科名:産婦人科 診療科長:横山 正俊 診療科全体の後期研修の概要: 必修研修および選択研修からなる 年間の初期研修の後に行う 年間の産婦人科専門医資格取得を 視野に入れた研修である。本研修に入る時点での,産婦人科診療における習熟度には,研修期間の長 さの違いにより,個人差が生ずるので,産婦人科を専攻することを決めている場合は,選択研修では できるだけ産婦人科を選択することが望ましい。また,初期研修期間( に必要な研修期間( 年間)は,専門医資格認定 年間)に含められることになっている。 後期研修期間を終えると,個々の専門性を高めるため,①産科を中心とした周産期医療,②不妊症・ 内分泌疾患を中心とした生殖医療,あるいは③悪性腫瘍治療を中心とした婦人科腫瘍医療といった, つの専門領域のいずれかを中心とする診療形態に移行することが多い。また,研究に興味がある場 合は,この時点で大学院へ進学,あるいは研究生として研究に携わることができる。一般産婦人科診 療を最終目標とする場合には,後期研修終了後は,第一線の病院でさらに全般的な臨床技術をみがく ことになる。 臨床研修制度の導入により,専門医資格試験を受けるまでの産婦人科そのものの研修期間が 年間 に短縮されたため,後期研修期間はできるだけ産婦人科全般の研修を行うことが望ましい。しかしな がら,将来を見据え,後期研修期間にも何らかの専門性を持たせたプログラムを組むことはモチベー ションを高める意味で効果がある。そこで,周産期医療コース,生殖医療コース,および婦人科腫瘍 コースの つのコースを設けた。 周産期医療コース ⑴ コースの全体像 本コースは,産婦人科全般を研修する中で,地域のニーズの高い周産期,特に MFICU,NICU を 中心とした母親・胎児・新生児の医療部門での研修プログラムが組まれており,将来,周産期(新生児) 専門医を目指す医師にとって導入的役割も果たしてくれる。 コース終了後に研究に興味があるものは大学院生もしくは研究生として研究に従事することが可能 である。 コースの全体図 ― ― ⑵ コースの概要 コース名:周産期医療コース 大学病院・ 医療機関名 佐賀大学病院 診療科名 産婦人科 指導者数 専門分野名 目 的 周産期医療 産婦人科全般の研修。 婦人科腫瘍 合併症妊娠管理。婦人 養成(受 入)人数 期 間 年 科がん治療。 佐賀病院 産婦人科 周産期医療 佐賀病院 新生児科 新生児医療 産科全般。ハイリスク 年 ヶ月 妊娠管理。 ⑶ 超∼極小未熟児治療 ヶ月 コースの実績 これまで,佐賀県下の周産期医療は,佐賀大学附属病院が合併症妊娠を中心に受入れ,佐賀病院が 超∼極小未熟児を中心に受入れを行うといった両者の役割分担がなされており,両者が協力しながら 周産期医療の臨床修練の指導がなされてきた実績がある。現在,佐賀大学附属病院で日本周産期学会 周産期専門医の資格取得を希望する医師は基本的にこのコースを終了後,認定研修施設で研修を行っ ている。 ⑷ コースの指導状況 上記研修機関には専門医と NICU が配備され,周産期医療が完結できる体制にある。特に,佐賀 病院は周産期医療に特化して臨床修練に十分な症例を確保している。一方,大学病院は産婦人科全般 にわたり産婦人科専門医取得に要求される症例が十分確保されている。佐賀大学病院の特徴として, 時間内外ともに研修医ときわめて密な指導体制を築いていることが挙げられる。研修医の負担過多に ならないようにサポート体制も確立している。 ⑸ 専門医の取得等 学会等名 日本産科婦人科学会 資 格 名 産婦人科専門医 資格要件 初期研修終了後,会員歴が継続 年以上。認定研修施設で 年以上研修していること。 本学会の資格認定試験に合格すること。 学会の連携等の概要 佐賀大学病院,佐賀病院ともに上記認定研修施設であり,この研修プログラムを終了することに より産婦人科専門医の受験資格を得ることができる。 ― ― 学会等名 日本周産期学会 資 格 名 周産期専門医 資格要件 産婦人科専門医であること。会員歴が継続 年以上。産婦人科専門医資格取得後 年間, 認定研修施設で研修していること。細則に定める業績を有すること。本学会の資格認定 試験に合格すること。 学会の連携等の概要 この研修プログラムを終了後,さらに 年間認定研修施設で研修することにより周産期専門医の 受験資格を得ることができる。 生殖医療コース ⑴ コースの全体像 本コースは産婦人科全般を研修する中で,高度生殖医療,特に体外受精および顕微授精を行ってい る特殊な施設での研修プログラムが組み込まれている。将来,生殖医療専門医を目指す医師にとって 導入的役割を果たしてくれる。コース終了後,研究に関心がある場合は,大学院へ進学あるいは研究 に携わることもできる。 コースの全体図 ⑵ コースの概要 コース名:生殖医療コース 大学病院・ 医療機関名 佐賀大学病院 診療科名 産婦人科 専門分野名 指導者数 目 的 周産期医療 産婦人科全般の研修。 婦人科腫瘍 合併症妊娠管理。婦人 養成(受 入)人数 期 間 年 科がん治療。 佐賀病院 産婦人科 周産期医療 産科全般。婦人科良性 年 疾患。ハイリスク妊娠 管理。 高邦会高木病院 産婦人科 体外受精 産婦人科全般。高度生 顕微授精 殖医療(不妊治療が多 い)。 ― ― 年 ⑶ コースの実績 上記研修施設の内,高邦会高木病院は産婦人科全般をカバーしているものの,九州では有数の高度 生殖医療に特化した病院である。体外受精および顕微授精の臨床修練には十分な症例数を確保してい る。また,周産期医療,婦人科腫瘍の臨床修練は,佐賀大学附属病院および佐賀病院で十分な症例が 確保されている。 現在,佐賀大学附属病院で日本生殖医学会・生殖医療専門医および日本産科婦人科内視鏡学会技術 認定医を取得希望の医師は基本的にこのコースで研修をおこなっている。 ⑷ コースの指導状況 高邦会高木病院は九州有数の体外受精・顕微授精を行っており,成績においても高い妊娠率を誇っ ている。施設,スタッフ数も十分な指導体制が確保できる。一方,大学病院は産婦人科全般にわたり 産婦人科専門医取得に要求される症例と指導医が十分確保されている。佐賀大学病院の特徴として, 時間内外ともに研修医ときわめて密な指導体制を築いていることが挙げられる。研修医の負担過多に ならないようにサポート体制も確立している。 ⑸ 専門医の取得等 学会等名 日本産科婦人科学会 資 格 名 産婦人科専門医 資格要件 初期研修終了後,会員歴が継続 年以上。認定研修施設で 年以上研修していること。 本学会の資格認定試験に合格すること。 学会等名 日本生殖医学会 資 格 名 生殖医療専門医 資格要件 会員歴が通算 年以上。産婦人科専門医で専門医資格取得後 経験があること。生殖医療に関する論文が 年以上の生殖医療の臨床 編以上,学会発表が 題以上あること。本 学会の資格認定試験に合格すること。 学会の連携等の概要 この研修プログラムを終了後, 年以上生殖医療に従事することにより,日本生殖医学会・生殖 医療専門医の受験資格を得ることができる。 学会等名 日本産科婦人科内視鏡学会 資 格 名 日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医 資格要件 会員歴が継続 年以上。産婦人科専門医で通算 年以上の産婦人科内視鏡手術の修練を 行い,規定件数以上の内視鏡手術経験を有すること。内視鏡手術に関する規定数以上の 論文および学会発表があること。本学会の技術認定審査に合格すること。 学会の連携等の概要 この研修プログラムを終了後, 年以上内視鏡手術の修練を行うことにより,日本産科婦人科内 視鏡学会技術認定医の受験資格を得ることができる。 ― ― 婦人科腫瘍コース ⑴ コースの全体像 本コースの特徴は , 年目に産婦人科一般と周産期医療, 年目に佐賀大学病院において婦人科 がんを中心とした修練を行うことである。婦人科腫瘍学,特に細胞診断学,組織診断学,悪性腫瘍手 術,化学療法を中心とした腫瘍診断学,治療学に特化した診療の部門での研修プログラムが組み込ま れている。将来,腫瘍専門医を目指す医師にとって導入的役割を果たしてくれる。コース終了後に研 究に興味があるものは大学院生もしくは研究生として研究に従事することも可能である。 コースの全体図 ⑵ コースの概要 コース名:婦人科腫瘍コース 大学病院・ 医療機関名 佐賀大学病院 診療科名 産婦人科 専門分野名 指導者数 周産期医療 目 的 産婦人科全般の研修。 養成(受 入)人数 期 間 年 合併症妊娠管理。 佐賀病院 産婦人科 周産期医療 産科全般。ハイリスク 年 妊娠管理。 佐賀大学病院 ⑶ 産婦人科 婦人科腫瘍 婦人科がん治療。 年 コースの実績 佐賀県下の婦人科がん症例は,子宮頸癌を中心に佐賀大学附属病院に集中しており,臨床修練に十 分な症例が確保されており,手術,放射線治療,抗癌剤化学療法など多彩な治療がおこなわれている。 現在,佐賀大学附属病院で日本臨床細胞学会・細胞診専門医,日本癌治療学会・癌治療認定医,およ び日本婦人科腫瘍学会・婦人科腫瘍専門医を取得希望の医師は基本的にこのコースで研修を行ってい る。 ⑷ コースの指導状況 佐賀大学病院には細胞診専門医 名,癌治療認定医 名,婦人科腫瘍専門医 名が在籍し,婦人科 がん治療の指導に当たっている。 さらに,佐賀大学病院,佐賀病院ともに必要な数の指導医が在籍しており,産婦人科全般にわたっ て指導に当たっている。佐賀大学病院の特徴として,時間内外ともに研修医ときわめて密な指導体制 ― ― を築いていることが挙げられる。研修医の負担が大きくなり過ぎないように指導医のサポート体制も 確立している。 ⑸ 専門医の取得等 学会等名 日本産科婦人科学会 資 格 名 産婦人科専門医 資格要件 初期研修終了後,会員歴が継続 年以上。認定研修施設で 年以上研修していること。 本学会の資格認定試験に合格すること。 学会の連携等の概要 この研修プログラムを終了することにより産婦人科専門医の受験資格を得ることができる。 学会等名 日本臨床細胞学会 資 格 名 細胞診専門医 資格要件 会員歴が継続 年以上。 年以上にわたり細胞診断学の研修をうけていること。細則に 定める業績を有すること。筆記試験および鏡検試験に合格すること。 学会の連携等の概要 佐賀大学医学部附属病院は日本臨床細胞学会の認定施設である。この研修プログラムを終了する ことにより日本臨床細胞学会細胞診専門医の受験資格を得ることができる。 学会等名 日本癌治療学会 資 格 名 癌治療認定医 資格要件 基本領域の学会(産婦人科)の認定医又は専門医。一定の業績を有すること。機構の定 める認定研修施設においてがん治療研修を終了すること。一定の学術単位を取得してい ること。教育セミナーに参加し,受講後に行われる認定試験に合格すること。 学会の連携等の概要 この研修プログラムを終了後,産婦人科専門医を取得し,一定の条件をクリアすることにより日 本癌治療学会認定医の受験資格を得ることができる。 学会等名 日本婦人科腫瘍学会 資 格 名 婦人科腫瘍専門医 資格要件 会員歴が継続 年以上。産婦人科専門医であること。専門医資格取得後 年以上指定修 練施設でガイドラインに従って修練していること。細則に定める業績を有すること。筆 記試験および面接試験に合格すること 学会の連携等の概要 この研修プログラムを終了後,産婦人科専門医を取得することにより,婦人科腫瘍専門医資格取 得のための修練を開始することができる。 問合せ先: 担 当 者:津村 電話番号: 圭介 ― ― (講座) , (内線 PHS) メールアドレス:[email protected] ― ―
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