8月号 ふるさと納税、満額控除の上限は?

山根会計事務所
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8 月号です!
ふるさと納税、満額控除の上限は?
最近、新聞紙面を『ふるさと納税』の記事が賑わしています。総務省によると平成 20 年に制度が創設されて以来、年々利用
数が増加し、平成 26 年度は全国で 141 億円の寄付が集まりました。各自治体の御礼品等の競争も年を追うごとに白熱していま
す。その一方で、最近「いくらまでふるさと納税していいのか?」という声をよく聞きます。そこで今回は、一人一人異なるふ
るさと納税(寄付金控除)の上限についてお話しします。皆さん直近の確定申告書(源泉徴収票)と電卓をご準備ください!!
ふるさと納税とは?・平成 27 年改正での変更点
「納税」という言葉がついているふるさと納税ですが、実際には都道府県、市区町村への「寄附」です。ふるさと納税では自己
負担額の 2,000 円を除いた全額が控除の対象となります。但し、全額控除される寄附金額には、収入や家族構成等に応じて一定
の上限があります。平成 27 年度税制改正により、住民税のおよそ 1 割程度だった控除額が 2 割程度に拡大しました。また年間
5 自治体までの寄附であれば、寄附ごとに申請書を寄附自治体に郵送することで確定申告が不要となります。但し現在も確定申
告をしている方は、引き続き確定申告により寄付金控除を行います。
上限額の計算方法
上限額
以下の計算式に当てはめてください。
=(住民税の所得割額※1 × 20%) ÷ (90% - 所得税率) + 2,000 円※2
※1 住民税の所得割額:
(課税所得 + 50,000 円)×10% - 調整控除(およそ 2,500 円)
※2
※3
+2,000 円
実質負担額(必ず引かれる自己負担額)
→課税所得とは総所得から所得控除を差引いた金額です。
●お勤めの方・・・図 1 源泉徴収票の②-③の額
です。
●確定申告されている方・・・図 2 確定申告書右上㉖番の額
課税所得に 5 万円を足しているのは、所得税の基礎控除額が 38 万円なの
に対し、住民税の基礎控除が 33 万円であるからです。配偶者控除や扶養控
除も同様に所得税と住民税では 5 万円の差がありますので、該当する方は
※3
調整控除
ほとんどの方は調整控除の額は 2,500 円
です。
課税所得に更に 5 万円ずつ足して計算します。
所得税の速算表
図1
計算例
図2
課税される所得金額
税率
控除額
195万円以下
5%
0円
195万円超 330万円以下
10%
9万7,500円
330万円超 695万円以下
20%
42万7,500円
695万円超 900万円以下
23%
63万6,000円
900万円超 1,800万円以下
33% 153万6,000円
1,800万円超 4,000万円以下 40% 279万6,000円
4,000万円超
45% 479万6,000円 図 3
~課税所得が 200 万円の方の場合~
(200 万円 +
5 万円)× 10% - 2,500 円 = 202,500 円
…住民税の所得割額
(202,500 円 × 20%)÷ (90% - 10%) + 2,000 円 = 52,625 円
…ふるさと納税の上限額
上記の計算式に当てはめると、このような数値となります。更に厳密な数値を測るには、復興特別所得税も加味しなければなりませんが、
影響が少額のため今回は割愛しております。あくまでも参考数値としてご確認ください。また、今回の計算値は満額控除を受ける上限額を計
算するもので、それ以上の寄付ができないというものではありません。
№12 平成 27 年 8 月 5 日発行 【担当】加藤田 敏孝