ポルフィリン症と薬剤

ポルフィリン症と薬剤
近藤雅雄1),中山
健1),矢野雄三2)
(1)国立公衆衛生院・栄養生化学部,
要
2)
都立大塚病院)
約
先天性ポルフィリン症の発症には生体内外の環境因子が深く関与することが多い。特に、多く
の薬剤が本症の発症・増悪に関与していることから、これら薬剤の正確な把握が重要である。そ
こで、本研究ではポルフィリン症の誘発薬剤および治療・予防としての薬剤について、現状まで
の諸情報をまとめた。さらに、直接ポルフィリン代謝異常を引き起こす薬物についてもまとめた。
キ-ワ-ド:先天性ポルフィリン症、化学的ポルフィリン症、ポルフィリン尿症、誘発薬剤
はじめに
ポルフィリン症はポルフィリン代謝系酵素の遺伝的(一部非遺伝的なものもある)障害により
ポルフィリン代謝産物の過剰産生・組織内蓄積、また排泄増加を起こす一連の疾患群であり、
1923年にGarrod1)により先天性代謝異常症の代表的疾患として正式に取り上げられて以来、現在ま
でに常染色体の優性と劣性の遺伝が確認されている2-3)。先天性ポルフィリン症はポルフィリンの
代謝障害が主としてどの臓器に見られるかにより肝性ポルフィリン症と赤芽球性ポルフィリン症
とに分類され、今日までに 8病型が報告されている。肝性ポルフィリン症にはALA dehydratase欠
損性ポルフィリン症(ADP)、急性間欠性ポルフィリン症 (AIP)、 多様性(異型)ポルフィリン症
(VP)、 遺伝性コプロポルフィリン症(HCP) および晩発性皮膚ポルフィリン症(PCT) の 5病型が、
赤芽球性ポルフィリン症には先天性赤芽球性ポルフィリン症(CEP)、赤芽球性プロトポルフィリン
症(EPP) の2 病型が属するが、両方の組織でポルフィリンの過剰産生が見られる肝骨髄性ポルフ
ィリン症(HEP) も知られている。しかし、臨床的立場からはその主要症状の違いにより急性ポル
フィリン症(AIP、ADP、VP、HCP)と皮膚型ポルフィリン症(CEP、EPP、PCT) に分けられることが多い3)。
本症の臨床的所見、遺伝形式、遺伝子異常および生化学的特徴などがほぼ確立しているが、治
療および予防に関与する薬剤情報は以外と少ない。また、化学的ポルフィリン症やポルフィリン
尿症を惹起する薬物情報も少ない。特に、ポルフィリン症の誘発因子としての薬剤に関しては症
状の誘発・憎悪に直接関与するため、ポルフィリン症の治療および予防上極めて重要である。そ
こで、ポルフィリン代謝異常を引き起こす薬物および患者に対して安全および禁忌と考えられて
いる薬剤等の諸情報をまとめた。
1.先天性ポルフィリン症の発症機序および誘発因子
1)ポルフィリン症の発症機序
ポルフィリン症の発症機序については、皮膚型ポルフィリン症は皮膚にポルフィリンが過剰に
蓄積し、太陽光に暴露することにより光毒作用が働き種々の形の皮膚症状が発現すると考えられ
1
ている。これに対し、急性ポルフィリン症は遺伝的酵素障害があっても一生発症しない場合が多
く、発症する者は全体の約10%程度と推定されている2-3)。急性ポルフィリン症の場合は臨床的に
発症するには遺伝的酵素異常の他に、必ず薬剤、月経・妊娠・分娩・ピル服用、感染、飢餓、ス
トレスなどの要因が必要である。これらの誘因は①チトクロ-ムP-450 (CYP) 合成を誘導する物
質、②δ-アミノレブリン酸合成酵素(ALAS)以外のヘム合成系の酵素を直接阻害する物質、③
ALASの過剰生産を促進する物質、④ヘムオキシゲナ-ゼ(HO-1)の産生を促進する要因(飢餓、発
熱、ストレス、感染、低酸素等)などであることから、遺伝的障害のために低下しながらも辛う
じて平衡が保たれていたヘム・プールが、さらに強いヘム需要に晒されるとヘム代謝の平衡が崩
れて肝ミトコンドリア内のALAS-N(非特異型ALAS)が活性化し、その結果、異常酵素までの途中
中間代謝物であるポルフィリン代謝関連物質が過剰生産され、発症にいたると考えられる。しか
し、ヘム・プ-ルの減少・異常と急性ポルフィリン症特有の神経系障害の機序との関係について
は、いくつかの説4-5)が考えられているが、なお、未解決である。
これらの発症要因のうち、とくに薬剤の役割は重要であり、多くの薬剤が急性ポルフィリン症
の代表的な症状である①腹痛・嘔吐・便秘または下痢などの腹部自律神経症状、②けいれん、意
識障害、精神症状などの中枢神経障害、③筋力低下、知覚異常などの末梢神経障害、④暗褐色尿
などを誘発し、中には呼吸麻痺などを来して致死的となることもある。
2)誘発因子としての薬剤
急性ポルフィリン症の誘発要因となる薬剤および安全と考えられている薬剤などの諸情報をTab
le1-1~311-16) にまとめた。これら薬剤(Table1-2,3)を本症患者に禁忌であることを知らずに使用
し続けて症状を重篤化させることも多い。すなわち、多くの薬剤が誘発要因としてだけではなく
増悪因子でもある。患者に薬物を投与する場合、安全性について不明の薬剤の方が圧倒的に多く、
これらの薬剤の安全性をスクリーニングする方法の開発が急務であるが、残念ながら未だに確立
されていない。
また、これらの薬剤について、本症と薬剤との関係を見た場合、絶対的禁忌と分類されるもの
から相対的禁忌、ほぼ安全、常に安全と考えられるものまでに大別出来るが、その様な違いが何
に由来するかは未だ不明である。本症の治療に際し、新薬を使用する際にはとくに注意が必要で
ある。
これに対して、皮膚型ポルフィリン症の誘発要因となる薬剤については唯一ポルフィリン症の
発現関連因子としての薬物がはっきりしているのは一部のPCT のみである。すなわち、PCT は
uroporphyrinogen decarboxylase (UROD) 遺伝子の異常を有する遺伝性(f-PCT) とUROD遺伝子が
正常である後天性(s-PCT) が知られている6)が、ポルフィリン症の中で最も頻度の高いs-PCT6) の
発症にはアルコ-ルの長期飲用、エストロゲン服用、鉄過剰などの後天的原因が関与することが
知られている。しかし、動物にアルコ-ル、エストロゲン、鉄を長期投与してもPCT は発症せず、
また、長期アルコ-ル飲用者が必ずPCT を発症することはなく、これら薬物によるPCT 発症機構
については不明である。最近、PCT 患者の60~90%にC型肝炎ウィルス抗体(HCVAb) が陽性であ
るとの報告があり7)、PCT とHCV との関連が注目されている8)。さらにB型肝炎ウィルス(HBV) と
の高率感染状況9)も知られ、PCTとHCV/HBV 間の病態関連が注目されているが、その説明もまだなさ
れてない。
2.ポルフィリン症の治療としての薬剤
急性ポルフィリン症と皮膚型ポルフィリン症ともに現在のところ対症療法と発症・増悪の予防
しかない。したがって、早期診断・予防が何よりも肝要である。
急性ポルフィリン症については大量の点滴、ブドウ糖の投与(300-500g/day)を行うとともに、
対症的に、疼痛、有痛性のしびれ、不眠などにはクロルプロマジンを、高血圧、頻脈などにはプ
ロプラノロールなどを、痙攣にはジアゼパム、抱水クロラールなどを投与する(Table2)4,13)。し
かし、薬剤によっては同じ薬剤が報告によっては安全とされたり、危険とされたりしていること
があり、注意が必要である。この理由として、CYP 分子種の遺伝子多型などが考えられるが、い
ずれにしても、効果が見られない時はヘマチン16-18)やヘムアルギニン19-20)の静脈内投与が臨床症状
のみならずポルフィリン代謝異常の改善にも有効と報告されており、原因療法に近い治療法とし
て期待されているが、日本では現在市販されていない。また、H2-blockerのシメチジンに肝ALAS
およびHOの両酵素活性の抑制作用21) があり、腹部症状の改善に有効と報告22) されているが無効と
する報告23) もある。重症の場合には血漿交換や血液透析が適応となるが、期待したほどの効果は
ないようである。
皮膚型ポルフィリンについては、基本的には、日光への曝露を避けることとともに、外傷を起
こさないように注意することが大切である。皮膚症状改善に対する有効な内服療法はない。各種
遮光用特殊クリ-ム、光線散乱剤などのサンスクリ-ン剤の使用やカバ-マ-ク®などのファンデ
-ション系化粧品を厚めに使用することなどが有効なことがある。PCT ではアルコ-ルなどの誘
発因子があればこれを除去、C型肝炎の合併があればインタ-フェロン24-25)などの肝炎治療が重要
である。このような誘因を除去しても尿中ポルフィリンが減少しなければ瀉血療法26-27)が有効であ
る。
3.化学的ポルフィリン症を惹起する薬物
著しいポルフィリン代謝異常を惹起する薬物は各種ポルフィリン症の実験的モデルとしてポル
フィリン症の病態発症機序の研究や治療法の開発研究に有用されている。すなわち sedormid
(allyl-isopropyl-acetyl-urea)やallylisopropylacetamide (AIA)などのallyl 系化合物や
dietyldihydrocollidine(DDC)はヘム合成系の最初の酵素であるALASを著明に誘導生成 28-29)するこ
とから急性ポルフィリン症(acute porphyria, AP) のモデルとして、また肝におけるヘムの合成
調節機序に関する基礎的研究として広く利用されてきた。Hexachlorobenzene (HCB)30-31) の様な多
ハロゲン化芳香族化合物は肝UROD活性を阻害しPCT と酷似した臨床症状を引き起こすことから本
症の発症機序研究に利用されている。Griseofulvin (GF)32-33)は肝ferrocheratase (FeC) 活性
阻害によるプロトポルフィリン(PP)の過剰産生を招き、血中PPの大量蓄積による皮膚症状および
肝障害を引き起こすことからEPP の実験的モデルとして、また鉛中毒はポルフィリンの前駆物質
であるALA が著明に増量34-35)することから、急性ポルフィリン症の神経症状発現機序追及と関連し
て、各々基礎的な研究に利用されている(Table3) 。
その他、ヘム合成系の酵素はその殆どがSH酵素であることから、多くの重金属、薬物などによ
って阻害されることが知られ36) 、各種金属の生体影響の指標として利用されることがあるが、化
3
学的(実験的)ポルフィリン症および先天性ポルフィリン症と比較してポルフィリンおよびその
前駆物質の生産・蓄積量は鉛中毒を除いて十分とは言えず、これらポルフィリン症の定義には含
まれない。また、ヘム合成の第二番目の酵素ALADは多くの生体内外の環境因子によって影響を受
け る こ と か ら 、 NIH (National Institute of Health) や NIEHS (National Institute of
Enviromental Science) では環境因子によって異常を起こす可能性の強い遺伝子の一つとして認
めているが、その多くの物質がポルフィリン症として成立するには不十分である。
4.ポルフィリン尿症
ある種の疾患、あるいは薬物の使用などに際して尿中のポルフィリン排泄量が増加する事があ
る。この場合、吸収・排泄などを含めた広義のポルフィリン代謝異常が存在するといえるが、そ
の機序は原因により異なっている。尿中ポルフィリンの異常排泄を見ながら、その増加したポル
フィリンの直接的な影響としては臨床症状を説明できない場合、これをポルフィリン尿症と呼ん
でいる(Table4)37-40) 。
5.文
献
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5
Table 1-1 Alphabetical list of drug thought to be safe for use in the acute porphyria10-15)
A
Acetaminophen
Acetazolamide
Acetylcholine
Acetylsalicylic acid
Actinomycin D
Acyclovir
Adenosine
monophosphate
Adrenaline
Alclofenac
Allopurinol
Alpha tocopheryl
acetate
Amethocaine
Amiloride
Aminoglycosides
Aminocaproic acid
Amitryptyline
Amoxycillin
Amphotericin
Ampicillin
Anesthetic ether
Antipyrine
Ascorbic acid
Aspirin
Atenolol
Atropine
Azathioprine
Dexamethasone
B
Beclomethasone
Benzhexol
Benzylpenicillin
potassium
Beta-carotene
Bethamidine
Biguanides
Bleomycin HCl
*Bromazepam
Bromides
Bumetanide
Bupivacaine
Buprenorphine
Buserelin
Butacaine
*Disopyramide
C
Canthaxanthin
Carbimazole
Calcium salts
Cephalexine
*Cephalosporins
Chloral hydrate
*Chloramphenicol
Chloralhydrates
Chlordiaze poxide
*Chlormethiazole
*Chloroquine
*Chlorothiazide
Chlorpheniramine
Chlorpromazine
*Cimetidine
Cisplatin
Clavulanic acid
Clofibrate
Clomiphene citrate
*Clonazepam
Cloxacillin
*Cocaine
Co-Codamol
Codeine Phosphate
Colchicine
*Corticosteroids
Corticotrophin
*Co-Trimoxazole
Coumarins
Curare
Cyclizine
*Cyclophosphamide
Cyclopropane
*Cyproterone acetate
*Ethinyl oestradiol
Ethoheptazine citrate
D
Danthron
Demerol
Desferrioxamine
*Hydrocortisone
*Dextromoramide
Diamorphine
*Diazepam
Diazoxide
Dicumarol
Dicoumarol
anticoagulants
Dicyclomine HCl
Diflunisal
Digitalis compounds
Digoxin
Dihydrocodeine
Dimercaprol
Dimethicone
*Diphenhydramine
Diphenoxylate HCl
L
Domperidone
Dothiepin HCl
Doxorubicin HCl
Droperidol
H
Heme arginate
Heparin
Hexamine
Nefopam HCl
*Hydrallazine
Hyoscine
Hypocine
E
EDTA
Ergotaminetartrate
Ethacrynic acid
Ethambutol
Ether
F
Famotidine
Fenbrufen
Fenoprofen
Fentanyl
*Flucytosine
Flurbiprofen
Folic acid
FSH
G
Gabapentin
Gallamine
Gentamicin
Glafenine
Glipizide
Glucagon
Glucose
Glucocorticoids
Glyceryl trinitrate
Guanethidine
I
Ibuprofen
*Imipramine
Indomethacin
Insulin
Iron
K
*Ketamine
*Ketoprofen
*Ketotifen
Paracetamol
Labetalol
LHRH
Liquorice
Lithium salts
*Loperamide
*Lorazepam
M
Magnesium sulphate
Mandelamine
Mandelate
*Mebendazole
Mecamylamine
Meclizine HCl
Meclozine
Mefenamic acid
*Melphalan
Mersalyl
Meperidine
Mequitazine
Metformin
Methadone
Methenamide
*Methotrimeprazine
Methylphenidate
Methyluracil
Metipropranolol
Metoprolol
Mianserin
*Midazolam
Minaxolone
Morphine
N
Nadolol
Naftidrofuryl oxalate
Naloxone
Naproxen sodium
Narcotic analgesics
Natamycin
Neostigmine
*Nitrofurantoin
Nitroglycerin
Nitroprusside
Nitrous oxide
*Nortriptyline
O
*Oxazepam
Oxybuprocaine
Oxylate/sodium
*Oxyphenbutazone
Oxytocin
P
*Pancuronium bromide
*Paraldehyde
Penicillamine
Penicillin
Pentanethonium
Pentolinium
*Pethidine
Phenformin
Phenoperidine
Phenothiazines
Phentolamine mesylate
*Phenylbutazone
Pipothiazine palmitate *Pyridoxine
Sulindac
Pirbuterol
Pyrimaquine
Sulfadoxine
Pirenzepine
*Pyrimethamine
Suxamethonium
*Prazosin
*Prednisolone
Q
T
Primaquine
Quinidine
Talampicillin
Probucol
Quinine
Temazepam
Procaine
Tetracaine
Prochlorperazine
R
*Tetracyclines
Proguanil HCl
*Ranitidine
Tetraethylammonium
Promazine
Rauwolfia alkaloids
bromide
*Promethazine
Reserpine
Thiazides
Propanidid
Resorcinol
Thiouracils
Propantheline bromide
Rifampicin
Thyroxine
Propitocaine HCl
Tiaprofenic acid
*Propofol
S
Timolol maleate
Propoxyphene
Salbutamol
Tolazoline
Propranolol
Senna
Tranexamic acid
Propylthiouracil
*Sodium Ca EDTA
Triamterene
Prostigmine
Sodium Fusidate
Triazolam
*Proxymetacaine
Streptomycin
Trifluoperazine
Pseudoephedrine HCl
Succinylcholine
*Trichlormethiazide
Some reports have reported that drugs with "*" as dangerous.
Trifluoperazine
Tripelennamine
Tubocurarine
V
*Valproate
Vancomycin
Vecuronium
Vigabatrin
Vinblastine sulfate
*Vincristine
Vitamin A,B,C,D,E
W
Warfarin
Z
Zinc preparations
(topical)
Table 1-2 Alphabetical list of drug which may precipitate attack of acute porphyria10-15)
A
Alcuronium
Ally-containing
compounds
Alphazalone
(alphadolone)
Alprazolam
Aluminium Preparations
Aminoglutethimide
Aminopyrine
Amidopyrine
Amiodarone
Amitriptyline
Amphetamines
Amylobarbitone
Anticonvulsants
Antipyrine
Apronalide
Auranofin
Azapropazone
Clobazam
B
Barbamazepine
Barbiturates
Bemegride
Bendrofluazide
Benoxaprofen
Bromocriptine
Busulphan
N-Butylscopolammonium
Br
Danazol
C
Captopril
Carbamazepine
Carbromal
Cardiazole
Carisoprodol
Cefuroxime
Cephalexine
Cephalosporins
Cephradine
Chlorambucil
Chloramphenicol
Chlordiazepoxide
Chlormezanone
Chloromethazone
Chloroform
Chloroquine
Chlorpropamide
Chlorzoxazone
Cinnarizine
Clemastine
Enalapril
Clomipramine
Clonidine
Clorazepate
Cocaine
Colistin
Contraceptives (oral)
Cyclophosphamide
Cyclosporin
D
Ethosuximide
Dapsone
Dextropropoxyphene
Diazepam
Dichloralphenazone
Diclofenac
Diclotenac
Dienestrol
Diethylpropion
Diethylstilbestrol
Dihydroergotamine
Diltiazem
Dimenhydrinate
Diphenhydrantoin
Dipyrone
Dixyrazine
Doxycycline
Dramamine
Drotaverine
Dydrogesterone
E
Gramicidin
Enflurane
Ergot compounds
Ergotamine maleate
Erythromycin
Estrogens
Ethamsylate
Ethanol excess
Ethchlorvynol
Ethinamate
Ethionamide
Hydroxyzine
Ethotoin
7
Etidocaine
Etomidate
Eucalyptol
(in mouthwash)
F
Felbamate
Fentanyl
Flucloxacillin
Flufenamic acid
Flunitrazepam
Flurazepam
Fluroxine
Frusemide
Furoxene
G
Glutethimide
Glymidine
Gold preparations
Griseofulvin
Guaiphenesin
H
Halothane
Hexestrol
Heavy metals
Hydantoins
Hydralazine
Hydrochlorothiazide
Hyoscine butylbromide
I
Imipramine
Iproniazid
Isometheptene mucate
Isoniazid
Isopropyl antipyrine
Isopropylmeprobamate
Nifedipine
L
Lamotrigine
Lignocaine
Lisinopril
Lofepramine
Loprazolam
Lysuride maleate
Oral contraceptives
M
Mefenamic acid
Megestrol acetate
Mephenezin
Mephenyltoin
Mepivacaine
Meprobamate
Mercaptopurine
Mercury compounds
Mestranol
Methallenestril
Methamphetamine
Methohexitone
Methotrexate
Methoxyflurane
Methsuximide
Methyldopa
Methlyl sulphonal
Methyprylone
Metoclopramide
Metyrapone
Piritramide
Sulfonethylmethane
Minoxidil
N
Nalidixic acid
Primidone
Pivampicillin
Prazepam
Prenylamine
Prilocaine
Sulthiame
Sulphadimidine
Sulphasalazine
Sulphinpyrazone
Sulpiride
Nortriptyline
Propanidid
Terfenadine
Pyrazolone derivatives
Pyrimethamine
Tiagabine
Thiopentone sodium
Thioridazine
O
Pyrrocaine
Orphenadrine
Oxanamide
Oxazepam
Oxycodone
Oxymetazoline
Oxyphenbutazone
Oxytetracycline
P
Paramethadione
Pargyline
Pentazocine
Pentylenetetrazol
Phenacetin
Phenelzine
Phenobarbitone
Phenoxybenzamide
Phensuximide
Phenylbutazone
Phenylhydrazine
Q
Quinalbarbitone
R
Rifampicin
S
Sedormid
Scopolamine
butylbromide
Sodium
aurothiomalate
Sodium oxybate
Sodium valproate
Spironolactone
Steroids
Stanozolol
Succinimides
Sulfonal
Tilidate
Tolazamide
Tolbutamide
Tranylcypromine
Trazodone HCl
Trimethadione
Trimethoprim
Trimipramine
Trional
Troxidone
Tybamate(tranquilizer)
V
Valproate
Verapamil
Viloxazine HCl
X
Xylocaine
Table 1-3 Alphabetical list of drug thought to be theoretically risky for use in the
acute porphyria10-15)
Alcuronium
Erythromycin
Alfadolone acetate
Fluroxene
Alfaxalone
Food additives (selected)
Allyl-containing compounds
Flurosemide
Amphetamines
Heavy metals
Bupivacaine
Hydralazime
Camphor
Lamotrigine
Chloroform
Lidocaine
Clonazepam (large doses)
Mepivacaine
Clonidine
Methylchlothiazide
Colistin
Metoclopramide
Dramamine
Metyrapone
Etidocaine
Mitotane (O,P'-DDD)
Etomidate
Nalidixc acid
All agents known to induce CYP or to increase hepatic heme
Nitrazepam
Nartriptyline
O,P'-DDD
Pargyline
Penylenetetrazole
Phenoxybenzamne
Prilocaine
Pyrocaine
Rifampicin
Sulfonylureas
Spironolactone
Terpenes
Tiagabine
Tranylcypromine
turnover
Table 2
Drug therapy in the acute porphyrias4,13)
Indication
Drug
Induce remission
Pain
Vomiting
Neurosis/psychosis
Epilepsy
Hypertension/tachycardia
Constipasion
Heme arginate, Hematin, Glucose
Aspirin, Dihydrocodein, Paracetamol, Diamorphine, Morphine, Pethidine, Chlorpromazine
Chlorpromazine, Promazine
Chlorpromazine, Promazine,Trifluoperazine, Prochlorperazine
Diazepam (intravemous), Clonazepam, Chloral hydrate
Propranol, Labetalol, Atenolol, Guanethidine, Bethanidine, Mecamylamine
Neostigmime, Danthron, Senna
Table 3 Chemical porphyria
Drug
AIA
DDC
GF
HCB
PCBs
Leads
Enzyme defect
Ferrochelatase
Ferrochelatase
Uro'gen decarboxylase
Uro'gen decarboxylase
ALA dehydratase,
Ferrochelatase
Biochemical feature
ALA,PBG,UP,CP,PP
ALA,PBG,PP
PP
URO, HEPTA
URO, HEPTA
ALA, COPROⅢ,ZP
Experimental porphyria
Acute porphyria
Acute porphyria (VP)
Erythropoietic protoporphyria
Porphyria cutanea tarda
Porphyria cutanea tarda
Acute porphyria
AIA,allylisopropyl acetamide; DDC,dietyldihydrocollidine; GA,griseofulvin; HCB,hexachlorobenzene; PCBs,polychlorinated biphenyls; ALA,δ-aminolevulinate; COPRO,coproporphyrin; URO,uroporphyrin; PP,protoporphyrin; HEPTA,heptacarboxyl porphyrin; ZP,zinc-protoporphyrin;VP,variegate
porphyria
Table 4 Various cause and conditions of secondary porphyrinuria37-40)
Anemias: Dyserythropoietic, aplastic, hemolytic, pernicious, thalassemia, iron-deficiency
Leukemias/lymphomas: AML, CML, ALL, CLL, Hodgkin's disease
Chemicals and drugs: Barbiturates, benzene, estrogen, ethanol, carbamazepine, carbontetrachloride, halogenated aromatic hydrocarbons, heavy metal exposure (Pb,Hg,As), phenytoin,
progesterons
Hereditary conjugated hyperbilirubinemias: Dubin-Johnson and Rotor's syndromes
Liver disieases: Alcoholic, cholestatic, chronic hepatitis, cirrhosis, vial hepatitis (especially hepatitis C)
Malignancies: Hepatocellular tumors, hepatic metastases, pancreatic carcimoma, lympomatosis,
other systemic diseases
Vitamin deficiency: Niacine, B2
Hypermetabolic state: Thyrotoxicosis, Fever, Strenuos exercise
Miscellaneous causes: Bronze baby syndrome, diabetes mellitus, infectionus diseases,
myocardial infarction, pregnancy, starvation
Secondary porphyrinurias are the most common causes of in creased porphyrins in the
urine,usually mainly due to coproporphyrins.
Abbreviations used: ALL, acute lymphocytic leukemia; AML,acute myelocytic leukemia; CLL,chronic
lymphocytic leukemia; CML, chronic myelocytic leukemia; Hg,mercury; Pb,lead; As,arsenic
9
Porphyrias and Drugs
Masao Kondo1), Ken Nakayama1), Yuzo Yano2)
1)Department of Nutrition and Biochemistry, National Institute of Public Health,
Tokyo 108-8638,Japan,
2)Tokyo Metropolitan Otsuka Hospital,Tokyo 170-8476, Japan.
Porphyrias are a group of disorders of porphyrin metabolism caused by defects in certain
enzymes in the synthesis of heme , resulting in overproduction and accumulation of
intermediates known as porphyrins. Numerous in and ex vivo environmental factors are
involved in the pathogenetic mechanism of porphyrias.
Notably, influences of drugs are
important,there being a number of drugs known to be concerned directly in induction and
exacerbation of these diseases. Unfortunately,however, available information on those
drugs is quiet limited and meager. Under the circumstances it was felt worthwhile to collect
all pieces of information about the drugs available to date and arrange them in order and make a
survey of literature on drugs that exert a direct influence upon porphyrin methabolism as well as
on chemical porphyrias.
Key words: Porphyria, Drugs, Safe, Unsafe, Treatment