Q.私'A氏(は、甲株式会社'非上場(の常務取締役です。 この度、当社の株式を譲渡制限株式に変更しようと思いますが、譲渡制限株式とはどのようなもの かよく分りません。そこで、譲渡制限株式について教えてください。 A.株式会社が発行する株式を、譲渡によって取得することについて株式会社の承認を 必要とする旨を定めた株式のことです。 ≪制度趣旨≫ 本来株主には投下資本回収の機会を保障する必要があるため、株式の譲渡は自由とすべきです。 しかし株式会社の大部分は同族経営を行っている会社であり、株式譲渡の自由性を完全に保障すると、 会社経営にとって好ましくない者が株主に加わることになり安定的な会社経営を損なう可能性があります。 そこで会社にとって株主として好ましくない者が株主となれないように譲渡制限の制度を設けました。 株式譲渡 譲渡人 譲受人 事前に譲渡人、又は事後に譲受人は、当該株式譲渡につき会 社に対して承認を請求できる。 '譲渡人又はその相続人等と共 同申請が原則( 承認 株主として 好ましいか 承認 取締役会又は株主総会 不承認 名義書換 会社自身が買取る又は 第三者'指定買取人(を指名 会社自身が買取る場合には、自己株式取得に係る手続きが必要 ・株主総会の特別決議'買取る旨、買取る対象株式数決定( ・財源規制 譲渡承認の請求から2週間以内に承認の通知、不承認の通知をしない場合には、 承認したとみなされます。 株式譲渡制限の定め 設立後に譲渡制限株式を発行する場合には、定 款変更を行う必要があります。 その際の決議は、特殊決議'議決権を行使でき る株主の半数以上の出席あって、総株主の議決 権の3分の2以上の賛成(で行う必要があります。 '会社法309条3項( 具体例 61株 1株 10株 18株 株主Aのみが賛成 90株×2/3=60株≦61株、4人×1/2=2人≧1人 となり、株主Aのみの賛成では、株式譲渡制限は否決。 株主Aの他に、後一人の賛成が必要です。 本資料は、現在の法律に基づいて作成しております。情報の目的として、一般的な 状況を前提として法律・税務上の取扱いを記載しております。なお、簡易な表現に 略していますので、諸条件により本資料の内容と異なる取扱がなされる場合があり ますことをご了承ください。実行にあたりましては、顧問税理士、専門家等にご相談 の上、ご判断頂きますようお願い申し上げます。 2010.7 株主A 株主B 株主C 株主D 株式会社 事業再編・M&A研究所 URL:http://www.saihen.jp/ 東京本部 TEL:03-5323-3523 名古屋本部 TEL:052-962-2086 大阪本部 TEL:06-6364-2411
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