ム ウェルカ 茨城 顧客ニーズに合った 香り を生み出し、 豊かな生活づくりに貢献 Welcome Ibaraki 高砂香料工業株式会社 鹿島工場 鹿島工場 工場長 佐竹 正行氏 香料業界のリーディングカンパニー 「フレグランス事業」では、香水やシャンプー、洗剤、 芳香剤などに用いられる各種フレグランスの研究を行っ 1920 年(大正 9 年) 、創業者である甲斐荘楠香が、 我が国最初の合成香料製造会社として高砂香料株式会 社を設立しました。以来、1929 年(昭和 4 年)に はスイスに初めて香料を輸出するなど順調に業容拡大 し、1951 年(昭和 26 年) 、高砂化学工業株式会社 と高砂香料株式会社が合併して現社名の高砂香料工業 株式会社に改称しました。 高砂香料工業株式会社の企業理念である、「技術立 脚の精神に則り、社会に貢献する」を基本に、香料 に関する最先端の技術を追求し続け、提供する製品や サービスは、食料品や化粧品、さらには医薬中間体、 電子機器、IT 産業で用いられる機能性材料など多岐に わたっています。 また、早くから世界に向けての事業活動を展開して おり、1960 年(昭和 35 年)にはニューヨークとパ リに駐在所を開設、これを皮切りに世界 27 の国と地 域に研究所や工場、事業所を構えるグローバル企業と して成長し続けています。 ています。香りが秘めた無限の可能性を追求することで 新しい香りを創り上げており、芸術性だけでなく残香性 や拡散性、安定性など科学を背景にした香りを創り出し ています。 香りはいくつもの素材の調合によってイメージに合っ たものが創り出されます。「アロマケミカル事業」では、 フレグランス、フレーバーを調合するための素材を研究 開発し、香りを創るパフューマーとフレーバーリストに 提供しています。1983 年(昭和 58 年)、野依良治教授 (2001 年ノーベル化学賞受賞、現高砂香料工業株式会社 社外取締役)の協力のもと、世界で初めて不斉合成によ るℓーメントール(※)の工業化に成功しました。こうし た研究や技術開発は、高砂香料工業の根幹技術の一つに なっています。 「ファインケミカル事業」では触媒技術をコアとし、ラ イフサイエンス、エレクトロニクス産業を支える有用中 間体の開発・製造を行っています。経済性と効率性に優れ、 環境負荷軽減に貢献する触媒・配位子技術で産業界へ貢 献しています。 4 つの事業部門で香りに係る革新的な 製品を創造 高砂香料工業株式会社は、 「フレーバー事業」 、「フレグ (※)ℓーメントール 薄荷(ハッカ)やペパーミントの主成 分で世界的に最も需要の多いアロマケミカルのひとつ。植 物由来原料から不斉合成で得られるℓーメントールは、高 品質で安定供給に適している。 ランス事業」、「アロマケミカル事業」、「ファインケミカ ル事業」の 4 つの事業部門で構成されています。 「フレーバー事業」は、 主として食品や飲料向けのフレー バーを提供しています。食のトータルプランナーとして “おいしさ”を創り出すためのマーケットや取引先が求め るニーズをキャッチし、豊かな「香り」から「美味しさ」 を演出しています。また、よりナチュラル感のあるフレー バーを製造するため、果汁やコーヒー、お茶など多種にわ たる原料を世界より確保し、独自の抽出・凝縮技術によっ て高付加価値な食品素材の開発も行っています。 6 JIR NEWS 2015 鹿島工場 工場内部 鹿島工場のフットサルチーム フレーバーリスト フレーバー部門の一大製造拠点 「鹿島工場」 底した配慮をしています。また、全職場において、衛生・ 環境・資源の有効活用を主眼に置いた 5 Sカイゼン運動 の展開や、毎月の「交通安全チェック指導」 、「事故事例 鹿島工場は、1980 年(昭和 55 年) 、当時の主力生産 工場であった平塚工場が手狭になったことや、茨城県か 研修」などを通じて無事故無災害を目指した活動により、 従業員への安全に対する意識付けも励行しています。 らの誘致などにより茨城県鹿島郡波崎町(現、神栖市) に開設しました。敷地面積 64,000㎡の広大な敷地を有 地域に密着した工場として し、当初は柑橘系の天然精油から香りを取り出して、柑 橘系の水溶性香料を調合製造するシトラス工場としてス 鹿島工場で働く従業員は約 170 名で、その大半が茨城 タートしました。その後、抽出工場や乳化工場を建設す 県出身の住民です。工場の拡大に伴い採用された従業員 るなど、次第に生産設備を拡充してきました。 も多く、地域にとっては重要な就業の場となっています。 現在、清涼飲料水やスポーツ飲料、アルコール飲料な また、工場内のクラブ活動も盛んで、フットサル部や野 どに使用される柑橘系エッセンス、油溶性香料を水溶性 球部、ゴルフ部などの体育系だけでなく文化系まで多数あ にすることで飲料に食欲を刺激する濁りを与える乳化香 り、中でもフットサル部は神栖市の大会で準優勝するほど 料などの各種フレーバー、アイスクリームやヨーグルト、 高いレベルを誇っています。このように、働きながら他部 プリンなどのデザートに使用されるバニラやドレッシン 署の従業員と交流が図られ、リフレッシュできる場を設け グなどに使用されるスパイスなどの天然抽出物、ウーロ ていることも極めて離職率が低い要因であると言えます。 ン茶などの水抽出類、コーヒー、茶類のアロマエキスな 飽食といわれる現代において、食品固有の“香り”は どを主に製造しています。開設当初は 800 t / 年の生産 “味”を創造させるための非常に重要なパーツです。香り 量でしたが、現在は 6,000 t / 年を製造する規模となっ は強すぎても弱すぎてもだめであり、食品の黒子的な存在 ており、高砂香料工業株式会社のフレーバー工場として ですが、その食品の「おいしさ」を演出し、お客様に満足 最大の生産規模を誇っています。また、取引先のテーマ を提供する大切な働きをしています。 や消費者の嗜好に合ったフレーバーを製造するため、取 り扱う香料の種類は多岐にわたっています。 こ れ ら の 香 料 は、 普 段 私 た ち が 口 に し て い る 食 べ 物・飲み物の多くに使われています。そのため鹿島工 古人(いにしえびと)は、季節の風にも香りを嗅ぎ取り、 豊かな心を膨らませてきました。これからも鹿島工場から 時代の嗜好に合った香りが創り出され、世界中に豊かな香 りが送り出されることを切に願います。 場では、安全安心な食生活を素材で支える事を目指し、 会社概要 ISO14001、FSSC22000:2011 の認証取得をはじ めとした活動で、クリーン&セーフティーな工場作りを 進めています。 また、香料を抽出した際に残ったコーヒー粕などは肥 料として再活用されており、鹿島工場では資源を無駄に しないための試みが日々行われています。 鹿島工場で取り扱う材料は、アルコール分を含む可燃 性危険物も多いため、わずかな静電気でもスパークによ る火災の危険が生じます。そのため、従業員の作業服や 作業靴に至るまで細心の注意を払うなど、安全面には徹 所 在 地 (本 社)東京都大田区蒲田 5-37-1 ニッセイアロマスクエア 17F (鹿島工場)茨城県神栖市砂山 13 業 種 フレーバー、フレグランス、アロマケミカル、 ファインケミカルの製造・販売 従 業 員 数 3,018 名 代表取締役社長 桝村 聡 連 絡 先 (本 社)03-5744-0511 (鹿島工場)0479-46-3311 U R L http://www.takasago.com/ JIR NEWS 2015 7
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