みなさん、食べ合わせによって吸収が阻害されてしまうものがあること、 ご存知ですか? 様々な栄養素を効率よく吸収できるよう、食べ合わせの良いもの、悪 いものの組み合わせをご紹介します。 鉄+ビタミン C 鉄分が不足してしまうと鉄欠乏性貧血を引き起こしますが、特に女性 は月経や過度なダイエットなどで貧血になりやすいと言われています。 肉や魚などの動物性食品に多く含まれるヘム鉄は、吸収率が15~2 5%と高めですが、大豆・野菜・海藻などの植物性食品に多く含まれる非 ヘム鉄は、吸収率2~5%とかなり低めです。 ビタミンCは、特に非ヘム鉄を吸収されやすい形に変える働きがある ので、ビタミンCの多い食品と一緒に摂取して、少しでも体内に多く吸収 できるようにしましょう。 鉄 ビタミン C レバー、あさり、しじみ、 豆腐、納豆、海藻類、 青菜、ひじき、切干大根 レモン、いちご、キウイ、 みかん、ブロッコリー、 パプリカ、じゃがいも、 さつまいも 【調理例】 ほうれん草とじゃがいものグラタン あさりとパプリカのしょうゆバターパスタ カルシウム+ビタミン D カルシウムは不足すると骨粗しょう症になってしまいます。20歳をピー クにどんどん骨密度は低下していきます。骨密度が低く、カルシウムが足 りないと、骨折や寝たきりの原因になります。 ビタミンDと一緒に摂取することでカルシウムの吸収がアップするので、 上手に組み合わせて丈夫な骨作りをしましょう。 カルシウム ビタミンD 牛乳、チーズ、ヨーグルト、 豆腐、納豆、青菜、小魚、 切り干し大根、ひじき 魚(いわし、かつお、 ぶり、さけ etc)、 きのこ類、卵 【調理例】 かつお節のせ冷や奴 きのこあんかけ豆腐ハンバーグ ひじき入り卵焼き ビタミン A・D・E・K(脂溶性ビタミン)+油 脂溶性ビタミンは油脂に溶けるビタミンなので、油と一緒に摂取する と吸収率がアップします。炒め物やソテーがおすすめ♪ ビタミン A うなぎ、にんじん、 小松菜、ニラ、 ほうれんそう ビタミン D 魚、きのこ類、 卵 ビタミン E ビタミン K ナッツ類、 魚卵、植物油、 アボカド 納豆、のり、 ほうれんそう 油 バター マヨネーズ ドレッシング 【調理例】 にんじんのソテー さけのムニエル(バター蒸し) アボカドとツナマヨのサラダ ビタミンE+ビタミンC ビタミンEには老化やガンの発生の原因になる活性酸素を抑える抗酸 化作用があります。これは、ビタミンCを一緒に摂取することにより、持続 性がアップします。 ビタミンE ビタミンC ナッツ類、魚卵、 アボカド、植物油 レモン、いちご、キウイ、 みかん、ブロッコリー、 パプリカ、じゃがいも、 さつまいも 【調理例】 くるみ入りポテトサラダ アボカドとブロッコリーのチーズドリア 鉄+タンニン 鉄(特に大豆・野菜・海藻などの植物性食品に多く含まれる非ヘム鉄) は、緑茶や紅茶などに含まれるタンニンと一緒に摂取すると、吸収が阻 害されてしまうことがあります。特に貧血ぎみの方は、食事中にタンニン の多い緑茶などは飲まず、なるべく30分ほどあけて摂取するようにしま しょう。 鉄 レバー、あさり、しじみ、 豆腐、納豆、海藻類、 青菜、ひじき、切干大根 タンニン 緑茶、紅茶 コーヒー、ワイン カルシウム+シュウ酸 カルシウムは、ほうれんそうのエグ味成分であるシュウ酸と結合すると、 吸収が悪くなってしまいます。骨密度を上げたい方、骨粗しょう症の方は、 なるべく一緒に摂取しないよう気をつけましょう。 ※シュウ酸は茹でたり水にさらしたりすることによって減るので、たっぷ りの湯や水で洗い流しましょう。 カルシウム 牛乳、チーズ、ヨーグル ト、豆腐、納豆、青菜、 小魚、切り干し大根、 ひじき シュウ酸 ほうれんそう たけのこ サトイモ 食べ物の栄養素による相互作用についてお話ししましたが、何か一つ の食べ物や栄養素ばかり摂取するというのは危険です。体をうまく機能 させるために、色々な食べ物や栄養素を幅広く摂取できるよう心がける と良いですね♪ 管理栄養士 持木 美香
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