農地中間管理機構ニュース 第16号 平成27年12月3日 《公益社団法人あおもり農林業支援センター(青森県農地中間管理機構)発行》 前月(11月)の主なできごと ~平成27年度第4回農用地利用配分計画の決定~ 機構からの転貸先を明らかにする農用地利用配分計画については、市町村案をもとに機構で決定 して、認可する県に申請するという手続きになっており、平成27年度の第4回分を機構で決定し 11月2日に県に申請しました。 今回の機構による利用配分計画決定面積は、15市町村の93ヘクタール、貸付先(転貸者)は 106経営体となっています。この申請に対する県認可の予定は12月中旬となっています。 なお、本年度はこれまでの3回で324ヘクタール申請済(県の認可済み)だったことから、今 回も含めた累計の申請面積は417ヘクタールとなっています。これが県から認可されると、本年 度、機構から受け手への貸付(転貸)面積は26年度申請し27年度に入ってからの認可分175 ヘクタールも併せて592ヘクタールとなります。 しかし、この面積は、目標の4,600ヘクタールの13パーセントにとどまっていることから、 今後、市町村との協力体制を強めて、出し手の一層の掘起しと、マッチングの成立を急ぐことにし ております。 平成27年度農用地利用配分計画の機構から県への申請状況 27 年度申請 11 月 2 日申請分 26 年度申請 も含む 27 年度 27 年度県認可 県認可済み 11 月 2 日申請 合 計 転貸面積 ① (3 回分)② ③ ④=②+③ ⑤=①+④ 175ha 324 93 417 592 注:⑤の数字は、11 月申請分が認可されるのを前提にしている ~引き続き市町村長に対し機構事業の一層の活用を要請~ 前月に引き続き、 県幹部と機構理事長が市町村長を訪問して、 機構事業の一層の活用を目指して、 協力要請活動を行いました。全体的にみると、機構事業の目的、取組は理解していただいているも のの、機構事業の存在は地域農業の構造改善に必須であるというところまでは十分な一致を見ない 場合もあり、市町村として農地の効率利用をどう考えるのか、という面で、更なる議論が必要とみ ています。 機構事業は、本来は市町村が主導で進める「人・農地プラン」があって、それに基づくべきとさ れており、この「人・農地プラン」の充実が不十分であれば、担い手の経営体質強化に果たす機構 事業の役割が十分に機能しないとみています。 また、全国的にみて機構事業の利用度合いが高い県の中には、人・農地プランに従って、貸し借 りを進めているだけとしているところもあります。 したがって、市町村においては、担い手の高齢化や、TPPの進展といった環境条件を踏まえて、 今後とも人・農地プランの見直しに力を注いでいただきたいと考えています。 ~27年度3回目の公募結果公表 借受希望者は2,181経営体へ~ 農地中間管理機構は、農地の借受希望者を公募して、一定の時期にとりまとめ、そのリストを公 表しており、この公表者でないと、機構から農地を借り受けできないことになっています。 27年度は、2回リスト公表しており3回目として10月末でとりまとめたリストを11月17 日に公表しました。 今回の公表では、2,181経営体がリスト化され、前回公表(8月末とりまとめ)から新たに 97経営体増加しております。しかし、本県の認定農業者が10,535経営体(平成27年6月 末現在)であることを考慮すれば、応募者の一層の増加が可能とみており、引き続き、市町村のほ か関係機関・団体の協力を得て、借受希望者の応募促進に努めていきます。 また、協力金の一部の交付単価が減額しないうちに受け手となり得る経営体でまだ応募していな い場合、応募を急がせるので早めにリスト化し公表してほしいという要望が市町村から出されてい るので次回とりまとめは12月15日に行い25日にリスト公表する予定です(機構からの貸付先 となる借受希望者は機構から県への農用地利用配分計画の申請時点で公表されていることが必要) 。 ~借受希望面積は約1万7,094ヘクタール~ 今回のとりまとめの結果、法人格の無い個人(家族経営主体)の応募は、2,015経営体とな り、一方、法人の応募は、166経営体で、その内訳は農業者が主体となる農事組合法人が59経 営体、株式会社などの法人が107経営体となっています。 応募者の借受希望面積を累計すると、1万7,094ヘクタールで、そのうち田が10,896 ヘクタールでほぼ3分の2を占め、次いで畑が4,174ヘクタール、草地が1,648ヘクター ル、樹園地3,765ヘクタール、となっています。 なお、同じ時期にとりまとめた出し手の貸出希望面積は機構事業がスタートしてからの累計で 2,658ヘクタールとなっております。 ~農業経営士・青年農業士等と意見交換~ 機構事業の利用が伸び悩んでいることから、現場のことは現場に聞け、ということで主な地域で 農業経営士や青年農業士など地域で農業活動をリードしている方々に集まっていただき、意見交換 しております。10月号で紹介したつがる市と鰺ヶ沢町での会合から時間が空きましたが、11月 には上北地域、三八地域、中南地域で意見交換しました。 農業者からの意見としては、協力金の仕組みが分かりづらく誤解している面がある、地域にいな い出し手候補者に対するアピールはよほどしっかりした対策を講じないと周知されない、 出し手用、 受け手用とパンフレットを分けるべき、出し手となる可能性があっても当面は農業に従事したい人 が多くさらに財産ということから簡単には提供しないという農家感情がある、などの声があがり、 また、制度の大きな問題として、個人協力金の条件である10年の貸付期間は長すぎること、遊休 農地の所有者は経営転換協力金の受給対象にならないこと、遊休農地そのものの貸借が耕作者集積 協力金の受給対象にはならないこと、さらに協力金の交付単価は貸借促進のアクセルとしては弱い 上に漸減すること、などがあげられました。 こういった制度的な課題は、 これまでも国に対して各県からさまざまな形で要望が出されており、 国の動きを待つしかありませんが、機構で改善可能なものについては、出来るだけ対応していきた いと考えています。 今後の主な予定 ~引き続き出し手の掘起し推進~ 機構事業による貸借面積は本年度の目標にはまだまだ及びません。その実績は来年度の国からの 農業予算にも影響するので、関係機関・団体一体となり出し手の掘起しに全力を挙げます。 ~借受希望者臨時とりまとめ~ 先述のように12月15日に借受希望応募者の臨時とりまとめを行います。本県の認定農業者な どで規模拡大を目指す方は、ぜひこの時期までに市町村に応募してください。 ~県・機構責任者を集めての会議開催~ 12月18日、農水省が本省に県と機構の責任者を集めて開催します。 (第16号終)
© Copyright 2024 ExpyDoc