ミサワ瀬戸内ゴルフリゾート クラブハウス

番号
055
建築物の名称
ミサワ瀬戸内ゴルフリゾート
クラブハウス
所
在
地
広島県竹原市吉名町831番地
設
計
者
環境建設株式会社
施
工
者
ミサワリゾート株式会社
管
理
者
瀬戸内リゾート株式会社
規
模
地上2階、地下1階、延べ面積
構
造
RC 造、一部 S 造
建物用途
ゴルフ場クラブハウス
申 請 部 分
全部
4,056.69 ㎡
竣 工 年 月
平成12年8月
設 計 趣 旨
瀬戸内海を一望する高台にあるこのクラブハウスは、計画当初から自然との
共生を目指し、環境への不可を最小限に抑えることを命題として計画された。
環境負荷を低減する様々な設備システムを総合的に検討した結果、近年問題
となっている、発電能力の限界による原子力発電への依存傾向を少しでも食い
止める方策として、また CO2 や NOxを抑制し、地球温暖化防止の方策として、
夜間の使用が殆ど無いゴルフ場クラブハウスという施設の特性を生かして、深
夜電力の有効かつ総合的な利用を採用することにした。
1.深夜電力のメリット
(a)環境にやさしい
省エネルギーで CO2 の発生も少ない夜間電力を利用するため、エネル
ギー資源の節約が可能な環境低負荷システムといえる。CO2 や NOxが大
幅に抑制でき、地球温暖化防止に大きく貢献できる。
(b)電力負荷の平準化
電力需要のピークが夜間にシフトすることにより電力負荷の平準化が
でき、効率的な発電運転が可能となる。その結果、発電設備の建設先送り
が出来るため、原子力発電に依存する電力開発を回避することが出来る。
(c)運営コスト低減
蓄熱エネルギーを利用するため、熱源機容量が小さくなり、また夜間の
安価な電気を使うためランニングコストも低減できる。
2.エコアイス(氷蓄熱)による蓄熱空調システム
CO2 の低減に有効な、深夜電力を利用したエコアイス(氷蓄熱)による
空調システムを導入し合わせてランニングコストの低減を図っている。余
った蓄熱媒体(氷)は保存され、翌日の空調に利用されるため、無駄の無
いエネルギー利用が可能である。エコアイスユニットはクラブハウス屋上
に設置されているため、建物のデザインを損ねることもない。
3.蓄熱式ヒートポンプ給湯による温水利用
効率のよさから従来採用されていた重油炊きボイラーの採用を今回は
中止し、深夜電力の利用によるヒートポンプ貯湯システムを導入すること
により、CO2 の発生伝を排除した。
4.自然換気
年間を通じ、空調設備の依存を減らすため、建物には自然換気が可能な
ような設計としている。
2Fレストラン窓下に自然換気用の開口(手動)を設置し、可動トップ
ライトとあわせて中間期に自然換気を行うことで、冷房エネルギー消費の
低減を実現している。
5.オール電化厨房
熱伝導効率が高いためランニングコストにおいてガスより優れている
というだけではなく、空調及び排気の低減が図れる。また厨房で働く人たちの健康に有害な生ガスの発生も無く、安全なシ
ステムとして電化厨房を採用し、従業員の健康にも配慮した設計とした。
6.リサイクル資材の採用
クラブハウス2階テラスデッキ部分に、対候性・耐久性に優れたマテリアルリサイクル材(M−Wood2)を採用する
ことで、資材のリサイクルの促進を行っている。
マテリアルリサイクル材(M−Wood2)は、建築廃材や工場加工廃材などの木質系廃棄物とオレフィン系・塩ビ系な
どの廃プラスチックを原料とする100%リサイクル材で、森林資源の保護と廃棄物の再利用促進に有効な素材である。