平成27年度 東京都立両国高等学校附属中学校 学校経営計画 校長 大 井 俊 博 1 目指す学校 平成18年に開校し10年目を迎える本校は、併設型中高一貫教育校として、6年間を通したきめ細かな教育によ り、高い学力と豊かな人間性を育成するとともに、将来、国際的視野をもって様々な分野でリーダーとなる人間を育 てることを目的とする学校である。 本校の教育目標である「自ら考え学ぶ生徒、高い志と使命感をもった生徒、健康で明朗な生徒」を育成するため、 生徒・保護者、そして、広く都民の期待に応える質の高い教育活動を展開していく。 (1)自らを厳しく律し、自ら進んで修める、 「自律自修」の態度を育成する学校。 (2)6年間の中高一貫教育により、広く深い教養、しなやかな知性、強靭な精神などを身に付けさせ、将来、様々 な分野でリーダーとして活躍できる人間を育成する学校。 (3)学習の基礎基本を徹底して定着させ、考える力を育成し、高い学力を培う学校。 (4)広い視野や高い視点、多元的な見方などを身に付けさせ、社会に貢献する志と使命感を育成する学校。 (5)礼節を重んじ、心身を鍛え、自他を尊重し、健康で安全な生活を送ることのできる生徒を育成する学校。 2 中期的目標と方策 (1)6年間を見通した学習指導・生活指導・進路指導体制の強化 生徒の学力状況・生活実態などの正確な把握・分析を行い、生徒の能力・適性に応じたそれぞれの分野での指 導体制を確立する。また、その6年間を見通した指導計画を基に、実践と検証に努める。 (2)基礎・基本の確実な定着と「言語能力」の育成 ・学習指導においては、中学校の学習内容を確実に生徒一人ひとりに定着させた上で発展的学習を取り入れる。 ・全ての教科において、学力の基盤となる「言語能力」の育成に努める。また、コミュニケーション能力・プ レゼンテーション能力などの育成のために、生徒が主体的に学ぶ「アクティブラーニング」の推進に努める。 (3)生徒の発達段階に合わせた生活指導の徹底とその検証 規則正しい生活習慣や学習習慣を身に付けるよう指導するとともに、礼節を重んじる態度を育成し、学校での 集団生活において守るべき事項を実践できるよう指導するなど、生徒の規範意識や自律性を高揚させる。 (4)今年度で2回目の、中学3年生による「海外語学研修」の実施にあたり、プログラムや行程等の深化を図る。 3 今年度の取組目標と方策 (1) 教育活動の目標と方策 ① 学習指導 ア 各教科の学習指導において「言語能力」の向上を図るために、読む・書く・聞く・話す力を育成するための 教材を工夫し、年間指導計画に位置づけ、その評価を実施する。 イ 各教科の基礎・基本の定着を徹底することにより、 「教科嫌い」の生徒を減少させるとともに、 「考える力」 を培い応用力を育成して高い学力を身に付けさせるために、生徒の状況に応じて発展的学習を取り入れるなど、 6年間を見通した学習指導計画をさらに充実させる。 ウ 「毎日の学習・生活記録」や定期考査前の「学習取組表」を活用して自宅学習2時間以上を徹底するととも に、定期考査に加えて年間2回の学力到達度テスト等を行うことで学力定着状況を詳細に把握する。また、生 徒一人ひとりの確かな学力の定着と伸長を「生徒個人カード(こころざしファイル) 」を活用し記録するなど、 きめ細かい指導体制を整える。 エ 数学、英語における少人数・習熟度別授業や発展的指導等の充実を図るとともに、年20回の授業等の土曜 日の教育活動や、朝学習や放課後の講習、また、夏季講習などを積極的に実施し、生徒一人ひとりの一層の学 力向上を目指す。 オ 日々の授業の成果を試すための英語検定合格のために、補習等の指導の充実を図り、中1で4級に90%、 中2で3級に80%、中3で準2級に80%、2級に20%の生徒の合格をそれぞれ目指す。漢検、数検にも 積極的にチャレンジさせる。 ② 生活指導 ア 月1回の朝礼や毎学期の学年集会等を通して礼節指導の徹底を図るとともに、月1回の美化活動や毎学期の 美化コンテストを行い、毎日の清掃活動を通して良好な学習環境を維持しようとする態度を育成する。また、 美化委員や理科部による、校内の鉢植えやプランターの草花の水遣りや手入れなどを充実させる。 イ 年1回の道徳授業地区公開講座を実施するとともに、学級活動・道徳の時間の充実を図り、望ましい倫理観・ 道徳観を涵養し、実践力を育成する。 ウ セーフティー教室を年1回実施するとともに、学級活動等を通して交通安全教育を推進する。 エ 生徒会活動ではボランティア活動を積極的に行うなど、奉仕体験活動のより一層の推進を図る。 ③ 進路指導 ア 総合的な学習の時間の「志(こころざし)学」では、 「自分を知る」ことから始め、人としての在り方生き方を 考えさせるとともに、各分野の専門家の講演会を年間6回行い、望ましい勤労観・職業観を育成する。また、 1年生では職場訪問、2年生では職場体験を行い、社会貢献しようとする志や使命感を育成する。 イ 3年次に、 「高校授業見学」 「高校1年生による講演会」 「面接指導」等を行い、高校進学を意識付ける。 また、 「卒業研究論文」の作成にあたり、その内容の充実・深化に努める。 ウ 「両国フューチャー委員会」で、6年間を見通した指導計画「6年間の格子」の作成、完成に努める。 ④ 特別活動・部活動 ア 学級活動の「スローガン」や年間指導計画等を作成し、それに従っての計画的な学級活動を展開する。 イ 生徒会活動、委員会活動のねらいと目標を明確にした指導を行い、生徒の自主性、自立性等を育成する。 ウ 体育祭、文化祭、合唱コンクール等の学校行事を高校と合同で行うことで、生徒の帰属意識、連帯感などの 育成、異年齢集団の中でリーダーシップの育成等を図り、集団活動の意義を実感させる指導を行う。また、そ の中で、中高合同の実行委員会を組織し、高校との意思疎通・共通理解を図り円滑な実施につなげる。 エ 部活動の活動目標と年間指導計画を作成し、年間計画に従った計画的な部活動を展開する。 また、高校との連携を図り、学習と両立させながら部活動を一層充実させて、加入率90%以上を目指す。 オ 百人一首大会や球技大会での委員会活動の活性化を図り、さらなる内容の充実に努める。 カ 英語劇のさらなる充実を図るため、計画的・系統的な実施に資する「チーム英語劇」を組織する。 ⑤ 健康づくり ア 分掌・学年・教科が連携して学校保健計画を作成し、生徒の健康づくりに計画的・組織的に取り組む。 イ 年10回の生徒保健委員会、学校保健委員会を高校と合同で開催し、保健便りを年間10回発行する。 ウ 昨年に引き続き「教育相談研修会」を実施し、生徒指導の参考とする。 ⑥ 防災教育 ア 「防災教育推進委員会」を設置し、地域や消防署等との連携による体験的、実践的な防災教育充実を図る。 イ 地域の防災訓練へ生徒・教職員を派遣し、地域とのかかわり、社会貢献への意識高揚に努めさせる。 ⑦ 広報活動 ア 総務部を中心に高校や後援会と連携しながら広報活動の充実を図り、本校での学校見学会(年1回)や学校 説明会(年2回)等を一層充実発展させる。会の進行や受付・誘導・案内などの業務を生徒会生徒や、中学2 年生のボランティア等の主体的参加を促し実施する。 イ 両国祭(文化祭)での、中学1年生による「進学相談」 「学校PR」等のさらなる充実に努める。 ウ 広報活動の充実のためにホームページの積極的な活用を図り、月2回以上更新しながら積極的な情報提供を 行う。 ⑧ 組織体制 ア 職員会議、企画調整会議は中高合同で開催する。 イ 毎週1回「両国フューチャー委員会」を中高合同で開催し、本校の将来について語る戦略会議として機能さ せる。固定メンバーの他に、3人の特命委員として中堅教員の出席を促し経営参画意識の向上を図る。 ウ 掲示板やタイムス等を活用して情報の共有化を図り、円滑できめ細かな組織運営を目指し、その成果を検証 する。 エ 学校と同じ方向性と目線を共有すべく、後援会や淡交会(同窓会)と協力しながら、保護者や同窓会との連 携を強化し円滑な教育活動を実施する。 (2) 重点目標と方策 ① 学力伸長の強化 ・定期考査や実力テスト等における学力状況の把握・分析・検証し、授業改善や指導体制整備に活用する。 ・学習状況等を個人データファイルにまとめ、個々の生徒指導に活かす。 ・放課後の講習・夏季講習などの強化、発展的な学習の充実により、習熟度の高い生徒の学力向上を図る。 ② 体力・精神力の強化と、社会性・協調性の涵養 ・体育の授業を中心に、各教科指導においても、将来のリーダーを養成するため、 「体力・精神力の強化」を 目指した教材開発、指導法の改善に努める。 ・部活動での、最後まで頑張る力やみんなで協力する態度等の育成、学校行事・生徒会活動・委員会活動などで の、社会性・協調性の涵養に努める。 ③ 礼節指導の徹底 ・朝の挨拶指導はもとより、校内での相互の挨拶指導、また、来校者に対する挨拶指導を徹底する。 ・セーフティー教室の改善実施、また、登下校のルールやマナー遵守の組織的な指導を徹底する。 ・附属中生としての、品格のある立ち居振る舞い・挨拶・言葉遣い等を、全教職員できめ細かく指導する。 ④ 地域連携の強化と進学校訪問等による授業力向上 ・都教委・区教委と連携しての、近隣の小学校・中学校、及び都立高校に呼びかけた、授業公開及び「小中高合 同研究協議会」の3回目を、さらに充実・発展させ実施する。 ・今年度も、公立中高一貫教育校11校における、部活動の合同大会や生徒会の相互交流などを実施する。 ・県立千葉高校附属中学校との相互授業参観・研究協議等を継続して実施するなど、相互連携関係を強化する。
© Copyright 2024 ExpyDoc