+
−
問2 標準状態における密度が最も大きい気体を,次の①~⑥のうちから一つ選べ。
2
① アンモニア ② エチレン ③ 硫化水素
④ 二酸化炭素 ⑤ メタン ⑥ 塩素
問3 0.10 mol/L の硫酸銅
(Ⅱ)水溶液 200 mL をつくるとき,硫酸銅
(Ⅱ)五水和物 CuSO4・5H2O
は何 g 必要か。最も適当な数値を,次の①~⑥のうちから一つ選べ。
3
g
① 1.6 ② 2.5 ③ 5.0 ④ 16 ⑤ 25 ⑥ 50
− 23 −
問4 3 種類の金属(亜鉛,アルミニウム,鉄)をそれぞれ希塩酸に加え,1 mol の水素を発生さ
せるとき,反応する金属の質量を小さい順に並べるとどうなるか。最も適当なものを,次の
①~⑥のうちから一つ選べ。ただし,希塩酸は十分にあるものとする。
4
① Zn < Al < Fe ② Zn < Fe < Al ③ Al < Zn < Fe
④ Al < Fe < Zn ⑤ Fe < Zn < Al ⑥ Fe < Al < Zn
問5 電極に白金を用いて硫酸ナトリウム水溶液の電気分解を行った。これに関する記述 a ~ c
について,正しい記述を選んだものを,下の①~⑥のうちから一つ選べ。
5
a 陰極からは無色無臭の気体が発生する。
b 陽極からは二酸化硫黄が発生する。
c 陽極と陰極から生成または発生する物質の物質量の比
(陽極:陰極)
は 1:2 である。
① a のみ ② b のみ ③ c のみ ④ a と b ⑤ a と c ⑥ b と c
− 24 −
問6 次の記述 a ~ c に当てはまる金属の組合せとして最も適当なものを,下の①~⑥のうちか
ら一つ選べ。
6
a 常温の水と激しく反応して,気体が発生する。
b 希塩酸には溶けないが,希硝酸には溶ける。
c 希塩酸には溶けるが,濃硝酸には溶けにくい。
a
b
c
①
Mg
Ag
Zn
②
Mg
Pt
Fe
③
Mg
Pt
Zn
④
Na
Ag
Fe
⑤
Na
Ag
Zn
⑥
Na
Pt
Fe
問7 2 種類の化合物について,互いに構造異性体の関係にあるものを,次の①~⑥のうちから
一つ選べ。
7
① メタノールとエタノール ② 1 −ブタノールとジエチルエーテル
③ アセトアルデヒドとアセトン ④ ホルムアルデヒドとギ酸
⑤ ギ酸エチルと酢酸 ⑥ マレイン酸とフマル酸
問8 操作とその操作で生成する物質の組合せとして誤りを含むものを,次の①~⑤のうちから
一つ選べ。
8
操作
生成物
①
エタノールに濃硫酸を加え,160 ~ 170℃に加熱する。
エチレン
②
メタノールに加熱した銅線を近づけることを繰り返す。
アセトアルデヒド
③
ベンゼンに濃硫酸を加えて加熱する。
④
マレイン酸を約 160℃に加熱する。
⑤
空気を遮断して酢酸カルシウムを加熱する。
− 25 −
ベンゼンスルホン酸
無水マレイン酸
アセトン
第2問 次の各問いに答えよ。
問1 断熱容器に 1.0 mol/L 塩酸を 100 mL 入れ,水溶液の温度を測ったところ 20 ℃であった。
これに固体の水酸化ナトリウム 0.40 g を加えて,温度の変化を調べグラフに表したところ,
次図が得られた。
X
温度
〔℃〕
20
0
0
時間〔秒〕
次の反応熱,比熱を参考にして,図中の X の値として最も適当な数値を,下の①~⑥の
うちから一つ選べ。ただし,この実験で,水酸化ナトリウムを加えた後の水溶液の質量は
100 g とする。
9
中和熱 56 kJ/mol
水酸化ナトリウムの溶解熱 44.5 kJ/mol
(g・K)
水溶液の比熱 4.2 J/
① 21.0 ② 21.4 ③ 21.8 ④ 22.0 ⑤ 22.4 ⑥ 23.0
問2 1.0 mol/L の硫酸 0.10 L に,ある量のアンモニアを吸収させた。次に,その水溶液 10.0 mL
を,0.50 mol/L の水酸化ナトリウム水溶液で滴定したところ,12.0 mL を要した。吸収さ
せたアンモニアは標準状態に換算すると何 L だったか。最も適当な数値を,次の①~⑤の
うちから一つ選べ。 10 L
① 0.56 ② 0.90 ③ 2.2 ④ 3.1 ⑤ 6.5
− 26 −
問3 次の文中の空欄アとイに当てはまる物質の組合せとして最も適当なものを,下の①~⑥の
うちから一つ選べ。 11
ア
の水溶液が入ったコニカルビーカーに,
イ
の水溶液を少量ずつ滴下したとこ
ろ,次図のような滴定曲線が得られた。
12
10
8
pH
6
4
2
0
0
5
10
滴下量〔mL〕
ア
イ
①
アンモニア
塩化水素
②
アンモニア
酢酸
③
酢酸
アンモニア
④
酢酸
水酸化ナトリウム
⑤
水酸化ナトリウム
塩化水素
⑥
水酸化ナトリウム
酢酸
− 27 −
問4 河川や湖沼,海水の有機物による汚染の環境基準に用いられているものに,COD
(化学的
酸素要求量)がある。COD とは,試料 1 L 中に存在する有機物を酸化剤によって酸化し,そ
のとき消費された酸化剤の量を,酸素を酸化剤として用いた場合の酸素の質量(mg)に換算
したものである。河川水の COD を求めるために,次の実験を行った。これに関する下の各
問いに答えよ。
実験 ビーカーに河川水 100 mL を入れ,少量の硫酸を加えた後,0.050 mol/L 過マンガン
酸カリウム水溶液で滴定したところ,2.0 mL 加えたところで溶液の色が変化した。
⑴ 過マンガン酸カリウムは,硫酸酸性の条件では,次のイオン反応式で表される反応が起こ
る。空欄アとイに当てはまる化学式の組合せとして最も適当なものを,下の①~⑥のうちか
ら一つ選べ。 12
MnO4 + -
ア
+ 5e → Mn + -
2+
イ
ア
イ
①
5H
4H2 + 2O2
②
5H
4OH + 2H2
③
5H
4H2O
④
8H
4H2 + 2O2
⑤
8H
4OH + 2H2
⑥
8H
4H2O
+
+
-
+
+
+
-
+
⑵ 酸化剤として過マンガン酸カリウム 1 mol が反応すると,それに相当する酸素 O2 の質量は
何 g か。最も適当な数値を,次の①~⑥のうちから一つ選べ。 13 g
① 16 ② 26 ③ 32 ④ 40 ⑤ 48 ⑥ 64
⑶ この河川水の COD の値はいくらか。最も適当な数値を,次の①~⑥のうちから一つ選べ。
14
mg/L
① 20 ② 40 ③ 80 ④ 160 ⑤ 320 ⑥ 400
− 28 −
第3問 次の各問いに答えよ。
問1 硫酸の反応と,その反応のために利用している硫酸の性質の組合せとして最も適当なもの
を,次の①~⑤のうちから一つ選べ。 15
反応
性質
①
塩化ナトリウムに濃硫酸を加えて加熱すると,気体が発生する。
不揮発性
②
銅に濃硫酸を加えて加熱すると,気体が発生する。
強酸性
③
スクロース(ショ糖)に濃硫酸を加えると,黒くなる。
吸湿性
④
塩素の乾燥には,濃硫酸を用いることができる。
脱水作用
⑤
亜硫酸ナトリウムに希硫酸を加えると,気体が発生する。
酸化作用
問2 化合物 A の水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えると,
白色沈殿が生じる。この沈殿は,
過剰の水酸化ナトリウム水溶液には溶解するが,アンモニア水には溶けない。化合物 A に
当てはまるものを,次の①~⑥のうちから一つ選べ。 16
① 塩化アルミニウム ② 塩化カルシウム ③ 塩化鉄
(Ⅱ)
④ 硝酸亜鉛 ⑤ 硝酸銀 ⑥ 硫酸銅
(Ⅱ)
問3 硫黄の単体および化合物に関する記述として誤りを含むものを,次の①~⑤のうちから一
つ選べ。 17
① 斜方硫黄,単斜硫黄,ゴム状硫黄は,いずれも硫黄の同素体である。
② 二酸化硫黄は無色無臭の気体で,水に溶けるとその水溶液は酸性を示す。
③ 二酸化硫黄は,還元剤としても酸化剤としてもはたらく。
④ 硫化水素は,無色で腐卵臭をもつ有毒な気体である。
⑤ 硫酸は,工業的には接触法により製造されている。
− 29 −
問4 アルミニウムは,地殻中に酸素, ア
に次いで多く存在しているが,化合物から単体を
生成するには,多くのエネルギーを必要とする。アルミニウムの製法は,ボーキサイト
(主
成分 Al2O3・nH2O)から酸化アルミニウムを取り出し,加熱・融解させて電気分解すること
によって得られる。また,アルミニウムは,元素の分類としては イ
元素に属する。こ
れに関する次の各問いに答えよ。
⑴ 文中の空欄アとイに当てはまる語の組合せとして最も適当なものを,次の①~⑥のうちか
ら一つ選べ。 18
ア
イ
①
炭素
遷移
②
炭素
典型
③
ケイ素
遷移
④
ケイ素
典型
⑤
スズ
遷移
⑥
スズ
典型
⑵ アルミニウムの単体およびその化合物に関する記述として誤りを含むものを,次の①~⑤の
うちから一つ選べ。 19
① 単体を濃硝酸に浸けると不動態となり,反応が進まない。
② 単体は,銀白色の金属で,展性,延性に富み,電気伝導性がよい。
③ 水酸化アルミニウムは両性水酸化物で,酸とも強塩基とも反応して水素が発生する。
④ ミョウバンは,硫酸アルミニウムと硫酸カリウムからなる複塩である。
⑤ 酸化アルミニウムに微量の不純物を含む宝石として,ルビーやサファイアがある。
⑶ ボーキサイト 10 kg から純粋な酸化アルミニウムをつくり,加熱・融解させて電気分解によ
り,アルミニウム 2.7 kg を得た。ボーキサイト中の酸化アルミニウムの質量パーセント濃度
は何%か。最も適当な数値を,次の①~⑥のうちから一つ選べ。ただし,反応はすべて完全に
進行し,ボーキサイト中の不純物からは,アルミニウムは生成しないものとする。 20 %
① 27 ② 31 ③ 40 ④ 46 ⑤ 51 ⑥ 77
− 30 −
第4問 次の各問いに答えよ。
問1 次図のような装置を用いて,炭素,水素,酸素からなるある有機化合物 A 58.0 mg の元
素分析を行ったところ,組成式は C3H6O であり,分子量は 116 であることがわかった。こ
の実験で,塩化カルシウム管とソーダ石灰管の質量は,それぞれ何 mg 増加したことになる
か。その組合せとして最も適当なものを,下の①~⑥のうちから一つ選べ。 21
試料
酸化銅
(Ⅱ)
塩化カルシウム管
(C,H,O) CuO
H2O
CO2
O2
O2
ソーダ石灰管
CO2
O2
塩化カルシウム管
ソーダ石灰管
①
54.0 mg
16.0 mg
②
54.0 mg
36.0 mg
③
54.0 mg
132 mg
④
132 mg
16.0 mg
⑤
132 mg
36.0 mg
⑥
132 mg
54.0 mg
O2
問2 炭化カルシウムを水中に入れると,気体 A が発生する。気体 A に硫酸水銀
(Ⅱ)を触媒と
して水を付加させると,化合物 B が得られる。B を酸化すると化合物 C が得られ,C は水
に溶けると酸性を示す。化合物 A ~ C に関する記述として最も適当なものを,次の①~⑥
のうちから一つ選べ。 22
① 気体 A は,アルケンに分類される。
② 気体 A は,空気より重い。
③ 化合物 B は,アルコールに分類される。
④ 化合物 B は,銀鏡反応を示さない。
⑤ 化合物 C の分子を構成する炭素原子の数は,3 である。
⑥ 化合物 C を A に付加させると,高分子化合物の原料が得られる。
− 31 −
問3 次の記述 a には当てはまらないが,b には当てはまる物質として最も適当なものを,下の
①~⑤のうちから一つ選べ。 23
a 酸化して生成する物質は,フェーリング液を加えて加熱すると,赤色沈殿が生成する。
b ヨウ素と水酸化ナトリウム水溶液を加えて加熱すると,黄色沈殿が生成する。
① CH3-CH2-OH
② CH3-CH2-CH2-OH
③ CH3-CH-CH3
OH
④ CH3-CH2-CH2-CH2-OH
CH3
⑤ CH3-C-OH
CH3
− 32 −
問4 分子式が C5H10O2 である有機化合物 A,B,C がある。A,B,C は,いずれも水素を付
加させることができなかった。A,B に水酸化ナトリウム水溶液を加えて加熱すると,A か
らは化合物 D のナトリウム塩と化合物 E が,B からは化合物 F のナトリウム塩と化合物 G
が得られた。D は還元性を示し,E,G はヨードホルム反応を示した。F はエタノールを酸
化しても得られる。
また,C に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えると,気体が発生した。C,E にはそれぞれ
一対の光学異性体が存在する。これらの化合物に関する次の各問いに答えよ。
⑴ 化合物 A ~ G に関する記述として誤りを含むものを,次の①~⑤のうちから一つ選べ。
24
① A,B はともに水に溶けにくいが,エーテルには溶解する。
② C の炭素原子間の結合は枝分かれしている。
③ D を還元するとアセトアルデヒドが得られる。
④ E と G はともに第二級アルコールである。
⑤ G を酸化すると,アセトンが得られる。
⑵ 1 mol の化合物 C と反応した炭酸水素ナトリウム水溶液から発生した気体は,標準状態に換
算すると何 L か。最も適当な数値を,次の①~⑥のうちから一つ選べ。 25 L
① 1.12 ② 1.68 ③ 5.6 ④ 11.2 ⑤ 22.4 ⑥ 44.8
⑶ 化合物 C の構造異性体のうち,C と同様に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えると気体が発
生する化合物は,化合物 C も含めて何種類あるか。最も適当な数値を,次の①~⑥のうちか
ら一つ選べ。 26 種類
① 1 ② 2 ③ 3 ④ 4 ⑤ 5 ⑥ 6
(化学の問題は終わり)
− 33 −