日本株ファンドマネージャーの視点 -わくわくする繊維業界!

2015年3⽉16⽇
⽇本株ファンドマネージャーの視点
『わくわくする繊維業界!』
※このレポートでは、⽇本株ファンドマネージャーが注⽬しているトピックなどを毎週お届けします。
北陸新幹線の⾦沢・富⼭〜⻑野間が3⽉14⽇に開業しました。これにより⾦沢〜東京間が約2時間半のアクセスと
なり北陸地⽅への経済効果が⼤きく期待されています。その様な中で新幹線開通前に⼀⾜先に、北陸地⽅の⽯川県、
福井県の繊維企業の取材に⾏って来ました。
まずは⽯川県能美市の「⼩松精練※」です。最近の業績は減益傾向で苦戦していますが、世界最⾼峰のフランス、
ファッション素材⾒本市『プルミエール・ヴィジョン』が主催するテキスタイルコンペティションで2013年にグ
ランプリを獲得した実⼒を持っています。同アワードは世界28ヶ国から約700社が参加する出展者の中から選出
され、⽇本企業がグランプリを獲得するのは初めての快挙であったそうです。
また、同社は欧州のトップブランドに素材提供するだけの優れた品質の素材加⼯技術を持っており、⽇本の物作りの
強さを肌で実感することができました。
そして、福井県坂井市の「セーレン」(研究開発センター)です。この会社は繊維加⼯の技術をベースに⾃動⾞⽤
シートの製造販売をコア事業としています。また、独⾃開発したインクジェット⽅式の染⾊技術『ビスコテックス』
が事業の核となっています。『ビスコテックス』は同社の染⾊技術とITを融合させたもので、従来の染⾊⼿法では実
現できなかった多彩なデザインを多品種・⼩ロット・短納期・在庫レスで実現できるシステムです。さらに体臭・加
齢臭対策に最適な消臭インナーの『DEOEST』という⾃社ブランドを⽴ち上げており、マスコミなどで⼤きく取り上
げられていることから同社の名前を知っている⼈も多いかも知れません。
今回訪問した企業はいずれも活気にあふれ、案内される物全てに未来を感じるわくわくするものでした。取材前、繊
維業界というと暗いイメージを持っていたのが正直なところですが、実際は真逆で将来に向かって突き進む、とても
明るいイメージでした。社員教育も⾏き届いており、事前に頭でイメージしたものと、実施調査の⼤きなギャップを
痛感しました。そして、今後もこのような実施調査の必要性を強く感じた取材になりました。
最近、話題になっている『ふるさと納税』ですが、⼀部で極端に⾼額の返戻品や返礼割合の⾼い物が総務省の⾃粛要
請もあり中⽌となっています。例えば京都府宮津市の1000万円以上の寄付で約200㎡/約750万円相当の私有
地が返礼品としてもらえるものや、⽯川県加賀市の寄付額の50%がオンラインゲームや動画などの各種サービスで
利⽤可能な「DMMマネー」で還元されるといったものです。
私は、この様な過度な還元ではなく、地⽅のブランドを中⻑期的に育成していくものに是⾮『ふるさと納税』を活⽤
してもらいたいと思います。例えば、前述の「⼩松精練」をとっても地元ではかなり有名な企業でもやはりまだ全国
レベルにはなっていません。時間はかかりますが“KOMATSUブランド”をまず『ふるさと納税』を活⽤して、全国レベ
ルのブランドに育成し、そして外国⼈観光客にも認められるようなブランドにすることが本当の意味での地⽅創⽣に
つながると思います。
※精練:繊維またはその製品を染⾊する前に,染⾊や仕上げ作業を順調にし仕上がりを良くするため,表⾯に付着し
た樹脂,蝋,脂肪などの汚れを除き,また織布のときに使ったのりを抜くこと。
株式運⽤部
⼩出 修
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