情報公開文書 公開日 2015 年 8 月 20 日 Ver1.0 研究開始のお知らせ 医療機関と NGO の連携による新しい HIV 検査システムの開発と 男性同性愛者の HIV 罹患率調査 概要 1. 研究の背景と目的 日本では年間約 1500 人の新規 HIV 感染者が報告されており、その約 7 割が男性同性間の性的接 触による感染です。HIV 感染症は早期に治療を開始すれば、非 HIV 感染者と変わらない予後を得 られる可能性があること、適切な治療によって他者への感染を予防できることが分かっています。 一方、保健所での HIV 検査件数は減少傾向にあります。本研究では保健所や医療機関を受診しな くても、HIV 検査を受けられる方法、具体的には、検査キットを用いてご自身で穿刺血を採取し、 ろ紙に染みこませたものを検査室に郵送するという方法を用いて検査を行います。本研究はこれ らの検査システムの有効性について検証するとともに、この検査を利用した男性同性愛者におけ る新規 HIV 感染者数の経年変化を観察し、HIV 感染者が増加しているのか、減少しているのかを 見極めることを目的として実施いたします。 2. 対象者 男性と性的接触の経験がある 20 歳以上の男性 3. 研究期間 ~2017 年 3 月末 4. 本研究で実施する HIV 検査の概要 本研究は任意であり、強制されるものではありません。本研究にご同意頂ける場合には、HIV の 検査に関するアンケートへの回答と検査キットを用いた HIV 検査を受けて頂きます。検査はすべ て無料・匿名で行われます。検査キットをお受け取りになった後、検査キットに同封された説明 書に従い、ご自身の指先をランセットで穿刺し、少量の血液をろ紙に染みこませます。ろ紙は返 信用封筒に入れて投函してください。検査は、国立国際医療研究センターエイズ治療・研究開発 センター研究室にて行います。検査結果は、本研究 Web サイトの検査結果通知画面にてお知ら せします。ID とパスワードを入力すると、あなたご自身の検査結果が表示されます。もし、要確 認検査となった場合には、エイズ治療・研究開発センター、または連携協力医療機関にて確認検 査の結果をお伝えします。検査受検前後に不安になった場合には、相談できる窓口を準備してい ますので、遠慮なくご連絡下さい。また、HIV に感染していた場合には、エイズ治療・研究開発 センターを受診することが出来ます(診断が確定した後の診療は保険診療となります) 。 5. 同意の撤回と検体の廃棄 本研究への参加について同意した後に、参加を取りやめたいと思った場合には、いつでも同意を 撤回することが出来ます。採取した血液を検査室に郵送する前でしたら、そのまま検査を中止し て下さい。検査室に郵送した後でしたら、下記問い合わせ先にご連絡下さい。ID とパスワードに 情報公開文書 公開日 2015 年 8 月 20 日 Ver1.0 よってサンプルの特定を行い、すべてのデータと検体を廃棄致します。 6. 研究に参加することによる利益と不利益(危険および不快な状態) 本研究に参加することで無料匿名の HIV 検査が受けられます。ただし、保健所や医療機関での検 査と異なり、自分で穿刺血を採取しなければならないため、操作は簡単ですが、少しの勇気が必 要になることと、軽い痛みを経験することになります。検査キットに同封されたランセットの不 具合や万が一穿刺した傷が大きくなるようなことがあった場合には、下記問い合わせ先にご連絡 下さい。適切に対応させて頂きます。また、HIV 検査に伴って自分が感染しているかもしれない、 感染していたらどうしようといった不安が強くなってしまうかもしれません。そんなときには、 遠慮なく本研究 Web サイトでご紹介している相談窓口、あるいは下記問い合わせ先にご連絡く ださい。 7. 個人情報の取り扱いと管理 本研究では、個人を特定できる情報を収集することはありません。アンケートで答えた内容や 検査結果はすべて研究 ID で管理されます。 8. 研究終了後の資料の保存と廃棄 本研究終了後 5 年間は収集したデータを研究事務局で保管しますが、5 年経過後は適切に廃棄し ます。 9. 研究の資金源と利害の衝突 本研究は国際医療研究開発費を用いて行われるため、本研究に関連した組織、企業との利害関係 はありません。 10. 研究成果の公表 研究終了後、本研究の成果は学会や論文で公表いたします。本研究ではすべて匿名で実施するこ とから、研究成果を発表する際に、個人が特定出来るような情報が公開されることはありません。 11. 本研究の問い合わせ先 〒162-8655 東京都新宿区戸山 1-21-1 国立国際医療研究センターエイズ治療・研究開発センター info_hivcheck@acc.ncgm.go.jp 12.本研究の責任者 国立国際医療研究センターエイズ治療・研究開発センター センター長 岡 慎一
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