ショウガ搾汁残渣の有効利用

平成26年度共同研究
食品分野
ショウガ搾汁残渣の有効利用
担当部所
共同研究者
:
:
栃木県産業技術センター
株式会社シオダ食品
食品技術部
背景
現状、(株)シオダ食品において、生姜漬物の加工工程で生じる
規格外品は、搾汁液を活用する等の目的で約50%の水分を搾汁
され、搾汁残渣は利用されずに大量に廃棄されている。
搾汁残渣などの未利用資源の有効活用(乾燥品の開発)を目指
し、乾燥方法の違いによる香気成分・辛味成分の変化を調べ、最
適な乾燥方法の検討を行った。
ショウガ搾汁残渣
乾燥した搾汁残渣
研究目標と結果
研究目標
●ショウガ搾汁残渣の乾燥条件を検討する。
●ショウガ搾汁残渣乾燥品の香気成分・辛味成分を分析し、最適な乾燥条件を検討する。
実施内容
① ショウガ搾汁残渣の乾燥条件による香気成分変化
ショウガ搾汁残渣を、常圧乾燥(80℃12h)・真空凍結乾燥
(40℃20h)・減圧乾燥(70℃7h,9h)により粉末化したものを、9∼30
メッシュ及び30メッシュ通過の2画分に分離し、それぞれの香気成
分を分析した。
その結果、Limonene・β-Phellandrene・Eucalyptolの3成分が、
他の処理区より高い、常圧乾燥が最適と考えられた。
② ショウガ搾汁残渣の乾燥条件による辛味成分変化
ショウガ搾汁残渣を、常圧乾燥・真空凍結乾燥・減圧乾燥により
粉末化したものを、9∼30メッシュ及び30メッシュ通過の2画分に分
離し、それぞれの辛味成分を分析した。
その結果、6-Gingerol及びShogaolが他の処理区より高い、常圧
乾燥が最適と考えられた。
6-Gingerolの変化
※Tukey-Kramer
のHSD検定
異なる記号間は
5%水準で有意
Shogaolの変化
香気成分名
Limonene
β-Phellandrene
Eucalyptol
Linalool
Neral
Nerol
香気の特徴
柑橘系の芳香
生姜の香り
清涼感のある香り
スズラン様芳香
甘いレモンの香り
バラ様の甘い香り
※Tukey-Kramer
のHSD検定
*:1%水準で有意
まとめ
●ショウガ搾汁残渣の乾燥条件による香気成分・辛味成分の変化を確認した。
●香気成分・辛味成分ともに、常圧乾燥が最適となった。
御来場の皆様へ
問い合わせ先:栃木県産業技術センター 食品技術部 TEL 028(670)3398
ショウガ搾汁残渣乾燥品は、さまざまな製品への利用が可能です。
香気成分・辛味成分を活かした製品開発が期待されます。
Industrial Technology Center of Tochigi Prefecture