開発最前線 2 壊れない・狂わない・浸水しない――3つの「ない」を兼ね備えた洗濯機丸洗いＯＫのウォッシャブルウオッチが、腕時計の歴史に新たな１ページをつけ加えた。洗濯機で洗える腕時計ウォッシャブルウオッチシチズン時計株式会社れまでもありましたが、商品をつくる企画段階かました。製品のモニターをお願いしたケースはこてユーザーサイドの意見を聞く必要があると思いければならないということで、かなり時間をかけ﹁シチズン時計の新しいコンセプトを開発しなに耐えられず、脱水の時間中、時計が止まってし遠心力が加わり、単なる防水加工ではその遠心力じてしまう。それもそのは︵ず地で球の、重自力動の二洗〇濯〇機倍︶のの脱計を洗濯機で洗うと、どうしても時間の狂いが生水時には、およそ二〇〇Ｇユーザーとともに進められていった。時間の狂いをどうするかという問題。従来の腕時二年三ヶ月。ウォッシャブルウオッチの開発は、そこでいよいよ腕時計本体の開発へ。難関は、ットでの意識調査からモニター会議の最終回までして実際の企画づくりにも参加してもらった。ネ上での会議、そのなかの一〇名には、モニターとユーザーからメンバーを選抜して実施したＷＥＢ時の騒音を防ぐというしくみだ。︵ったリングフロートが浮力を確保し、洗濯槽接触んだ硬質樹脂製の洗浄パック。スポンジ素材を使結果完成したのは、リングフロートで外側を囲図 1 ︶上を対象としたインターネットによる意識調査、大規模なマーケティングをおこなった。一万名以にあるのか？プロジェクトは、これまでにないはたして腕時計を洗いたいというニーズは本当ろ試しましたね﹂︵きたり、自分たちで工作したり。とにかくいろい﹁東急ハンズで素材になりそうなものを買って洗浄用のケースをゼロから開発することになった。木崎︶ルウオッチの開発が始められました﹂か︱︱そんなことを調査しながら、ウオッシャブを洗いたいという潜在的な需要はあるんじゃない洗える﹂という高いハードルを設定したことで、の開発のみに注力すればよい。だが、﹁洗濯機で水道水で洗えるようにするだけなら、時計本体これまで声として上がらなかっただけで、腕時計いやカブレが気になる人もけっこういますよね。物と埃が一緒になって、汚れやすくなります。臭﹁とくに夏場から九月あたりまでは、汗や老廃ゃないかと思うほどでした﹂︵音もひどくて。洗濯機のほうが壊れてしまうんじ壊れてしまうんです。それと、洗濯槽にぶつかるそうすると、下で回転しているハネにぶつかって和瀬田︶に所属していた木崎信尚氏によれば︱︱﹁当然時計は重いのでネットごと下に沈みます。ォッシャブルウオッチ開発当初、ウオッチ戦略室うちに、時計には汚れがたまっているらしい。ウがこれまでにはなかった。でも、知らず知らずのけると︱︱た。市販の洗濯ネットに時計を入れて洗濯機にかまず従来の時計を洗濯機で洗ってみることにしい。いや、そもそも﹁腕時計を洗う﹂という発想技術担当の和瀬田隆行氏は、開発にあたって、直接肌に触れている腕時計を洗うことは滅多にな企画から開発までをユーザーと二人三脚で衣類はほぼ毎日洗濯しているのに、同じように壊れず、狂わず、浸水せずが目標 NATURE INTERFACE Dec. 2002 no.12 初めてではないでしょうか﹂︵木崎︶ら、ユーザーの方に参加していただくのは今回が 050 ウォッシャブルウオッチの開発を担当した製品開発部・和瀬田隆行（左）とマーケティング本部・木崎信尚図1 さまざまな試行錯誤の末に開発された洗浄パック図2 バンド連結ピン抜け防止として、形状記憶合金ピンが採用された腕時計の開発が可能になった。て大袈裟な表現ではないだろう。 051 計の歴史に新たな一頁を加えたといっても、決し慮して開発されたウォッシャブルウオッチ。腕時清潔感が与える身体的・心理的な快適性まで配ゃきっとしますよね﹂︵木崎︶開発最前線すし、洗い立てのものを身につけると体も心もし﹁清潔感ってそれだけでさわやかな感じがしまらず、心理的にも好影響を及ぼすという。ブルウオッチのもたらす清潔感は、衛生面のみなれない﹂という声も上がったそうだ。ウォッシャ洗いたい﹂と報告。﹁院内感染予防によいかもしらの反応もよく、ほとんど全員が﹁今後も時計を祉施設でモニタリングをおこなった。モニターか生や清潔にもっとも気を配る必要のある医療・福い。洗濯機での三 ○ ○ 回洗浄テスト、さらに、衛できあがった製品に対するテストにも余念がな許を取得。日本では現在、審査中とのこと。この技術は、アメリカ、ヨーロッパ、韓国で特定することができるんです﹂︵和瀬田︶で、形状記憶合金の超弾性特性により、柔軟に固が外れてしまいます。ピンを形状記憶にすることでにー針こすすツのう﹂る時トこ計ルしとはクてで、ア脱、一ッ水秒秒プ中針一をでをビ図も動ーり時かトま間すでしの力すた狂をよ。い五ねたな倍。いくにそて動しれいきたをの続わ五クけけ倍ォるくくし、さらに秒針を五ビートにすることで、秒﹁言越ま秒うえう針。た。ののど長かのさ。よをそう短のなくカ工しギ夫てはに、秒よ遠針り心に、力あこのるの影と遠響和心を瀬力受田をけ氏乗はりにゴム材料よりも、圧縮によるひずみを低く抑えるリジナル配合の﹁新ブチルゴム﹂を採用。従来のるため、裏蓋パッキンやリュウズパッキンに、オ﹁通常の腕時計だと、脱水時の振動によりピンて、﹁形状記憶合金ピン﹂を採用した。︵図 2 ︶また洗濯時の、バンド連結ピンの抜け防止としことに成功した。技術的な工夫はほかにもある。防水性を強化す特許を取得した﹁形状記憶合金ピン﹂