数学 1及び演習 ノート12

数学 1 及び演習 ノート 12
数学 1 及び演習 ノート 12
3.4
連立 1 次方程式
掃き出し法
例 12-1:次の連立 1 次方程式を掃き出し法によって解け.

 x1 − 2x2
= 3
(1)
−x1 + 3x2 − 2x3 = 2

3x1 − 8x2 + 4x3 = −1
{
(2)
3x1 − x2 = −2
6x1 − 2x2 = a
解答:
• 方程式の解に現れる任意定数の個数を解の自由度という.
定理 12-1 (教科書 P.56 定理 3.4)
n 元連立 1 次方程式 Ax = b に対して次が成立する.
(1) Ax = b が解を持つ ⇔ rank A = rank (A b)
(2)(解を持つとき)解の自由度 = n(変数の数)− rank A
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数学 1 及び演習 ノート 12
例 12-2:次の連立 1 次方程式が解をもつように a の値を求めて,実際に解け.

 2x1 + 3x2 + x3 = 7
x1 + x2 − 3x3 = −6

3x1 + 4x2 − 2x3 = a
解答:
同次連立 1 次方程式
• Ax = 0 の形で書ける連立 1 次方程式を同次連立 1 次方程式という.
• 同次連立 1 次方程式 Ax = 0 に対して x = 0 を自明な解という.
定理 12-2 (教科書 P.58 定理 3.5):
次の (1),(2) は同値.特に,A が n 次正方行列のとき,次の 4 つは同値.
(1) Ax = 0 が自明でない解を持つ
(2) rank A < n
(3) |A| = 0
(4) A は正則でない
定理 12-2 の証明:
3.5
補足:行列と行列式の変形に関する注意
• 行列式の変形と行列の基本変形との違いに注意.
行列の基本変形
行列式の変形で使えるかどうか
2 つの行(列)を入れ替える
行列式では ± が入れ替わる
1
行列式では
が前にかかる
定数倍
行列式でも可能
ある行(列)を定数倍(̸= 0)する
ある行(列)に他の行(列)の定数倍を加える
• 行列の行基本変形と列基本変形の使用方法に注意.
掃き出し法の計算
ランクの計算
ノート 11 の逆行列の計算
行基本変形
○
○
○
列基本変形
×
○
×
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