近年注目されている「ふるさと納税」について 平成28 年11 月7 日 No.557

平成 28 年 11 月 7 日
No.557
近年注目されている「ふるさと納税」について
平成 27 年度税制改正により、ふるさと納税ワンストップ特例制度の導入、平成 28 年度分以後の個人住民税については、
特例控除額の限度額が個人住民税所得割額の 2 割に引き上げられました。
ふるさと納税制度とは、都道府県・市区町村に対してふるさと納税(寄附)をすると、ふるさと納税額のうち 2,000 円を
超える部分について、一定の上限まで、原則として所得税・個人住民税から控除されるものです。
1.ふるさと納税制度の概要
寄附金のうち 2,000 円を超える部分については、一定の上限まで、原則として所得税・個人住民税から控除されます。
① 所得税寄附金控除 (寄附金―2,000 円)を所得控除(所得控除額×所得税率(注1)が軽減)
(注2)
② 住民税基本控除
(寄附金―2,000 円)×10%を税額控除(注3)
③ 住民税特例控除
(寄附金―2,000 円)×(90%―所得税率(注1)
)
(注4)
①、②及び➂により、寄附金のうち 2,000 円を超える部分は、全額控除となります。
(注1)所得税率は復興特別所得税(2.1%)を加算した率となります。(注2)所得税は総所得金額等の 40%が限度となります。
(注3)住民税基本控除は総所得金額等の 30%が限度となります。(注4)住民税特例控除は、住民税所得割額の20%が限度となります。
またふるさと納税をすると所得税・住民税から控除されるだけではなく自治体から、お礼の品や特典を受け取れるケースが
多くなっており、中には普段はなかなか買えないようなものが贈られることもあり、近年注目を集めています。
2.年度別ふるさと納税の受入額及び受入件数
過去 5 年間の受入額及び受入件数の推移は、下記の表のとおりです。
(総務省:ふるさと納税に関する現況調査データより)
平成23年度
受入額
(単位:千円)
受入件数
(単位:件)
平成24年度
平成25年度
平成26年度
12,162,570
10,410,020
14,563,583
38,852,167
100,861
122,347
427,069
1,912,922
平成27年度
165,291,021
(28,674,022)
7,260,093
(1,476,697)
※平成27年度の欄のうち、
()内の数値はふるさと納税ワンストップ特例制度の利用実績です。
3.ふるさと納税ワンストップ特例制度
確定申告が不要な給与所得者などの方は,前年中のふるさと納税先が5団体以内の場合に限り,
「申告特例」を申請するこ
とにより確定申告不要で控除を受けられる手続の特例(ふるさと納税ワンストップ特例制度)を受けることができます。
ふるさと納税ワンストップ特例の適用を受ける方は、所得税からの控除額を含め、全額が住民税の減額という形で控除が
行われます。
この特例制度により確定申告するということに敷居の高さなどを感じていた方も、利用しやすくなりました。
4.ふるさと納税(人気自治体の紹介)
平成27年10月に総務省より発表された人気自治体は下記のとおりです。
・第 1 位 宮崎県都城市
・第 2 位 山形県天童市
・第 3 位 長野県飯山市
上位3位に入った人気の自治体を見てみると「肉」や「米」など人気の品で上質なものを、ふるさと納税に係るお礼の品
としているようです。今現在では、値段が高騰している乳製品なども狙い目とのことで、北海道への寄附に注目が集まって
いるようです。
5.まとめ
今回の記事では、ふるさと納税が注目され始めた理由やお礼品などの魅力について述べてきましたが、ご興味のある方はぜひ
試されてみてはいかがでしょうか。
(担当:井津上 栄治)