健康だより 4 月号 侮ることなかれ高血圧 ※ 平成 22 年に行われた「国民健康・栄養調査」によると、 「高血圧症有病者」の割合は、男性の約 6 割、女 性の約 4 割と、実に、国民の約半数が高血圧症を有している実態が明らかになりました。 しかし、高血圧症であっても自覚症状を訴えるひとはほとんどいません。平成 19 年に 12 の職域で行わ れた調査によると、20 歳以下および 30 歳代の男性の高血圧症有病者で未治療の割合は、7 から 8 割にも 上っています。「症状が無いから放っておいても大丈夫!?」なのでしょうか。 放っておいたらどのような危険があるのか。そして、高血圧にならないための得策もお伝えします。 ※「高血圧症有病者」とは、血圧が収縮期(上)140mmHg 以上または拡張期(下)が 90mmHg 以上、もしくは、血圧を下げる薬を 服用している者を指します。 血圧値の分類 「高血圧治療ガイドライン 2009 による成人の血圧値分類」 分類 収縮期血圧 拡張期血圧 至適血圧 <120 かつ <80 正常血圧 <130 かつ <85 正常高値血圧 130-139 または 85-89 Ⅰ度高血圧 140-159 または 90-99 Ⅱ度高血圧 160-179 または 100-109 Ⅲ度高血圧 ≧180 または ≧110 収縮期(上)高血圧 ≧140 かつ <90 高血圧状態の危険性 心臓は、全身に血液を送り出すポンプの働きをしています。 その血液を届けるホースの役割を担っているのが血管です。 高血圧状態が持続し、常に強い圧が血管にかかることで、 血管は硬くなったり、血管の内側に脂肪のかたまりなどの 汚れが付着してしまいます。 高血圧 動脈硬化 脳卒中・ 心臓病 最悪の場合、 結果として、血液の流れに滞りが起こり、狭心症・心筋 死亡 梗塞などの心臓病や脳梗塞がひき起こされます。また、 血管が硬く脆弱化(老化)することで血管が破裂、出血し 脳出血をひき起こします。 高血圧を予防しよう! 【ポイント】 1.減塩 2.肥満の是正 3.運動 ※ 5.野菜・果物・魚を積極的に食べる 4.節酒 6.禁煙 ※ ※ 既に腎障害、糖尿病を有する方には推奨しません。医師の指示を仰いで下さい。 1.減塩 1 日6g未満を目標に! ◇まず、1 日 8~9g まで減らすことから始めましょう。 ◇かまぼこ、ハム、干物などの加工品、漬物には塩分が多く含まれているので要注意! ◇外食時、お買い物の際は、栄養成分に表示されている「食塩量」を確認する習慣をつけましょう。 ※「食塩量」が示されていない場合は、 「ナトリウム(mg)×2.54÷1,000」で食塩相当量を算出できます。 2.BMI25 未満を目指しましょう! ◇BMI=体重(kg)÷身長(m)2 ◇1kg 減量すると収縮期、拡張期共に約 1.5mmHg 血圧が下がります。 3.今よりも 10 分多く体を動かしましょう! ◇掃除、洗濯など生活の中における活動を 60 歳未満の方は 1 日 60 分以上、 65 歳以上の方は 40 分以上を目標にし、併せて、ウォーキングや水泳などの 運動(スポーツ)週 2 日 30 分以上行いましょう。 4.1 日 1 合までとし、休肝日も設けましょう! ◇1 日 1 合まで抑えられない場合、現在の飲酒量から 1 日 1 合程度節酒するだけ でも、血圧は 3~5mmHg 下がりますので、チャレンジしましょう! 5.野菜は 1 日 350g 以上を目安にしましょう! ◇小鉢(小皿)1 皿分と考え、1 日 7 皿分の野菜を食べると 350g に達成します。 ※野菜炒めなどの大皿料理、野菜カレーは 2 皿分と換算します。 6.禁煙がベストです! ◇たばこは、 「百害あって一利なし」 心に留めておきましょう。 【書籍】「2012 最新版 高血圧と降圧療法 よりよい血圧管理と個別治療のために」 【URL】厚生労働省 HP http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/kenkou/seikatu/ 医療法人社団 俊秀会 エヌ・ケイ・クリニック
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