香りの化学分析 宮崎大学工学部物質環境化学科 菅本和寛・松本仁・寺尾匡史・角石衛 市販されている香水には色々な物質が含まれています。今回4つのメーカーの香水を化学分析(GCMS)しました。 分析結果 4 10 7 10 10 2 10 13 2 12 13 14 2 6 11 12 13 14 11 8 1 3 14 9 1 7 4 34 5 7 5 9 14 12 12 8 11 5 10 15 20 25 30 35 RT /min 40 45 50 55 60 5 10 15 20 25 メーカーA 30 35 RT /min 40 45 50 55 5 60 10 15 20 含まれている化合物 OH OAc OH OH β-Pinene (1) γ-Terpinene (3) Limonene (2) CHO Dihydromyrcenol (4) シトラスの香り Linalool (5) Citronellol (6) Linalool acetate (7) ローズウッド バラの香り の香りの主 の主成分 成分:スパ イシーな香 り O COOC2H5 クラリセージ の香りの主 成分:花の 香り O O COOC2H5 O O COOCH3 C(CH3)3 Lilial (8) Diethyl phthalate (9) スズランの香り Methyl dihydro jasmonate (10) Ethylene brassylate (11) ジャスミンの香り ムスクの香り OH Sandaracopimarinol (12) H 6,7-Dehydroferruginol (13) 40 45 50 55 60 5 10 15 20 25 30 35 RT /min 40 45 50 H Ferruginol (14) 55 メーカーD GCMSとは?。 有機化合物(特に低分子量成分)の定性・定量を目 的とした分析装置で、ガスクロマトグラフ(GC)と質量 分析装置(MS)を結合した複合装置で香料の分析,食品 の分析など沢山の物質が含まれている物の分析に使わ れている装置です。GCで物質を分離し,MSで分離し た物質の分子量を調べます。 最初の香りと最後の香り 香料や食品業界では,これらについてトップノート, ラストノートといった表現が用いられています。トッ プノートは最初に感じる軽い感じのにおい,ラスト ノート(ディープノート)は後から感じてくる重い感じ のにおいという使われ方をしています。トップノート は低沸点物質(今回の分析では番号の小さい化合物), ラストノートは高沸点物質(今回の分析では番号の大 きな化合物)で主に構成されていると考えられます。 OH H H CH2OH 30 35 RT /min メーカーC メーカーB レモンなど レモンの香 ティートリー に多く含ま りの主成分 の香りの主 れている 。 成分 25 クイズです(超難問です。) 今回分析したメーカーA∼Dの香水を準備していま す,実際に匂いを嗅いでどの香りがどの分析結果に なったか当ててみましょう。正解者にはすてきなプレ ゼントを差し上げます。 60
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