2~3cm の湛水状態

富山農林振興センター
なのはな農業協同組合
コシヒカリの幼穂形成期と出穂期
コシヒカリの生育は、今年も高温等の影響により平年に
比べて早まわっています。
今後も高温傾向が予想されるため、水管理等により稲体
の活力維持を図るとともに、刈取時期を的確に見極め、白
未熟粒や胴割粒の発生を抑える必要があります。
田植時期
幼穂形成期
出穂期
27年
5月11日
7月11日
8月 1日
26年
5月11日
7月10日
8月 1日
5月11日
7月12日
8月 4日
平年
生育ステージにあわせた水管理や病害虫防除の徹底と、
適期刈取と適正な乾燥調製で、高品質米に仕上げましょう。
1
年 度
(H17~26)
※なのはな農協管内コシヒカリ生育基礎ほ(9カ所)の平均値
出穂以降の水管理徹底で、稲体活力維持!
(1)出穂後20日間は田面が露出しない程度の湛水状態を保ちましょう。
(2)出穂20日後から刈取りの5~7日前までは「間断かん水」に切り替えてください。
(3)フェーン現象が予想される場合は、事前に「入水」しましょう。
※「フェーン現象予測」は、NOSAI 富山のホームページに掲載されています。
(http://micos-sa.jwa.or.jp/hokuriku/nosai-t/index.htm)
湛水管理で、カドミウム
の吸収抑制も図ります!
<水管理イメージ図>
出
間断かん水
落水
2~3cm の湛水状態
出穂後20日間
2
刈取り
穂
田面を
露出しない
刈取り5~7日前
基本防除を徹底し、病害虫による収量・品質低下を防止する
本年もカメムシ類多発注意報が発令(6月24日付)されています。
また、今年はほ場毎に生育ステージのバラつきが大きいことから、
ほ場毎にステージを確認し、適期を逃さず防除を行いましょう。
斑点米カメムシ発生状況調査(H27.7.22 なのはな農協管内の早生ほ場 17 カ所)
発生頭数(頭/20 回振)
アカヒゲ
アカスジ
トゲシラ
H27
1.3
0.5
0.2
平 年
1.2
0.7
0.2
※平年は H17~26 の平均値
発生地点率
(%)
88
63
※粉剤防除体系の場合
防除時期の目安
コシヒカリ(8/1 出穂)
てんこもり(8/6 出穂)
穂揃期
8/5~7頃
8/10~12 頃
使用薬剤名及び散布量
ゲットワン粉剤 3~4kg/10a
アカヒゲホソミドリカスミカメ
アカスジカスミカメ
●体長 5~6 mm
●体長 5~6 mm
●寄主植物
●寄主植物
イネ科植物
イネ科植物
(メヒシバ、ノビエなど )
(メヒシバ、ノビエなど )
カヤツリグサ科植物
(ホタルイなど )
対象病害虫
いもち病
ウンカ・カメムシ類
※本田内のノビエやホタルイは、カメムシ類の侵入や斑点米の被害を助長するので、除草を徹底してください。
※薬剤は、使用基準等を厳守し、周辺の作物に飛散しないよう十分注意して防除してください。
3
適期内収穫で胴割粒発生防止に努める
近年のような高温条件下では、籾の黄化が促進するとともに、籾の見た目以上に玄米の
青みの抜けが早くなる傾向があります。
さらに、高温登熟や収穫時期のフェーン現象の影響等により、胴割粒は多発する傾向に
あるので、刈取始期を的確に把握し、適期内刈取に努めましょう。
※刈取始期の目安(高温年の場合)
てんたかく:籾黄化率80%~
(出穂後32日頃~)
コシヒカリ:籾黄化率80%~
(出穂後35日頃~)
表 籾の黄化率と成熟期前後日数
の目安(コシヒカリ)
籾黄化率
成熟期前
(%)
日数
50
-6
60
-4
70
-3
80
-2
85
0(成熟期)
90
+2
【刈取作業の留意点】
○「クサネム」の種子が混入すると、調製作業で除去するのは
困難です。刈取前に必ず抜き取ってください。
○刈取りは、朝露が完全に落ちて、籾がさらさらした頃から始
めましょう。
○畦畔沿いに褐変籾が多く見られる場合は、畔まわりの刈取
から調製までを別扱いとし、着色米の混入を防ぎましょう。
○刈取後は、ヤケ米の発生を防止するため、4時間以内に籾
を乾燥機に張込み、送風してください。
4
適正な乾燥・調製で品質向上!
クサネム
クサネムの種子
~玄米水分14.5~15.0%、適正流量でくず米の完全除去を~
【乾燥作業の留意点】
①籾の張込み直後は籾水分のバラツキが大きいので、2~3時間程度は通風による乾燥を行いましょう。
②機種に指定されている温度設定と張り込み量を守り、ゆっくり乾燥しましょう。
③青米の混入程度を確認し、下表を参考に乾燥機の停止水分を設定しましょう。
④玄米水分が17%を切ったら、手動の水分計でこまめ
に測定し、過乾燥にならないよう注意しましょう。
胴割粒を防ぐためのフロー
表
乾燥機の停止水分判定の目安
100粒中の
青米数
乾燥機の
設定停止水分
乾燥機停止後の
水分変化
0~5粒
15.0~15.5%
6~10粒
14.5~15.0%
ほとんど変わらない
11粒以上
14.0~14.5%
もどる
乾
籾水分 25%以上
収穫籾の水
籾水分 20%未満
く
①2~3 時間の通風乾燥
②二段乾燥
③機種標準マイナス 5℃
の送風温度
機種標準マイナス 5℃
の送風温度
【調製作業の留意点】
①劣化したゴムロールは新品と交換しましょう。
②籾摺りは、乾燥後2~3日置いて玄米水分が均一
になってから行い、砕米・肌ずれ米の発生を防ぎ
ましょう。
③選別は 1.9 ㎜の篩目を使用するとともに、適正な
流量を守り、くず米の完全除去に努めましょう。
①乾燥速度 0.8%/時間以下
送風温度のチェック・・・外気温・湿度
乾燥時間のチェック・・・青米混入率
子実水分のチェック・・・17%を切ったら
②乾燥終了後冷却循環