当院における超音波レポートの書き方 岐阜市民病院 中央放射線部 ○細江麻里,河口大介,横山貴優 高橋秀幸,林 伸次,猿渡 裕 【はじめに】 配布された症例データ・画像をもとに,当院のレポートシステム,作成方法を紹介する. 【使用装置】 東芝社製 Aplio500,東芝社製 AplioXV,フィリップス社製 iU22 【レポートシステム】 富士フィルム社製 超音波情報管理システム NEXUS 【症例データ】 81 歳女性.C 型肝硬変,肝細胞癌で平成 12 年から近医に通院中.平成 24 年に肝 S3 を含む 部分切除を行った.その後も外来で follow up されていたが,昨年夏頃から肝 S5 に 6mm 程度 の SOL があり徐々にサイズ増大.本年 1 月の US で 13mm となり,EOB-MRI でも肝細胞癌 の診断. 【画像所見】 肝臓に腫大や萎縮はなし,実質はやや粗像,表面はやや不整.辺縁はやや鈍,脈管は通常より は見にくく血管壁が不整であるように思われるが,あきらかな門脈狭小化や肝静脈拡張はみ られない.S5 に 22.0×16.8mm 大の低エコー結節を認める.境界は明瞭,内部は不均一でモザ イクパターンを示し,辺縁低エコー帯がみられ,後方エコーやや増強.側方陰影がみられ,周囲 に明らかな結節はなく,単純結節型である.また,1月の段階で 13mm とのデータがあるた め,HCC と思われる結節は1月に比べ増大傾向があるといえる.結節内部には拍動性の血流 をみとめ,右肝静脈に結節が接しているが,明らかな脈管浸潤は無いと思われる(Vv0),右門脈 枝には ADF による血流シグナルを認め,明らかな腫瘍栓はないと思われる(Vp0).以上より, エコー上は HCC を疑う. 【まとめ】 レポートシステム内のフォーマットを使用することで,レポート作成の時間短縮が図れて いる.しかし技師間による差は未だ存在し,また手書きレポートのほうが見やすいという意 見もある.これらの問題点を検討し,今後より一層有用なレポート作成を心がけていきたい.
© Copyright 2024 ExpyDoc