肝外供血HCC-TACE 右腎被膜動脈の同定

肝外供血HCC-TACE
右腎被膜動脈の同定
那須赤十字病院
放射線科
藤塚 進司
症
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例
60歳代 男性
主 訴:検診で肝機能異常を指摘。
既往歴:HBV陽性
内服薬:特になし
検診時
初診時
AST(IU/l)
190
59
ALT(IU/l)
183
46
Hb(g/dl)
14.4
9.7
初回CT
S4に早期濃染
後期洗い出しさ
れる低吸収腫瘤
HCC
S6に肝表に突出
するHCC
周囲に液体貯留
膀胱直腸窩に高吸収な
液体貯留=血性腹水
HCC Raptureと
診断
TACE
1ヶ月後CT
S4にHCC残存
S6にリピオドール
集積
背側下方に集積不
良部あり
HCC再発疑い
2回目TACE
S4塞栓後
SMA-CTA
SMA-CTHA
さらに1ヶ月後CT
HCC再発疑い
増大
3回目TACE(のつもりだった)
3回目TACE(仕切り直し)
前回で同定したfeeder
から塞栓
肋間動脈を造影するも
S6病変の描出なし・・・
2ヶ月後
フォローアップCT
メタ・・・?
TACEか??
考
察
• 繰り返すTACEなどの治療により、肝動脈の閉
塞・狭小化から肝外の側副血行路からが発達す
る
• 下横隔膜動脈、大網動脈、副腎動脈、肋間(肋骨
下)動脈、胆嚢動脈の順に多い
考
察
• 腎被膜動脈は通常、下副腎動脈と一緒に分枝も
しくは伴走し、腎上極に向かって蛇行する。
• まれに腎動脈本幹や精巣(卵巣)動脈から起始す
ることが知られている。
• 腎動脈分枝の葉間動脈や弓状動脈から起始する
貫通腎被膜動脈の報告もある。
考
察
• 通常の腎動脈造影では3~4秒間注入
• 腎に血流がとられることを考慮して注入量を多
くし、注入時間を延長した
• 腎とHCCが重なることも予想され、造影時には
肝と腎が重ならないよう角度を調節することが
望ましい
結
論
• 肝外供血路で腎被膜動脈を疑うHCCの場合、通
常の腎動脈造影より注入量、注入時間を増やし
てDSAを撮影し、腫瘍濃染を確認することが望
ましいと思われた。
• 起始部の同定にコンビームCTまたはIVR-CTを
施行することが有効と考えられた。