bj-league Official Rule Book 2015-2016 bj-league Official Rule Book 2015-2016 目次 RULE ONE ゲーム Art1. ゲーム RULE TWO コート・用具・器具 Art2. Art3. コート 用具・器具 RULE THREE チーム Art4. Art5. Art6. Art7. チーム プレイヤーが負傷した場合 キャプテン:任務と権限 コーチ:任務と権限 RULE FOUR プレイの規定 Art8. Art9. Art10. Art11. Art12. Art13. Art14. Art15. Art16. Art17. Art18. Art19. Art20. 競技時間・同点と延長 各クォーターの開始と終了 ボールの状態 プレイヤーと審判の位置 ジャンプ・ボール、オルタネイティング・ポゼション・ルール ボールの扱い方 ボールのコントロール ボールのポゼション(所有権) ショットの動作中のプレイヤー ゴールと点数 スロー・イン タイム・アウトとオフィシャル・タイム・アウト 交代 RULE FIVE ヴァイオレイション Art21. Art22. Art23. Art24. Art25. Art26. Art27. Art28. Art29. Art30. ヴァイオレイション アウト・オブ・バウンズ ドリブル トラヴェリング 3秒ルール 近接して防御されたプレイヤー 8秒ルール 24 秒ルール ボールをバック・コートに返すこと ゴール・テンディングとインタフェア 1 1 2 2 3 5 5 6 7 8 9 9 9 10 11 11 14 14 15 15 16 16 18 21 23 23 23 24 25 27 27 27 28 30 31 RULE SIX ファウル Art31. Art32. Art33. Art34. Art35. Art36. Art37. Art38. Art39. Art40. Art41. Art42. テクニカル・ファウル ディレイ・オブ・ゲーム ファイティング 罰金と出場停止 プレイの原則 パーソナル・ファウル フレグラント・ファウル 失格・退場 ダブル・ファウル ルーズボール・ファウル アウェイ・フロム・ザ・プレイ・ファウル クリア・パス・ファウル RULE SEVEN ファウルの処置(色々な場合) Art43. Art44. Art45. Art46. Art47. プレイヤーの5回のファウル チーム・ファウルの罰則 特別な処置をする場合 フリースロー 処置の訂正 RULE EIGHT 審判・テーブル・オフィシャルズ:任務と権限 Art48. Art49. Art50. Art51. Art52. Art53. 審判・テーブル・オフィシャルズ クルー・チーフ:任務と権限 審判:任務と権限 スコアラーの任務 タイマーの任務 ショット・クロック・オペレーターの任務 33 33 36 37 37 38 45 46 47 47 48 48 49 50 50 50 51 51 54 56 56 56 57 58 59 60 RULE NINE プロテスト(抗議) 63 プロテスト(抗議) 63 Art54. 審判の合図 64 解説 66 RULE ONE ゲーム THE GAME Art1. ゲームの定義 Definitions 1. ゲームはそれぞれ5人ずつのプレイヤーからなる2チームによってプレイされる。 目的は、決められた競技時間内に自チームのバスケットにより多く得点することで あり、相手が得点することを妨げることである。 2. 1チームが攻撃するバスケットを自チームのバスケットといい、相手が得点するこ とを妨げるバスケットを相手チームのバスケットという。 3. ゲームの勝敗は、競技時間が終了した時点で得点の多いチームを勝ちとする。 1 RULE TWO コート・用具・器具 COURT AND EQUIPMENT Court 3.0m Art2. コート 30cm 3.0m 5m又は4.9m 2.65m 5m又は5.675m 1. すべてのラインは幅5cmとし、コートは図のように描く。 2. フリースロー ・レーンと制限区域 3. センター ・ラインとセンター ・サークル 2 4. 5. 6. 7. スリーポイント・ライン ベンチ・エリア ノー・チャージ・セミ・サークル 1チームのフロント・コートとは、自チームのバスケットのうしろのエンド・ライン からセンター ・ラインの近いほうの縁までのコートの部分をいい、自チームのバス ケットと、バック・ボードの裏以外の部分を含む。 8. 1チームのバック・コートとは、相手チームのバスケットのうしろのエンド・ライン からセンター ・ラインの遠いほうの縁までのコートの部分をいい、相手チームのバ スケットと、バック・ボードの裏以外の部分を含む。 Art3. 用具・器具 Equipment 1. ボール 1)ゲームに適正するボールのはずみは、床からボールの最下点までがおおよそ 1.8mの高さからコートに落下させたとき、ボールの最高点が1.2mから1.4mの間 の高さまではずむものである。 2)ゲームに使用されるボールは、bjリーグで公認されたものでなくてはならない。 2. ゲーム・クロック 1)観客を含むゲームにかかわるすべての人にはっきりと見えるように設置する。 2)デジタル表示で残りの競技時間を示し、各クォーターまたは各延長時限の競技 時間の終了を自動的に大きな音で知らせる合図器具が組み込まれている仕様の もの。 3)各クォーターまたは各延長時限の最後の60秒間は10分の1秒単位まで表示でき るもの。 3. スコアボード 1)観客を含むゲームにかかわるすべての人にはっきりと見えるように設置する。 4. ショット・クロック 5. プレイヤー ・ファウル数の表示 6. チーム・ファウル数の表示 7. チーム・ファウル・ペナルティの表示 1)チーム・ファウルが各クォーター4回になった時に、オフィシャルズ・テーブル 上の両端に観客を含むゲームにかかわる全ての人にはっきりと見えるように、 赤色で設置する。 3 8. 合図器具 1)音色の明瞭に異なる3種類の大きな音の出る合図器具を用意する。 ⅰ)各クォーターまたは各延長時限の競技時間の終了および、規則で定められ た時機(プレイのインタヴァル中に定められた時間が経過したときなど) を知らせるもの ⅱ)24秒の終わりを知らせるもの ⅲ)タイム・アウトの終了や交代などを審判に知らせるもの 9. バックストップ・ユニット 1)コートの両端にバック・ボード、リング、ネット、サポートで構成されたバッ クストップ・ユニットを1組ずつ設置する。 2)バック・ボードとサポートにはプレイヤーの負傷を防ぐための覆いをしなくて はならない。 10. コート / 照明 1)天井の高さまたは天井についている障害物までの高さは、床から7m以上なけ ればならない。 2)照明はコートの表面をむらなく照らすものとし、プレイヤーや審判、テーブル ・オフィシャルズがまぶしくないように配慮しなければならない。 4 RULE THREE チーム TEAMS Art4. チーム Teams 1. チーム・ベンチには、8人以内のチーム関係者と15人以内のチーム・メンバーが入る ことができる。チーム関係者とチーム・メンバーはリーグに登録しなければならな い。 2. 競技時間中、コート上でプレイを認められているときはプレイヤーとよばれる。 3. 競技時間中は、両チーム5人ずつのプレイヤーがコート上でプレイをしていなけれ ばならない。 4. チーム・メンバーは審判がコートに招き入れたときにプレイヤーとなる。ただし、 タイム・アウト中に交代する場合は、チーム・メンバーがスコアラーに申し出たとき にプレイヤーとなる。 5回のファウルをしたプレイヤーは、審判にファウルを宣せられたときにチーム・ メンバーとなる。 失格・退場したプレイヤーは、審判に失格・退場を宣せられたときにチーム・メンバ ーとなる。 5. ユニフォームの規定は次のとおりとする。 1)シャツはチーム・メンバー全員が同じ色・形のものとし、前とうしろは同じ色で なければならない。 2)ゲーム中、プレイヤーはシャツの裾をパンツの中にいれておかなければならな い。 3)シャツの下にTシャツを着用してはならない。 4)シャツの前とうしろの見えやすい位置にシャツの色とはっきり区別できる単色 の番号をつける。番号の高さは15cm以上、幅は1.9cm以上とする。 5)番号は2桁までとする。1桁の数字は0を前につけても良いが、つけないもの との併用はしない。 6)パンツはチーム・メンバー全員が同じ色・形のものとし、前とうしろは同じ色で なければならない。 7)パンツの下にパンツより長いアンダー ・ガーメントをはいてもよいが、その場 合はパンツと同色のものでなければならない。 8)ホーム・チームが濃色のシャツを着用し、ビジティング・チームが淡色のシャツ を着用する。ただし、両チームが了解すれば、それぞれのチームがシャツの濃 淡を決めることができる。 5 6. プレイヤーは、バスケットボールのプレイをするのにふさわしくないもの、ゲーム に支障をもたらすものや、ほかのプレイヤーに危険をもたらすものを身につけては ならない。また、身長や腕の長さを補ったり不当な利益をもたらしたりする用具・ 器具を使用したり着用してはならない。 規則に示されていない用具・器具の使用や着用については、あらかじめリーグの承 認を得ておかなければならない。 Art5. プレイヤーが負傷した場合 Players : Injury 1. ゲーム中にプレイヤーが負傷した場合は、審判はゲームを止めてよい。ボールがラ イブで負傷者がでた通常の場合は、プレイがひと区切りつくまで笛を鳴らさないで おく。プレイがひと区切りつくのは、次の場合である。 1)ボールをコントロールしているチームがボールのチーム・コントロールを失う。 (相手チームがボールをコントロールする) 2)ボールをコントロールしているチームがボールをプレイすることを控える。 3)ボールがデッドになる。 ただし、負傷者を保護する必要があると認めたときは、審判は、ただちにゲームを 止めてもよい。 2. 負傷したプレイヤーがすぐにはプレイをつづけることができない場合(およそ15 秒)、あるいは手当てを受ける場合は、そのプレイヤーはすみやかに交代しなけれ ばならない。 3. 審判の許可があれば、コーチ、アシスタント・コーチ、トレーナー、マネージャー とチーム・メンバー(5回のファウルを宣せられたチーム・メンバーも含まれる)も 負傷者を介抱するためにコートに入ることができる。そのチームのだれかがコート に入った場合は、そのチームのコーチは、負傷したプレイヤーを交代させなければ ならない。 審判の許可を得ないでチーム関係者が負傷者を介抱するためにコートに入った場合 は、どんな状況であっても、そのプレイヤーは交代しなければならないし、その後 そのゲームに出場することはできない。 例外:コーチがタイム・アウトを請求して認められた場合は、そのタイム・アウトの 間に手当てが終われば、交代しなくてもよい。この場合でも、交代の申し出 をして、合図器具が鳴らされたときは、交代しなければならない。 4. 負傷の状態が緊急を要するときは、審判の許可がなくても当該チームの医師だけは コートに入ることができる。医師がコートに入った場合は、負傷したプレイヤーは 必ず交代しなければならない。 6 5. ゲーム中、プレイヤーが出血した場合は次のようにする。 1)審判はできるだけ速やかにゲームを止め手当てを受けさせなければならない。 手当ては30秒以内に終わらせなければならない。30秒が経過しても手当てが終 わらなかった場合は、そのチームのコーチは、出血したプレイヤーを交代させ なければならない。 例外:コーチがタイム・アウトを請求して認められた場合は、そのタイム・アウ トの間に手当てが終われば、交代しなくてもよい。この場合でも、交代 の申し出をして、合図器具が鳴らされたときは、交代しなければならな い。 2)出血したプレイヤーは、出血が止まるか傷口を完全に覆う手当てをしてからで なければ、ふたたびゲームに出場することはできない。 6. 負傷したプレイヤーが次の状況で交代した場合は、その後そのゲームに出場するこ とはできない。 1)負傷したプレイヤーがフリースローを行わないで交代した場合。ただし、負傷 の原因がテクニカル・ファウルやフレグラント・ファウルによるものであった場 合はこの規定は適用されない。 2)審判の許可を得ないでチーム関係者が負傷したプレイヤーを介抱するためにコ ートに入った場合。ただし、負傷の状態が緊急を要するときに医師がコートに 入った場合はこの規定は適用されない。 Art5.6.の規則に反して、プレイヤーがゲームに出場した場合は、ベンチのテクニ カル・ファウルとして処置される。(Art31.16.) 7. チームが指名した最初に出場するプレイヤーがゲーム開始直前に負傷した場合は、 最初に出場するプレイヤーを変更することができる。また、フリースローの1投 目のボールがフリースロー・シューターに与えられたあとであっても、1投目と2投 目、2投目と3投目の間にプレイヤー(当該プレイヤー)を交代させることができ る。これらの場合は、相手チームにも同じ人数だけプレイヤーを変更したり交代さ せたりすることができる。 Art6. キャプテン:任務と権限 Captain : Duties and Powers 1. 各チームは、キャプテンを1人、副キャプテンを2人おくことができる。キャプテ ンや副キャプテンはベンチ登録されたプレイヤーでなければならない。 2. 両チームのキャプテンは、ゲーム開始前に審判とのミーティングに参加する。 3. ゲーム中、キャプテンはボールがデッドでゲーム・クロックが止まっている間であ れば、審判に説明を求めることができる。ただし、どんなときでも礼儀正しくしな ければならない。 4. キャプテンはコーチをかねてよい。 7 Art7. コーチ:任務と権限 Coaches : Duties and Powers 1. ゲーム中、コーチはベンチ・エリアの中にいなくてはならない。 ベンチ・エリアを離れてコートに入ったときは、テクニカル・ファウルが宣せられる。 例外:ゲーム中にコート内で争いごとが起こったときや起こりそうなときに、争い を止めるためにベンチ・エリアを離れてコートに入ったときと、タイムアウト を請求するときはこの規定は適用されない。 2. ゲーム中、コーチとアシスタント・コーチのうち一人だけはベンチ・エリアで立ち続 けることができる。 3. コーチおよび、チームの中で得点、タイム・アウトやファウルの数などを把握し記 録しているものは、ボールがデッドでゲーム・クロックが止められている間であれ ば、得点、競技時間、スコアボードの表示、残っているタイム・アウトの数、ファ ウルの数などに限ってテーブル・オフィシャルズに説明を求めることができる。た だし、どんなときでも礼儀正しくしなければならない。 4. コーチが何らかの理由で、役目が続けられなくなった場合は、アシスタント・コー チが役目を引き継ぐ。アシスタント・コーチも役目が続けられなくなった場合は、 キャプテンが役目を引き継ぐ。 ただし、キャプテンがコーチの役目を引き継いだ場合、プレイヤーとしてコートで プレイをしているときは、コーチの立場でタイム・アウトを請求することはできな い。コーチを兼ねたキャプテンがコートでプレイをする場合は、ベンチにいるチー ム・メンバーからタイム・アウトを請求するものを指名しなくてはならない。 5. 次のときはコーチがフリースロー ・シューターを指定する。 1)相手チームのプレイヤーがパーソナル・ファウルによって出血したり負傷した ためにフリースローを行わないで交代したとき 2)自チームのプレイヤーがテクニカル・ファウルやフレグラント・ファウルによっ て出血したり、負傷したためにフリースローを行わないで交代したとき 3)自チームのプレイヤーが失格・退場によりフリースローを行わないで交代した とき 4)自チームのプレイヤーが5回のファウルを宣せられ、フリースローを行わない で交代したとき 8 RULE FOUR プレイの規定 Art8. 競技時間・同点と延長 PLAYING REGULATIONS Playing Time, Tied Score and Extra Periods 1. ゲームは10分のクォーターを4回行う。第1クォーターと第2クォーターを前半、 第3クォーターと第4クォーターを後半という。延長時限を行う場合は5分とす る。 2. ハーフ・タイムは15分または20分とする。 3. ゲーム前に15分間のインタヴァルをおく。第1クォーターと第2クォーターの間、 第3クォーターと第4クォーターの間、および各延長時限の前に、2分間のインタ ヴァルをおく。2分間のインタヴァルの間は、プレイヤーはコートから離れてチー ム・ベンチに座ってもよいし、プレイヤー以外のチーム・メンバーやチーム関係者も チーム・ベンチ近くであれば、コートに入ってもよい。ただし、インタヴァルの終 了30秒前の合図があるまでは、チーム・ベンチ近くにいなくてはならない。 4. インタヴァルは次のときに始まる。 1)ゲーム開始15分前 2)各クォーターの終了の合図が鳴ったとき 5. インタヴァルは次のときに終わる。 1)第1クォーターを始めるセンター ・サークルのジャンプ・ボールで、トス・アッ プのボールが審判の手から離れたとき 2)第2・第3・第4クォーターおよび延長時限は、各クォーターや各延長時限を始 めるスロー ・インで、スロー ・インするプレイヤーにボールが与えられたとき 6. プレイのインタヴァル中に起こったチーム・メンバーのテクニカル・ファウルは、次 のクォーターに起こったものとして記録される。 7. 第4クォーターが終わったとき両チームの得点が同じだった場合は、1回5分の延 長時限を必要な回数だけ行う。 Art9. 各クォーターの開始と終了 Beginning and End of Quarter or Game 1. 第1クォーターは、センター ・サークルのジャンプ・ボールで、トス・アップのボー ルが審判の手から離れたときに始まる。 2. 第2・第3・第4クォーターおよび延長時限は、各クォーターや各延長時限を始める スロー ・インで、スロー ・インするプレイヤーにボールが与えられたときに始まる。 9 3. 両チームとも10人ずつのチーム・メンバーをそろえていなければゲームは始められ ない。 4. ホーム・チームはベンチを選ぶことができる。前半攻撃するバスケットは相手ベン チ側とする。 5. 両チームは、ゲーム前とハーフ・タイムに、次に攻撃するバスケットのあるハーフ・ コートでウォーム・アップすることができる。 6. 両チームは、後半は攻撃するバスケットを交換し、各延長時限は後半と同じバスケ ットを攻撃する。 7. 各クォーター、各延長時限およびゲームは、競技時間の終了の合図が鳴った瞬間に 終わる。ただし、バックボードに、ゲーム・クロックと連動し、各クォーターと各 延長時限の終了の合図が鳴ると同時にバックボードの外枠全体が赤く発光するよう な装置が備え付けられている場合は、この装置が発光した瞬間に、各クォーターと 各延長時限は終わるものとする。 Art10. ボールの状態 Status of Ball 1. ボールの状態は、ライブもしくはデッドである。 2. ボールは次の瞬間にライブになる。 1)ジャンプ・ボールの場合、トス・アップのボールが審判の手から離れたとき 2)フリースローの場合、フリースロー・シューターにボールが与えられたとき 3)スロー・インの場合、スロー・インをするプレイヤーにボールが与えられたとき 3. ボールは次の瞬間にデッドになる。 1)フィールド・ゴールあるいはフリースローが成功したとき 2)ボールがライブで審判が笛を鳴らしたとき 3)次の場合のフリースローが入らないことが明らかになったとき ⅰ)あとにフリースローがつづく場合 ⅱ)あとにスロー・インあるいは別の罰則によるフリースローが与えられる場合 4)各クォーター、各延長時限の競技時間終了の合図が鳴ったとき 5)どちらかのチームがボールをコントロールしているときに24秒の合図が鳴った とき(ただし、24秒の合図が誤って鳴ったときは除く) 6)ショットされたボールが空中にある間につぎのことがあったとき ⅰ)審判が笛を鳴らし、そののちそのボールにどちらかのプレイヤーが触れた とき ⅱ)各クォーター、各延長時限の競技時間終了の合図が鳴り、そののちそのボ ールにどちらかのプレイヤーが触れたとき 10 ⅲ)24秒の合図が鳴り、そのボールがリングに触れるか触れないことが明らか になる前に、そのボールにどちらかのプレイヤーが触れたとき 4. 次のときは、審判の笛や競技時間の終了の合図が鳴った瞬間にボールはデッドにな らず、ゴールの成否が明らかになったときにボールはデッドになり、成功したとき は得点が認められる。ただし、ゴールの成否が明らかになる前でも、ショットされ たボールにプレイヤーが触れるか、床にボールが触れたときはボールはデッドにな る。 1)ショットのボールやバスケットに入る可能性があるボールが空中にある間に、 審判が笛を鳴らしたり、各クォーター、各延長時限の競技時間終了の合図が鳴 ったとき。しかし、ショット動作中のプレイヤーにファウルが宣せられたとき は、その瞬間にボールはデッドになる。 2)フリースローのボールが空中にある間に、フリースロー ・シューターの相手チ ームのプレイヤーの規則違反に対して審判が笛を鳴らしたとき。 3)プレイヤーがすでにショットの動作を起こしたあとに相手チームのプレイヤー にファウルが宣せられ、そののちシューターがそのひとつづきの動作でショッ トを完了したとき。 ただし、4. 3)の場合でも、審判が笛を鳴らす前に各クォーターや各延長時限終了の 合図及び24秒の合図がなったあとにボールがシューターの手から離れたときは、こ の規定は適用されず、ボールがバスケットに入っても得点は認められない。また、 審判が笛を鳴らしたあとに、あらたにショット動作を起こしたときも、この規定は 適用されず、ボールがバスケットに入っても得点は認められない。 Art11. プレイヤーと審判の位置 Location of a Player and an Official 1. プレイヤーの位置は、触れている床によって決まる。ジャンプして空中にいるとき は、最後に触れた床にいるものとみなされる。この規定は、全てのラインについて も適用される。 2. 審判の位置も、プレイヤーと同様である。ボールが審判に触れたときは、その審判 がいる床に触れたものとする。 Art12. ジャンプ・ボール、オルタネイティング・ポゼション・ルールJump Ball and Alternating Possession 1. ジャンプ・ボールとヘルド・ボール 1)ジャンプ・ボールは、第1クォーターを始めるとき、センター・サークルで、審 判が両チームの任意の2人のプレイヤーの間にボールをトス・アップして行わ れる。 2)ヘルド・ボールは、両チームの2人あるいはそれ以上のプレイヤーがボールに 11 片手または両手をしっかりとかけて、どちらのプレイヤーも乱暴にしなければ そのボールを独占することができないときに宣せられる。 2. ジャンプ・ボールの規定 1)両ジャンパーは、センター ・サークルの相手チームのバスケットに近いほうの 半円の中に両足が入るように立ち、片足はセンター・ラインの近くにおく。 2)1チームの2人のプレイヤーがサークルのまわりにとなり合わせて位置したと きは、相手チームから要望があれば、一方の位置は譲らなければならない。 3)審判は、両ジャンパーの間で、ジャンパーがジャンプしても届かない高さまで まっすぐ上にボールをトス・アップする。 4)ジャンパーは、トス・アップされたボールを片手または両手でタップする。ただ し、ボールが最高点に達してからタップしなければならない。 5)ジャンパーは、ボールがタップされる前にジャンプ・ボールの定位置を離れて はならない。 6)どちらのジャンパーも、トス・アップされたボールをつかんではならないし、 それぞれ2回までしかボールをタップすることはできない。ジャンパーは、許 されたタップをするほかは、ボールがジャンパー以外のプレイヤーあるいは床 に触れるまでは、ボールに触れてはならない。 7)どちらのジャンパーもボールをタップすることができなかったり、トスが曲が ったり低すぎたりしたときは、審判は、ジャンプ・ボールのやりなおしをする。 8)ジャンパー以外のプレイヤーは、ボールがタップされるまでサークル(円筒) の外にいなければならないし、からだのどの部分もサークル(円筒)のライン をこえて内側に入れてはならない。 2. 1) 、4) 、5) 、6) 、8)に違反することはヴァイオレイションである。 3. ジャンプ・ボール・シチュエイション 次のとき、ジャンプ・ボール・シチュエイションになる。 1)第1クォーター以外のクォーター(各延長時限を含む)を始めるとき 2)ヘルド・ボールが宣せられたとき 3)両チームのプレイヤーが同時に触れてボールがアウト・オブ・バウンズになった とき 4)だれが最後に触れてボールがアウト・オブ・バウンズになったか審判がわからな かったとき あるいは審判の意見が一致しなかったとき 5)最後のフリースローが成功しなかったときに、両チームのプレイヤーがフリー スローのヴァイオレイションをしたとき 6)両チームのプレイヤーが同時にヴァイオレイションをしたとき 7)ライブのボールがバスケットにはさまったりのったりしてしまったとき ただし、あとにフリースローやスロー・インがつづくときは除く 8)どちらのチームもボールをコントロールしていないかスロー ・インが与えられ ることになっていなかったときにボールがデッドになったとき 12 9)両チームのベンチにいる人たちがArt33.「ファイティング」の規定によって失格・ 退場になったり、Art45.「特別な処置をする場合」が適用される場合で、両チ ームに科される重さの等しい罰則を相殺していったあとにファウルによる罰則 が残らず、なおかつどちらのチームもボールをコントロールしていなかったか スロー・インが与えられることになっていなかったとき 4. オルタネイティング・ポゼション・ルール 1)オルタネイティング・ポゼション・ルールとは、ゲーム中、ジャンプ・ボール・シ チュエイションになったとき、両チームが交互にスロー ・インをしてボールを ライブにするゲーム再開の方法である。 2)オルタネイティング・ポゼション・ルールによるスロー・インは、審判がスロー・ インをするプレイヤーにボールを与えたときに始まる。 また、オルタネイティング・ポゼション・ルールによるスロー・インは、次のと きに終わる。 ⅰ)スロー・インされたボールがコート内のプレイヤーに触れたとき ⅱ)スロー・インをするチームにヴァイオレイションが宣せられたとき ⅲ)スロー ・インされたボールがコート内のプレイヤーに触れずにバスケットに はさまったりのったりしてしまったとき 5. オルタネイティング・ポゼション・ルールによるスロー・イン 1)オルタネイティング・ポゼション・ルールによるスロー・インは、ジャンプ・ボー ル・シチュエイションになったところにもっとも近いサイドラインから行う。た だしそのところがスローインするチームのフロント・コートのエンド・ラインと フリースロー・ラインの間だったときは、どちらか近い方のフリースロー・ライ ンの延長上のサイド・ラインから行う。 2)オルタネイティング・ポゼション・ルールによるスロー ・インのボールは、第1 クォーターを始めるときのジャンプ・ボールのあと最初にコート内でボールを コントロールしたチームの相手チームに先に与えられる。 3)第1クォーター以外の各クォーター(各延長時限を含む)は、オフィシャルズ・ テーブルから遠いほうのエンド・ラインのハッシュ ・マークからのスロー ・イン で始められる。 そのスロー ・インをするチームは、前のクォーターが終了したときにオルタネ イティング・ポゼション・ルールによるスロー ・インが与えられることになって いるチームである。[例外:Art37.4] 4)オルタネイティング・ポゼション・ルールによって次にスロー ・インが与えられ るチームは、ポゼションの表示器具[ポゼション・アロー(赤色の矢印)]によっ て示される。 ポゼション・アローの向きは、次にスロー・インが与えられるチームの攻撃する 方向を示す。 ポゼション・アローの向きは、オルタネイティング・ポゼション・ルールによる スロー ・インが終わったときに、すみやかに変えられる。 13 5)オルタネイティング・ポゼション・ルールによってスロー・インのボールを与え られたチームがそのスロー ・インが終わる前にヴァイオレイションを宣せられ たときは、オルタネイティング・ポゼション・ルールによるスロー・インの権利 は取り消され、ゲームは、相手チームの同じ位置のアウト・オブ・バウンズから のスロー・インで再開される(このスロー・インはヴァイオレイションの罰則に よるものであり、オルタネイティング・ポゼション・ルールによるものではな い)。 次にジャンプ・ボール・シチュエイションになったときオルタネイティング・ポ ゼション・ルールによってスロー・インのボールが与えられるチームの相手チー ムからとなる。 6)第1クォーターが始まる前を除くプレイのインタヴァル中(ハーフ・タイムも 含む)、あるいは競技時間中オルタネイティング・ポゼション・ルールによるス ロー ・インが始まってから終わるまでの間に、どちらかのチームにファウルが 宣せられたときは、ゲームは、ファウルの罰則で再開される。 どちらのチームにファウルが宣せられたとしても、オルタネイティング・ポゼ ション・ルールによるスロー・インの権利は取り消されないので、次にジャンプ・ ボール・シチュエイションになったときにスロー・インのボールが与えられるチ ームは、このときスロー ・インのボールが与えられることになっていたチーム からとなる。 Art13. ボールの扱い方 How the Ball is Played 1. ゲーム中、プレイヤーはボールを手で扱わなくてはならない。規定の定める範囲で あれば、どのような方向へでも、ボールをパスしたり、スローしたり、タップした り、ころがしたり、ドリブルしたりすることができる。 2. ゲーム中、プレイヤーが故意に足や脚(太腿部も含む)でボールをけったり止めた りすることや、こぶしでボールをたたくことは、ヴァイオレイションである。 Art14. ボールのコントロール Control of the Ball 1. チームがボールをコントロールしている(チーム・コントロール)とは、そのチー ムのプレイヤーが次のようにライブのボールをコントロールしたときに始まる。 1)ライブのボールを持つかドリブルをしたとき 2)スロー・インまたはフリースローでライブのボールが与えられたとき 2. 次のときは、チーム・コントロールがつづいていることになる。 1)プレイヤーがライブのボールをコントロールしているとき 2)プレイヤーの間でパスが行われているとき 14 3. チーム・コントロールは、次のときに終わる。 1)相手のプレイヤーにボールをたたき出されたときや、相手プレイヤーがボール に触れコントロールを失ったとき 2)相手のプレイヤーがボールをコントロールしたとき 3)ボールがデッドになったとき 4)プレイヤーが自チームのバスケットにショットまたはフリースローをして、ボ ールがシューターの手から離れたとき ただし、シューターだけは、ボールが手から離れたあとも、ノーマル・フロア・ ポジションに戻るまではコントロールが続いているものとする。 Art15. ボールのポゼション(所有権) Possession of the Ball 1. チームのポゼションは次のときに始まる。 1)プレイヤーがライブのボールを持つかドリブルをしたとき 2)プレイヤーがスロー・インまたはフリースローでライブのボールが与えられたとき 3)スロー・インのボールが与えられることになったとき 2. ひと続きのポゼションは次のときに終わる。 1)相手チームにポゼションが移ったとき 2)ボールがリングに触れたとき(ボールがバスケットに入ったときも含む) Art16. ショットの動作中のプレイヤー Player in the Act of Shooting 1. ショットの動作には、スロー、ダンク、タップがある。 1)スローとは、フィールド・ゴールおよびフリースローのとき、片手または両手 でボールを持ち、自チームのバスケットに向けて投げることをいう。 2)ダンクとは、片手または両手で、ボールを自チームのバスケットの中へ強く投 げ落とすことをいう。 3)タップとは、片手または両手で、ボールを自チームのバスケットに向けてたた くことをいう。 2. ショットの動作は、ひとつづきの動きの中で、プレイヤーが自チームのバスケット をねらって、スローやダンクをするためにボールをつかんだ(ギャザー)と審判が 判断した時に始まる。タップの場合は、自チームのバスケットをねらってボールを タップしたと審判が判断したときに始まる。 3. ショットの動作は、ショットしようとしたプレイヤーの手からボールが離れたときに 終わる。空中にいるシューターのショット動作は、ボールが手から離れたあとも、シ ョットしたプレイヤーがノーマル・フロア・ポジションに戻るまでつづいているものと する。 15 4. ショットの動作を起こしたあとパスをした場合は、ショットの動作とは認めない。 5. 審判の笛が鳴らされたあとであらたにショットの動作を起こしたときは、ボールが バスケットに入っても得点は認められない。 Art17. ゴールと点数 Goal : When Made and Its Value 1. ゴールとは、ライブのボールが上からバスケットに入り、バスケットの中にとどま るか通過することをいう。(例外:Art18.13. 7)) 2. ゴールによる得点は、次のように記録される。 1)フリースローによるゴールは1点 2)ツー・ポイント・エリアから試みたショットのゴールは2点 3)スリー・ポイント・エリアから試みたショットのゴールは3点 3. 誤ってでも偶然にでも、相手のバスケットにボールを入れてしまったフィールド・ ゴールは相手チームに2点が与えられる。 4. ボールが下から入り完全に通過したときはヴァイオレイションである。 5. プレイヤーがスロー・インのボールをつかんだり、最後のフリースローのリバウン ドのボールを直接つかんだときはゲーム・クロックが最短でも0.3秒経過したものと 考える。そのため、ゲーム・クロックの表示が 0.2か 0.1の場合は、プレイヤーはボ ールをつかむことはできず、タップするか直接ダンクをしなければ、そのショット による得点は認めれらない。 Art18. スロー ・イン Throw-In 1. スロー ・インとは、アウト・オブ・バウンズにいるプレイヤーがコート内に向かって ボールをパスすることをいう。 2. 審判はボールをスロー・インをするプレイヤーに手渡すか、スロー・インの位置を示 し、その位置にいるプレイヤーにトスまたはバウンズ・パスで投げ渡す。 3. アウト・オブ・バウンズのヴァイオレイションが起こったときは、ボールがアウト・ オブ・バウンズになった位置から、相手チームのスロー ・インでゲームを再開する。 ただしその位置がエンド・ラインだったときはどちらか近いハッシュ ・マークからス ロー・インする。 16 4. アウト・オブ・バウンズ以外のヴァイオレイションが起こったときは、ヴァイオレイ ションが起こったところにもっとも近いサイド・ラインから、相手チームのスロー・ インでゲームを再開する。ただし、そのヴァイオレイションが、そのチームのフロ ント・コートのエンド・ラインとフリースロー・ラインの間で起こったときは、どち らか近いほうのフリースロー・ラインの延長上のサイド・ラインから、相手チームの スロー・インでゲームを再開する。 5. フリースローの罰則が伴わないファウルが起こったときは、ファウルが起こったと ころにもっとも近いサイド・ラインから、相手チームのスロー ・インでゲームを再開 する。ただし、そのファウルが、そのチームのフロント・コートのエンド・ラインと フリースロー ・ラインの間で起こったときは、どちらか近いほうのフリースロー ・ ラインの延長上のサイド・ラインから、相手チームのスロー ・インでゲームを再開する。 6. 第1クォーターを除く、各クォーターおよび各延長時限を始めるオルタネイティン グ・ポゼション・ルールによるスロー・インはバック・コートのオフィシャルズ・テー ブルから遠いほうのエンド・ラインのハッシュ・マークの位置から行う。 7. フレグラント・ファウル、アウェイ・フロム・ザ・プレイ・ファウル、クリア・パス・フ ァウルに対するフリースローのあとのスロー・インは、フロント・コートのサイド・ ハッシュ・マークから行う。このとき、スロー・インするプレイヤーはコートのどこ にいるプレイヤーにパスしてよい。 8. ライブのボールをコントロールしているチームのプレイヤーにパーソナル・ファウ ルが宣せられたときは、ファウルが起こったところにもっとも近いサイド・ライン からスロー・インでゲームを再開する。 9. ボールがバスケットに入っても得点が認められない場合、そのあとのスロー ・イン は、フリースロー・ラインの延長上のサイド・ラインから行う。 10. フィールド・ゴールや最後のフリースローが成功したあとは、得点されたチームの プレイヤーが、そのバスケットの後方のエンド・ラインの任意の位置からスロー・イ ンでゲームを再開する。5秒以内であれば、スロー・インするプレイヤーは動いて 位置を変えてもよいし、エンド・ラインのアウト・オブ・バウンズにいる味方のプレ イヤーにパスしてもよい。このときの5秒はそのチームのプレイヤーが最初にスロ ー・インの位置でボールを持つか、ボールを与えられたときからかぞえる。フィー ルド・ゴールや最後のフリースローが成功したあとに、タイム・アウトが認められた ときや何らかの理由で審判がゲームを中断したときにもこの規定は適用される。 11. 第4クォーターまたは各延長時限の最後の2分間では、スロー ・インするプレイヤ ーはコートのどこにいるプレイヤーにパスしてよい。「第4クォーターまたは各延 長時限の最後の2分間」とは、 「ゲーム・クロックの残りの競技時間が“2:00”と 表示されたときから」をいう。 17 12. 第4クォーターまたは各延長時限の最後の2分間にフィールド・ゴールや最後のフ リースローが成功したときに、得点されたチームにタイム・アウトが認められた場 合、ゲーム再開のスロー・インはフロント・コートの、サイド・ハッシュ・マークから 行う。このとき、スロー・インするプレイヤーはコートのどこにいるプレイヤーに パスしてよい。 13. スロー・インのボールを持ったプレイヤーは次のことをしてはならない。 1)ボールを手ばなすのに、5秒をこえること 2)コートを踏んだままボールをスロー・インすること 3)ボールを手ばなす前にコートに足を踏み入れること 4)スロー ・インをしようとしたときにコート内に足を踏み入れてしまってからス ロー・インをするのをやめること 5)スロー ・インしたボールが、コート内のプレイヤーに触れる前にアウト・オブ・ バウンズの床に触れること 6)ボールをスロー ・インしたのち、ほかのプレイヤーが触れる前にコート内でそ のボールに触れること 7)スロー ・インしたボールが、コート内のプレイヤーに触れないでバスケットに 入ること 8)コート内のプレイヤーにボールを手渡しすること 9)スロー ・インのボールを手ばなす前に、審判に指示されたところからライン沿 いに1mをこえて移動すること(1mの範囲であればくり返し移動してもよい) Art18.13. に反することはヴァイオレイションであり、スロー ・インした位置から、 相手チームのスロー・インでゲームを再開する。 Art19. タイム・アウトとオフィシャル・タイム・アウト Time-Out 1. タイム・アウト タイム・アウトとは、コーチまたはアシスタント・コーチの請求によって認められる ゲームの休止時間のことをいう。 タイム・アウトは、以下の規定に従って認められる。 2. タイム・アウトの規定 1)タイム・アウトは1分間とする。 2)タイム・アウトは、 「タイム・アウトが認められる時機」の間に認められる。 3)「タイム・アウトが認められる時機」は、次のときに始まる。 ⅰ)ボールがデッドでゲーム・クロックが止められたとき ただし、ファウルまたはヴァイオレイションのあとは、審判がテーブル・ オフィシャルズに伝達を終えたとき 審判がプレイと関係ない理由でゲームを中断したときは、どちらのチーム にもタイム・アウトは認められない。ただし、審判がプレイヤーの負傷や出 18 血のためにゲームを中断したときは、プレイヤーが負傷や出血したチーム だけにタイム・アウトが認められる。 ⅱ)最後のフリースローが成功してボールがデッドになったとき ⅲ)相手チームがフィールド・ゴールで得点したとき 4)「タイム・アウトが認められる時機」は、次のときに終わる。 ⅰ)フリースローの場合、1投目のフリースローのボールがフリースロー ・シ ューターに与えられたとき ⅱ)スロー ・インの場合、スロー・インをするプレイヤーにボールが与えられた とき 相手チームがフィールド・ゴールあるいは最後のフリースローを成功させ たあとに認められるタイム・アウトの場合は、スロー・インをするプレイヤ ーがスロー・インする場所でボールを持ったとき 5)1チームは、前半(第1クォーターと第2クォーターを通じて)に2回、後半 (第3クォーターと第4クォーターを通じて)に3回のタイム・アウトをとる ことができる。 ただし、第4ピリオドの最後の2分間には2回までしかタイム・アウトをとる ことはできない。 各延長時限には,1回ずつのタイム・アウトをとることができる。 6)使わなかったタイム・アウトを次のハーフまたは延長時限にもちこすことはで きない。 7)両チームのコーチがタイム・アウトを請求したときは、先に請求したチームの タイム・アウトとする。 ただし、ファウルやヴァイオレイションが宣せられない状況で相手チームがフ ィールド・ゴールで得点したときに認められるタイム・アウトは、請求の後先に 関係なく、得点されたチームのタイム・アウトとする。 8)第4クォーター、各延長時限の最後の2分間にフィールド・ゴールが成功して ゲーム・クロックが止められた場合には、得点したチームにはタイム・アウトは 認められない。ただし、得点されたチームにタイム・アウトや交代が認められた ときはタイム・アウトが認められる。 3. タイム・アウトの請求と手続き 1)タイム・アウトを請求できるのはコーチまたはアシスタント・コーチだけであ る。 コーチまたはアシスタント・コーチは、チーム・ベンチ・エリアから出てオフィ シャルズ・テーブルのところへ行き、直接スコアラーに対してタイム・アウトの 請求を伝える。 チーム・ベンチ・エリアからタイム・アウトを請求するときには、コーチやアシ スタント・コーチが最大限の努力をはらい、スコアラーがタイム・アウトの請求 を目で見てはっきりと確認できるようにスコアラーに対してタイム・アウトの 請求を伝える。 ただし、いずれの場合も、コーチまたはアシスタント・コーチは、スコアラー がタイム・アウトの請求を目で見てはっきりと確認できるようにスコアラーに 19 対して定められた合図を手ではっきりと示し、タイム・アウトの請求を伝えな ければならない。 特に、チーム・ベンチ・エリアからタイム・アウトを請求するとき、スコアラー が気がつかずにタイム・アウトが認められなくても、それはスコアラーの責任 ではなく、コーチやアシスタント・コーチの責任である。 2)タイム・アウトの請求は、スコアラーが審判に知らせるために合図器具を鳴ら す前であれば取り消すことができる。 3)タイム・アウトの始まりと終わり ⅰ)タイム・アウトは、審判が笛を鳴らしてタイム・アウトの合図を示したとき に始まる。 ⅱ)タイム・アウトは、審判が笛を鳴らして両チームにコートにもどるように うながしたときに終わる。 4)タイム・アウトの請求があったときは、スコアラーは、「タイム・アウトが認め られる時機」の間にできるだけ早く合図器具を鳴らして審判に知らせる。 5)タイム・アウトの間、プレイヤーはコートから離れてチーム・ベンチにすわって もよいし、チーム・メンバーはチーム・ベンチ・エリアの近くであればコートに 入ってもよい。 第2クォーター、第4クォーター、各延長時限の前のインタヴァルの間も同様 とする。 6)1投目のフリースローのボールがフリースロー ・シューターに与えられたあと にタイム・アウトの請求があったとき、次の場合、どちらのチームにもタイム・ アウトが認められる。 ⅰ)最後のフリースローが成功したとき ⅱ)フリースローのあとにフロント・コートのサイド・ハッシュマークのアウト・ オブ・バウンズからのスロー・インが行われる場合、最後のフリースローが 終わったとき ⅲ)フリースローの間にファウルが起こった場合、フリースローのあと、この ファウルの罰則が適用される前 ⅳ)最後のフリースローのあとファウルが起こった場合、このファウルの罰則 が適用される前 ⅴ)最後のフリースローでボールがフリースロー ・シューターに与えられてか ら次にボールがライブになるまでの間にヴァイオレイションが起こった場 合、このヴァイオレイションの罰則の適用でスロー・インをする前 2個以上のファウルに対してそれぞれの罰則に定められているフリースローの 「セット」やスロー ・インがつづけて適用される場合は、それぞれの「セット」 やスロー・インの前にタイム・アウトが認められる(Art46.2)。 4. オフィシャル・タイム・アウト オフィシャル・タイム・アウトとは、第2クォーターと第4クォーターの競技時間が 5分を経過し、次にボールがデッドになったときに自動的に実施される90秒のゲー ムの休止時間のことをいう。 審判は第2クォーターと第4クォーターの競技時間が5分を経過し、次にボールが デッドになったら、笛を鳴らしオフィシャル・タイム・アウトの合図をする。 20 1)オフィシャル・タイム・アウトの始まりと終わり ⅰ)オフィシャル・タイム・アウトは、審判が笛を鳴らしてタイム・アウトの合 図をし、スコアラーに指し示したときに始まる。 ⅱ)オフィシャル・タイム・アウトは、審判が笛を鳴らして両チームにコートに もどるようにうながしたときに終わる。 2)オフィシャル・タイム・アウトの間、プレイヤーはコートから離れてチーム・ベ ンチにすわってもよいし、チーム・メンバーはチーム・ベンチ・エリアの近くで あればコートに入ってもよい。 5. 審判がプレイと関係ない理由でゲームを中断したときは、どちらのチームにもタイ ム・アウトは認められない。ただし、審判がプレイヤーの負傷や出血のためにゲー ムを中断したときは、プレイヤーが負傷や出血したチームにだけタイム・アウトが 認められる。 Art20. 交代 Substitutions 1. チーム・メンバーが交代の申し出をしたときは、「交代が認められる時機」の間にプ レイヤーと交代することができる。 2. 「交代が認められる時機」は、次のときに始まる。 1)ボールがデッドでゲーム・クロックが止められたとき ただし、ファウルまたはヴァイオレイションのあとは、審判がスコアラーに伝 達を終えたとき 2)最後のフリースローが成功してボールがデッドになったとき 3)第4クォーターまたは各延長時限の最後の2分間に、相手チームがフィールド ・ゴールで得点したとき 3. 「交代が認められる時機」は、次のときに終わる。 1)フリースローの場合、1投目のフリースローのボールがフリースロー ・シュー ターに与えられたとき 2)スロー・インの場合、スロー・インするプレイヤーにボールが与えられたとき 3)第4クォーターまたは各延長時限の最後の2分間に、相手チームがフィールド ・ゴールで得点したときに認められる交代の場合は、スロー・インするプレイヤ ーがボールを持ったとき 4. 交代が認められたときは、ゲーム・クロックが動いたあと、次にボールがデッドで ゲーム・クロックが止められたときでなければ、チーム・ベンチにもどったチーム・ メンバーはふたたび交代してゲームに出場することはできないし、交代して出場し たプレイヤーもふたたび交代してチーム・ベンチにもどることはできない。 ただし、次のときはゲーム・クロックが動かなくても交代が認められる。 21 1)処置の訂正のためにチーム・ベンチにもどっていたチーム・メンバーがプレイヤ ーになってフリースローをするとき。 2)交代が行われたデッド間にファウルが宣せられたとき。 3)交代が行われたデッド間にポゼションが移ったとき。 5. 交代をする場合は次のようにしなければならない。 1)交代するチーム・メンバーはすぐプレイできる用意をして、オフィシャルズ・テ ーブルに行き、スコアラーに交代するプレイヤーの番号をはっきり申し出なけ ればならない。 2)申し出をした後は、審判が招き入れるまで交代ボックスの中で座っていなけれ ばならない。 タイム・アウト中に交代をするときもオフィシャルズ・テーブルに行き、スコア ラーに交代するプレイヤーの番号をはっきり申し出なければならない。 6. ヴァイオレイションのあとのデッド間に交代することができるのは、そのときに交 代ボックスにいたチーム・メンバーだけとする。ただし、第4クォーターまたは各 延長時限の最後の2分間はこの規定は適用しない。 7. 交代の申し出は、スコアラーが審判に知らせるために合図器具を鳴らす前であれば 取り消すことができる。スコアラーが合図器具を鳴らしてしまったら交代しなけれ ばならない。 8. 交代してコートから退くプレイヤーは、審判やスコアラーに報告しないでコートの どこからでも直接ベンチにもどってよい。 9. 次の場合は、フリースロー・シューターであっても交代しなければならない。 1)5回のファウルを宣せられた場合 2)失格・退場となった場合 10. 第4クォーターまたは各延長時限の最後の2分間にフィールド・ゴールが成功して ゲーム・クロックが止められた場合でも、得点したチームには交代は認められない。 ただし、得点されたチームに交代が認められたときは得点したチームにも交代が認 められる。 11. 審判がプレイとは関係ない理由でゲームを止めたときは、どちらのチームにも交代 は認められない。ただし、審判がプレイヤーの負傷や出血のためにゲームを中断し たときは、負傷や出血したプレイヤーの交代は認められる。この場合に限り、相手 チームにも同じ人数だけプレイヤーを交代することができる。 22 RULE FIVE ヴァイオレイション Art21. ヴァイオレイション VIOLATION Violation 1. ヴァイオレイションとは、からだの触れ合いおよびスポーツマンらしくない行為を 含まない規則に対する違反をいう。 2. アウト・オブ・バウンズのヴァイオレイションが起こったときは、ボールがアウト・ オブ・バウンズになった位置から、相手チームのスロー ・インでゲームを再開する。 ただしその位置がエンド・ラインだったときは、どちらか近いハッシュ ・マークから スロー・インでゲームを再開する。 3. アウト・オブ・バウンズ以外のヴァイオレイションが起こったときは、ヴァイオレイ ションが起こったところにもっとも近いサイド・ラインから、相手チームのスロー・ インでゲームを再開する。ただし、そのヴァイオレイションがエンド・ラインとフ リースロー・ラインの間で起こったときは、どちらか近いほうのフリースロー・ライ ンの延長上のサイド・ラインから、相手チームのスロー・インでゲームを再開する。 4. ボールがバックボードの裏面に触れたときや、バック・ボードの上部を越えてサポ ート部分やサポート部分の上方に設置されたものに触れたときはヴァイオレイショ ンであり、フリースロー ・ラインの延長上のサイド・ラインから、相手チームのスロ ー・インでゲームを再開する。 5. スロー ・インのボールがリングの仮想円筒上内にある(リングにはずんだあとでも) ときに、そのボールに触れることはヴァイオレイションである。 Art22. アウト・オブ・バウンズ Out-of-Bounds 1. ボールをアウト・オブ・バウンズにすることはヴァイオレイションである。 2. プレイヤーがアウト・オブ・バウンズになるのは、次のときである。 1)境界線または境界線の外の床に触れたとき 2)境界線の外のプレイヤー以外の人やものに触れたとき 3. ボールがアウト・オブ・バウンズになるのは、次のときである。 1)境界線または境界線の外の床に触れたとき 2)アウト・オブ・バウンズのプレイヤーやプレイヤー以外の人に触れたとき 3)バックボードの上部を越えないで(横側などから)サポート部分や設置された 器具に触れたとき 23 4. ボールがプレイヤー以外のものに触れてアウト・オブ・バウンズになったときは、ア ウト・オブ・バウンズになる前に最後に触れたプレイヤーがボールをアウト・オブ・バ ウンズにしたことになる。 5. ボールが境界線に触れているプレイヤーまたは境界線の外にいるプレイヤーに触れ てアウト・オブ・バウンズになったときは、そのプレイヤーがボールをアウト・オブ・ バウンズにしたことになる。 6. 両チームのプレイヤーがボールをしっかりとつかんだまま、どちらか一方あるいは 両方のプレイヤーがアウト・オブ・バウンズになってしまったり、バック・コートに 触れてしまったりした場合には、ヴァイオレイションにはならず、ヘルド・ボール が宣せられる。 Art23. ドリブル Dribbling 1. ドリブルとはコート内で、ライブのボールをコントロールしたプレイヤーが、ボー ルを投げたり、たたいたり、ころがしたりして床に触れさせたり、ボールを投げて バック・ボードに触れさせ、ほかのプレイヤーが触れないうちにふたたびそのボー ルに触れることをいう。 1)コート内で、ライブのボールをコントロールしたプレイヤーが、ボールを投げ たり、たたいたり、ころがしたりして床に触れさせたり、バックボードをねら ってボールを投げてバックボードにボールを触れさせ、そののちほかのプレイ ヤーが触れる前にそのボールに触れたときにドリブルが始まる。 2)ドリブラーが同時に両手でボールに触れるか、片手または両手でボールを支え 持ったときにドリブルが終わる。 3)ひとつづきのドリブル中は、ドリブラーが一度ボールに触れるごとにボールは 床か自分以外のプレイヤーに触れなければならない。 4)ドリブルをしている間、ボールがドリブラーの手に触れていないときには、足 の動かし方や歩数についての制限はない。 2. コート内で、ライブのボールをコントロールしたプレイヤーが誤ってコントロール を失い、ふたたびそのボールをコントロールしたときは、ボールをファンブルした ことになる。ファンブルはドリブルではない。 3. 次のことをしてもドリブルしたことにはならない。 1)ショットをしてそのリバウンド・ボールをとる 2)ドリブルを始めるとき、あるいは終わるときにボールをファンブルし、そのボ ールをリカヴァーする。 3)まわりのプレイヤーとボールの取り合いをしているときに、そのボールを得よ うとしてたたき出し、そのボールをリカヴァーする。 4)ほかのプレイヤーのコントロールしているボールをたたき出し、そのボールを 24 リカヴァーする。 5)相手チームのパスのボールをたたき落し、そのボールをリカヴァーする。 6)トラヴェリングにならない範囲で手から手にボールを移す。 4. プレイヤーは、ひとつづきのドリブルが終わったあとは、あらたなドリブルをする ことはできない。この規定に違反することはイリーガル・ドリブルのヴァイオレイシ ョンである。ただし、次のことでボールのコントロールをいったん失ったあと、ふ たたびボールをコントロールしたときは、あらたなドリブルをすることができる。 1)ショットをする。 2)ボールが相手チームのプレイヤーに触れる。 3)パスまたはファンブルしたボールがほかのプレイヤーに触れる。 Art24. トラヴェリング Traveling 1. コート内でライブのボールをもっているプレイヤーは、片足または両足を方向に関 係なく、規定の範囲をこえて移動してはならない。この規定に違反することはトラ ヴェリングのヴァイオレイションである。 2. ピボットとは、コート内でライブのボールを持ったプレイヤーが、片方の足(ピボ ット・フット)は床との接点を変えずに、他方の足だけを、何度でも任意の方向に 踏み出すことをいう。 3. コート内でボールを受け取ったプレイヤーのピボット・フットの決め方 1)両足を床につけたままボールを受け取ったプレイヤーは、どちらの足をピボッ ト・フットにしてピボットしてもよい。ボールを受け取ってからどちらかの足 を床から離した瞬間に、他方の足がピボット・フットになる。 2)動きながらボールを受け取ったプレイヤーあるいはドリブルをしていたプレイ ヤーが片手または両手でボールをつかんで止まった場合のピボット・フットは、 次のように決まる。 ⅰ)ボールをつかんだときに、どちらかの足が床についていた場合 ① その足を床につけたまま他方の足を床につけたときは、先に床につい ていた足がピボット・フットになる。 ② 先に床についていた足でジャンプして次に両足を同時に床につけたと きは、ピボットをすることができない(この場合どちらの足もピボット・ フットとすることができない)。 ⅱ)ボールをつかんだときに、両足が床から離れていた場合 ① どちらかの足を先に床につけて、その足を床につけたまま他方の足を 床につけたときは、先に床に触れた足がピボット・フットになる。 ② 両足を同時に床につけたときは、どちらの足をピボット・フットとして よい。どちらかの足を床から離した瞬間に、他方の足がピボット・フッ トになる。 25 ③ どちらかの足を床につけて、その足でジャンプして次に両足を同時に 床につけた場合は、ピボットをすることができない(この場合どちら の足もピボット・フットとすることができない)。 4. コート内でライブのボールを持って足を床につけているプレイヤーは、次の規定を 守らなくてはならない。 1)ピボット・フットが決まったあと ⅰ)パスかショットをするときにはピボット・フットを床から離してもよいが、 次にその足(ピボット・フット)が床につく前にボールを手から離さなけ ればならない。 ⅱ)ドリブルを始めるためには、ピボット・フットが床についている間にボー ルを手から離さなければならない。 2)ピボットすることができない止まり方をした場合 ⅰ)パスかショットをするときには、片足を床から離してもよいしジャンプし てもよいが、次にどちらかの足が床に触れる前にボールを手から離さなけ ればならない。 ⅱ)ドリブルを始めるためには、両足が床についている間にボールを手から離 さなければならない。 3)動きながら片足(第1の足)が床についているときにボールを受け取るか、空 中でボールを受け取って片足(第1の足)を床につけたあと、もう一方の足(第 2の足)で止まらない場合 ⅰ)ひとつづきの動作で床につけた足(第1の足)で踏み切りもう一方の足(第 2の足)を床につけた場合は、第1の足をふたたび床につけることはでき ない。さらに第2の足でジャンプした場合は、次にどちらかの足が床につ く前にボールを手から離さなければならない。 ⅱ)ドリブルを始めるためには、ひとつづきの動作で床につけた足(第1の足) で踏み切り、もう一方の足(第2の足)が床につく前にボールを手から離 さなければならない。 5. プレイヤーがボールを持ったまま床にたおれたりすべったりすること、あるいは横 たわったりすわりこんだりしているときにボールをつかむことは、それだけではヴ ァイオレイションではない。また、床にたおれたりすべったりしてボールをつかん だプレイヤーがパスやショットすることや、ドリブルを始めることはヴァイオレイ ションではない。しかし、プレイヤーがボールを持ったまま床をころがることや、 立ち上がることは、ヴァイオレイションである。 6. ショットしたボールがリングやバック・ボードに触れなかったとき、そのボールが ほかのプレイヤーや床に触れる前に、ショットしたプレイヤーが最初に触れること はヴァイオレイションである。 26 Art25. 3秒ルール Three Seconds 1. フロント・コート内でライブのボールをコントロールしているチームのプレイヤー は、ゲーム・クロックが動いている間は、自チームのバスケットに近い制限区域内 に引きつづき3秒をこえてとどまっていてはならない。この規定に違反することは ヴァイオレイションである。 2. 次のときは、プレイヤーが制限区域内にいる間に3秒をこえても、3秒ルールは適 用しない。 1)制限区域から出ようとしているとき。 2)そのプレイヤーあるいは味方のプレイヤーがショットの動作中で、ボールが手 から離れようとしているとき。 3)3秒にみたない間制限区域内にいたプレイヤーが、ショットをするためにドリ ブルしているとき。 3. 制限区域内にいるプレイヤーは、制限区域の外の床に両足をつけなければ、制限区 域から出たことにならない。 Art26. 近接して防御されたプレイヤー Closely Guarded Player 1. コート内でライブのボールを持っているプレイヤーは、相手チームのプレイヤーが 1mより近い位置で積極的に防御をしているとき、近接して防御されていることに なる。 2. 近接して防御されているプレイヤーは、5秒以内に、パス、ショットあるいはドリ ブルをしなくてはならない。 この規定に違反することはヴァイオレイションである。 Art27. 8秒ルール Eight Seconds 1. 自チームのプレイヤーがバック・コート内でライブのボールをコントロールしたチ ームは、8秒以内にボールをフロント・コートに進めなければならない。この規定に 違反することはヴァイオレイションである。 2. 8秒は、次のときから数え始められる。 1)チームがボールをあらたにコントロールしたときは自チームのプレイヤーがバ ック・コート内でボールをコントロールしたとき。 2)スロー・インのときは、スロー・インされたボールがバックコート内のプレイヤ ーに触れたとき。 27 3. ボールがフロント・コートに進められたとは、次のときをいう。 1)どのプレイヤーにもコントロールされていないボール(パスやファンブルされ たボールなど)がフロント・コートに触れたとき。 2)バック・コートに触れていないプレイヤーにボールが触れたとき。 3)バック・コートに触れていない審判にボールが触れたとき。 4)ドリブルでフロント・コートに進めるときは、ドリブラーの両足とボールがフ ロント・コートに触れたとき。 4. 次のことが起こった結果、それまでボールをコントロールしていたチームが引きつ づきバック・コートでボールをコントロールしたときは、8秒は継続して数えられ る。 1)ボールがアウト・オブ・バウンズになったとき。 2)ボールをコントロールしているチームのプレイヤーの負傷などで審判がゲーム を止めたとき。 3)ダブル・ファウルが宣せられたとき。 4)特別な処置をする場合の規定やファイティングの規定を適用し、罰則を相殺し たり取り消したとき。 5)ジャンプ・ボール・シチュエイションになったとき。 Art28. 24秒ルール Twenty-Four Seconds 1. コート内であらたにポゼションを得たチームは、相手チームにポゼションが移らな い限り、24秒以内にショットをしなければならない。24秒以内にショットするとい うことは、24秒の合図が鳴る前にシューターの手からボールが離れていること、お よびそのボールがバスケットに入るかリングに触れることをいう。この規定に違反 することはヴァイオレイションである。 2. 24秒の終わり近くにショットがなされ、そのボールが空中にある間に24秒の合図が 鳴ったときは、次のように処置する。 1)ボールがバスケットに入ったときは、ヴァイオレイションにはならず、得点が 認められる。 ゲームは通常のフィールド・ゴールのあとと同じ方法で再開される。 2)ボールがリングに触れたときは、ボールがバスケットに入らなくてもヴァイオ レイションにはならず、ゲームはそのままつづけられる。 3)ボールがリングに触れなかったときは、24秒のヴァイオレイションとなる。 ゴール・テンディングおよびインタフェアの規定は、24秒の合図が鳴ったあとでも すべて適用される。 3. ショットされたボールが空中にある間に24秒の合図が鳴り、そののちにファウルが 宣せられた場合は、次のように処置する。 1)ショットのボールがバスケットに入った場合 ⅰ)24秒のヴァイオレイションではないので、ファウルの罰則を適用してゲー ムを再開する。 28 2)ショットのボールがバスケットに入らず、リングにも触れなかった場合 ⅰ)パーソナル・ファウルが宣せられたときは、24秒のヴァイオレイションの 処置でゲームを再開する。パーソナル・ファウルは取り消される。 ⅱ)フレグラント・ファウルが宣せられたときは、24秒のヴァイオレイション はなかったものとして、フレグラント・ファウルの罰則を適用してゲーム を再開する。 ⅲ)テクニカル・ファウルが宣せられたときは、テクニカル・ファウルの罰則を 行い、24秒のヴァイオレイションの処置でゲームを再開する。 4. 審判がどちらのチームにも関係のない理由でゲームを止めたときは、原則として、 ショット・クロックは継続する。ただし、ボールをコントロールしているチームが 継続することで著しく不利になると審判が判断したときは24秒または14秒にリセッ トしてもよい。ゲームは、審判がゲームを止めたときにボールがあったところにも っとも近いサイド・ラインから、ボールをコントロールしていたチームのスロー・イ ンで再開する。ただし、審判がゲームを止めたときにボールがそのチームのフロン ト・コートのエンド・ラインとフリースロー・ラインの間にあったときは、どちらか 近いほうのフリースロー・ラインの延長上のサイド・ラインからボールをコントロー ルしていたチームのスロー・インでゲームを再開する。 5. ボールがリングに触れていないのに誤ってショット・クロックがリセットされたと きは、審判はどちらのチームにも不利にならないことを確認し、ゲームを止める。 ゲームは24秒計の表示を正しい残り時間に訂正し、ボールをコントロールしていた チームのスロー・インで再開する。スロー・インは審判がゲームを止めたときにボー ルがあったところにもっとも近いサイド・ラインから、ボールをコントロールして いたチームが行う。ただし、審判がゲームを止めたときにボールがそのチームのフ ロント・コートのエンド・ラインとフリースロー・ラインの間にあったときは、どち らか近いほうのフリースロー・ラインの延長上のサイド・ラインから行う。 ただし、誤って24秒がリセットされたあと、それまでボールのポゼションがあった チームがショットしたときは次のように処置する。 1)24秒以内にボールがシューターの手から離れていたと審判が判断したときはシ ョットが成功すれば得点は認められる。 2)24秒が経過してからボールがシューターの手から離れていたと審判が判断した ときはショットが成功しても得点は認められない。 ファウルやヴァイオレイションが起こったときも同様に処置する。 6. ボールがリングに触れたり、ボールのポゼションが相手チームに移ったにもかかわ らず、ショット・クロックがリセットされなかったときは、審判はボールをコント ロールしているチームに不利にならないことを確認し、ゲームを止める。ショッ ト・クロックの表示をもっとも適正と思う残り時間に訂正し(原則はリセット)、 ボールをコントロールしていたチームのスロー・インで再開する。スロー・インは審 判がゲームを止めたときにボールがあったところにもっとも近いサイド・ラインか ら、ボールをコントロールしていたチームが行う。ただし、審判がゲームを止めた 29 ときにボールがそのチームのフロント・コートのエンド・ラインとフリースロー・ラ インの間にあったときは、どちらか近いほうのフリースロー・ラインの延長上のサ イド・ラインから行う。 Art29. ボールをバック・コートに返すこと Ball Returned to the Backcourt 1. チーム・コントロールされたボールがフロント・コートにあるときは、そのチームの プレイヤーは、そのボールをバック・コートに返してはならない。この規定に違反 することはヴァイオレイションである。ただし、相手チームがコントロールしてい たボール、または、どちらのチームもコントロールしていないボールを、自チーム のフロント・コートからジャンプして空中でそのボールをつかみ自チームのバック・ コートにおりることは許される。 2. フロント・コートに進められたボールがバック・コートに返るとは、つぎのときをい う。 1)ボールがバック・コートに触れたとき 2)ボールがバック・コートに触れているプレイヤーに触れたとき 3)ボールがバック・コートに触れている審判に触れたとき 3. ボールをコントロールしているチームは、次のときボールをバック・コートに返し たことになる。 1)フロント・コートでそのチームのプレイヤーに最後に触れてそのボールがバッ ク・コートに返り、そののちバック・コートに触れたボールにそのチームのプレ イヤーが最初に触れたとき 2)フロント・コートでそのチームのプレイヤーに最後に触れてそのボールがバッ ク・コートに返り、そのチームのプレイヤーがバック・コートでそのボールに最 初に触れたとき 4. ボールをバック・コートに返すことの制限は、フロント・コートからのスロー ・イン にも適用される。(例外:Art18.7. , Art18.11. , Art18.12. ) 30 Art30. ゴール・テンディングとインタフェア Goaltending and Interference 1. ゴール・テンディングとインタフェアの規定はショットされたボールに対して適用 される。 2. ショットされたボールになるとき フィールド・ゴールやフリースローで、ボールがショットの動作中のプレイヤーの 手から離れた瞬間に、そのボールはショットされたボールになる。 ショットの動作中のプレイヤーの手から離れたボールでなくても、バスケットに入 る可能性のあると審判が判断したボールはショットされたボールとみなす。 3. ショットされたボールではなくなるとき シューターあるいはフリースロー ・シューターの手から離れたボールは、次のとき にショットのボールではなくなる。 1)上からバスケットに入り、バスケットの中にとどまるか通過したとき 2)バスケットに入る可能性がなくなったとき 3)床に触れたとき 4)ボールがデッドになったとき 4. ショットされたボールに対して次のように触れてはならない。 1)落ち始めてからボール全体がリングより高いところにある間に、そのボールに 触れること。 2)リングにはずんだあともまだ入る可能性があるボールがリング上の仮想円筒の 中に少しでもあるときに、そのボールに触れること。 3)バック・ボードの表面に触れたあとに、そのボールに触れること。 4)ボールをバックボードで挟み止める(手とボールとバックボードが同時に触れ る)こと。 5)ボールが空中にある間に審判が笛を鳴らし、そののちリングに触れたボールが まだバスケットに入る可能性がある間に、そのボールに触れること。 6)ボールが空中にある間に各クォーターや各延長時限の競技時間の終了を知らせ る合図が鳴り、そののちリングに触れたボールがまだバスケットに入る可能性 がある間に、そのボールに触れること。 7)ショット動作中に審判が笛を鳴らし、そののちシューターがひとつづきの動作 でショットを完了したとき、リングに触れたボールがまだバスケットに入る可 能性がある間にそのボールに触れること。 8)バスケットの下から手を入れて入る可能性のあるボールに触れること。 5. ボールが相手チームのバスケットの中にある間に、防御側プレイヤーはそのボール やバスケットに触れ、バスケットを通過することを妨げてはならない。ボールの一 部が少しでもリングの内側の上面より下にかかっている場合は、そのボールはバス ケットの中にあるものとする。 31 6. 防御側プレイヤーがバック・ボードやリングをたたいて振動させたり、リングやネ ットをつかんで揺らすことで、ボールがバスケットに入るのを妨げたり、攻撃側プ レイヤーがバック・ボードやリングをたたいて振動させたり、リングやネットをつ かんで揺らしてボールをバスケットに入れてはならない。バスケットにボールが入 るのを妨げたか、入れたかは、審判が判断する。フリースローの場合もこの規定が 適用される。 7. フリースローのボールがまだ入る可能性がある間に、そのボール、バスケットやバ ック・ボードに触れてはならない。 8. どちらのチームのプレイヤーも、リングやネットをつかんでボールに触れてはなら ない。 これらの規定に違反することは、ゴール・テンディングまたはインタフェアのヴァイオ レイションである。 防御側プレイヤーが規定に違反したときは、得点が認められ、攻撃側プレイヤーが規定 に違反したときは、ボールがバスケットに入っても得点は認められない。 32 RULE SIX ファウル FOULS Art31. テクニカル・ファウル Technical Foul ゲームは、プレイヤー、審判、テーブル・オフィシャルズ、チーム・メンバー、チーム関 係者を含む、これらすべての人たちの完全な協力によって成立するものである。両チー ムは勝利のために全力をつくさなければならないが、これはスポーツマンシップとフェ ア・プレイの精神に基づいたものでなければならない。プレイヤー、チーム・メンバー及 びチーム関係者により、この規律、協力とフェア・プレイの精神を、著しく逸脱したふ るまい、及び、bjリーグの品位やゲームのクォリティを下げるような行為には、テクニ カル・ファウルが宣せられる。 審判は、テクニカル・ファウルを必要なときにはためらうことなく宣さなければならな い。 1. テクニカル・ファウルは、コート上のすべてのプレイヤー、ベンチに入っているチ ーム・メンバー、コーチやチーム関係者に対して、そのふるまいが bjリーグの品位 やゲームのクォリティを下げると審判が判断したものに宣せられる。 2. 審判は、いかなる場合でも警告なしにテクニカル・ファウルを宣する権限がある。 3. ライブのときは、からだの触れ合う行為に対してはテクニカル・ファウルは宣せら れない。ただし、暴力行為や相手を挑発したりあおったりする行為(タウンティン グ)は、からだの触れ合いがあってもテクニカル・ファウルが宣せられる。 4. テクニカル・ファウルは、チーム・メンバーのテクニカル・ファウル、コーチのテク ニカル・ファウルとベンチのテクニカル・ファウルがある。 テクニカル・ファウルはチーム・ファウルに数えない。 5. チーム・メンバーのテクニカル・ファウル 1)審判に対して失礼な態度で話しかける。 2)審判の判定に対して不満や不服を表現する。 3)審判の判定や決定に従わないで無視する。 4)相手チームや観客に対して侮辱したり、挑発したり、あおったりする。 5)ゲーム前やハーフ・タイムのウォーミング・アップ中も含め、リングをつかんで 必要以上に体重をかける。 ただし、ダンク・ショットの際にやむを得ず瞬間的にリングをつかむことや、 ほかのプレイヤーが負傷するのを避けようとしてリングをつかんだと審判が判 断したときは、テクニカル・ファウルではない。 6)相手チームのプレイヤーが近接しているときにひじを必要以上に振りまわす。 (接触がなかったとき) 7)殴ろうとしてこぶしを握ること。 33 8)スロー・インしようとするプレイヤーに触れ合いを起こす。 9)審判の許可を得ないでベンチ・エリアから離れる。 10)会場の備品を殴ったりけったりする行為。 11)リングやネットをつかんでプレイをする。 12)ベンチ・エリアで立ち続ける。 6. コーチとアシスタント・コーチのテクニカル・ファウル 1)審判に対して失礼な態度で話しかける。 2)審判の判定に対して不満や不服を表現する。 3)審判の判定や決定に従わないで無視する。 4)相手チームや観客に対して侮辱したり、挑発したり、あおったりする。 5)審判の許可を得ないでベンチ・エリアからでる。 6)コーチ以外のチーム関係者がベンチ・エリアで立ち続ける。 7)規定で定められた回数以上のタイム・アウトを意図的にくり返し請求する。 7. ベンチのテクニカル・ファウル 1)チーム関係者が協力とフェア・プレイの精神を逸脱したふるまいをする。 2)1チームが6人以上、4人以下のプレイヤーを出場させる。 3)ゲーム管理や手続き上で規則に違反する。 4)1チームがディレイ・オブ・ゲームを2回以上宣せられる。 5)指定されたフリースロー ・シューター以外のプレイヤーが意図的にフリースロ ーを行う。 6)第4クォーターまたは各延長時限の最後の2分間で、ディレイ・オブ・ゲームに なる行為が認められる。 7)規定の人数をこえて外国籍選手を出場させる。 9)負傷退場の規定に反してチーム・メンバーを出場させる。 9)チームの意向ではなく、審判がタイム・アウトを宣したとき、そのチームにタ イム・アウトが残っていなかった場合。 8. テクニカル・ファウルが宣せられたときは、次のようにする。 1)テクニカル・ファウルが宣せられたときは、1個のテクニカル・ファウルが記録 される。 2)相手チームに1個のフリースローが与えられる。このフリースローはチーム・ メンバーであればだれがしてもよい。フリースローが成功してもしなくても、 テクニカル・ファウルが宣せられたときに、どちらかのチームがボールをコン トロールしていたか、スロー・インのボールを与えられることになっていた場 合は、あらためてそのチームにボールが与えられてゲームを再開する。どちら のチームもボールをコントロールしていなかった場合は、ジャンプ・ボール・シ チュエイションでゲームを再開する。(例外:Art31.14. , Art31.15. , Art31.16.) 9. 1人のチーム・メンバー、コーチやアシスタント・コーチが2回のテクニカル・ファ ウルを宣せられた場合は失格・退場になる。 34 10. ベンチのテクニカル・ファウルとコーチのテクニカル・ファウルをあわせて3回宣せ られたチームのコーチは、失格・退場になる。 11. インタヴァル中にテクニカル・ファウルが宣せられたときは、次のクォーターを始 める前にフリースローを行う。 12. ボールがいったんライブになってから、前に起こったテクニカル・ファウルが見つ かったときは、見つかったときにテクニカル・ファウルがあったものとして処置す る。テクニカル・ファウルがあってから、それが見つけられるまでに起こったこと は、すべて有効とする。 13. チーム・メンバー、コーチやチーム関係者が、この規律、協力とフェア・プレイの精 神を著しく逸脱したときは、1回目であっても失格・退場になる。 1)失格・退場になる行為 ⅰ)プレイヤーやコーチが審判と身体接触を起こす。 ⅱ)プレイヤーやコーチがボールや物を観客席に投げ入れる。 ⅲ)プレイの勢いで入ってしまったプレイヤーを除いて、コーチやプレイヤー が観客席やメディア席に入る。 ⅳ)暴力行為にくわわること。 ⅴ)その他、相手を殴らなくても、殴りかかるような限度を逸脱した違反行為。 14. チームが規定で定められた回数をこえるタイム・アウトを意図的にくり返し請求し たときは次のように処置する。 1)タイム・アウトを請求したチームに、テクニカル・ファウルが宣せられる。 2)このテクニカル・ファウルはコーチのテクニカル・ファウルとして処置され、相 手チームに1個のフリースローが与えられる。 3)フリースローのあとは、フリースローが成功してもしなくても、フロント・コ ートのサイド・ハッシュ・マークから、フリースローをしたチームのスロー・イ ンでゲームを再開する。このとき、スロー・インするプレイヤーはコートのど こにいるプレイヤーにパスしてよい。 15. チームが規定の人数をこえて外国籍選手を出場させたときは次のように処置する。 1)規定の人数をこえて外国籍選手を出場させたチームにテクニカル・ファウルが 宣せられる。 2)このテクニカル・ファウルはベンチのテクニカル・ファウルとして処置され、相 手チームに1個のフリースローが与えられる。 3)フリースローのあとは、フリースローが成功してもしなくても、フロント・コ ートのサイド・ハッシュ・マークから、フリースローをしたチームのスロー・イ ンでゲームを再開する。このとき、スロー・インするプレイヤーはコートのど こにいるプレイヤーにパスしてよい。 4)規定の人数をこえて外国籍選手を出場させた相手チームのコーチは、規定の人 数をこえた外国籍選手が出場した時間を戻してゲームを再開するか、そのまま 35 継続するかを決めることができる。時間を戻してゲームを再開するときは、そ の間に起こったすべてのプレイは取り消される。ただし、テクニカル・ファウ ル、ファイティングとフレグラント・ファウルは取り消されない。 16. 負傷退場の規定に反してチーム・メンバーを出場させたときは次のように処置する。 1)負傷退場の規定に反してチーム・メンバーを出場させたときは、テクニカル・フ ァウルが宣せられる。 2)このテクニカル・ファウルはベンチのテクニカル・ファウルとして処置され、相 手チームに1個のフリースローが与えられる。 3)フリースローのあとは、フリースローが成功してもしなくても、フロント・コ ートのサイド・ハッシュ・マークから、フリースローをしたチームのスロー・イ ンでゲームを再開する。このとき、スロー・インするプレイヤーはコートのど こにいるプレイヤーにパスしてよい。 Art32. ディレイ・オブ・ゲーム Delay-of-Game 1. ゲームの円滑な進行や再開を妨げる次のような行為に対してはディレイ・オブ・ゲー ムが宣せられる。 1)スロー ・インするプレイヤーにボールがわたらないように妨げる。 2)ゴールが成功したあとのボールに触れ、相手チームがスロー ・インすることを 遅らせる。 3)ファウルやヴァイオレイションが宣せられたとき、ボールをすぐに手ばなさな かったり、近くの審判にすぐにわたさない。 4)スロー ・インするプレイヤーがボールを手ばなす前に、コート内のプレイヤー が境界線をこえてからだの一部をコートの外に出す。 5)スロー・インするプレイヤーがボールを手ばなす前に、そのボールに触れる。 6)プレイの開始、ゲームの開始を遅らせる。 7)チーム・ベンチにいるチーム・メンバーやチーム関係者が、境界線をこえてコー ト内のボールに触れてプレイを妨げる。 2. これらの行為が1回目であれば、そのチームにディレイ・オブ・ゲームが宣せられ る。そのチームがそのあとディレイ・オブ・ゲームが宣せられるような行為をしたと きは、テクニカル・ファウルが宣せられ、ベンチ・テクニカル・ファウルとして処置 される。ただし、このテクニカル・ファウルはコーチのテクニカル・ファウルに加え ない。 例外:第4クォーターまたは各延長時限の最後の2分間でのディレイ・オブ・ゲーム の行為は1回目であってもテクニカル・ファウルが宣せられる。 36 Art33. ファイティング Fighting 1. コート上やコートの周囲で暴力行為が起こったときや、起こりそうなときに、暴力 行為に加わったチーム・メンバー、コーチ、チーム関係者は失格・退場となる。 2. 罰則 チーム・メンバー、コーチ、チーム関係者が暴力行為に加わって失格・退場になった 場合、それぞれに1個のファイティングが記録され、1個のファイティングにつき 2個のフリースローが相手チームに与えられる。このフリースローはチーム・メン バーであればだれがしてもよい。 3. ゲームの再開方法 1)両チームのファイティングによる罰則を相殺し、残った数のフリースローを行 う。 2)暴力行為が起こったときに、ファイティング以外のファウルやヴァイオレイシ ョンがあれば、その罰則を適用してゲームを再開する。 3)暴力行為が起こったときに、どちらかのチームがボールをコントロールしてい たか、スロー ・インのボールが与えられることになっていた場合は、あらため てそのチームにボールが与えられてゲームを再開する。24秒計はリセットされ ない。 4)暴力行為が起こったときに、どちらのチームもボールをコントロールしていな かったか、スロー・インのボールが与えられることになっていなかった場合は、 ジャンプ・ボール・シチュエイションになる。 4. コーチとアシスタント・コーチだけは審判に協力して争いを止めるためであれば、 ベンチ・エリアから離れて、コートに入ってもよい。しかしこの場合でも争いを止 めようとしなかった場合はテクニカル・ファウルが宣せられる。 5. ファイティングはチーム・ファウルに数えない。 Art34. 罰金と出場停止 Fines and Suspension 1. テクニカル・ファウルやフレグラント・ファウルを宣せられた者は罰金が科される。 1ゲームにおいて、1個のテクニカル・ファウルかフレグラント・ファウル・ペナル ティ1が宣せられたときの罰金は¥5,000とする。 例外:審判やテーブル・オフィシャルズの明らかな間違えによりテクニカル・ファウ ルが宣せられたときは、罰金が科されない場合もある。 2. シーズンを通じてテクニカル・ファウルとフレグラント・ファウルを合計6〜10個宣 せられた者は¥10,000/ 1 個、11個以上宣せられた者は¥20,000/ 1 個とする。 37 3. 1回のテクニカル・ファウルによる失格・退場を宣せられた者や、フレグラント・フ ァウル・ペナルティ2を宣せられた者には1ゲームの出場停止と¥10,000の罰金が科 される。 さらに規律委員会が開催され、規律委員会で追加の出場停止や罰金が科される。 4. 次の事柄が起こったときは、規律委員会を開催する 1)1回のテクニカル・ファウルによる失格・退場を宣せられたとき 2)フレグラント・ファウル・ペナルティ2を宣せられたとき 3)チーム・メンバーやチーム関係者のスポーツマンらしくないふるまいが確認さ れたとき(ゲーム終了したあとであってもVTR等での確認ができたとき) 4)失格・退場を宣せられたのち、すみやかに退場しなかったとき 5)チーム・メンバー、コーチやチーム関係者がハーフ・タイムやゲーム終了後に審 判と接触するなど審判から報告があったとき 5. 規律委員会の決定 1)罰金や出場停止の期限は規律委員会で決定される。 Art35. プレイの原則 Contact : General Principles 1. プレイヤーの位置 1)プレイヤーがコート上で普通に両足を開いて位置を占めたとき、そのプレイヤ ーが占めている位置とその真上の空間をシリンダーといい、範囲は次のように 決められる。 ⅰ)前は、手を普通に上げたときの手のひらの垂直面 ⅱ)うしろは、尻の垂直面 ⅲ)両脇は、腕と足(脚)の外側の垂直面 ひじを曲げてもよいが、手や腕を前に突き出したり、横に極端に広げたとしてもシ リンダーが広がったことにはならない。同様に両足を極端に広げてもシリンダーが 広がったことにはならない。 2. 真上の空間の権利 1)ゲーム中、すべてのプレイヤーは、ほかのプレイヤーが占めていない位置であ れば、コート上の任意の位置を占めることができる。この原則はプレイヤーが ジャンプした空間も含まれる。 2)自分のシリンダーからはずれた空間で、すでに独自のシリンダーを占めている 相手チームのプレイヤーと触れ合いを起こしたときは、自分のシリンダーから はずれているプレイヤーにその触れ合いの責任がある。 3)防御側プレイヤーが自分のシリンダー内でジャンプしたり手や腕を上に上げて いて触れ合いが起こってもそのプレイヤーにその触れ合いの責任はない。 38 3. 正当な防御の位置(リーガル・ガ-ディング・ポジション) 1)正当な防御の位置とは、防御側プレイヤーが相手チームのプレイヤーに向かい 合い(フェイシング)、両足を普通に広げて床につけたときに成立する。正当 な防御の位置には真上の空間も含まれるので、真上の空間の内側であれば、ま っすぐ上に手や腕を上げたり真上にジャンプしてもよい。 2)攻撃側プレイヤーは、正当な防御の位置を占めている防御側プレイヤーを、腕 を使って払いのけたり、ショットするときに脚や手を広げて触れ合いを起こし たりしてはならない。 4. ボールをコントロールしているプレイヤーとその防御 ボールをコントロールしているプレイヤーを防御しようとして防御側プレイヤーが 起こすからだの触れ合いは規則上許されない。この触れ合いには、腕や両手の触れ 合いやボディチェックなども含まれる。 ただし、防御側プレイヤーによる次のような触れ合いは許される。 1)ボールを持った攻撃側プレイヤーが、フリースロー ・ラインより自チームのバ スケットに近い位置でペイント・エリアの外にいてバスケットに背を向けてい る場合、ひじを曲げて(フォァアーム)相手に触れること。 2)防御側プレイヤーの手が偶然に、攻撃側プレイヤーのスピード、クイックネス、 バランスとリズムに影響がないくらいに触れる。 3)防御側プレイヤーがボールにプレイしようとしてボールと一緒に攻撃側プレイ ヤーの手首から先に触れることは許される。ただし、その触れ合いがフレグラ ント・ファウルの触れ合いであったときは除かれる。 4)ボールをコントロールしているプレイヤー(ボールを持っているかドリブルを しているプレイヤー)を防御するときには、防御側プレイヤーは相手の速さと 距離にとらわれずに防御の位置を占めることができる。 5)ボールをコントロールしているプレイヤーは、いつでも当然防御されることを 予測していなければならないので、自分の進む方向に相手チームのプレイヤー がどれだけすばやく防御の位置を占めたとしても、止まったり方向を変えたり してからだの触れ合いを避ける用意をしていなければならない。 6)防御側プレイヤーも、その位置を占める前にからだの触れ合いを起こさないよ うに、相手チームのプレイヤーの進路に相手より先に防御の位置を占めなけれ ばならない。 7)正当な防御の位置を占めたプレイヤーは、相手チームのプレイヤーを防御する ために位置を変えてもよいが、腕を広げたり、腰・肩・脚などを使って、脇を通 るドリブラーを妨げてはならない。 8)審判は、ボールをコントロールしているプレイヤーとその防御側プレイヤーと の間に触れ合いが起こったとき、次の原則に従ってブロッキングかチャージン グかを判定する。次の状態で触れ合いが起こった場合は、ボールをコントロー ルしているプレイヤーに触れ合いの責任がある ⅰ)防御側プレイヤーが、ボールをコントロールしているプレイヤーに向かっ て両足を床につけて、最初の正当な防御の位置(リーガル・ガーディング・ ポジション)を占めている。 39 ⅱ)防御側プレイヤーが先に正当な防御の位置を占めていて、そのトルソー(胴 体)に攻撃側プレイヤーが触れ合いを起こす。 ⅲ)正当な防御の位置を占めたプレイヤーは、負傷しないためや衝撃をやわら げるために、その場(シリンダーの内側)で向きを変えて相手に背を向け たり、からだのすぐ前に腕をおいたりしてもさしつかえない。しかし、身 体を屈曲させたり、すくいあげるような形で相手と接触してはならない。 ⅳ)防御側プレイヤーは、防御の位置を維持するために、その場で止まってい てもよいし、真上にジャンプしても相手の動きと平行にあるいは後方に動 いてもよい。 ⅴ)防御側プレイヤーが相手と平行にあるいは後方に動くときに、片足または 両足が瞬間的に床から離れることは通常の動きであり、引きつづき防御の 位置を占めていることになる。 例外:ゴール下に描かれたサークル(ノー・チャージ・セミ・サークル)の内側で先 に正当な防御の位置を占めていた防御側プレイヤーのトルソーに、ボールを コントロールしているプレイヤーがサークルの外から触れ合いを起こした場 合は、防御側プレイヤーが先に位置を占めていたとしても、攻撃側プレイヤ ーに対してチャージングが宣せられることはない。 5. ボールをコントロールしていないプレイヤーとその防御 1)ボールをコントロールしていないプレイヤーは、だれでもコート上を自由に動 いて、ほかのプレイヤーが占めていないコート上のどのような位置でも占める ことができる。 2)ボールをコントロールしていないプレイヤーを防御するときは、防御側プレイ ヤーは、相手の速さと距離を十分に考慮して位置を占めなくてはならない。防 御側プレイヤーは、動いている相手チームのプレイヤーが止まったり方向を変 えたりして触れ合いを避けることができないほど急に、また近くに位置を占め てはならない。 3)ボールをコントロールしていないで動いている相手に対して位置を占めるとき に許される距離は、相手の速さによるが、通常の1歩から2歩の間が必要であ る。防御するプレイヤーが相手の速さと距離の関係を考慮しないで位置を占めて 触れ合いが起こったときは、その防御側プレイヤーに触れ合いの責任がある。 4)正当な防御の位置を占めたプレイヤーは、腕を広げたり、腰・肩・脚などを相手チ ームのプレイヤーの進路に出したりして、脇を通る相手を妨げてはならない。 5)防御の位置を占めたプレイヤーは、負傷しないためや衝撃をやわらげるため に、その場(シリンダーの内側)で向きを変えて相手に背を向けたり、からだ のすぐ前に腕をおいたりしてもさしつかえない。しかし、身体を屈曲させた り、すくいあげるような形で相手と接触してはならない。 6)正当な防御の位置を占めたプレイヤーは、次のことを考慮しなければならない。 ⅰ)相手チームのプレイヤーの進路上で防御しつづけるために、相手と平行に あるいは後方に位置を変えたり動いたりしてよい。 40 ⅱ)防御をつづけるために相手チームのプレイヤーに近づいてよいが、近づい てからだの触れ合いが起こったときは、その触れ合いの責任は防御側プレ イヤーにある。 ⅲ)防御側プレイヤーは相手チームのプレイヤーの速さと距離を十分考慮し、 位置を変えるときには相手のからだとの間に間隔(スペース)を保つよう にしなければならない。 6. ジャンプしたプレイヤーが下りるとき 1)ジャンプしたプレイヤーには、もとの位置に下りる権利がある。 2)ジャンプしたプレイヤーには、もとの位置とちがうところで、次の場所に下り る権利がある。 ⅰ)ジャンプしたときに相手チームのプレイヤーが位置を占めていなかった場所 ⅱ)ジャンプしたところと下りる場所の間に相手チームのプレイヤーが位置を 占めていない場所 3)ジャンプしたプレイヤーがもとの位置とちがうところに下りた勢いで、すでに 近くに位置を占めていた相手チームのプレイヤーとからだの触れ合いを起こし たときは、ジャンプしたプレイヤーに触れ合いの責任がある。 7. スクリーンとは、プレイヤーがあらかじめ任意の位置を占めることによって、ボー ルをコントロールしていない相手チームのプレイヤーが望むところに行くのを遅れ させたり妨げたりするプレイをいう 1)リーガル・スクリーンとは: ⅰ)止まっていて、シリンダーの内側でからだの触れ合いが起こる。 ⅱ)両足が床についていて、からだの触れ合いが起こる。 2)イリーガル・スクリーンとは: ⅰ)相手チームのプレイヤーの動きにつれて、動きながらからだの触れ合いが 起こる。 ⅱ)止まっている相手チームのプレイヤーの視野の外(うしろ)で、相手のす ぐそばに近づいてスクリーンの位置を占めてからだの触れ合いが起こる。 ⅲ)動いている相手チームのプレイヤーの進路上に、相手が止まったり方向を 変えたりして触れ合いを避けられるだけの距離をおかずにスクリーンの位 置を占めてからだの触れ合いが起こる。 3)スクリーンの位置の占め方 ⅰ)止まっている相手チームのプレイヤーの視野の中(前か横)でスクリーン しようとするプレイヤーは、触れ合いが起こらないかぎり相手の近くにス クリーンの位置を占めてよい。 ⅱ)止まっている相手チームのプレイヤーの視野の外(うしろ)で、スクリー ンしようとするプレイヤーは、相手が普通に動いても触れ合いが起こらな い1歩の距離をおいてスクリーンの位置を占めなければならない。 ⅲ)動いている相手のプレイヤーをスクリーンしようとするときは、相手の速 さとスクリーンの位置までの距離を考慮しなければならない。動いている 相手のプレイヤーをスクリーンしようとするプレイヤーは、相手が止まっ 41 たり方向を変えたりして触れ合いを避けられるだけの距離(1歩から2歩 の距離)をおいてスクリーンの位置を占めなければならない。 ⅳ)両チームのプレイヤーが同じ進路上を同じ方向に動いているときは、進行 方向に対してうしろにいるプレイヤーに触れ合いの責任がある。前にいる プレイヤーは止まったり、動くスピードを変えてもよいが、うしろに移動 したり、相手チームのプレイヤーの進路上に急に入りこんで触れ合いを起 こしてはならない。この規定は、前にいるプレイヤーがボールを持ってい てもいなくても同じである。 8. チャージング チャージングとは、ボールを持っていてもいなくても、無理に進行して相手チーム のプレイヤーのトルソー(胴体)に突き当たったり押しのけたりする不当なからだ の触れ合いのことをいう。 9. ブロッキング ブロッキングとは、ボールを持っていてもいなくても、相手チームのプレイヤーの 進行を妨げる不当なからだの触れ合いのことをいう。 1)相手が止まっているのに、あるいはスクリ-ンを避けようとしているのに、ス クリーンしようと動いてからだの触れ合いを起こしたときはブロッキングのフ ァウルになる。 2)スクリーンしようとしているプレイヤーがボールを無視して相手チームのプレ イヤーに面し、相手の動きにつれて動くときは、別の事情がないかぎり、その ために生じたすべてのからだの触れ合いの責任はスクリーンしようとしたプレ イヤーにある。「別の事情」というのは、スクリーンされているプレイヤーに 責任があるプッシング、チャージング、ホールディングなどをいう。 3)コート上で位置を占めているとき、腕を広げたりひじを張ることはさしつかえ ないが、相手チームのプレイヤーが脇を通り抜けようとするときには、腕もひ じもよけなければならない。腕やひじをよけないで触れ合いが起こったときは、 ブロッキングかホールディングになる。 10. ノー・チャージ・セミサークル・エリア ノー・チャージ・セミサークル・エリアとは、積極的に攻撃して得点することを意図 した攻撃側プレイヤーに対して特別な規則を適用するために、制限区域内に描かれ たノー・チャージ・セミサークルおよびそれに付随する仮想的なラインによって区画 された特別なエリアのことをいう。 バスケットに向かってペネトレイションした攻撃側プレイヤーが正当な防御の位置 を占めた防御側プレイヤーのトルソー(胴体)に突き当たったとしても、その触れ 合いが起こったときにその防御側プレイヤーがノー・チャージ・セミサークル・エリ ア内にいたときは、その攻撃側プレイヤーに対してチャージングが宣せられること はない。 この規則が適用される要件は以下のとおりである。 1)ペネトレイションした攻撃側プレイヤーが、ボールを持ったまま(ボールを持 ってから)、ノー・チャージ・セミサークル・エリアの外からジャンプすること 42 2)その攻撃側プレイヤーがショットあるいはパスをしようとすること 3)ショットあるいはパスのボールがその攻撃側プレイヤーの手から離れる前にあ るいは離れたあとに、床に下りる前または床に下りた直後にその勢いで防御側 プレイヤーに突き当たって触れ合いを起こしてしまうこと 4)その触れ合いが起こったときに、その攻撃側プレイヤーに突き当たられた防御 側プレイヤーの片足あるいは両足がノー・チャージ・セミサークル・エリア内の 床あるいはノー・チャージ・セミサークルのラインに触れていたこと ただし、攻撃側プレイヤーが、手、腕、足、脚、そのほかのからだの一部を不 当に使って触れ合いを起こした場合には、この規則は適用されず、通常の規則 にしたがって判定がくだされる。 11. 手や腕で相手チームのプレイヤーに触れること 1)プレイヤーが相手チームのプレイヤーに手や腕で触れることがあっても、かな らずしもファウルではない。 2)手や腕で相手チームのプレイヤーに触れること(相手をたたくことも含む)や 触れていることが相手の自由な動きを妨げたときは、イリーガル・ユース・オブ・ ハンズのファウルである。 3)相手チームのプレイヤーがボールを持っていてもいなくても、防御側プレイヤ ーが手や伸ばした腕で相手チームのプレイヤーに触れつづけることは、イリー ガル・ユース・オブ・ハンズのファウルである。 4)相手チームのプレイヤーがボールを持っていてもいなくても、防御側プレイヤ ーがくり返し必要以上に相手チームのプレイヤーに触れることはファウルであ る。このような触れ合いは粗暴な触れ合いにエスカレートする可能性がある。 5)ボールをコントロールしている攻撃側プレイヤーが起こす次の触れ合いはファ ウルである。 ⅰ)自分が有利になろうとして、腕を防御側プレイヤーのからだに巻きつけた り、ひじを押えたりすること。 ⅱ)防御側プレイヤーとの間の間隔(スペース)を広げようとして、相手チー ムのプレイヤーを押しのけること。 ⅲ)ドリブルをしているときにボールを取ろうとする防御側プレイヤーの動き を手や腕を使ってさまたげること。 6)ボールを持っていない攻撃側プレイヤーが起こす次の触れ合いはファウルである。 ⅰ)ボールを受け取りやすくしようとして、防御側プレイヤーを押しのけること ⅱ)ボールにプレイしようとする防御側プレイヤーを妨げようとして、相手を 押しのけること ⅲ)防御側プレイヤーとの間の間隔(スペース)を広げようとして、相手チー ムのプレイヤーを押しのけること 12. ポスト・プレイ 1)真上の空間の権利は、ポスト・プレイにも適用される。ポストの位置を占めて いる攻撃側プレイヤーもその防御側プレイヤーも、たがいに相手の真上の空間 (シリンダー)の権利を重んじなければならない。 43 2)ポストの位置を占めている攻撃側プレイヤーもその防御側プレイヤーも、肩、 腰、尻、膝、広げたひじや腕、またはからだのほかの部分などを使って、相手 チームのプレイヤーの自由な行動を妨げてはならない。 13. ポスト・プレイヤーに対する防御 1)ペイント・エリア付近で、バスケットに背を向けてボ−ルをコントロールして いるポスト・プレイヤーを防御するときは、防御側プレイヤーが防御の位置を 維持するために、ひじを曲げた前腕や手で触れたり、その両方で相手に触れる ことはさしつかえない。しかし、両手とも前腕で触れることや、両手とも曲げ た手で触れることはファウルである。またひじを伸ばした片手でポスト・プレ イヤーに触れることもファウルである。 2)ボールをコントロールしてバスケットに背を向けているポスト・プレイヤーを 防御するときに、防御側プレイヤーが防御の位置を維持するために、攻撃側プ レイヤーの脚の間に脚を入れて位置を取ることはさしつかえない。しかし、ポ スト・プレイヤーの位置を移動させるために、防御側プレイヤーが床から脚を 浮かせた場合は、ファウルである。 14. 後方からの不当なガード 後方からの不当なガードとは、防御側プレイヤーが、相手チームのプレイヤーのう しろから起こす不当なからだの触れ合いのことをいう。ボールにプレイしようとし ているからといって、うしろから相手チームのプレイヤーと触れ合いを起こしてよ いことにはならない。 15. ドリブラーのファウル 1)ドリブラーは次のことをしてはならない。 ⅰ)正当な防御の位置を占めているプレイヤーに突き当たること。 ⅱ)からだの触れ合いを避けられるスペースがないのに、正当な防御の位置を 占めている2人の相手チームのプレイヤーの間をドリブルで通り抜けよう とすること。 ⅲ)からだの触れ合いを避けられるスペースがないのに、正当な防御の位置を 占めている相手チームのプレイヤーと境界線の間をドリブルで通り抜けよ うとすること。 2)防御側プレイヤーがドリブラーの進路上に正当な防御の位置を占めたときは、 ドリブラーは触れ合いを避けるために進路を変えるか止まるかしなければなら ない。 3)ドリブラーはつねにからだのバランスをコントロールしていなくてはならない。 ドリブラーがからだのバランスをくずして触れ合いが起こったときは、その触 れ合いの責任はドリブラーにある。 4)ドリブラーに対するファウル ⅰ)ドリブラーの頭と肩が触れ合いなしに防御側プレイヤーの横を通り抜けた にもかかわらず触れ合いが起こったときは、その触れ合いの責任は防御側 プレイヤーにある。 44 ⅱ)ドリブラーが直進しているとき、防御側プレイヤーはその進路から離れた ところからドリブラーに近づいて触れ合いを起こしてはならない。 16. ホールディング ホールディングとは、相手チームのプレイヤーを押えて行動の自由を妨げる不当な からだの触れ合いをいう。相手チームのプレイヤーを押えることは、からだのどの 部分を使ってもホールディングとなる。 17. プッシング プッシングとは、相手チームのプレイヤーがボールを持っていてもいなくても、手 やからだで相手チームのプレイヤーを無理に押しのけたり、押して動かそうとする 不当なからだの触れ合いをいう。 Art36. パーソナル・ファウル Personal Foul 1. パーソナル・ファウルとは、ボールのライブ、デッドに関係なく、相手チームのプ レイヤーとのからだの触れ合いによるプレイヤー・ファウルをいう。 2. プレイヤーは、相手を押えて動きの自由を妨げること(ホールディング)、相手を 押すこと(プッシング)、相手をたたくこと(ハッキング)相手をつまずかせるこ と(トリッピング)相手に突き当たること(チャージング)、相手の進行を妨げる (ブロッキング)ことを起こしてはならない。 3. パーソナル・ファウルが宣せられた場合は、そのプレイヤーに1個のパーソナル・フ ァウルが記録され、次の処置をする。 1)ショットの動作中でないプレイヤーがファウルをされたとき ⅰ)ファウルが起こったところにもっとも近いサイド・ラインから、相手チー ムのスロー・インでゲームを再開する。ただし、そのファウルがそのチー ムのフロント・コートのエンド・ラインとフリースロー・ラインの間で起こ ったときは、どちらか近いほうのフリースロー・ラインの延長上のサイド・ ラインから、相手チームのスロー・インでゲームを再開する。 ⅱ)ファウルをしたチームのチーム・ファウルがそのクォーターで4回をこえ ている場合には、「チーム・ファウルの罰則」が適用される。 2)ショットの動作中のプレイヤーがファウルをされたときは、ファウルをされた プレイヤーに次のフリースローがあたえられる。 ⅰ)そのショットが成功したときは得点が認められ、さらに1個のフリースロ ーが与えられる。 ⅱ)そのショットがツー ・ポイント・エリアからのショットで不成功だったとき は、2個のフリースローが与えられる。 ⅲ)そのショットがスリー ・ポイント・エリアからのショットで不成功だったと きは、3個のフリースローが与えられる。 45 4. パーソナル・ファウルで負傷し交代したプレイヤーにフリースローが与えられてい たときは、負傷し交代した相手チームのコーチがそのときコート上にいたプレイヤ ーと交代したプレイヤーの中からフリースロー・シューターを指名する。交代した プレイヤーがフリースローを行うときは、そのプレイヤーはゲーム・クロックが動 いたあとでなければ交代は認められない。 5. パーソナル・ファウルはチーム・ファウルに数える。 Art37. フレグラント・ファウル Flagrant Foul フレグラント・ファウルとは、ボールのライブ、デッドに関係なく、規則の精神とプレ イの目的を逸脱したアンスポーツマンライク・コンタクトによるパーソナル・ファウルを いう。 フレグラント・ファウルには触れ合いの度合いによって、ペナルティ1とペナルティ2 がある。 1. フレグラント・ファウル・ペナルティ1は、必要以上のハードな触れ合いをいう。 フレグラント・ファウル・ペナルティ1を2回宣せられたプレイヤーは失格・退場に なる。 2. フレグラント・ファウル・ペナルティ2は、相手プレイヤーが負傷する可能性がある 必要以上のハードな触れ合いと相手プレイヤーを殴ったり、殴りかかった(相手を 殴らなくても)場合をいう。フレグラント・ファウル・ペナルティ2を宣せられたプ レイヤーは失格・退場になる。 3. フレグラント・ファウルが宣せられた場合は、ファウルをしたプレイヤーに1個の フレグラント・ファウルが記録され、ファウルをされたプレイヤーに次のフリース ローが与えられる。 1)ショットの動作中でないプレイヤーがファウルをされたときは、2個のフリー スロー 2)ショットの動作中のプレイヤーがファウルをされ、そのショットが成功したと きは、得点が認められ、さらに1個のフリースロー 3)ショットの動作中のプレイヤーがファウルをされ、そのショットが不成功だっ たときは、ツー・ポイント・エリアからのショットであれば2個、スリー・ポイ ント・エリアからのショットであれば3個のフリースロー 4. フリースローのあとは、フリースローが成功してもしなくても、フロント・コート のサイド・ハッシュ・マークから、フリースローをしたチームのスロー・インでゲー ムを再開する。このとき、スロー・インするプレイヤーはコートのどこにいるプレ イヤーにパスしてよい。 46 5. フレグラント・ファウルで負傷し交代したプレイヤーにフリースローが与えられて いたときは、負傷し交代したチームのコーチがそのときコート上にいたプレイヤー と交代したプレイヤーの中からフリースロー・シューターを指名する。交代したプ レイヤーがフリースローを行うときは、そのプレイヤーはゲーム・クロックが動い たあとでなければ交代は認められない。 6. フレグラント・ファウルはチーム・ファウルに数える。 Art38. 失格・退場 Disqualified and Ejection 1. 失格・退場を命ぜられたチーム・メンバーとチーム関係者はすみやかに退場し、ゲー ムが終わるまで自チームの更衣室(ロッカー ・ルーム)にいるか、コートのある建 物から立ち去らなければならない。 2. コーチが失格・退場となった場合は、アシスタント・コーチがコーチの役目を引き継 ぐ。アシスタント・コーチがいない場合は、キャプテンがコーチの役目を引き継ぐ。 3. 出場停止を命ぜられたチーム・メンバーとチーム関係者は、該当日は試合が終わる まで会場に来てはならない。 Art39. ダブル・ファウル Double Foul 1. ダブル・ファウルとは、両チームの2人のプレイヤーがほとんど同時にたがいにフ ァウルをした場合をいう。 2. ダブル・ファウルが宣せられた場合は、パーソナル・ファウルであってもテクニカル・ ファウルであっても、どちらのチームにも、フリースローは与えられない。 3. ダブル・ファウルが宣せられた場合は、それぞれのファウルが記録される。 4. ゲームは次のように再開される。 1)ショットまたは最後のフリースローのボールがシューターの手から離れたあと、 シューター以外のところでダブル・ファウルがあり、フィールド・ゴールまたは フリースローが成功して得点が認められたときは、エンド・ラインから、相手 チームのスロー・インでゲームを再開する。 2)ダブル・ファウルが起こったときに一方のチームがボールをコントロールして いたときは、ダブル・ファウルが起こったところにもっとも近いサイド・ライン から、そのチームのスロー・インでゲームを再開する。ただし、ダブル・ファウ ルがそのチームのフロント・コートのエンド・ラインとフリースロー・ラインの 間で起こったときは、どちらか近いほうのフリースロー・ラインの延長上のサ イド・ラインから、そのチームのスロー・インでゲームを再開する。ショット・ クロックはリセットされない。 47 3)ダブル・ファウルが起こったときにどちらのチームもボールをコントロールし ていなかったときは、ジャンプ・ボール・シチュエイションになる。 Art40. ルーズボール・ファウル Loose ball Foul 1. ルーズボール・ファウルとは、どちらのチームもチーム・コントロールしていないと きに宣せられたパーソナル・ファウルをいう。 2. どちらのチームもチーム・コントロールしてないときにパーソナル・ファウルが宣せ られたときは次のように処置する。 1)ファウルを宣せられたプレイヤーに1個のファウルが記録される。 2)ファウルを宣せられたチームにチーム・ファウルが記録される。 3)チーム・ファウルの罰則が適用されない場合は、ゲームはプレイが中断したと ころにもっとも近いサイド・ラインから相手チームのスロー・インでゲームを再 開する。ただし、そのファウルがそのチームのフロント・コートのエンド・ライ ンとフリースロー・ラインの間で起こったときは、どちらか近いほうのフリー スロー・ラインの延長上のサイド・ラインから、相手チームのスロー・インでゲ ームを再開する。 4)チーム・ファウルの罰則が適用される場合は、ファウルをされたプレイヤーに 2個のフリースローが与えられる。 Art41. アウェイ・フロム・ザ・プレイ・ファウル Away-From-the-Play Foul 1. 第4クォーター、各延長時限の最後の2分間において、次のような触れ合いでファ ウルが宣せられたときは、アウェイ・フロム・ザ・プレイ・ファウルとして処置する。 1)スロー ・インするプレイヤーがボールを手ばなす前に、防御側プレイヤーが起 こした触れ合いに対してファウルが宣せられたとき 2)ボールと直接関係ないところで、ボールをコントロールしていない攻撃側プレ イヤーに防御側プレイヤーが起こした触れ合いに対してファウルが宣せられた とき 2. アウェイ・フロム・ザ・プレイ・ファウルが宣せられた場合は、ファウルをしたプレイ ヤーに1個のファウルが記録され、相手チームに1個のフリースローが与えられる。 そのときコート上にいたプレイヤーであれば誰がフリースロー ・シューターになっ てよい。 3. フリースローのあとは、フリースローが成功してもしなくても、フロント・コート のサイド・ハッシュ・マークから、フリースローをしたチームのスロー・インでゲー ムを再開する。このとき、スロー・インするプレイヤーはコートのどこにいるプレ イヤーにパスしてよい。 48 4. アウェイ・フロム・ザ・プレイ・ファウルはチーム・ファウルに数える。 Art42. クリア・パス・ファウル Clear-Path Foul 1. 次の条件で起こした触れ合いは、クリア・パス・ファウルとして処置する 1)速攻などで確実に得点できる状況であること。 2)チームがボールをコントロールしていること。 3)自チームのバック・コートのフリースロー ・ラインと自チームのバスケットの 間で触れ合いが起こる。 4)ボールの位置と自チームのバスケットの間に相手チームのプレイヤーがいない。 2. クリア・パス・ファウルが宣せられた場合は、ファウルをしたプレイヤーに1個のフ ァウルが記録され、ファウルされたプレイヤーに2個のフリースローが与えられる。 3. フリースローのあとは、フリースローが成功してもしなくても、フロント・コート のサイド・ハッシュ・マークから、フリースローをしたチームのスロー・インでゲー ムを再開する。このとき、スロー・インするプレイヤーはコートのどこにいるプレ イヤーにパスしてよい。 4. クリア・パス・ファウルはチーム・ファウルに数える。 49 RULE SEVEN ファウルの処置(色々な場合) GENERAL PROVISIONS Art43. プレイヤーの5回のファウル Five Fouls by a Player 1. 1プレイヤーが5回のパーソナル・ファウル、フレグラント・ファウル、アウェイ・ フロム・ザ・プレイ・ファウルとクリア・パス・ファウルを宣せられた場合は、スコア ラーによりその事実をブザーで知らされ、ただちに交代しなければならない。プレ イヤーが5人いなくなったときを除いて、以後そのゲームに出場することはできな い。この場合の交代はすみやかにしなくてはならない。 Art44. チーム・ファウルの罰則 Team Fouls : Penalty 1. 1チームに各クォーター4回のファウル(テクニカル・ファウルとファイティング は除く)が記録されたあとは、チーム・ファウルの罰則が適用される。 2. 延長時限に起こったチーム・ファウルは、第4クォーターに起こったものとみなす。 3. チーム・ファウルの罰則は次のように適用する。 1)チーム・ファウルの罰則が適用されるチームのプレイヤーが、ショットの動作 中でないプレイヤーにパーソナル・ファウルをしたときは、ファウルされたプ レイヤーに2個のフリースローが与えられる。 2)ボールをチーム・コントロールしているチームのプレイヤーがパーソナル・ファ ウルをしたときは、各クォーター5回目以降のファウルであってもチーム・フ ァウルの罰則は適用されない。 50 Art45. 特別な処置をする場合 Special Situations 1. ヴァイオレイションやファウルが宣せられて、ゲーム・クロックが止められている 間にあらたに別のファウルが宣せられた場合は、特別な処置をする。 2. 処置の手順は次のようにする。 1)ファウルはすべて記録し、ヴァイオレイションを含むそれぞれの罰則を確認する。 2)ファウルの起こった順序を決め、等しい重さの罰則を相殺し、残った罰則をフ ァウルの起こった順番に従って適用する。ダブル・ファウルの罰則は取り消 し、一度相殺したり取り消した罰則は適用しない。 3)テクニカル・ファウルが含まれているときは、テクニカル・ファウルの処置だけ を最初に行う。 4)それぞれの罰則に含まれるスロー・インは最後の処置に含まれる場合だけ適用 する。それ以外のスロー・インは取り消される。 5)相殺した結果、残ったフリースローの1投目またはスロー ・インのボールがラ イブになったあとで別のファウルが起こったときは、一度ライブになったフリ ースローやスロー ・インは相殺の対象とならず、スロー ・インは取り消される。 フリースローの場合は残りのフリースローを終わらせてから、別のファウルの 処置をする。 6)両チームに科される重さの等しい罰則を相殺していったあとに適用される罰則 が残らない場合には、次の方法でゲームを再開する。 ⅰ)フィールド・ゴールのショットが成功して得点が認められた場合は、得点 されたチームが、エンド・ラインからスロー・インでゲームを再開する。 ⅱ)一方のチームがボールをコントロールしていたかスロー ・インのボールが 与えられることになっていた場合は、そのチームにボールが与えられスロ ー・インの規定に従ってゲームを再開する。 ⅲ)どちらのチームもボールをコントロールしていないかスロー・インのボー ルが与えられることになっていなかった場合には、ジャンプ・ボール・シ チュエイションになる。 Art46. フリースロー Free Throws 1. フリースローとは、フリースロー ・ラインのすぐうしろの半円内から妨げられるこ となしに1点を得ることができるように、1プレイヤーに与えられた特典のことを いう。 2. それぞれ1個のファウルに対する罰則として与えられるフリースローあるいはフリ ースローとそれにつづくスロー・インを、フリースローの「セット」という。 3. パーソナル・ファウルが宣せられてフリースローが与えられる場合は、次のように 処置する。 51 1)ファウルをされたプレイヤーがフリースロー ・シューターとして指定される。 (例外:Art36.4. , Art37.5. ) 2)ファウルをされたプレイヤーが交代するときは、交代する前にフリースローを しなければならない。 3)指定されたフリースロー ・シューターが5回のファウルを宣せられたとき、失 格・退場させられたときは、自チームのコーチが指定したプレイヤーがフリー スロー・シューターになる。 4. 相手にテクニカル・ファウルが宣せられてフリースローが与えられる場合は、どの チーム・メンバーがフリースロー・シューターになってもよい。 5. フリースロー・シューターは、次の規定に従ってフリースローをする。 1)フリースロー・ラインのすぐうしろの半円にたつ。 2)ボールが床に触れずに、上からバスケットに入るようにまたはリングに触れる ように、スローしなくてはならない。 3)審判にボールを渡されてから8秒以内にスローしなくてはならない。 4)ボールがバスケットに入るかリングに触れるまでは、フリースロー ・ラインま たは制限区域に踏み込んではならない。 5)フリースローをするふりをして途中でわざとやめること(フェイク)をしては ならない。 フリースロー・シューターがこの規定に違反したときはヴァイオレイションであ り、ボールがバスケットに入っても得点は認められない。フリースロー・ラインの 延長上のサイド・ラインから相手チームのスロー・インでゲームを再開する。ただ し、2個以上のフリースローが与えられる場合、このスロー・インのボールが与え られる規定は、最後のフリースローのヴァイオレイションだけに適用される。 フリースロー ・シューターのヴァイオレイションとフリースロー ・シューター以外 のプレイヤーのヴァイオレイションがほとんど同時に起こったときは、フリース ロー ・シューターのヴァイオレイションが優先され、フリースロー ・シューター以 外のプレイヤーのヴァイオレイションは無視される。 6. フリースローのとき、フリースロー・シューターの相手チームのプレイヤーはバス ケットにもっとも近いリバウンドの位置2ヶ所を占めなければならない。次に近い 両側のリバウンドの位置は、フリースローをするチームが占めることができる。も っとも遠い両側のリバウンドの位置は、どちらか片方だけをフリースローをする相 手チームが占めることができる。 プレイヤーが占めることができるリバウンドの位置の範囲は、制限区域のラインか ら1mとする。 7. リバウンドの位置を占めたプレイヤーは、次のことをしてはならない。 1)相手チームに認められているリバウンドの位置を占めること 52 2)ボールがフリースロー ・シューターの手から離れる前に、相手チームのプレイ ヤーの前に手を広げたり、制限区域に入ったり、リバウンドの位置を離れたり すること 3)次のようにフリースロー・シューターの気持ちを乱したり、じゃまをすること ⅰ)シューターに話しかけたり、わざと大きな声を出したりする。 ⅱ)手をたたいたり、大きな声で会話をしたりする。 ⅲ)視野の中で腕や手を振ったり、急に動いたりする。 8. リバウンドの位置を占めないプレイヤーはフリースロー ・シューターの気持を乱し たり、じゃまをしてはならないし、ボールがリングに触れるか、フリースローが終 わるまでは、フリースロー ・ラインの延長上より後方で、スリー ・ポイント・ライン の外側にいなければならない。 9. フリースロー・シューター以外のプレイヤーがArt46.6. , Art46.7.とArt46.8.の規定に 違反した場合は、ヴァイオレイションである。ヴァイオレイションが起こったとき は、次のように処置する。 1)フリースローが成功したとき ⅰ)フリースロー ・シューターの味方のプレイヤーだけが、または味方のプレ イヤーが先にヴァイオレイションをした場合は得点は認められない。 ⅱ)フリースロー ・シューターの相手チームのプレイヤーだけが、または相手 チームのプレイヤーが先にヴァイオレイションをした場合はヴァイオレイ ションは無視され、得点は認められる。 ⅲ)両チームのプレイヤーが同時にヴァイオレイションをした場合はヴァイオ レイションは無視され、得点は認められる。 2)フリースローが不成功だったとき ⅰ)フリースロー・シューターの味方のプレイヤーだけが、または味方のプレ イヤーが先にヴァイオレイションをした場合は、相手チームのスロー・イ ンでゲームを再開する。ただし、このスロー・インの規定は最後のフリー スローだけに適用される。あとにまだフリースローやスロー・インが続く ときはヴァイオレイションは無視される。 ⅱ)フリースロー ・シューターの相手チームのプレイヤーだけが、または相手 チームのプレイヤーが先にヴァイオレイションをした場合は、同じフリー スロー・シューターがフリースローをやりなおす。 ⅲ)両チームのプレイヤーが同時にヴァイオレイションをした場合はジャンプ ・ボール・シチュエイションになる。ただし、この規定は最後のフリース ローだけに適用される。あとにまだフリースローやスロー・インが続く場 合はヴァイオレイションは無視される。 10. あとにフリースローの「セット」がつづく場合とフリースローのあとゲームがスロ ー・インで再開することが決められている場合は、フリースロー・シューター以外の プレイヤーは、フリースロー ・ラインの延長上より後方で、スリー・ポイント・ライ ンの外側にいなければならない。 53 Art47. 処置の訂正 Correctable Errors 1. 規則の適用を誤っていた場合、審判は、次の場合にかぎり処置を訂正することがで きる。 1)与えるべきフリースローを与えないでゲームを再開してしまった場合 2)与えてはいけないフリースローを与えていた場合 3)フリースロー・シューターをまちがえてフリースローをさせていた場合 4)審判が、まちがえて得点を認めたり取り消したりしていた場合 2. 処置を訂正するときの原則 1)誤った処置がなされたあと、ゲーム・クロックが動き始めてから最初にデッド になったボールが次にライブになる前に審判やテーブル・オフィシャルズが誤 りに気がついたときは、処置を訂正することができる。 2)審判が誤りに気がついたときは、どちらのチームにも不利にならないかぎり ただちにゲームを止める。テーブル・オフィシャルズが誤りに気がついたとき は、ボールがライブの間は合図器具を鳴らさずに、何らかの方法で審判にゲー ムを止めるよう知らせる。次にボールがデッドになったときに、ただちに合図 器具を鳴らす。 3)審判がゲームを止めるまでの間に認められた得点、経過した競技時間、宣せら れたファウルや起こったすべてのことは有効であり、取り消されない。ただ し、与えてはいけないフリースローを与えていた場合の得点は取り消される。 4)誤りを訂正したあと、ゲームは審判が止めた時点から再開する。訂正のために ゲームを止めたときにどちらかのチームがボールをコントロールしていたか、 スロー・インのボールを与えられることになっていた場合は、あらためてその チームにボールが与えられてゲームを再開する。(例外:Art47.3. ) 5)審判が、まちがえて得点を認めたり取り消したりしていた場合は、誤りを訂正 し両チームの得点を確認したあと、審判が止めた時点からゲームを再開する。 6)誤った処置が確認されて処置の訂正ができる場合は、次のように処置する。 ⅰ)フリースローを与えられるべきプレイヤーが交代していたときは、そのチ ーム・メンバーがコートに入り、その時点でプレイヤーになって訂正のフ リースローをする。 ⅱ)フリースローを与えられるべきプレイヤーが5回のファウルを宣せられて いたとき、あるいは失格・退場させられていたときは、そのチームのコー チが指定したプレイヤーが代わりに訂正のフリースローをする。 ⅲ)訂正のフリースローをしたあと、そのフリースロー ・シューターは交代し てもよいし、引きつづきプレイヤーとしてゲームに出場してもよい。 7)ゲーム終了の合図が鳴ったあとは処置の訂正はできない。 得点、ファウルの数、タイム・アウトの数などについてのスコアラーによる記 録のまちがいおよびタイマーによるゲーム・クロックの操作の誤りによる競技 時間の計測のまちがいは、審判の承認によっていつでも訂正することができ る。ただし、ゲーム終了の合図が鳴ったあとは処置の訂正はできない。 54 3. 特別な場合の処置の訂正 1)与えるべきフリースローを与えないでゲームを再開してしまった場合は、次の ように処置する。 ⅰ)誤りに気がついてゲームを止めるまでの間にボールのチーム・コントロー ルが一度も変わっていなかった場合は、訂正のフリースローを行い、ゲー ムは通常のフリースローのあとと同じように再開される。 ⅱ)誤ってスロー ・インを与えられたチームが、ボールのチーム・コントロール が一度も変わらないうちに得点した場合は、処置の誤りはなかったものと して訂正はしない。 2)与えてはいけないフリースローを与えていた場合は、そのフリースローは取り 消される。ゲームは次のように再開される。 ⅰ)誤って与えられたフリースローが行われている間に誤りに気がつくか、そ のフリースローのあとゲーム・クロックが動き始める前に誤りに気がつい た場合は、誤ったフリースローをしたチームにボールが与えられ、スロー・ インでゲームを再開する。 ⅱ)誤って与えられたフリースローが行われたのち、ゲーム・クロックが動き 始めてから誤りに気がついた場合は、次のように処置する。 ① 誤りに気がついてゲームが止められたときに、誤ってフリースローが 与えられたチームがボールをコントロールしていたか、スロー・インの ボールを与えられることになっていた場合、あるいはどちらのチーム もボールをコントロールしていなかった場合は、誤ってフリースロー をしたチームにボールが与えられ、スロー・インでゲームを再開する。 ② 誤りに気がついてゲームが止められたときに、誤ってフリースローが 与えられた相手チームがボールをコントロールしていたか、スロー・イ ンのボールを与えられることになっていた場合は、ジャンプ・ボール・ シチュエイションになる。 ③ 誤りに気がついてゲームが止められたときに、どちらかのチームにあ らたに別のファウルの罰則によるフリースローが与えられることにな っていた場合は、そのフリースローを行ったのち、誤ってフリースロ ーをしたチームにボールが与えられ、スロー・インでゲームを再開する。 3)指定されたフリースロー ・シューター以外のプレイヤーがフリースローを行っ ていた場合は、そのフリースローは取り消され、正しいフリースロー ・シュー ターにフリースローをさせてゲームを再開する。 指定されたフリースロー ・シューター以外のプレイヤーがフリースローを意図 的に行ったと審判が判断した場合は、ベンチのテクニカル・ファウルが宣せら れる。 4. 第4クォーター、各延長時限の最後の24秒間で、処置を訂正することができる誤り が起こったときは、誤りが起こった時間にゲーム・クロックをもどし、正しい処置 を行いゲームを再開する。進んだ間に認められた得点やパーソナル・ファウルは取 り消される。しかし、テクニカル・ファウル、ファイティングとフレグラント・ファ ウルは記録をして罰則を取り消す。 55 RULE EIGHT 審判・テーブル・オフィシャルズ:任務と権限 OFFICIALS AND TABLE OFFICIALS : DUTIES AND POWERS Art48. 審判・テーブル・オフィシャルズ Officials and Table Officials 1. 審判はクルー・チーフ1人とレフリー2人で構成される。テーブル・オフィシャルズ はスコアラー、タイマー、ショット・クロック・オペレーターと複数のスタッツ・メ ンバーで行われる。審判とテーブル・オフィシャルズ・メンバーは、リーグの承認を 受けている者でなければならない。 2. 審判はリーグが定めたユニフォームを着用しなければならない。 Art49. クルー ・チーフ:任務と権限 Crew Chief : Duties and Powers 1. クルー・チーフはゲーム前に、コート、バスケット、バックストップ・ユニット、ボ ール、タイマーやスコアラーが使用する機器などすべてのゲーム器具と用具を点検 し、承認する権限をもつ。 2. クルー・チーフは、規則に示されていない用具・器具の使用や着用を承認する権限を もつ。 また、すべてのプレイヤーに対して、ほかのプレイヤーに危険をもたらすと判断さ れたものを身につけてプレイすることを許してはならない。 1)指、手、手首、ひじの防具で皮革、プラスチック、ソフト・プラスチック、金 属、そのほか硬い素材でつくられているもの。これらの防具は表面をやわらか い素材で覆ってあっても身につけさせてはならない。 2)ほかのプレイヤーに切り傷やすり傷を与えるようなものは身につけさせてはな らない。どのようなものであっても、装飾品や貴石・宝石類を身につけてプレ イさせてはならない。 3. クルー・チーフは、そのゲームにおいて審判を統率する責任者である。 4. 一方のチームのコーチがゲームの前やインタヴァルの間に規則や規則の解釈につい て話し合うことを望んだときは、クルー・チーフは、相手チームのコーチにもその 話し合いに参加するよう申し入れをしなくてはならない。審判がゲーム中の状況や 起こったケースについて、どちらかのチームのコーチが話し合いをもつことを望ん だときも、同様にしなければならない。 5. ゴールを認めるか認めないかについて審判の意見が一致しないときは、クルー・チ ーフが決定をくだす。また、何らかのことがらについてスコアラーとタイマーの意 見が一致しないときも、クルー・チーフが決定をくだす。 56 6. クルー ・チーフは他の2人のレフリーがくだした判定について、規則の解釈に関し ての疑問点を正したり、取り消したりする権限をもつ。 7. 審判が負傷またはそのほかの理由で審判をつづけられなくなり、そののち5分経過 してもその審判が任務を遂行できない場合は、ゲームを再開する。あらたに代わり の審判を加えるか、残った審判で任務を遂行するかについてはクルー・チーフが決 定する。 8. 審判がコートに出たあと、ゲームが何らかの事情で始めることができなくなったと きや続けることができなくなったときは、そのゲームを終了するかどうかについて は、クルー・チーフがゲーム主催者と協議の上決定する。 9. 次のような行為が起こったときは、クルー ・チーフがリーグまで報告しなくてはな らない。 1)相手をなぐるなどの粗暴な触れ合い、及び乱闘や暴力行為があったとき 2)ゲーム開始15分より前、あるいはゲーム終了合図のあとに、チームに関係して いる人によるスポーツマンらしくない行為があったとき 3)1回で失格・退場になるテクニカル・ファウルが宣せられたとき 4)フレグラント・ファウル・ペナティ2が宣せられたとき 10. クルー・チーフは、プレイヤーやコーチに対する観客の暴言や行動がゲームに支障 があると審判が判断した場合は、会場責任者がその観客に注意・警告を与えるよう に指示しなければならない。一度注意・勧告を与えたにもかかわらず、同じ観客が 同様のふるまいをくり返した場合は、その観客を会場から退場させるよう会場責任 者に指示しなければならない。 11. 競技規則に示されていないあらゆる事項に決定をくだす権限をもつ。この条項に従 って決定をくだした場合、その決定についてリーグに報告しなければならない。 Art50. 審判:任務と権限 Officials : Duties and Powers 1. 審判は、オフィシャルズ・テーブル、ベンチ・エリアおよびそのラインのすぐうしろ のエリアを含む境界線の内外を問わず、規則に従って判定や決定をくだす権限をも つ。 2. 審判が判定をくだす権限は、ゲーム開始予定時刻の15分前にコートに出たときから 始まり、競技時間の終了の合図が鳴ったときに終わる。 3. 規則に対する違反(ファウルやヴァイオレイション)が起こったとき、各クォーター や各延長時限の競技時間が終了したとき、あるいはそのほか必要と思われるときにゲ ームを止めるときは、審判は笛を鳴らす。フィールド・ゴールやフリースローが成功 したあと、あるいはボールがライブになったときには、審判は笛を鳴らさない。 57 4. 審判は、ゲーム・クロックの表示が15:00になる前に連れだってコートに出てゲー ム開始前のウォーム・アップを見守る。規則に違反するような行為があったときは リーグに報告する。 5. 審判は、ゲーム開始前に、タイム・スケジュールにあわせて両チームのキャプテン と話し合いをもつ。ホーム・チームは、ゲームの1週間以上前にリーグと相手チー ムにタイム・スケジュールを提出し、了解を得ておかなければならない。 6. アウト・オブ・バウンズについては、複数の審判の協議によってスロー ・インのボー ルが与えられるチームを決定することができる。 7. ヴァイオレイションとファウルがほとんど同時に起こった場合は、ファウルをとり 上げる。 8. 審判は競技時間中に、操作時間の誤差により時間の表示が進んでしまったときや、 タイマーや24秒タイマーの誤った操作によってゲーム・クロックやショット・クロッ クの表示が止まらずに進んだり、動かなかったときは、正しい残り時間に表示を変 更することができる。正しい残り時間がわらなかったときは、審判で協議をしクル ーチーフが決定をくだす。 Art51. スコアラーの任務 Scorer : Duties 1. スコアラーは公式記録装置にデータを入力し、必要なときに合図をする。 1)ゲーム開始のときに、出場する5人のプレイヤーが登録されたものと違ってい たことに気が付いたときや、交代についての違反に気がついたときは、できる だけ早く近い方の審判に知らせる。 2)ポゼションの表示器具(ポゼション・アロー)の操作を行う。 3)チームの1回目のディレイ・オブ・ゲームを記録する。 4)チームからタイム・アウトの請求があったときは、 『タイム・アウトの認められる 時期』合図器具を鳴らして審判に知らせる。また、各ハーフや各延長時限でそ のチームにタイム・アウトが残っていない場合にも審判に知らせる。 5)1チームに各クォーター4回目のプレイヤー ・ファウルが宣せられたときは、 そのあとボールがライブになってから、チーム・ファウル・ペナルティの表示器 具をオフィシャルズ・テーブルのそのチームに近いほうの端に立てて示す。 6)交代の合図をする。 7)プレイヤーがパーソナル・ファウルを5回宣せられたときにブザーを鳴らして 審判に知らせる。 8)コーチのファウルを記録し、コーチが失格・退場になる場合はブザーを鳴らし て審判に知らせる。 9)スコアラーはボールがデッドになりふたたびボールがライブになる前にだけ合 図器具を鳴らす。 58 スコアラーの合図はゲーム・クロックやゲームを止めるものではないし、ボールを デッドにするものでもない。 2. アシスタント・スコアラーはスコアボードを操作し、スコアラーを補佐する。プレ イヤー・ファウルが宣せられるたびに、スコアラーから連絡を受け、プレイヤー・フ ァウル数の表示を使って、両チームのコーチ、プレイヤー、観客によくわかるよう に、そのプレイヤーのファウル数と、そのチームのファウル数を示す。 Art52. タイマーの任務 Timer : Duties 1. タイマーはゲーム・クロックとストップ・ウォッチを操作し、次の任務を行う。 1)競技時間、タイム・アウトおよびプレイのインタヴァルの時間をはかる。 2)各クォーター、各延長時限の終了を大きな音の合図器具で知らせる。 3)合図が鳴らなかったり聞こえなかったりした場合は、何らかの方法でただちに 審判に知らせる。 4)第3クォーターが始まる2分前をチームと審判に知らせる。 2. タイマーはゲーム・クロックを次のように操作し、競技時間をはかる。 1)次の瞬間にゲーム・クロックを動かし始める。 ⅰ)ジャンプ・ボールの場合、トス・アップされたボールが最高点に達してから はじめてジャンパーがボールをタップしたとき ⅱ)最後のフリースローが不成功で引きつづきボールがライブの場合、ボール がコート内のプレイヤーに触れたとき ⅲ)スロー ・インの場合、ボールがコート内のプレイヤーに触れるか、コート 内のプレイヤーがヴァイオレイションをしないでボールに触れたとき 2)次の瞬間にゲーム・クロックを止める。 ⅰ)各クォーター、各延長時限の競技時間が終了したとき ⅱ)ボールがライブで審判が笛を鳴らしたとき ⅲ)第4クォーター、各延長時限の最後の2分間において、フィールド・ゴー ルが成功したとき 3. タイマーは次のようにタイム・アウトの時間をはかる。 1)審判が笛を鳴らしてオフィシャル・タイム・アウトか60秒タイム・アウトかの合 図をし、スコアラーに指し示したときからストップ・ウォッチを動かし始める。 2)オフィシャル・タイム・アウトの場合は80秒経過したときに、合図器具を鳴らし て審判に知らせ、90秒経過したときに、もう一度合図器具を鳴らす。 3)60秒タイム・アウトの場合は50秒経過したときに、合図器具を鳴らして審判に 知らせ、60秒経過したときに、もう一度合図器具を鳴らす。 59 4. タイマーは次のようにインタヴァルの時間をはかる。 1)各クォーター、各延長時限の前の競技時間が終了したら、すみやかにインタヴ ァルの時間をはかり始める。 2)第1クォーターと第3クォーターが始まる2分前と、30秒前に、合図器具を鳴 らす。 3)第2クォーター、第4クォーターと各延長時限が始まる30秒前に、合図器具を 鳴らす。 Art53. ショット・クロック・オペレーターの任務 Shot Clock Operator: Duties ショット・クロック・オペレーターは次のようにショット・クロックを操作する。 1. 次のときにショット・クロックを動かし始める。 1)チームがコート上であらたにポゼションを得たとき 2)スロー・インのときは、ボールがコート内のプレイヤーに触れたとき 2. 次のときはショット・クロックを止めて24秒にリセットする。 1)ボールが自チームのバック・コートにあるときに、次のことが起こったとき。 (例外:フロント・コートに進んだボールが戻ってバック・コートにあるときはこの 規定は適用されない。Art53.3.1)を適用する) ⅰ)相手チームの足やこぶしでボールを扱ったヴァイオレイションやファウル で審判が笛を鳴らしたとき ⅱ)相手チームにテクニカル・ファウルが宣せられたとき ⅲ)相手チームの原因で、審判がゲームを止めたとき ⅳ)相手チームのプレイヤーが出血したときや負傷し保護が必要だと審判が ゲームを中断したとき ⅴ)相手チームのディレイ・オブ・ゲームが宣せられたとき ただし、ショット・クロックをリセットすることによって相手チームが著しく不利 になると審判が判断した場合は、リセットしなくてもよい。 2)ショットされたボールがバスケットに入ったとき 3)リングにボールが触れたあとのボールをコントロールしたチームが、ボールが リングに触れる前にボールのポゼションを持っていた相手チームだったとき (スロー ・インのボールがコート内のプレイヤーに触れる前にリングに触れた ときは除く) 4)フリースローを伴うファウルが宣せられたとき(テクニカル・ファウルは除く) 5)アウェイ・フロム・ザ・プレイ・ファウル、クリアパス・ファウル、フレグラント・ ファウルが宣せられたとき 3. 次のときはショット・クロックを止めて14秒にリセットする。 1)ショットやパスのボールあるいは最後のフリースローのボールがリングに触れ 60 たあと、ショットやパス、フリースローのボールがプレイヤーの手から離れる 前にボールをコントロールしたチームがそのボールを引きつづいてふたたびコ ントロールしたとき(スロー ・インのボールがコート内のプレイヤーに触れる 前にリングに触れたときは除く) 2)24秒計の表示が13秒以下で、ボールが自チームのフロント・コートにあるとき に次のことが起こったとき ⅰ)相手チームの足やこぶしでボールを扱ったヴァイオレイションやファウル で審判が笛を鳴らしたとき ⅱ)相手チームにテクニカル・ファウルが宣せられたとき ⅲ)相手チームの原因で、審判がゲームを止めたとき ⅳ)相手チームのプレイヤーが出血したときや負傷し保護が必要だと審判がゲ ームを中断したとき ⅴ)相手チームのディレイ・オブ・ゲームが宣せられたとき ただし、ショット・クロックをリセットすることによって相手チームが著しく不利 になると審判が判断した場合は、リセットしなくてもよい。 4. 次のときはショット・クロックはリセットせず、継続する。 1)ポゼションを持っている相手チームのプレイヤーが最後に触れてアウト・オブ・ バウンズになったとき 2)ボールが自チームのフロント・コートにあるときに、ショット・クロックの表示 が24〜14で、相手チームにファウルやヴァイオレイションが宣せられたとき 3)ポゼションを持っているチームにディレイ・オブ・ゲームが宣せられたとき 4)ポゼションを持っているチームのプレイヤーが出血したときや、負傷し保護が 必要だと審判がゲームを中断したとき 5)どちらのチームにも関係ない理由で審判がゲームを中断したとき 6)ポゼションを持っているチームにテクニカル・ファウルが宣せられたとき 7)ダブル・テクニカル・ファウルが宣せられたとき 8)ダブル・ファウルが宣せられたとき 9)ほとんど同時に異なった場所でそれぞれのチームにファウルが宣せられたとき 10)ファイティングが起こったとき 11)特別な処置をする場合の規定を適用し、罰則を相殺したり取り消したとき 5. 相手チームにポゼションが移ったときは、すみやかにショット・クロックをリセッ トし、あらためて24秒をはかり始める。相手チームのプレイヤーがボールに触れた としても、ポゼションが移らないかぎり、ショット・クロックは止めないしリセッ トもしない。ショットによってボールのコントロールが終わっても、あらたに相手 チームにポゼションが移らないうちにふたたび同じチームがそのボールをコントロ ールした場合はリセットしない。 6. ジャンプ・ボール・シチュエイションになったとき、スロー・インが与えられるチー ムがジャンプ・ボール・シチュエイションになる前にポゼションを持っていたチーム 61 だった場合は、ショット・クロックはリセットせず継続する。 7. ボールがデッドでゲーム・クロックが止められたとき、各クォーター、各延長時限 の残りが24秒あるいは14秒未満であらたに24秒のヴァイオレイションが成立する可 能性が残ってない場合は、ショット・クロックの電源を切る。 8. ショット・クロックの合図は、ポゼションを得たチームが規定の時間以内にショッ トすることができずに鳴った場合を除いて、ゲーム・クロックやゲームを止めるも のではないし、ボールをデッドにするものでもない。 62 RULE NINE プロテスト(抗議) Art54. プロテスト(抗議) PROTEST Protest Procedures 1. ゲーム中に抗議することは認められないが、そのゲームで著しく不当な扱いを受け たと考えたチームは、ゲーム終了後に抗議の申し立てをする事ができる。 2. 抗議の申し立てができるのは、ルールに記載されていない決定に対して不等な扱い を受けたと考えた場合であり、審判の判定や決定は含まれない。 3. 抗議の手順 1)抗議の申し立てをするためには、当該ゲームの終了後2時間以内にコミッショ ナーに、Eメールやファックスでの抗議を行う根拠となる点を通知する。 2)抗議はそのチームの代表かヘッド・コーチがしなくてはならない。 3)抗議の申し立てをしたチームは、抗議のEメールやファックスを送ったのち、 すみやかに文書に¥100,000の小切手を同封してコミッショナー宛に郵送する。 小切手が同封されなければ、その抗議は有効なものとはならず、受理されない。 ⅰ)抗議の申し立てが認められた場合は、この小切手は返還される。 ⅱ)抗議の申し立てが却下された場合は、この小切手は没収される。 4)抗議が受理された場合は、コミッショナーはすみやかに抗議の対象となるゲー ムの相手チームに通知をする。 5)両チームは、抗議の対象となる事柄に対する意見や要望を3日以内に文章で提 出しなくてはならない。 6)コミッショナーはそれらの文章を受け取ってから3日以内に提起された問題点 についての決定を下す。 63 審判の合図 64 65 解 説 1. 競技時間中に交代するプレイヤーがいなくなった場合 競技時間中に、プレイヤーに5回目のファウルが宣せられたときや、プレイヤーが 負傷し交代しなくてはならないときに、交代する人がいない(残りのチーム・メン バーが5回のファウルや失格・退場している)ときは、そのプレイヤーはそのまま プレイをつづけなければなりません。 この場合は、そのチームに1個のテクニカル・ファウルが記録され、相手チームに 1本のフリースローが与えられます。このテクニカル・ファウルはコーチのテクニ カル・ファウルに数えません。 また、そのまま出場したプレイヤーがファウルをした場合は、普通のファウルとし て処置します。チーム・ファウルもそのまま数えます。そののち、そのチームのほ かのプレイヤーに5回目のファウルが宣せられた場合は、そのプレイヤーもそのま まプレイを続けなければなりません。テクニカル・ファウルを宣し、同様の処置を してゲームを続けます。それ以降も同様なことが起これば、同様の処置をしてゲー ムを続けます。 この規定は各クォーター、各延長時限で日本人プレイヤーが負傷などの理由で規定 の人数を出場させることができなかったときにも適用されます。 2. スロー ・インを行うチームを間違えて各クォーターを始めてしまった場合の処置 (Art18.6.) スロー ・インを行うチームを間違えて各クォーターを始めてしまった場合は次のよ うにします。 プレイが始まってから24秒経過する前に誤りに気が付いた場合は、その時間内に起 こったもの(得点やファウル)は取り消され、改めて正しいチームのスロー・イン でゲームは再開されます。ただし、テクニカル・ファウル、ファイティングやフレ グラント・ファウルは取り消されません。これらのファウルが起こっていた場合は 記録だけをします。 誤りに気が付いたときにプレイが始まってから24秒以上経過していた場合は、その クォーターはそのままゲームを続けます。 3. 第1クォーターを開始するジャンプ・ボールで、ジャンパーが立つ位置をまちがえ、 攻撃する方向をまちがえてプレイを始めてしまった場合の処置 第1クォーターを開始するジャンプ・ボールで、ジャンパーが立つ位置をまちがえ、 攻撃する方向をまちがえてプレイを始めてしまった場合は次のようにします。 プレイが始まってから24秒経過する前に誤りに気が付いた場合は、その時間内に起 こったもの(得点やファウル)は取り消され、ゲームは、あらためてジャンプ・ボ ールを正しくやり直して再開されます。ただし、テクニカル・ファウル、ファイテ ィングやフレグラント・ファウルは取り消されません。これらのファウルが起こっ ていた場合は記録だけをします。 誤りに気が付いたときにプレイが始まってから24秒以上経過していた場合は、その 66 ハーフあるいは延長時限の残り時間は間違えたままゲームをつづけます。この誤り が前半に起こったときは、後半には攻撃するバスケットを交換します。 4. リバウンドの位置を間違えてフリースローを行った場合の処置(Art46.6.) 最後のフリースローのときに、リバウンドを占めるプレイヤーの位置を間違えて始 めてしまった場合は次のようにします。 ① フリースローが成功したときは、そのままゲームを続けます。 ② 最後のフリースローが不成功で、シューターの相手チームがリバウンド・ボー ルをコントロールした場合は、そのままゲームを続けます。 ③ 最後のフリースローが不成功で、シューター側のチームのプレイヤーがリバウ ンド・ボールをコントロールしたときは、そのチームにヴァイオレイションが 宣せられます。 5. ゲームが始まったにもかかわらずゲーム・クロックが動かなかった場合の処置 ゲームが始まったにもかかわらず、故障などでゲーム・クロックが動かなかった場 合は次のように処置します。 審判が気が付いたときは、ただちにゲームを止めます。審判が経過してしまった時 間を把握し、心証がある場合はゲーム・クロックを正しい時間に進めてゲームを再 開します。審判が経過した時間に心証がなかったときは、クルー・チーフが経過し た時間を決定します。ゲーム・クロックが動かなくても経過した時間に起こったも のはすべて有効とします。 6. プレイと残り時間の考え方 1)スロー・インされたボールがコート内のプレイヤーに触れてすぐにアウト・オ ブ・バウンズになったとき スロー ・インされたボールがコート内のプレイヤーに触れてすぐにアウト・オ ブ・バウンズになったときは最低でも0.3秒の時間が経過したものと考えます。 ゲーム・クロックの表示時間が残り0.3秒より少ないときにスロー ・インが行わ れ、このような状況になった場合は、ゲーム・クロックは0.3秒以上進んだもの と考えられ、そのクォーターは終了します。 2)スロー ・インされたボールをコート内のプレイヤーがつかんですぐにショット したとき スロー・インされたボールをコート内のプレイヤーがつかんですぐにショット したときも、最低でも0.3秒かかると考えます。ゲーム・クロックの表示時間が 残り0.3秒より少ないとき(0.2秒、0.1秒)にスロー・インが行われ、スロー・イ ンされたボールをコート内のプレイヤーがつかんですぐにショットした場合 は、ゲーム・クロックは0.3秒以上進んだものと考えられ、そのショットが入っ ても得点は認められず、そのクォーターは終了します。ただし、この規定は 「スロー・インされたボールをコート内のプレイヤーがつかんでショットした 場合」に適用されるものであり、「スロー・インされたボールを直接タップ・シ ョットしたり、直接ダンク・ショットする(アリ・ウープ)」には適用されませ ん。「タップ・ショット」とは、プレイヤーがボールをつかまないで、バスケ 67 ットに向けて手で軽くたたくことをいい、「アリ・ウープ」とはバスケット近 くに投げられたパス(ハイ・ロブ)をバスケットに向けてスラム・ダンクするこ とをいいます。リングから離れてしまったハイ・ロブをつかんでショットした 場合は入っても得点は認められません。 7. オフィシャル・タイム・アウト オフィシャル・タイム・アウトは、第2クォーターと第4クォーターの競技時間が5 分を経過してから、次にボールがデッドになったとき(得点が入ったり、審判がフ ァウル、ヴァイオレイションやそのほかの理由で笛を鳴らしたとき)に自動的に実 施されます。オフィシャル・タイム・アウトは90秒間です。このタイム・アウトの最 中は、60秒タイム・アウトと同じように、プレイヤーはコートを離れてベンチに座 っても良いですし、プレイヤー以外のチーム・メンバーやチーム関係者もチーム・ベ ンチ近くであれば、コートに入っても差し支えありません。しかし、タイム・アウ トの終了の合図があるまでは、チーム・ベンチの近くにいなければなりません。 8. 失格と退場 1人のプレイヤーが1ゲームでテクニカル・ファウルとフレグラント・ファウル・ペ ナルティ1をそれぞれ1回ずつ宣せられても失格・退場ではありません。テクニカ ル・ファウルを2回宣せられたとき、フレグラント・ファウル・ペナルティ1を2回 宣せられたときは失格・退場になります。出場停止を命ぜられたチーム・メンバーと チーム関係者はすみやかに退場し、ロッカールームにいるかコートのある建物から 立ち去らなくてはなりません。また、試合当日は試合会場に来ることができませ ん。 9. テクニカル・ファウルの再開方法と罰則の処置の仕方 『規定で定められた回数をこえるタイム・アウトを意図的にくり返し請求したと き』、『規定の人数をこえて外国籍選手を出場させたとき』と『負傷退場の規定に反 してチーム・メンバーを出場させたとき』を除いて、罰則のフリースローのあとの 再開方法は次のようにします。テクニカル・ファウルが起こったときに、どちらか のチームがボールをコントロールしていた場合は、そのチームのスロー・インでゲ ームを再開します。 そのほかの場合は、テクニカル・ファウルが起こったときの状況からゲームを再開 します。複数のテクニカル・ファウルと他のファウルが同じデッド間に起こったと きは、テクニカル・ファウルの罰則とその他のファウルの罰則は分けて処置しま す。先にテクニカル・ファウルの罰則の処置を行い、そのあと、テクニカル・ファウ ル以外のファウルだけが起こったものとしてArt45『特別な処置をする場合』の処 置をします。また、テクニカル・ファウルはプレイヤー・ファウルやチーム・ファウ ルに数えません。 10.テクニカル・ファウルになる行為 プレイヤーやコーチが審判の判定に対して不満や不服を表現することはテクニカ ル・ファウルですが、具体的には次のようなものです。 68 ・審判に向かってエアパンチをする ・審判に向かってポインティングをする ・用具や器具を叩く ・ボールを床に叩きつける ・審判にボールを投げつける ・ボールを蹴る ・器物をこわす ・物を投げる 11.アウェイ・フロム・ザ・プレイ・ファウル アウェイ・フロム・ザ・プレイ・ファウルは、第4クォーターや各延長時限の残り2分 間に起こるファウル・ゲームをよりテンポよく進める目的と、ファウルによってフ リースロー・シューターを特定させないためのルールです。ゲーム・クロックを進ま せないためにファウルすることや、ボールとは関係ないところで触れ合いを起こし たプレイに対して適用されます。このファウルをされたチームに1個のフリースロ ーと、そのチームのフロント・コートのサイド・ハッシュ・マークからのスロー・イン が与えられます。このフリースローは、そのときコート上にいたプレイヤーであれ ば誰がフリースロー・シューターになっても構いません。この場合のスロー・インは コート上のどこいるプレイヤーにもパスすることができます。ショット・クロック は24秒にリセットされます。 12.クリア・パス・ファウル クリア・パスとは『Clear-Path-to-Basket』の略で、ボールとバスケットまでの間に 相手チームのプレイヤーがいないということです。つまり、クリア・パス・ファウル は、確実に得点を取ることができる状況(速攻などで、ドリブラーの前に誰もいな いなど)で、起こったファウルに対して適用されるものです。ファウルが起こった 場所に規定はありますが、ボールの位置と攻めるバスケットの間にディフェンス (相手チームのプレイヤー)が1人もいなくて、ファウルが起こったときはクリア ・パス・ファウルになります。このファウルをされたチームに2個のフリースローと そのチームのフロント・コートのサイド・ハッシュ・マークからのスロー・インが与え られます。このフリースローはファウルをされたプレイヤーが行います。スロー・ インするプレイヤーはコート上のどこにいるプレイヤーにもパスすることができま す。ショット・クロックは24秒にリセットされます。 13.フリースロー・シューターが負傷した場合 相手チームのパーソナル・ファウルで負傷し交代したプレイヤーがフリースロー・シ ューターだった場合は、相手チームのコーチがそのときにコートにいた4人のプレ イヤーと交代したプレイヤーの中からフリースロー・シューターを指名する事がで きます。また、相手チームのフレグラント・ファウルやテクニカル・ファウルで負傷 し交代したプレイヤーにフリースローが与えられていた場合は、自チームのコーチ がそのフリースロー・シューターを指名します。 69 14.ボールをフロント・コートに進めること ドリブルしながらバック・コートからフロント・コートに入った時は、ボールとドリ ブラーの両足がフロント・コートに入らなければ、フロント・コートにボールを進め たことにはなりません。 ドリブルでボールをフロント・コートに進めたときの8秒の制限はボールと両足が フロント・コートに触れるまで続くことになります。ボールだけやボールと片足だ けがフロント・コートに触れたあと、もう一度バック・コートでドリブルを続けて も、ボールをフロント・コートに進めていないわけですから、バック・コート・ヴァ イオレイションにはなりません。 15.表示されている時間を変更することについて クォーター終了の合図より少しでも審判の笛の音が早かった場合は残り時間を表示 しゲームを再開します。また、競技時間中に操作時間の誤差により時間の表示が進 んでしまったときや、タイマーやショット・クロック・オペレーターの誤った操作に よってゲーム・クロックやショット・クロックの表示が止まらずに進んだり、動かな かったときも、正しい残り時間に表示を変更します。残り時間がわらなかったとき は、審判で協議しクルー・チーフが決定します。 16.ノー・チャージ・セミ・サークルの考え方(Art 35.4. 例外)その1 ノー・チャージ・セミ・サークルとはバスケットの下に設けられた半円内のエリア (ラインも含む)をさします。ノー・チャージ・セミ・サークルは、バスケットに向 けてドライブするオフェンス・プレイヤーにたいして、セカンダリ・ディフェンダー がオフェンス・ファウルをとるためにバスケットの下にポジション取りをすること を防ぐ目的で設定されました。速攻の場合はプライマリ・ディフェンダーが特定で きないので、すべてセカンダリ・ディフェンダーとしてノー・チャージ・セミ・サーク ルは適用されます。 17.ノー・チャージ・セミ・サークルの考え方(Art 35.4. 例外)その2 ノー・チャージ・セミサークル・エリアとは、積極的に攻撃して得点すること意図した 攻撃側プレイヤーに対して「チャージングのファウルを宣してもらおう」として防御 側プレイヤーがバスケットの近くで待ち伏せをするようなプレイを、チャージングか ブロッキングかの判定について特別な規則を適用することによってゲームから排除す るために、制限区域内に描かれたノー・チャージ・セミサークルおよびそれに付随する 仮想的なラインによって区画された特別なエリアのことをいいます。 この規定を適用するときに注意すべき点としては,次のことがあげられます。 1)防御側プレイヤーに責任のある触れ合いについては、コートの位置にかかわら ず、規則に従って判定しなければなりません。 2)ノー・チャージ・セミサークルのラインはノー・チャージ・セミサークル・エリア の一部です。触れ合いが起こったときに片足あるいは両足がノー ・チャージ・セ ミサークル・エリア内の床あるいはノー・チャージ・セミサークルのラインに触 れていたときは、その防御側プレイヤーはノー・チャージ・セミサークル・エリ アの中にいるプレイヤーであるとみなされノー・チャージ・セミサークル・ルー 70 ルが適用されます。(Art35.10. 4)) 3)ノー・チャージ・セミサークルのラインはノー・チャージ・セミサークル・エリア の一部なので、攻撃側プレイヤーがノー・チャージ・セミサークルのラインを踏 んでジャンプした場合は、この規則は適用されません(Art35.10. 1))。 4)バックボードの裏側からノー・チャージ・セミサークル・エリアに向かってペネ トレイションしたプレイヤーには、ノー・チャージ・セミサークルのラインを横 切っていないので、この規則は適用されません。 5)防御側プレイヤーがジャンプして空中にいる防御側プレイヤーの位置はジャン プする前に触れていた床の位置によって決められます。 6)ノー・チャージ・セミサークル付近でリバウンド・ボールを取ったプレイヤーが 起こした触れ合いについてはこの規則は適用されません。 7)ボールをコントロールしてバスケットに向かってペネトレイションした攻撃側 プレイヤーがボールを持ってジャンプし、ノー・チャージ・セミサークルのライ ンを横切ってボールをパスしたとしても、自分の真うしろを追従してきた味方 プレイヤー、あるいは、真うしろに位置する味方プレイヤーにパスをしようと してあるいはパスをしたのちに防御側プレイヤーのトルソーに突き当たった場 合は,この規則は適用されません。この場合の“真うしろ”とは,いずれの場 合も進行方向に対してを意味します。 18.ノー・チャージ・セミ・サークルが適用されないとき 次のときはノー・チャージ・セミ・サークルは適用されません。 ● ノー ・チャージ・セミサークル付近でリバウンド・ボールを取ったプレイヤーが 起こした触れ合い ● セカンダリ・ディフェンダーがショットをブロックするためにリーガルにジャン プしたことによって触れ合いが起こったとき ● オフェンス・プレイヤーが脚や膝をイリーガルに使ったり、ショットをブロック されないためにボールを持っていない手(オフ・アーム)をイリーガルに使っ たために触れ合いが起こったとき ● ノー・チャージ・セミ・サークルはバック・ボードからエンド・ラインまでは線が 引かれてません。ノー・チャージ・セミ・サークルを通過しないプレイヤーがエ ンド・ライン沿いにドライブし触れ合いが起こったとき また、この規定はボールをコントロールしている攻撃側プレイヤーのノーマル・バ スケットボール・プレイが条件です。 ボールをコントロールしているプレイヤーが防御側プレイヤーに危険な触れ合い (アンスポーツマンライク・コンタクト)を起こした場合は、防御側プレイヤーが ノー ・チャージ・セミ・サークル内にいてその触れ合いが起こったとしても、触れ合 いを起こした攻撃側プレイヤーにフレグラント・ファウルが宣せられます。 19.規定の回数をこえてタイム・アウトを請求したとき チームは規定よりも多い回数のタイム・アウトを請求することはできません (Art19.2.5))。誤って規定の回数をこえるタイム・アウトを請求したときは、スコ アラーはそのタイム・アウトを受け付けることはできません。スコアラーも誤っ 71 てそのタイム・アウトの請求を認めて合図器具を鳴らしてしまったときは、審判は タイム・アウトの回数を確認し、すみやかにゲームを再開させなければなりません。 この場合は、そのチームのコーチに注意を与えるだけで罰則を科す必要はありませ んが、その請求が意図的なものであったり、注意のあともくり返されたりした場合 は、審判は、ベンチのテクニカル・ファウルを宣さなければなりません。 20.規定の人数をこえて外国籍選手を出場させたとき 2015〜2016シーズンは、ゲーム中に同時に出場できる外国籍のプレイヤーは2人ま でとします。競技時間中に規定の人数をこえて外国籍選手を出場させたときは、ベ ンチのテクニカル・ファウルとして処置されます。フリースローのあとは、フリー スローが成功してもしなくても、フロント・コートのサイド・ハッシュ・マークから フリースローをしたチームのスロー・インでゲームを再開します。このとき、スロ ー・インするプレイヤーはコートのどこにいるプレイヤーにもパスすることができ ます。また、相手チームのコーチは必要であれば、この規則違反が始まった時間に ゲーム・クロックを戻すことができます。時間を戻して再開するときは、その時間 内に起こったもの(得点やファウル)はすべて取り消されます。ただし、テクニカ ル・ファウル、ファイティングとフレグラント・ファウルは記録だけをします。競技 時間中に規定の人数をこえて外国籍選手を出場させなくてはならない状況になった ときは、解説1を適用します。 21.5人より少ない人数でゲームを再開してしまったとき 誤って5人より少ない人数でゲームを再開してしまったことに気が付いたときは、 できるだけ早くゲームを止めます。少ない人数でゲームを再開したチームにベン チのテクニカル・ファウルが宣せられます。テクニカル・ファウルの処置をしたあと は、正しい人数にしてゲームを再開します。誤りが起こってからゲームを止めるま でに起こったことはすべて有効です。審判がゲームを止めたときにボールがあった ところにもっとも近いサイド・ラインから、ボールをコントロールしていたチーム のスロー・インでゲームを再開します。 22.バック・ボードに触れたボール ショットされたボールがバック・ボードに触れたあとは、ボール全体がリングより 高いところになくても、そのボールに触れることはヴァイオレイションです。ショ ットされたボールがバック・ボードに触れた瞬間(同時)にボールに触れることも ヴァイオレイションです。 23.ツー・ミニッツ・ピリオドの告知 第4クォーターまたは延長時限のゲーム・クロックが「2:00」を示したあとは「ツ ー・ミニッツ・ピリオド」の時間帯になったとみなされます。各会場では「ツー・ミ ニッツ・ピリオド」になったことを(残り時間が2分になったこと)をアナウンス しなくてはなりません。 72 24.防御側プレイヤーが間接的に触れ合いを起こしたとき 防御側プレイヤーが攻撃側プレイヤーを押して、ほかの攻撃側プレイヤーに触れ合 いを起こさせたときは次のように処置します。 ◇ ショット動作中のA1に対して、B1がA2を押し、A2がA1に触れ合いを起こし たとき ●A1のショットが成功したときは、B1のファウルとします。A1の得点を認め、 A1に1個のフリースローが与えられます。 ●A1のショットが不成功だったときは、B1のファウルとします。A1に2個か3 個のフリースローが与えられます。 25.得点されたあとのスロー・イン フィールド・ゴールやフリースローが成功したあと、エンド・ラインのアウトに出な いでゲームを再開してしまったときは、スロー・インのヴァイオレイションではな く、ディレイ・オブ・ゲームが宣せられます。アウトに出たあと、スロー・インをす る前にコート内に踏み込んでしまったときは、スロー・インのヴァイオレイション として処置されます。 26.ファウルをされたショット動作中のプレイヤーに対して、ボールがデッドになる前 に再びファウルされたときの処置 ショット動作中のプレイヤーがファウルをされ、一連の動作でショットしたときに 再びファウルをされたときは次のように処置します。 ① 最初のファウルを記録します。 ② 2回目のファウルは「テクニカル・ファウル」か「フレグラント・ファウル・ペ ナルティ2」として処置されます。 ③ テクニカル・ファウルとして処置したときは、テクニカル・ファウルのフリース ローを行ってから、最初のショットに対するファウルの処置をしてゲームを再 開します。 ④ フレグラント・ファウル・ペナルティ2として処置したときは、最初のファウル の処置をし、引き続きフレグラント・ファウルの処置をしてゲームを再開します。 27.プレイヤーがエンド・ラインのアウトに出る行為 3秒ルールを回避するために、プレイヤーが制限区域からエンド・ラインのアウト に出たとしても、その行為は制限区域から出たことにはなりません。引き続き制限 区域にいるものとして処置されます。 28.リングをつかんでプレイをすること プレイヤーがリングをつかんでショットのボールに触れた時は、ゴールテンディン グのヴァイオレイションとします。防御側プレイヤーが触れたときは得点が認めら れ、さらにそのプレイヤーにテクニカル・ファウルが宣せられます。攻撃側プレイ ヤーが触れたときは入っても得点は認められず、そのプレイヤーにテクニカル・フ ァウルが宣せられます。ショット以外の(パスや入る可能性がない)ボールに触れ たときはヴァイオレイションとし、そのプレイヤーにテクニカル・ファウルが宣せ られます。(Art30.8 . )リングをつかんでプレイをしてボールに触れなかったとき は、テクニカル・ファウルが宣せられます。 73 29.プレッシャー・リングが戻らなかったとき プレッシャー・リングが壊れて元に戻らなくなったときは、審判がすぐにゲームを 止めます。そのときにどちらかのチームにボールのコントロールがあれば、そのチ ームにスロー・インのボールを与えゲームを再開します。どちらのチームにもコン トロールがなかったときは、ジャンプ・ボールシチュエイションによりゲームを再 開します。リングが元の位置に戻らないままボールが通過してしまったときは、得 点は認められず、ジャンプ・ボールシチュエイションでゲームを再開します。しか しこの処置がどちらかのチームに著しく不利だと審判が判断したときはそのチーム にスロー・インのボールを与えてゲームを再開しても構いません。 30.ほとんど同時に異なる場所で複数のファウルが宣せられたとき(サイマルテニアス・ ファウル)は次のように処置します。 1)同じチームに異なる場所で複数のファウルが宣せられたとき 宣せられたファウルがすべてパーソナル・ファウルだったときは、起きた順番を 決め、最初に起こったファウルだけを記録し処置をします。ほかのファウルは記 録されません。また、宣せられたファウルがパーソナル・ファウルと、フレグラ ント・ファウルだったときは、フレグラント・ファウルだけを記録しパーソナル・フ ァウルは記録しません。フレグラント・ファウルの処置でゲームを再開します。 2)それぞれのチームに異なる場所で複数のファウルを宣せられたとき 宣せられたファウルがすべてパーソナル・ファウルだったときは、ダブル・ファ ウルが起こったものとして処置します。宣せられたファウルがパーソナル・フ ァウルと、フレグラント・ファウルだったときは、それぞれのファウルを記録 し、フレグラント・ファウルの処置でゲームを再開します。 31.ひとつのプレイに対して、異なったチームのファウルを2人以上の審判が宣したと きはダブル・ファウルが起こったものとして処置します。 32.ノーマル・フロア・ポジション 「ノーマル・フロア・ポジション」とは、ショットしたプレイヤーが床に降りたあと、 次のプレイに移るための準備ができた状態をいいます。 33.ボールがリングに触れてもショット・クロックを「14」にリセットするとき ボールがリングに触れてもショット・クロックを「14」にリセットするときが追加 されました。 ショットやパスしたボールが自チームのリングに触れたあと、そのボールをリング に触れる前にコントロールしていたチームが再びコントロールしたときにはショッ ト・クロックを14秒にリセットします。 34.タイム・アウトの終わりにプレイヤーがコートに戻るのが遅かったとき 審判がプレイヤーにコートにもどるようにうながしたにもかかわらず、審判の指示 に従わずプレイヤーがなかなかコートにもどらない状況が起こってしまった場合、 それはチームのコーチに責任があると考えます。不必要に時間がかかりすぎたと審 74 判が判断したときは,そのチームのコーチに対してプレイヤーをコートに早くもど すようにうながします。 ①プレイヤーをコートにもどすように審判からうながされたのに、チームが何の反 応も示さないか、プレイヤーがチーム・ベンチからなかなか出てこなかった場合 は、審判は、そのチームにあらたなタイム・アウトを宣します。 ②プレイヤーをコートにもどすように審判からくり返しうながされた結果プレイヤ ーがコートにもどってきた場合は、審判は、そのチームのコーチに一度注意・警 告を与えます。そののち、ふたたび同じような状況が起こった場合には、審判は、 そのチームにあらたなタイム・アウトを宣します。 このタイム・アウトが宣せられたときも、それぞれのタイム・アウトは「1分間」を はかります(Art19.2.1))。あらたにタイム・アウトが宣せられたチームにタイム・ア ウトが残っていないときは、そのチームのベンチのテクニカル・ファウルが記録さ れます。 35.審判がプレイと関係ない理由でゲームを止めたとき 審判がプレイと関係ない理由でゲームを止めたときは、ボールがデッドでゲーム・ クロックが止まっていますが、両チームともタイム・アウトや交代を取ることがで きません。しかし負傷したり出血したプレイヤーを治療するために当該プレイヤー のコーチが請求したタイム・アウトは認められます。また、負傷したり出血したプレ イヤーを交代することも認められます。この場合は、相手チームにも同じ人数の交 代が認められます。 75 bj-league Official Rule Book 2015-2016 発行日 2015年8月1日 発行者 株式会社 日本プロバスケットボールリーグ コミッショナー 河内敏光
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