~『急性期医療の充実とフラットな多職種協働連携チーム医療の推進

~『急性期医療の充実とフラットな多職種協働連携チーム医療の推進』~
( 年 平成 年 仕事始めの式にあたり)
2015
(
27
)
平成 26 年は、「地域に密着した新しいステージの病院へ」をスローガンにかかげ、事
業運営を行い、一定の成果をあげることができました。5 階医療療養病棟を在宅復帰機
能強化型にしたこと、地域包括ケア病床を始めたこと、とりわけ、地域包括ケアシステ
ム「まいづる連携」の立ち上げと活動は特筆すべきことでした。
さて、今年の話題に入りたいと思います。今年は病院が大きく変わっていく転換の年
の始まりになりそうです。地域の中核病院として、当院は何をなすべきか?再度、よく
考え、進むべき方向を明確にしなければなりません。
私は、この地域の状況から見て、急性期から回復期、慢性期、更に在宅医療までを幅
広く担わざるを得ないと考えています。この中で直近の課題は、急性期部門を強化する
ことです。
この課題は、当院のような地方の中小病院が最も苦心している課題であり、たやすく
実現できるものではありません。医師不足が主な原因ですが有効な解決策はなく、一歩
一歩できるところから進めていきたいと考えています。
まず1月の CT 入れ替えからスタートします。東芝製16列から東芝製320列に更
新します。まさにライフル銃からマシンガンへのバージョンアップであり、大きなジャ
ンプアップです。検査能力の向上はもとより、検査時間も大きく短縮され、患者さん、
医療従事者双方にとって大きな負担軽減が図れます。私たち(医療従事者)が見ること
ができる景色が一変します。また、住民の皆さんが受ける恩恵も絶大なものであり、住
民側から病院を見る景色も随分変わると考えています。このような高い性能を持つ医療
機器の導入は、当院に大きな恩恵をもたらしてくれますが、同時に私たちには有効に活
用する責務が生じます。地域の期待を現実できるよう事業運営を進めていきたいと考え
ています。
次に DPC への参加を進めていきたいと考えています。限られた医療資源の中で、急
性期医療を提供していくためには、質の高い、効率の良い医療の実践が不可欠であり、
DPC 参加は必須です。今年 9 月には参入を正式決定したいと思います。
そのためには、より一層の効率的で質の高い医療の提供が求められます。その実現の
礎となるのが、高い性能を持つ医療機器であり、職員一人一人の向上心であり、多職種
連携チーム医療の充実です。当院のような常勤医の少ない総合病院においては、従来型
の指示を出す一人の医師を頂点に置いたピラミッド型の古い体系から脱皮して、患者さ
んを中心において、関係する職員が今までの業務の枠を超えて、それぞれの自主性と主
体性をもって同等に、すなわちフラットに協働しながら患者さんに関わりを持ち、考え
得る最良の医療を提供する多職種協働連携チーム医療が必要です。すなわち「職員総力
戦」です。急性期医療は病院総合力そのものです。こういったことから今年のスローガ
ンは『急性期医療の充実とフラットな多職種協働連携チーム医療の推進』といたします。
その他、今年も重要課題が目白押しです。
県が平成 27 年度で策定を予定している「地域医療構想」に、井原市・井原市民病院
の現状と課題を十分伝え、県境を越えた医療連携への対応も含めて意見を十分反映して
もらいたいと思います。
さらに、「地域医療構想」策定の先には稼働していない病床削減指導が待ち構えてい
ます。当院の現在の病床稼働率だと、180 床の許可病床数を削減される可能性がありま
す。早急に療養病床の稼働をアップして 60 床運用に、地域包括ケア病床を増やして一
般病床を 120 床運用にすることを目指したいと思います。
10月には院内医療事故調査委員会の立ち上げが必要になります。実際には、この委
員会を開く必要がない、安全で質の高い医療を継続する取り組み強化が求められます。
これも職員総力戦です。
以上、大きな課題が控えています。繰り返しになりますが、今年のスローガンとして、
『急性期医療の充実とフラットな多職種協働連携チーム医療の推進』を掲げて頑張って
いきたいと思いますので、皆様方のご協力を切にお願いいたしまして、私からの年頭の
挨拶と致します。
2015年1月5日
院長 山田 信行