平成26年度「幼・小・中連携ステップアップ事業」実施報告書

平成26年度「幼・小・中連携ステップアップ事業」実施報告書
中学校区
事 業
テーマ
園児・児童・生徒
総数
田村市立滝根中学校区
430名
『学びと育ちのネットワークINたきね』
~幼・小・中連携による「たくましく学ぶ滝根の子の育成」を目指して~
【めざす子どもの姿】
○たくましく学ぶ子ども
○基本的な生活習慣と社会規範の基礎を身につけた子ども
○自分の思いや考えをはっきり伝え、学び合う子ども
【本年度のおもな取り組み】
◇小学校、中学校での授業研究会 ◇幼稚園児と小学生の交流活動 ◇小学校間の交流会
◇生徒指導連絡会(幼稚園と小学校、小学校と中学校間) ◇小学校教師による出前授業
◇先進校視察
◇広報誌の発行(年3回) ◇情報モラル教育講座(菅谷小、滝根中)
【取り組みの概要】
□滝根地区生徒指導連絡会〔6月20日(金)
:滝根中学校〕
滝根中学校全クラスの授業公開後に、小・中学校教員によ
る協議会をもち、中学校の生徒指導上の課題についての報告
を受け、分科会において小・中学校が共通して実践すべきこ
とを確認しあった。また、新入生学力検査の結果を受けて、
今後の学習指導上配慮すべき点や学力向上に向けて共通実践
事項を話し合った。
〔滝根中学校での協議会〕
□小・中連携授業研究会
〔第1回 7月8日(火)
:滝根中学校〕
授業公開:中学2年 数学「一次関数」
授業者:滝根中学校教諭 赤塚
指導助言者:岡山大学教授 佐藤暁先生
○中学2年生の数学の授業を、参加者全員で生徒たちがどのような学習をしたのかを授業改
善の視点にそって参観した。その後指導助言者が録画した映像をもとに個別の学習状況につ
いて協議を行った。
〔第2回 9月5日(金)
:菅谷小学校〕
授業公開:小学4年 国語「ごんぎつね」 授業者:菅谷小学校教諭 穴澤
指導助言者:宮城教育大学教授 相澤秀夫先生
○小中学校教員26名が参加し、授業参観後の事後研究会では指導助言者より「教材研究の
仕方」、「効果的な意図的指名の在り方」、「ノートの使い方」など学習指導の基本的な事項に
ついての教示していただき、指導力の向上につながった。
小学4年生の授業
指導法について協議
教員へ指導する相澤教授
□幼稚園児と小学校との交流
○6月10日に幼・小生徒指導連絡会を滝根幼稚園で開催した。午前中に保育の様子を参観
し、午後に協議会を行った。幼稚園の担当教員と小学校1年の担任が生徒指導に関する話し
合いをもち、小学校入学前に身につけるべき、基本的な生活習慣について共通理解を図った。
○滝根小学校と広瀬小学校の1年担任が滝根幼稚園に出向いて、年長児に鉛筆の正しい持ち
方を指導した。園児は小学校教員の指導のもとに直線や曲線を描く練習を行った。また、幼
稚園児と小学1・2年生との交流ではゲームなどを通して楽しい時間を過ごせた。
園児への鉛筆持ち方指導
園児と小学生の交流1
園児と小学生の交流
□滝根地区3小学校間の交流活動
○滝根地区の小学校2年生と3年生が10月末にそれぞれが
滝根小学校体育館で同学年間での交流会に参加した。昨年も
実施しているので、児童たちの気持ちも通じ合い、全員合唱
やレクリエーションを通して、互いを理解したり協力しあう
ことができるようになった。
□小中連携合同研修視察
〔日時:10月24日 視察校:白河第二小学校〕
○滝根地区の小中学校より6名の教員が白河第二小学校への研修視察を行った。視察校の研究テ
ーマは「主体的な学習態度を育てる授業の改善」であり、小学校の国語、算数、理科、社会の授
業が公開された。さらに4教科の授業を筑波大学附属小の教員による講師授業もあり、その後の
活発な分科会やシンポジウムが展開された。滝根地区の教員が4教科に別れて授業参観や研修を
行い、その内容についてプリントにまとめ、滝根地区内の教職員に配付した。
□情報モラル教育講座
〔1月27日 菅谷小と滝根中学校で開催〕
○情報モラル教育講座は教育センターの出前講座として開催。講師に福島県教育センター情報教
育チームの目黒氏を招き、次の4点(①インターネットに書き込みをするということ、②悪意あ
る人への対策、③ネット依存の対策、④友だちとのトラブル対策)に
ついて具体的な事例を交えて話をしてもらう。特に、子どもの利用度
の高い、ラインやオンラインゲームの危険性などの話があり、教職員
にも大変有意義な研修であたった。講座の最後に講師の方から、情報
機器にあやつられるのではなく、あやつこるこ(相手の事を考える。
役に立つ使い方を考える。使い方を振り返る。ルールを考える。困っ
たときは相談する。
)であって欲しいとの話があった。
情報モラル教育講座
【成果】
○2回の授業研究会では、大学教授の佐藤暁先生(岡山大)や相澤秀夫先生(宮城教育大学)
を講師に招き、児童生徒の学習状況の様子をもとに、教師の授業の進め方について、的確な
助言をいただいた。今後の小・中学校での授業改善に向けての指針を得た。
○幼稚園と小学校、小学校間の交流活動を通して、子どもたち同士の意思の疎通がスムーズ
にできるようになり、小1ギャップの解消や統合小学校に向けての好影響が出ている。
○小中学校合同の研修視察での研修内容についてまとめたものを、町内の教職員へプリント
して配付できた。個々の教員が自分の授業改善について考える資料となった。
○情報モラル教育講座は、児童・生徒のSNSとの関わりの問題点から、教育センターに依
頼し、教職員と児童・生徒対象に講座を開いてもらった。SNS利用上の問題点について事
例を交えて詳細な説明があり、とても有意義な講座であった。
【課題】
●小中連携のねらいの一つである学力向上に関しては、子どもの家庭における基本的な生活
習慣の確立、家庭学習の習慣化が不可欠である。そのために、小中が連携し、家庭において
子どもに基本的な生活習慣(早寝、早起き、朝ご飯)をしっかり身につけてもらえるよう保
護者への協力要請をしっかり行っていくことが必要である。
●家庭学習の妨げ、基本的生活習慣の乱れとなっているスマートフォン、ライン、オンライ
ンゲームなどのSNSの正しい利用のしかたについて、地域をあげて家庭へのはたらきかけ
が喫緊の課題と考える。
●教員同士の交流、児童と生徒の交流の場を設定して、さらなる連携を進める必要がある。
【補助金の活用とその効果】
○補助金を幼稚園と小学校、小学校間、小学校と中学校間の交流活動の経費、授業改善に向
けた教員の授業研究会への講師招請や教員の研修視察の経費として活用でき、連携事業推進
に役立てることができた。