平成27年度 夏期産米改良座談会資料 富山農林振興センター なのはな農業協同組合 コシヒカリの出穂期と成熟期(予想) 本年は梅雨明け前の7月中旬頃から高温で経過しており、水稲の 生育は平年と比べやや早まわっています。 コシヒカリの出穂期は平年より3日程度早い8月1日頃となり、 成熟期は9月8日頃と予想されます。 また、てんたかくの出穂期は7月20日頃で、成熟期は8月23 日頃と予想されます。 今後もきめ細かな水管理を行い、適期刈取と適正な乾燥調製で品 質の高い「売れる富山米の生産」に努めましょう。 田植日 出穂期 27年 5月11日 8月1日 9月 8日頃 26年 5月11日 8月1日 9月10日 5月11日 8月4日 9月12日 平年 (H17~26) 成熟期 ※コシヒカリ生育基礎ほ(9カ所)の平均値 暑かった平成22年においても、 湛水管理により葉色が維持され、 品質向上に寄与しました。 出穂から 20 日間の湛水管理と刈取 5~7 日前まで間断かん水 (1)出穂後20日間は、田面が露出しない程度の「湛水状態」を保ちま しょう。 (2)出穂20日後~刈取りの5~7日前までは「間断かん水」に切り替 え、土が乾かないように注意し、根の活力の維持を図りましょう。 早すぎる落水は、登熟後半の稲の活力を低下させ、基白粒や背白粒 などの白未熟粒の多発につながる恐れがあります。 (3)フェーン現象が予想される場合は、事前に「入水」しましょう。 ※水の有効利用のため、かけ流しはしない 70 60 完全粒 背白・基白 50 発生率(%) 1 年 度 40 30 20 10 0 間断かん水 図 湛水 出穂後 20 日間の水管理と玄米品質 (農業研究所、2010) イメージ図 出穂期 出穂 20日後 (稲体の活力維持・カドミウム吸収抑制) 田面水の深さ2~3cm 程度の湛水管理 刈取りの5~7日前 間断かん水 落水 葉の枯れ上がりを防ぎ、稔りをよくするため、早期 落水はしない(乾きすぎに注意)! 朝夕等、短時間に入水し、 田面を露出させない。 ※「フェーン現象予測」は、NOSAI 富山のホームページに掲載されています。 (http://micos-sa.jwa.or.jp/hokuriku/nosai-t/index.htm) 2 収穫・乾燥調製機械の点検・整備等は早めに! 本年は、上記のとおり、どの品種も出穂が平年よりも早くなっています。そのため、収穫時期が平年に比べ極端に早くな るものと予想されます。 特に、登熟期間中の気温が異常高温となった場合は、登熟日数(出穂~刈取適期)の期間が短縮されます。 ①コンバイン・乾燥機等の点検・整備、②農作業場の清掃等を早めに終えましょう! 成熟期 7/20 成熟期 8/23 (変動の可能性あり) 出穂期 8/1 本年産の成熟期予想 成熟期 9/8 3 適期内収穫で胴割粒発生防止に努める 近年のような高温条件下では、籾の黄化が促進するとともに、籾の見た目以上に玄米の 青みの抜けが早くなる傾向があります。 さらに、高温登熟や収穫時期のフェーン現象の影響等により、胴割粒は多発する傾向に あるので、刈取始期を的確に把握し、適期内刈取に努めましょう。 ※刈取始期の目安(高温年の場合) てんたかく:籾黄化率80%~ (出穂後32日頃~) コシヒカリ:籾黄化率80%~ (出穂後35日頃~) 表 籾の黄化率と成熟期前後日数 の目安(コシヒカリ) 籾黄化率 成熟期前 (%) 日数 50 -6 60 -4 70 -3 80 -2 85 0(成熟期) 90 +2 【刈取作業の留意点】 ○「クサネム」の種子が混入すると、調製作業で除去するのは 困難です。刈取前に必ず抜き取ってください。 ○刈取りは、朝露が完全に落ちて、籾がさらさらした頃から始 めましょう。 ○畦畔沿いに褐変籾が多く見られる場合は、畔まわりの刈取 から調製までを別扱いとし、着色米の混入を防ぎましょう。 ○刈取後は、ヤケ米の発生を防止するため、4時間以内に籾 を乾燥機に張込み、送風してください。 4 適正な乾燥・調製で品質向上! クサネム クサネムの種子 ~玄米水分14.5~15.0%、適正流量でくず米の完全除去を~ 【乾燥作業の留意点】 ①籾の張込み直後は籾水分のバラツキが大きいので、2~3時間程度は通風による乾燥を行いましょう。 ②機種に指定されている温度設定と張り込み量を守り、ゆっくり乾燥しましょう。 ③青米の混入程度を確認し、下表を参考に乾燥機の停止水分を設定しましょう。 ④玄米水分が17%を切ったら、手動の水分計でこまめ に測定し、過乾燥にならないよう注意しましょう。 胴割粒を防ぐためのフロー 表 乾燥機の停止水分判定の目安 100粒中の 青米数 乾燥機の 設定停止水分 乾燥機停止後の 水分変化 0~5粒 15.0~15.5% 6~10粒 14.5~15.0% ほとんど変わらない 11粒以上 14.0~14.5% もどる 乾 籾水分 25%以上 収穫籾の水 籾水分 20%未満 く ①2~3 時間の通風乾燥 ②二段乾燥 ③機種標準マイナス 5℃ の送風温度 機種標準マイナス 5℃ の送風温度 【調製作業の留意点】 ①劣化したゴムロールは新品と交換しましょう。 ②籾摺りは、乾燥後2~3日置いて玄米水分が均一 になってから行い、砕米・肌ずれ米の発生を防ぎ ましょう。 ③選別は 1.9 ㎜の篩目を使用するとともに、適正な 流量を守り、くず米の完全除去に努めましょう。 ①乾燥速度 0.8%/時間以下 送風温度のチェック・・・外気温・湿度 乾燥時間のチェック・・・青米混入率 子実水分のチェック・・・17%を切ったら ②乾燥終了後冷却循環
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