シソ科植物の香気成分分析に対する Direct Sample Introduction –GC-MS の適用性評価に ついて 佐川岳人 1,2、早川和一 2,3 1)エスビー食品 2)金沢大学院自然 3)金沢大学院医薬保 【目的】シソ科の香味野菜において、その香気成分は楯状繊毛(Peltate GlndularTrichome) に蓄積されていることが知られている。通常、香気成分を分析する場合には香気成分の抽 出などの前処理を行う必要がある。そこで、本研究では事前の抽出工程を行うことなく、 直 接 試 料 を GC-MS の 注 入 口 に 導 入 し 分 析 可 能 な 、 Direct Sample Introduction-GC-MS(DSI-GC-MS)を用いることで、シソ科香味野菜を簡易的に香気成分分析 する手法としての可能性を評価した。 【方法】対象とする香味野菜には、市販の大葉、スペアミント、スィートバジルを用いた。 分析時の注入口最適条件の検討には、それぞれの香味野菜の特徴的な香気成分である、 limonene、perillaldehyde、γ-terpinene、l-carvone、1,8-cineole、linalool、eugenol の各成分がそれぞれ 1000ppm となるジエチルエーテル標準溶液を用いて、安定的に TIC ピ ーク面積が得られる注入口温度プログラムを検討した。実際の香味野菜を分析する際は、 顕微鏡下で楯状繊毛を含む組織片を切り出し、DSI 専用のマイクロバイアルに挿入し、それ を DSI 専用ライナーにセットした後に GC-MS 分析を実施した。 【結果および考察】本分析において、サンプル導入後、注入口温度を 50℃から 5℃/sec.で 120℃に昇温させるプログラムで、安定的な分析結果が得られた。DSI-GC-MS を用いること で、少量のサンプルで、前処理として抽出操作を行わないで、香気成分分析が可能である ことが確認された。
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