6.星間化学

2015/9/6
第6講 星間化学
Ken Tatematsu
星間化学
• 低密度(HI 雲)
– 紫外線による光化学
• 中密度(暗黒星雲)
– 宇宙線によるイオン分子反応
• 高密度(分子雲のコア)
– 中性反応、生成された分子のダストからの蒸発
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暗黒星雲での反応
• 一般に, A + B  (AB)*  C + E
E は生成熱
• A + B  (AB)* には活性化エネルギーが必要
• T = 10Kの暗黒星雲には, 活性化エネルギーがな
い
• そこで活性化エネルギーがいらないイオン分子
反応が重要
– イオンが分子に遭遇すると、分子がクーロン相互作
用で分極する
– その結果、イオンと分子のの断面積が大きくなる
– 温度依存性がない
電離度
• 電離度x
• 宇宙線電離率 CR ~ 3X 10‐17 s‐1
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イオン分子反応
• 宇宙電が H2 を電離
• H2 はすばやくH3+を形
成
• H3+ が陽子をほかの分
子に移す(e.g. HCO+)
• H3+ やほかの分子が鉄
などの微量金属原子
と電荷交換をする。
分子雲での電荷分布
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エネルギー収支
ガス相での成分
オリオン座KL方向の分子線サーベイ
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観測されている分子
星間物質と星周物質
気体中の化学
• ダスト上でのH2 分子の形成のタイムスケール
分子雲では典型的に 106 年
• 分子を通じたガス中の化学進化のタイムス
ケール 3x105 yr程度
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暗黒星雲の分子存在量
ガス相の化学
• 紫外線がCOを光解離, その結果できたC が分
子を生成する
• CO 解離率と分子の形成率のバランスにより
C/COは6 x 10‐3となる。
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鈴木博子ほか1992 ApJ 392, 551
鈴木博子ほか1992 ApJ 392, 551
CCS と NH3 の存在量モデル
X 10 5 yr
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鈴木博子ほか1992 ApJ 392, 551
C+CCO MODEL
Suzuki et al. 1992
CnS formation scheme
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鈴木博子ほか1992
CCS と NH3 の観測値
●:星なし分子雲
○:星あり分子雲
平原ほか1992, ApJ 394, 539
TMC‐1
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Mt. Fuji Submillimeter-wave Telescope
富士山頂サブミリ波望遠鏡
Univ. of Tokyo, NRO, & IMS
•
Radome
Main Dish
1.2m dia.
(Gore Tex)
SIS Rx
(492 & 345 GHz)
Radome
Tower
Synth
CPU
Air con
Synth
HD
Driver
IF
DAT
Driver
IF
1m
Monitor Encoder
AOS
Monitor
PSD
AOS
UPS
IDU
Satellite
comm.
Altitude 3724 m
富士山望遠鏡の設置
• 1998年7月 ヘリコプターによる設置
• 夏季はブルドーザーによる物品の輸送が可
能
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おうし座の電波画像
• Color: 富士山望遠
鏡で観測したC原子
の雲
• 黒の等高線: 野辺
山45mによるCO
分子雲(星の誕生
の場)
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