NEC玉川ルネッサンスシティ(Ⅰ)建物用途 事務所

番号
062
建築物の名称
NEC玉川ルネッサンスシティ(Ⅰ) 建物用途
所
在
地
神奈川県川崎市中原区下沼部 1753
設
計
者
(株)日建設計、(株)大林組東京本社一級建築士事務所
施
工
者
管
理
者
日本電気(株)
規
模
地上26階、地下2階、延べ面積
構
造
S 造、SRC 造
事務所
大林・鹿島共同企業体(総合)、三機工業(株)他4社(空調)、
(株)西原衛生工業所他1社(衛生)、(株)関電工他5社(電気)
申 請 部 分
79,554.17 ㎡
全部
(第Ⅰ期)
竣 工 年 月
平成12年1月
設 計 趣 旨
NECの“頭脳センタ−”として位置付けられた当ビ
ルは、快適性に加え耐震性・安全性・IT対応など最適
なオフィス環境を整備すると共に、従来の省エネルギー
対策に加え、地球温暖化防止対策として施工段階も含め
た CO2 排出量削減、廃棄物削減、水資源の有効利用、リ
サイクル対応、長寿命化など、環境負荷を削減する「環
境コンセプト」を構築し、建物の設計・建設・運用・解
体・再生までの建物のライフサイクルを通した「地球環
境と共生するエコロジ−ビル」の実現を目指した。
1.省エネルギー手法導入による運用段階での CO2 排出量
削減
環境負荷を削減するために、設備的省エネルギー手法
の導入を含め、地下躯体コンクリートおよび搬出土量の
削減を目的とした駐車場の地上化、エコ材料やリサイク
ル可能な材料の選定、東西コア南北開口の省エネルギー
的な建物形状・コア配置計画、熱負荷の低減に効果的な
エアフローウィンドウの採用、長寿命化のための数々の
対策などを施した。地球温暖化の大きな原因とされる CO2
排 出量 削減に 対し ては、 ライ フサイ ク ル CO2 排 出量
(LCCO2)の約 70%を占めると想定された運用段階での
CO2 排出量の大幅な削減を目的として、種々の省エネルギ
ー対策を採用した。
2.再利用システムの導入による廃棄物の削減等環境負荷
の削減
水資源の有効利用、廃棄物の削減、厨房排水による
環境負荷の削減を図るべく、雨水、厨房排水および冷
却塔ブロー排水の再処理設備や生ゴミのコンポスト化
装置を設置した。
〝地球環境のためにできること″を念頭に
「地球環境の維持・保全に貢献する
エコロジービル建設」を推進
建設から解体までの
ライフサイクル CO 2 の
35%削減を目標
企画 / 構想
Step5
NECスーパータワーからの継承
・環境コンセプトの策定
Step1
・環境アセスメント実施
設 計
解体 / 再生
廃棄物をゼロにする
「 ゼロ・ エミ ッシ ョン」
手法の導入
・リサイクル率95%を目標
運 用
Step4
Step2
環境配慮への
強い意志
資源の有効利用、
運用エネルギーの低減を推進
・運用エネルギー消費の40%削減
を目標
・水資源の有効活用により
上水使用量を大幅に削減
地球環境、周辺環境
の負荷に対する配慮
・LCCO2の大幅な削減
・リサイクル率の向上
建物の長寿命化
建設
Step3 エコ委員会の組織化
・LCCO2削減評価
・リサイクル率向上への施策
・建設中の環境管理徹底
・エコパトロール実施
環境教育/啓蒙運動の実践
・エコ標語、エコアイデア、エコサークル
3.建設段階における環境負荷削減
建設段階においては、自動化・ユニット化工法の採用による重機・搬送エネルギーおよび材料の削減、機材
搬入時の梱包レス化などを行った。これらの取り組みは、発注者・設計者・施工者が一体となって組織された
「エコ委員会」によって実施、管理され、施工現場におけるエコロジー活動が推進された。
「エコ委員会」は、
その活動を、建物の建設現場だけにとどめず、「啓蒙活動」を通して、建設工事に携わる工事関係者の家庭や
地域社会で「地球環境のためにできること」という意識の向上に努めた。