7.事故防止対策《排泄に関すること》 (1)事故事例 ①用便中の症状急変 ②バルーンカテーテルの管理ミス:クランプ忘れ、固定方法のミス ③感染性排泄物による院内感染 ④ポータブル便器の選択ミス (2)対策 ①用便中の症状急変 1)トイレ内のナースコールの位置を確認し、入院オリエンテーション時に説明する。 2)その人の安静度を理解する。 排泄の行動範囲(ベッド上、ベッドサイド、またはポータブル便器なのか)を患者 が理解できる言葉と内容で説明しておく。 ②尿道留置カテーテルの管理ミス 1)尿道留置カテーテルの要否の判断を行い、不必要に留置しない。 2)クランプ忘れ防止のため、クランプした時尿が漏れていないか確認する。 3)はさみ類は家に持って帰ってもらう。 4)バルーンの固定は確実に行う、とくに男性の場合は解剖的なリスクがあることを理 解した上で実施する。 ➢看護手順 基礎看護 持続導尿参照 ③感染性排泄物による院内感染 1)感染性胃腸炎による排泄物の取り扱い方の手順を教育する。 医療関連感染防止ガイドラインの手順に沿って、誰でもすぐに、どの薬品を、どの くらいの希釈濃度で実行すればよいのかが、わかりやすく表示しておく。 2)感染性排泄物のオムツの取り扱い a)MRSA、O-157、アデノウイルス、キャンピロ、ノロ、ロタ、ウイルス性肝炎、など が確定または疑いのときの排泄物は、オムツを丸めてナイロン袋に入れ、ハザー ド缶に捨てる。 b)小児の場合は、便器をトイレクリーナで拭き、便座を 0.05%ハイター液で拭く。 3)排泄物を捨てたあとは必ず手洗いをする。 ④ポータブルトイレの選択ミス 1)ポータブルトイレが、その患者の ADL に合っていなかったために転倒する場合があ る。患者の生活反応を理解したうえで便器の種類を選択する。 2)患者はポータブルトイレに寄りかかり転倒することがあるので、肘掛けが必要か背 もたれが必要かの判断をする。 3)都合により高さの違うポータブルトイレに交換した場合、新しいポータブルトイレ の使い方の練習をしてもらい安全確認をしたうえで使用する。 4)ポータブルトイレの使用中は、患者の状態に十分気をつけておく。 5)ナースコールの位置を患者の手の届くところに設置しておく。
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