研究室の評価 我が国では個人及び組織の研究レベルをいくつかの項目を基準とし評価しています。 その中でも科研費を含む様々な研究費の獲得状況(量)と研究成果(論文)の掲載量および質 を最も重要な評価項目と設定しています(我が国の研究評価システムの在り方、日本学術会議、2012)。 勿論、それ以外にも研究室に配属している学生諸君の就職率も重要な評価項目の一つになると思います。 研究費の獲得においては科研費の獲得が最も評価され、次に国や道、県、など官公庁予算が評価されます。 論文に関しては、様々な異見もあろうかと思いますが、例えば土木分野は日本語の論文が多いので、英文 の論文の掲載量で評価されるのは妥当ではないという意見が多いように見受けられます。また、分野によっ ては、一部の例ではありますが日本の主要大学を基準で述べますと、化学分野は年間8~15報の論文が 出るのに対して生物分野は年間4~8報で分野によって数的に大きな差が見られます(現職教員のコメント に基づいて)。しかし、国際的な評価はトムソンロイターWeb of Scienceによる量的·質的評価が一般化されつ つあります。論文レベルの評価としてはImpact Factorを基準にしていて、よく知られている有名雑誌こそ Impact Factor が高いことが分ります。Nature (42.4), Science (31.5), Nature Materials (36.4) , Nature Nanotechnology (33.2), Nature Biotechnology (39.1), Cell (33.1), New England Journal of Medicine (54.4)など。 室工大としては、多くの研究費獲得は勿論、論文の掲載量を増やしていかないといけません。さらに著名な 論文に掲載できるよう努力する必要があります。これを克服しないと負け犬主義から抜け出すことができま せん。Nature (42.4) やScience (31.5) の様な世界トップジャーナルであれば数年に1報もありうる話ですが、 世の中大抵は論文の掲載量が多い研究室が質の高い論文も量産する傾向が見られるからです。より多くの 研究発表を行い、より多くの実験をすれば当然論文の掲載量は増えるはずです。残念ながら日本国内だけ をみても未だ室工大の存在すらしらない人がたくさんいます。しかし、落胆する必要は決してありません。現 在も頑張っている多くの研究室の努力がいつか実を結ぶ日が必ずやってくると信じているからです。最後に なりますが、同じ時間研究しても論文の掲載量が多いところと少ないところが当然でてきます。それはその 研究グループや教員個人の力量の差ですので努力を重ねて行くしかありません。結局、研究室のレベルは 研究費の獲得状況(量)と研究成果(論文)の掲載量であると言わざるを得ないのかも知れません。
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