漁業をめぐるglobal化 「地方」からみた 地方」からみた国際化・ 化 」からみた国際化・global化 国際化・ ・経済活動の国際化・global化は,その主な 担い手たちの活動拠点が集まる「世界都 世界都 市」を発展させる一方で,global競争に対応 できず,産業空洞化 産業空洞化と人口流出 産業空洞化 人口流出に直面する 人口流出 地域を生成。 ・日本では,そうした地域は,農林水産業 農林水産業を 農林水産業 生業としてきた国土縁辺の「地方」に集中。 ・特に,高度経済成長期以降の輸入自由 化,円高急進期を通じて,「地方」が担って いた産業の多くは,安い輸入 輸入品によって 輸入 代替。 ・それは,競争経済に必然的に伴う国内 「地域格差」の形成。 ・同時に,貿易立国を掲げて輸入自由化 を推進した国家政策の結果。 ・東北 東北は,紛れもなくその現場だった。 東北 林業 … 地方産業衰退の先ぶれ ・戦後復興の木材需要の増加に対応する ため,乱伐で荒れた各地の山に,成長早く, まっすぐ伸びるスギ スギの植林を推進。 スギ ・天然 天然林 天然 林(広葉樹林)や原野だったところにも スギを植樹 スギ … 「拡大造林」と呼ぶ。 ・スギが成木になるのは,「早い」とはいっても, 20年後 ⇒ 急増する都市部の住宅・建設需 要に間に合わず。 ⇒1964,外材輸入を自由化 ⇒ 価格急落 ⇒林業は,拡大造林の成果を待たずして苦境に ・1980・90年代,沖合回遊魚資源の大変動 … 80年代,サバ,イワシが急増し,90年以降,急減 ・高度経済成長期,日本漁船は続々「遠洋 遠洋」へ 遠洋 ・1973, オイルショック,油価高騰 ・1977, 200カイリ漁業専管水域 ⇒ 北洋漁業縮小,遠洋漁業の利益率低下 ・1988,母船式北洋漁業打ち切り,北転底曳船 の米国沖での操業打ち切り ・1993,公海での北転船操業も打ち切り ・サケマス漁場も大幅縮小+高額な入漁料 ・韓・台・中国の漁船の参入 ⇒ 漁業資源減少 ⇒ 操業効率低下 ⇒ 採算悪化 ⇒ 遠洋・沖合漁船漁業は縮小 ⇒ 水揚量長期低迷の時代に 主要漁港の水揚げ量 ・三陸・北海道の漁船漁業者 を潤した北洋サケマス漁業は, 1980年代以降の国際的漁場 規制で大幅縮小 1980 2004のサケマス 流し網漁区 + 高度経済成長期の「エネルギー革命」 ⇒ 薪炭需要の激減 + 政府の「余剰労働力」の析出政策 ⇒山村の生業基盤崩壊 ⇒ 労働力流出 ⇒「過疎化」 2000 (円/㎥) 水揚げ1971-2005 1980年=1 丸太・製材の 輸入量推移 Choshi 「図解日本の森林・林業」 Hachinohe 自 由 化 ↓ ↑スギの山元価格の推移 「森林・林業白書」2004 ↓林業就業者数の推移 Ishinomaki Onagawa 林業生産の推移 (森林・林業白書) (森林林業学習館web) 1 宮城県北沿岸の 養殖経営体数 工芸作物 工芸作物 1973 2003 気仙・本吉 内湾:ノリ,カキ 外海:ワカメ 阿武隈山地 気仙・本吉 内湾:カキ,ホヤ 外海:ワカメ,ホタテ ・1970年代まで主力 をなしたノリとワカメ は,韓国・中国産の 輸入増加で激減。 ・女川・志津川の養 殖ギンザケも,チリ・ ノルウェイ産の輸入 で,経営は淘汰。 こんにゃく芋 女川・牡鹿 内湾:カキ,ホヤ, ギンザケ 外海:ホタテ 女川・牡鹿 内湾:ノリ,カキ 外海:ワカメ 漁業センサスによる 作目型 2 農業では … 農業 藤野(2007)「野菜輸入の 動向と課題」農林金融 90年代 年代 -- 産業空洞化 ・小麦は早くから輸入が拡大したが, 米は政策的に,野菜は鮮度保持技 術の点から,輸入から守られてきた。 工業従事者数 変化率 (1990〜 〜2000) ) ・しかし,1985年円高後,輸入が急増。 ・とりわけ90年代以降は,中国産 中国産が激増。 中国産 ・中国野菜 中国野菜の大半は,日本企業による開発輸入 開発輸入 中国野菜 ・中心産地は山東省↓ http://www.mmjp.or.jp/sososha/pdf_file/tizu_1.pdf 主な開発輸入企業 ・開発輸入野菜は主に外食,惣菜用 ・日本市場を 中心とする 輸出農産物 のglobal地域 分化→ ★地方工業の 地方工業の縮小は 縮小は兼業農業の存立を 兼業農業の存立を危機 の存立を危機に。 危機に。 ⇒兼業農家の存立,危機に ・輸入増加の影響は, ひとえに価格の下落。 下落。 →輸入野菜と国産野菜 の価格差(2004) ・この価格差こそが,代替作物 を見いだせない条件不利地 (=中山間地域)の産地と農 家から,存亡の淵に。 3 90年代の東北農村 東北地方の外国人分布 複合農業の崩壊, 消極的な稲作単作化の進行 1980 2000 1980 ~ 2000 1980 ~ 2000 (2000) ・女性比率が高い のはどんな地域? ・80年代後半の地方農村で 静かに進んだglobalization ・韓国,中国,フィリピンの女性 が,地方の農村部で増加。 ・これは,日本の「地方」 だけでなく,経済発展をと げる一方で,結婚問題に 直面する先進・中進国の 地方農山村に共通する 傾向。 ↑ 稲作単一経営農家率の変化 (1980〜2000) ↑複合経営農家率の 変化(1980〜2000) グローバル化に対抗する地域 ★三 三つ の戦略 1)グローバル競争に与しない 与しない … 地産地消, CSA, 産消提携, fair trade ⇒田尻環境米=みやぎ生協, 鳴子の米=地元温泉 2)独自の地域産業 独自の地域産業を創出 … 付加価値、売る工夫 独自の地域産業 ⇒一村一品(大分県), 田子ニンニク,葛巻町, 小川の庄(おやき),上勝町etc. 自治体をあげた 外国人花嫁の 誘致も 秋田県羽後町, 山形県戸沢村, 白鷹町など。 戸沢村の 高麗館↓ 3)グローバル化に打って出る グローバル化に打って出る a)地場産品の輸出 ⇒ 安代リンドウ b)外国人客の獲得 ⇒ 観光資源化, 映画祭 … 自ら文化の中心に c)グローバル連携 … 世界の地方 都市・農山漁村が連携して大都市・大 企業経済に対抗 ↑韓国人花嫁のキムチ店を 地域づくりの資源に …人々の意志で創り出す地域性 4
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