『サーフカルチャーの 歴史から“エコ”を探る!』

Sl column / Naoya Hori
その 4
『サーフカルチャーの
歴史から
“エコ”
を探る!』
サーファーの先輩方が苦戦した事実とは!
?
文 =
堀
絵 =
高 田 茂 和
直 也
今回のエコは、日本サーフカルチャーの歴史
ダイバーと海を考える機会を多く持ち、環境庁
の頃からサーファーは海の代表格であるとサー
から “ エコ ” に関する話題をピックアップしまし
の公の機関とも連絡を取り話し合うことも当然
ファー自身が思っているにも関わらず、社会的
た。私の手元には、1980 年代に出版された日
必要になってくるだろう。世界各地の海洋汚染
な認知がまだまだ低かったということです。彼
本のサーフィン雑誌が何冊かあり、夜眠る前に
と取り組んでいるグループとも接触したい(途
らの悩みは、海辺の環境問題をどう伝えて良い
それらサーフマガジンを、ペラペラと眺めいる
中省略)コーヒー色の臭い波、パドリングして
のか分からなかったということ。結果「急激な
のですが、その中で『海よ、僕等の目は澄んで
いる手先に引っかかってくるビニール袋、美し
サーファーの増加は公害を生み出す」といった
いるか。SAVE OUR OCEAN』といったコン
いはずの珊瑚の浜を覆う廃油ボール。こんな海
全く予期せぬ方向に世間のイメージは浸透して
テンツが、サーフィンライフ誌に掲載されてい
に入ることに私達は怒りを感じなければならな
しまいました。
ました。ここに書いてある文章の中で、特に私
い」
。
(サーフィンライフ誌/1980 年 1 月号よ
これからの時代、サーファーはサーファー同
の心に衝撃が走ったものを 1 つご紹介しましょ
り抜粋)
士で固まっていては大きな意味をなさないので
う。
この記事は、私がまだ 3 歳になる前の 1980
はないでしょうか?それは過去の話からもそう
「化学ばかりが優先し、精神的な甘えが残っ
年のものです。30 年前のサーファーが既に海
判断できます。ならば、サーファーのイメージ
ている現代人の中で、海に最も親しみ、海を身
辺の環境問題に対し、アクションをしていた事
像を社会的に向上させ、サーファーからの発信
近なものにしている私達サーファー。汚れてし
実を知って、私はとても嬉しく思いましたし、
も真剣に聞いてもらえるような社会環境を整え
まった海を美しい元の姿に戻さなければという
同時にサーファーの先輩方をリスペクトせずに
ていくことが必須になってきます。それでは、
意識に目覚めたサーファーの一群は今行動を起
はいられませんでした。そして、私は自国の歴
どうやって? それをエコサーファーの代表を
こし始めた。日本各地で海岸美化運動のグルー
史を知るということの大切さをこの時に痛感し
務める私が、私なりの経験と今後のビジョンの
プが少しずつ各地の浜のゴミを拾い始めた。
たのであります。
中からこの場を利用させていただき、発信する
まったく唐突にマスコミによって世間に紹介さ
1970 年代頃から、日本にもアメリカから
ことができればと思っています(もちろん、読
れ、その結果急激なサーファーの増加は公害と
サーフカルチャーが入り始め、10 年もしない
者さまからの様々な意見も大歓迎です)
。
いう言葉しか残さなかった。サーフィンを愛し、
うちに日本のサーファーたちは、日本の海辺の
「人に言うのは簡単だ」
「書くことは簡単だ」
海を愛することは誰にも負けないと自覚してい
環境問題に警告を発していました。そういう事
「評論することは簡単だ」人はそう言いますし、
る私達は私達の心にある汚れてしまった海に対
実や、そこでサーフィンをしてきた先輩方が、
私もそう思います。ならば、私は実際のアク
する不満を、一つのゴミを拾い、ゴミを持ち帰
当時、何を思い、どんなアクションをし、そし
ションの中から大切なことを発信していきたい
るという行為にまで高めなければならない。そ
て、どんな結果を生んだのか?そういった情報
ですし、サーフカルチャーの底上げをし、サー
してもっと社会的に社会の一員として強く汚染
を色んな角度から掻き集め、興味を持つことが
ファーの認知度を社会に対して上げていきたい
の根源を考えて行動していくことも必要なので
とても大切なことだと思うのです。
のです。それが、ここ湘南からならば始められ
はないだろうか。具体的な方法はいくらでもあ
また、この記事を読んでいてなるほど…と
ると私は信じています。
ると思う。海と関わりのある釣人、ヨットマン、
納得させられたこともがありました。1980 年
●エコサーファーホームページ
http://www.eco-surf.com
エコサーファー代表によるブログは、ほぼ毎日
写真付きで UP しています。CHECK IT OUT!
Naoya Hori
Shigekazu Takada
85