第Ⅲ相臨床試験データが第18回世界消化器癌学会

バイエル薬品株式会社
News Release
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本資料は 6 月 28 日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳したもので、報道関係者各位へ
参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を
優先します。原文は www.press.bayer.com をご参照ください。
第Ⅲ相臨床試験データが第 18 回世界消化器癌学会(WCGC)で発表:
バイエルのレゴラフェニブ 切除不能な肝細胞癌の全生存期間を有意に延長
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第Ⅲ相臨床試験 RESORCE の結果が WCGC の口演セッ シ ョンで「最 新演題(Late-Breaking
Abstract)」として初めて発表
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全生存期間中央値はプラセボとベスト・サポーティブ・ケアの併用群の 7.8 カ月に対し、レゴラフェニブ
とベスト・サポーティブ・ケアの併用群は 10.6 カ月
ドイツ・ベルリン、2016 年 6 月 28 日 ― バイエル社は本日、ソラフェニブ(ネクサバール®)錠による
治療後に病勢進行が認められた切除不能な肝細胞癌(HCC)患者を対象に、自社のオンコロジー製品で
あるレゴラフェニブ(日本製品名「スチバーガ®錠」)を評価する第Ⅲ相臨床試験 RESORCE の結果を発表
しました。本試験において、レゴラフェニブとベスト・サポーティブ・ケア(BSC)の併用群は、プラセボと
BSC の併用群と比較して全生存期間を有意に延長しました。
本試験の結果、プラセボ群に対するレゴラフェニブ群の全生存期間のハザード比(HR)は 0.62(95%
信頼区間 0.50-0.78 ; p<0.001)であり、試験期間中の死亡リスクが 38%低下したことを示しました。
全生存期間の中央値は、プラセボ群の 7.8 カ月に対してレゴラフェニブ群は 10.6 カ月でした。安全性と
忍容性はレゴラフェニブの既知プロファイルとおおむね一貫していました。これらのデータは、6 月 29 日
~7 月 2 日にスペイン・バルセロナで開催される第 18 回世界消化器癌学会(WCGC)において、6 月
30 日午後 5 時 40 分 (中央ヨーロッパ夏時間)の口演セッションで発表されます。
RESORCE 試 験 、 な ら び に HCC を 対 象 に ソ ラ フ ェ ニ ブ を 検 討 し た 第 Ⅲ 相 臨 床 試 験 SHARP の
治験責任医師を務めたジョディ・ブルーシュ氏(BCLC [Barcelona Clinic Liver Cancer] Group, Liver Unit,
Hospital Clinic, University of Barcelona, IDIBAPS [August Pi i Sunyer Biomedical Research Institute]、
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CIBEREHD [Center of Biomedical Research in Hepatic and Digestive Diseases], Spain)は次のように述べ
ています。「HCC の発症は世界中で増加を続けています。HCC 患者さんに対する全身療法として確立し、
承認を得ている治療選択肢は 1 つしかなく、進行 HCC 患者さんに対する二次治療として現在承認されて
い る 、 ま た は 、 有 用 性 が 証 明 さ れ て い る 治 療 選 択 肢 は あ り ま せ ん 。 RESORCE 試 験 で 得 ら れ た
レゴラフェニブのデータは、医師、看護師や他の医療提供者に切望されている HCC 治療における 2 つ目
の選択肢を提供することにより、患者さんのさらなる期待に応える可能性があります。今後、患者さんの
治療成績を向上させるうえで重要なことは、有用性が証明された両方の全身療法を受ける機会を提供し、
適切な全身療法を適切なタイミングで開始することと考えられます」
本試験では主要評価項目だけでなく、mRECIST(modified Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)
と RECIST 1.1 により評価された、すべての副次評価項目において、レゴラフェニブ群のプラセボ群に
対する優越性が示されました。無増悪生存期間の中央値はプラセボ群の 1.5 カ月に対し、レゴラフェニブ
群は 3.1 カ月(HR 0.46 ; 95%信頼区間 0.37-0.56 ; p<0.001)でした。また、無増悪期間の中央値は
プラセボ群の 1.5 カ月に対し、レゴラフェニブ群は 3.2 カ月(HR 0.44 ; 95%信頼区間 0.36-0.55 ;
p<0.001)でした。病勢コントロール率(完全奏効+部分奏効+安定)はプラセボ群の 36.1%に対し、
レゴラフェニブ群は 65.2%(p<0.001)でした。全奏効率(完全奏効+部分奏効)はプラセボ群の 4.1%に
対し、レゴラフェニブ群は 10.6%(p=0.005)でした(いずれも mRECIST に基づく結果)。
安全性と忍容性はレゴラフェニブの既知プロファイルとおおむね一貫していました。最も多く見られた
有害事象(グレード 3 以上)は、高血圧(レゴラフェニブ群 15.2%、プラセボ群 4.7%)、手足皮膚反応
(同 12.6%、同 0.5%)、疲労(同 9.1%、同 4.7%)、下痢(同 3.2%、同 0%)でした。
バイエル社は、RESORCE 試験から得られたデータを根拠資料として、2016 年に切除不能な HCC の
治療を適応とするレゴラフェニブの製造販売承認事項一部変更承認申請を行う予定です。
RESORCE 試験について
WCGC で発表される第 III 相臨床試験のデータは RESORCE(REgorafenib after SORafenib in patients
with hepatoCEllular carcinoma)試験から得られたものです。同試験では、被験者 573 人をレゴラフェニブ
とベスト・サポーティブ・ケア(BSC)の併用群、または、プラセボと BSC の併用群に 2 対 1 の割合で無作為
に割付けました。
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被験者は、レゴラフェニブ 160 mg またはプラセボを 1 日 1 回 3 週間服用した後、1 週間休薬する 28 日間
を 1 サイクルとする投与を受けました。同試験の主要評価項目は全生存期間、副次評価項目は無増悪期
間、無増悪生存期間、奏効率、病勢コントロール率でした。被験者の安全性と忍容性も継続的に観察しま
した。
肝細胞癌について
肝細胞癌(HCC)は、最も頻度の高いタイプの肝癌で、世界の肝癌全体の約 70~85%を占めています。
肝癌は世界で 6 番目に多いがんで、世界中のがんによる死因の第 2 位です。毎年、世界で 78 万人以上
[中国 39 万 5,000 人超、欧州連合(EU)5 万 2,000 人、米国 3 万人]が肝癌と診断されており、その発生
率は上昇しています。2012 年には、約 74 万 6,000 人が肝癌のために亡くなっており、そのうち約 38 万
3,000 人が中国、4 万 8,000 人が EU、2 万 4,000 人が米国でした。
レゴラフェニブ(スチバーガ®)について
レゴラフェニブは、腫瘍の増殖や進行に影響する血管新生、発癌および腫瘍微小環境に関わる機構に
おいて、さまざまなキナーゼを阻害する経口マルチキナーゼ阻害剤です。レゴラフェニブは非臨床試験で、
腫瘍血管新生(新しい血管の成長)に重要な複数の VEGF 受容体のチロシンキナーゼに対し、阻害作用
を示しています。レゴラフェニブは VEGFR1-3 に加え、腫瘍増殖、腫瘍微小環境の形成や病勢進行に、
単独あるいは複合的に影響を及ぼす TIE-2、RAF-1、BRAF、BRAFV600、KIT、RET、PDGFR、FGFR な
どのさまざまな発癌、腫瘍微小環境に関わるキナーゼも阻害することがわかっています。
レゴラフェニブは、転移性大腸癌(mCRC)治療の適応で、米国、欧州連合(EU)諸国、日本など世界
90 カ国以上で製品名「スチバーガ®」として承認されています。また、米国、EU 諸国、日本など世界 70 カ
国以上では、転移性消化管間質腫瘍(GIST)治療の適応でも承認されています。EU では、スチバーガ®
は、フルオロピリミジンをベースとする化学療法、抗 VEGF 療法や抗 EGFR 療法などの既存治療の
施行後、または、それらの治療法が適応とならない成人 mCRC の治療に用いられています。同様に、
イマチニブとスニチニブによる前治療で病勢進行が認められた、または、それらによる治療に不耐容となっ
た切除不能または転移性 GIST に対しても用いられています。
レゴラフェニブは、バイエル社が開発した化合物です。2011 年に弊社がオニキス社(現アムジェン社子会
社)と締結した契約に基づき、オニキス社はオンコロジー領域におけるレゴラフェニブの全世界売上高に
応じたロイヤリティを受け取ります。
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バイエルのオンコロジー領域について
バイエルは、革新的治療薬の品揃えを充実させることで、「Science For A Better Life」をお届けできるよう取り組んでいます。バイ
エルのオンコロジーフランチャイズには現在、3 種類の抗癌剤と、臨床開発のさまざまな段階にあるその他いくつかの化合物があ
ります。これらの製品・化合物が、バイエルの研究に対するアプローチ、すなわち、癌の治療法に影響を与える可能性のある標的
やシグナル伝達経路を優先するという姿勢を示しています。
バイエルについて
Bayer: Science For A Better Life
バイエルは、ヘルスケアと農業関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。「Science For A Better Life」と
いうミッションのもと、バイエルはその製品とサービスを通じて、人々のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)の向上に貢献すると同時に、
技術革新、成長、およびより高い収益力を通して企業価値を創造することも目指しています。また、バイエルは、持続可能な発展
に対して、そして良き企業市民として社会と倫理の双方で責任を果たすために、これからも努力を続けます。グループ全体の売
上高は 463 億ユーロ、従業員数は 116,800 名(2015 年)。設備投資額は 26 億ユーロ、研究開発費は 43 億ユーロです。この数字
は、コベストロ社として株式市場に 2015 年 10 月 6 日に上場した高機能ポリマー材料の事業を含んでいます。詳細は
www.bayer.com.をご参照ください。
バイエル薬品株式会社
2016 年 6 月 30 日
将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)
このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking
Statements) が含まれています。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の
動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因には、当社の Web サイト上
(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新
し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。
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