欧州中央銀行の量的緩和について 量的緩和と欧州債券市場への影響

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基準日:2015年1月26日
新生インベストメント・マネジメント株式会社
欧州中央銀行の量的緩和について
量的緩和と欧州債券市場への影響
1月22日、欧州中央銀行(以下「ECB」といいます)は、ユーロ圏の金融政策を決める理事会をドイツのフランクフ
ルトで開き、国債を中心とした資産を買い入れ、大量の資金を市中に供給する量的金融緩和を導入することを決
めました。
かかる中、BNYメロングループ傘下の運用会社であるスタンディッシュ・メロン・アセット・マネジメント(以下「スタ
ンディッシュ社」といいます)のコメントをもとにレポートを作成いたしましたのでご覧ください。
<運用会社からのコメント(2015年1月23日現在)>
【量的緩和を受けた市況動向】
2015年1月22日、ECBは金融政策決定会合において、
民間及び公的部門発行の債券(年限は2-30年)を対
象に月額600億ユーロを少なくとも2016年9月までは購
入継続するという資産購入プログラム(量的緩和策
=QE)の導入を決定しました。
図1 ドイツ2年国債の利回りの推移
(期間:2011年12月30日~2015年1月22日、日次)
同プログラムの購入総額(計1兆1,400億ユーロ)は、
事前予想を上回る規模となったことから、ユーロ圏債
券市場は、ドイツ2年債利回り(図1参照)が一時
▲0.182%までマイナス幅を拡大したほか、イタリアや
スペインの10年債利回り(図2参照)も過去最低水準を
記録するなど幅広い年限にわたり債券利回りが低下し
ました。
また、為替市場(図3参照)では、ユーロが対米ドルで
2003年9月以来の安値まで下落するなど主要通貨に
対して大きく下落しました。なお、ECBの政策金利であ
る短期買いオペ(売り戻し条件付き債券買いオペ=レ
ポ)最低応札金利については0.05%に据え置かれまし
た。
図2 欧州主要国の10年国債の利回りの推移
(期間:2011年12月30日~2015年1月22日、日次)
図3 ユーロ(対円)、(対米ドル)の推移
(期間:2011年12月30日~2015年1月22日、日次)
スペイン10年債
ユーロ対円(左軸)
イタリア10年債
ドイツ10年債
ユーロ対米ドル(右軸)
出所:スタンディッシュ社、ブルームバーグのデータをもとに新生インベストメント・マネジメントにて作成
※3ページの「本資料に関してご留意いただきたい事項」を必ずご覧下さい。
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基準日:2015年1月26日
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<運用会社からのコメント(2015年1月23日現在)>
【資産購入プログラムの導入の背景】
ユーロ圏の景気低迷が長期化している状況下、ユーロ圏消費者物価指数は2011年11月(前年比+3.0%)を
ピークに 低下基調が続いており、2014年12月の前年同月比伸び率は2009年10月以来初となるマイナス
(▲0.2%)となりました。
足元の原油価格下落は、ユーロ圏の景気にとって個人消費の拡大などのプラスの恩恵をもたらす一方、物価に
対してはマイナス効果となることから、域内のデフレ懸念を一段と強める要因となります。
ECBの政策金利は今後の利下げ余地(昨年9月に0.05%に利下げ済み)が限定的であることに加え、これまで導
入したLTRO(長期資金供給オペレーション)など資金供給オペによる景気底上げ効果も明確に見られなかったこ
とから、量的金融緩和を実施した米連邦制度準備理事会(FRB)や日本銀行に追随した形となりました。
【今後の見通し】
ユーロ圏の消費者物価は、足元の原油価格下落や景気低迷を背景とした需要不足等により当面デフレ基調が
続く見込みですが、ECBのドラギ総裁は、今回導入した資産購入プログラムをインフレ目標(前年比+2.0%程度)
の軌道に回復するまで継続する方針を明確にしています。インフレ目標達成に向け強い決意を示した今回の決
定は、期待インフレ率(投資家や企業、消費者等が予想する将来の物価上昇率)の下振れ回避に一定の効果が
期待できます。加えて足元の原油価格下落により2015年のインフレ率が低下することで、量的緩和を継続する期
限とされた2016年9月には、インフレ率も前年比でプラスへ転じ、インフレ目標達成の蓋然性が高められることが
期待されます。
このような状況下、為替市場では、金融政策の方向性の違いから対米ドルに対してはユーロが弱含む展開を予
想します。一方、既に緩和的な金融政策を導入している日本円や、早期利上げ観測が後退しつつある英ポンドな
どその他主要通貨に対して、ユーロ圏のデフレ基調が反転する中でユーロは徐々に底入れしていくと考えます。
一方、ECBが大規模な購入を継続する中で、債券利回りは上昇しにくい展開が続き、ユーロ圏債券市場は堅調な
推移が続くと予想します。
※3ページの「本資料に関してご留意いただきたい事項」を必ずご覧下さい。
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【投資信託に関わるリスクについて】
投資信託は一般的に、国内外の株式や公社債など値動きのある有価証券へ投資します。有価証券は市場環境、
有価証券の発行会社の業績、金利の変動等により価格が変動するため、投資信託の基準価額も変動し、損失を被
ることがあります。また、外貨建ての資産に投資する場合には、為替の変動により損失を被ることがあります。その
ため、投資信託は元本が保証されているものではありません。したがいまして、投資元本が保証されているもので
はなく、これらの運用による損益はすべて投資者の皆様に帰属します。又、投資信託は、個別の投資信託毎に投資
対象資産の種類や投資制限、取引市場、投資対象国が異なることから、リスクの内容が異なりますので、ご投資に
当たっては各投資信託の投資信託説明書(交付目論見書)をご覧ください。
【投資信託にかかる費用について】(消費税率が8%の場合)
購入時に直接ご負担頂く費用:購入時手数料
上限3.78%(税込)
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その他費用:監査報酬、有価証券売買時の売買委託手数料、信託事務等に要する諸費用、などファンドの信託財
産を通じて間接的にご負担いただきます。間接的な費用のご負担額に関しましては、ファンドによって異なりますの
で、その料率、上限額等を具体的に示すことができません。
当該手数料等の合計額につきましては、投資者がファンドを保有される期間等に応じて異なりますので、表示する
ことができません。詳しくは、投資信託説明書(交付目論見書)などでご確認ください。
<ご注意>
上記に記載していますリスクや費用につきましては、一般的な投資信託を想定しています。費用の料率につきまし
ては、新生インベストメント・マネジメントが運用するすべての投資信託のうち、徴収するそれぞれの費用における最
高の料率を記載しています。
投資信託に係るリスクや費用は、それぞれの投資信託により異なりますので、投資される際には、事前に投資信託
説明書(交付目論見書)をご覧ください。
※上記手数料・費用のうち、税込みの料率、あるいは消費税等相当額が付加された料率は、消費税率の引上げが
実施された場合、変更となります。
<本資料に関してご留意頂きたい事項>
・当資料は、新生インベストメント・マネジメントが情報提供を目的として作成したものであり、投資勧誘を目的とし
たものではありません。
・本資料中のグラフ、数値等は過去のデータであり、将来の市場環境に係る動向等を保証するものではありませ
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・本資料は信頼できると判断した情報をもとに作成しておりますが、その正確性、完全性等を保証するものではあ
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・投資信託は値動きのある資産(外貨建て資産には為替変動リスクもあります。)を投資対象としているため、基
準価額は変動します。したがって、元金を割込むことがあります。また、投資信託は預貯金とは異なります。
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