生物多様性と人々のために~ 日本とクリティカル・ エコシステム・ パートナーシップ基金 (CEPF) CEPFは、以下7つの機関が共同で出資運営している国際基金 • 日本政府 • フランス開発庁 • コンサベーション・インターナショナル • 欧州委員会 • 地球環境ファシリティ • マッカーサー財団 • 世界銀行 CEPFは、市民社会が重要な生態系の保全に参画する ことを支援 国際援助機関とCSO(市民社会組織)を結ぶ役割 世界銀行 地球環境ファ シリティ(GEF) 地域 コミュニティ CEPF マッカーサー 財団 現地NGO 日本政府 学術機関 フランス 開発庁 企業 CI 国際NGO 欧州委員会 4 生物多様性 人々の幸福 市民社会 地球上で最も生物多様性 が豊かでありながら同時 に危機に瀕して地域を保 護する CEPFの助成金は、人間が依存 している生態系からの便益を 持続的に受け続けられるよう することで、人々の幸福を向 上させる CEPFは、市民社会を強化し、 重要な生態系の保全を促進 する 戦略 パートナーシップ 世界の生物多様性ホットスポット の共通した保全目標を達成するた めに、地元、地域、グローバルの 力を結集させる CEPFは、保全に対する支援の効果およ び効率性を最大限にするために多様な パートナーシップの架け橋となる CEPFの役割 ステークホル ダーと共に 保全戦略を 開発 現地に 保全リーダー を育成 生物種や 生態系の 保全 生物多様性 ホット スポット CEPFの資金が 市民社会を支援 市民社会 による 戦略実行 7 CEPFの活動地域 92 国と地域 1. Atlantic Forest 2. Cape Floristic Region 3. Caribbean Islands 4. Caucasus 5. Coastal Forests of Eastern Africa 6. Eastern Afromontane 7. East Melanesian Islands 8. Guinean Forests of West Africa 9. Himalaya 10. Indo-Burma 11. Madagascar and Indian Ocean Islands 12. Maputaland-Pondoland-Albany 13. Mediterranean Basin 14. Mesoamerica 15. Mountains of Southwest China 16. Philippines 17. Polynesia-Micronesia 18. Succulent Karoo 19. Sundaland 20. Tropical Andes 21. Tumbes-Chocó-Magdalena 22. Wallacea 23. Western Ghats and Sri Lanka 長期間にわたる コミットメント • CEPFの新たなフェーズでは、 市民社会との関わりをさら に拡大 • CEPFの支援が終了した後も 地元の保全をリードする 市民社会の強化に焦点を 当てた長期的視点に基づい ている 日本とCEPFの関わり: 13年間におよぶパートナーシップ 日本政府は2002年からCEPFへ参加 10 これまでの成果 15 年間の活動の成果 22カ国で新設された保護地域 1,300万ヘクタール (過去10年に陸域で新設された 保護地域の7%) 助成した市民 グループ 2,000以上 新たに設立されたり、強化された 市民団体などネットワーク やパートナシップは83 意思決定において保全を主流化 72 の政策、計画、法律 を制定 管理が改善されたランドスケープ 92か国の23のホットスポットに おいて市民団体が受給した助成 3,600万ヘクタール 金合計 (「絶滅ゼロ同盟」が指定した サイトの12%) 森林保全を通して、 12億トン以上の炭素を 貯留 1億9,200万ドル以上 CEPF助成金が起点となって 追加的にレバレッジされた 資金は、 3億4,700万ドル以上 12 地域社会の能力強化 13 生物多様性条約「愛知ターゲット」への貢献 愛知ターゲットへの貢献 • 目標2「各種計画への組み込み」 15カ国以上で、30以上の開発と資源管理 政策に関して、環境保全に有利な条件を組 み込んだ • 目標4「生産と消費」 少なくとも18の産業で、持続不可能な資 源の使用を停止した • 目標11「保護地域」 1,300万ヘクタールの保護地域を設立 15 事例紹介①: カンボジアにおける漁業管理 カンボジア 漁業管理 受給団体: ワールドフィッシュセンター (World Fish Center) 湿地の保全と地域社会での漁業管理や 地域社会の生活手段を統合 結果: • 15のコミュニティがラムサール条 約で指定されているステゥントレ ン湿地の5地区での取り組み • 違法漁業の減少と漁業資源の改善 • 魚業者の間での意識啓発 • 21の村が学んだ経験と教訓を共有 17 国連持続可能な開発目標(SDGs)への貢献 目標15 は、CEPFのコアビジネス 目標15「陸上の資源」 陸域生態系の保護、回復、持続可能な 利用の推進、持続可能な森林の経営、 砂漠 化への対処、ならびに土地の劣化 の阻止・回復及び生物多様性の損失を 阻止する 目標 15 • 個別目標 2020 年までに、国際協定の下での義務に則って、森林、湿地、山地及び乾燥地を はじめとする陸域生態系と内陸淡水生態系及びそれらのサービスの保全、回復及び持続 可能な利用を確保する(※外務省仮訳参照) CEPF受給団体: 3,500万ヘクタール以上の生物多様性重要地域(KBA)で保護管理を強化 450万ヘクタール以上の農林水産業の生産地で、生物多様性管理を強化するた めに土地所有者と協力 • 自然生息地の劣化を抑制し、生物多様性の損失を阻止し、2020 年までに絶滅危惧種を 保護し、また絶滅防止するための緊急かつ意味のある対策を講じる(※外務省仮訳参照) CEPF受給団体のプロジェクト 1,200以上の絶滅危惧種へ直接的な便益 事例紹介②: ケニアにおける森林と生計手段 ケニアの森林と生計手段 受給団体: 世界自然保護基金 ( World Wild Fund:WWF) 生計手段の向上を通じて聖なる森への 負荷を軽減 結果: • カヤ・キノンド・ビレッジ銀行への能力開発支 援は、コミュニティへの融資や貯蓄を増加さ せた • ムサウェニ(Msambweni) 養蜂協会では、 蜂蜜生産が増加または品質向上した • 沿岸森林農家協会(Coast Forestry Farmers Association (CFFA)による ニームドリンクのビジネス化を支援 • 1,650 のコミュニティに便益をもたらした 22 目標 15 個別目標 続き 2020 年までに、生態系と生物多様性の 価値を、国や地方の計画策定、開発プロ セス及び貧困削減のための戦略及び会 計に組み込む (※外務省仮訳参照) 生物多様性と生態系の保全と持続的な 利用のために、あらゆる資金源からの 資金の 動員及び大幅な増額を行う (※外務省仮訳参照) 目標 15 個別目標 続き 保護の対象となっている動植物種の密猟及び違法取引を撲滅するための緊急対策を 講じるとともに、違法な野生生物製品の需要と供給の両面に対処する(※外務省仮訳) 9つの生物多様性のホットスポット全体で49のプロジェクトに500万ド ルを拠出 法執行の強化、野生動植物の消費需要の抑制と持続可能な取引の促進、 また、コアサイの個体群の保護など. • 2020 年までに、外来種の侵入を防止するとともに、これらの種による陸域・海洋生 態系への影響を大幅に減少させるための対策を導入し、さらに優先種の駆除または 根絶を行う(※外務省仮訳) CEPFの受給団体は、20カ国で、 侵略的外来種を根絶する70以上の 様々な取り組みを主導 その結果、少なくとも75の種の 個体数に改善が見られる 事例紹介③: 南アフリカの流域管理 受給団体: エンバイロメント&ルーラルソリュー ションズ(Environment & Rural Solutions), コンサベーション・サウスア フリカ(Conservation South Africa), エ ンデンジャード・ワイルドライフ・トラ スト(Endangered Wildlife Trust) ンジンヴブ(Mzimvubu)河流域管理 を改善し、人々と生物多様性を守る水 資源の利用を推進 結果: • 270ヘクタールに及ぶ土地を侵食し ていたwattle tree(アカシアの一 種)を撤去 • 辺境に暮らす40家族に対し、放牧や 観光など環境保全に関連した就業機 会の提供を通じ、長期的な生計手段 の確立を改善 • 近隣のモツェン( Motseng )コ ミュニティに対し、共有資産を管理 する組合の設立を支援 27 • 放牧を管理するプログラムの策定 事例紹介④:ミャンマーのエコツーリズム ミャンマーの エコツーリズム 受給団体: ハリソン・インスティテュート (the Harrison Institute) アヤヤールワディ(Ayeyarwady )川上 流における観光事業の急速な拡大を受け て、その課題と機会を評価 結果: • 野生生物とその危機、地域の文化的遺 産、保全の最善手法について報告書を まとめ、配布した • コミュニティが中心となった保全活動 の支援となるような観光スポットを新 たに3か所特定 • 「責任ある観光(responsible tourism)」の周知活動 • エコツーリズム、バードウォッチング のガイドを32名養成 • ステークホルダーの連携 29 目標 14 海洋資源 目標14「海洋資源」 持続可能な開発のために海洋・海洋資源を 保全し、持続可能な形で利用する 目標 14 海洋資源 • 2001年から海洋/海岸プロジェクトに 継続的に支援 • 109のプロジェクトに対する合計支援 額は 920万ドル以上 • 現在までに52か国がこの支援による 利益を享受 • 48の海洋/海岸プロジェクトを 小島嶼開発途上国(SIDS)にて実施 31 事例紹介⑤:カーボヴェルデのエコツーリズム カーボヴェルデのエコツーリズム 受給団体: Association for the Conservation of the Environment and Sustainable Development 環境意識の啓発と野外活動の推進により、 ボアビスタ島にエコツーリズムの定着を目指す 結果: • 地域や団体の垣根を超えた「持続可能な観 光の指針作成委員会( Committee for Sustainable Tourism Principles )」の 創設 • 40の企業、9つのNGO、7つの行政機関に 向けて、グリーンツーリズムのためのガイドライン を開発 • 40の企業、9つのNGO、7つの行政機関に 向けて、グリーンツーリズムのためのガイドライン を開発 • ウミガメ、ザトウクジラ、その他の生物が生息す る海洋環境の改善 ホットスポット別によるCEPFの 海洋/沿岸への支援額 2001-2015 目標 13 目標13「気候変動へのアクション」 気候変動及びその影響を軽減するための 緊急対策を講じる Goal 13 • • • Careful land and resource management Ridge to reef conservation Species-focused conservation 気候変動に対し、 自然の力を活かした ソリューションを推進 • カーボンオフセット • 政策 • 市場に基づいたメカニズム • 異常気象に対するレジリエンス 事例紹介⑥:バヌアツにおけるレジリエンスの構築 目標 13 受給団体: ハリソン・インスティテュート 地域のコミュニティと協働し、森林保護、給水 システムの開発、巨大化する暴風雨(気候 変動の影響であり、2015年3月のサイクロン 「パム」のような事例あり)に対するコミュニティ と生態系のレジリエンス強化を支援 • 植物の多様性を記録するためコミュニティと 協働 • 優先的に保護すべき生息地域の特定 • 行政と協働してコミュニティに基づく保護区 域を特定 • 清潔な水源の確保 CEPFのその他の貢献 目標 16:持続可能な開発のための平和で包摂的な社 会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、 あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的 な制度を構築する -生物多様性ホットスポットに関して、53の市民団体による ネットワークの創出を支援 目標 17:持続可能な開発のための実施手段を強化し、 グローバル・パートナーシップを活性化する -国際的な7つの資金提供機関などから拠出された 資金を現地で活動を行う組織へ分配 39 CEPFの成果 CEPF 4つの柱と13のプロジェクト・カテゴリー • • • • • • 生物多様性 人々の 幸福(wellbeing) 調査/評価/モニタリング 保護区域の管理強化 保全活動の計画/優先順位の設定 保護区域外における管理強化 保護区域の設定/拡大 種の保存 • 生計手段の確保/収入の創出 市民社会 • • 能力開発 ネットワーク/パートナーシップ 環境づくり • • • • 生物多様性の啓発/政策活動 認識、教育、アウトリーチ 環境保全基金 現地実行チーム(RIT) 2001-2015年 4つの柱に対する支援実績 $100,000,000 $94M $90,000,000 $80,000,000 $70,000,000 $59M $60,000,000 $50,000,000 $40,000,000 $30,000,000 $23M $20,000,000 $15M $10,000,000 $0 Biodiversity Civil Society Enabling Conditions Human Well-being 現在までの合計額: 19億1600万ドル 2001-2015 4つの柱とホットスポット別 支援実績 $12,000,000 $10,000,000 $8,000,000 $6,000,000 $4,000,000 $2,000,000 $0 Human Wellbeing Enabling Conditions Civil Society Biodiversity 2001-2015 生物多様性分野への支援実績 Biodiversity - Conservation planning/priority setting, $7.4M Biodiversity - Strengthening management outside protected areas, $23M Biodiversity - Protected areas creation/expansion, $13.8M Biodiversity Research/assessment/monit oring, $17M Biodiversity - Strengthening management of protected areas, $15.3M Biodiversity - Species conservation, $17.2M 956プロジェク ト 2001年1月-2015年8月 「市民団体」「人々の幸福」を対象に 実施した支援実績 市民団体 ネットワーク/ パートナーシッ プ 700万ドル 68 プロジェクト 市民団体 能力開発, 1630万 ドル 189 プロジェクト 人間の福利、 生計手段の確保/ 収入の創出 1500万ドル 182 プロジェクト 257 プロジェクト 2001年1月-2015年8月 「環境づくり」を目的とした支援実績 Awareness, education and outreach $12.8M Regional Implementation Teams $31.7M 57 projects Biodiversity mainstreaming/ policy work $9.3M Conservation Finance $5.6M 424 projects CEPF projects classified by habitat, 1/2001-8/2015 生息地別 支援実績 2001-2015 森林: 9740万ドル 乾燥地域: 2180万ドル 山岳地域: 930万ドル 淡水: 1410万ドル 海/沿岸: 920万ドル 農業: 210万ドル $37,548, 724 $9,382,2 58 $1,445,9 76 $21,834, 283 $9,221,2 49 $13,714, 984 $98,486, 008 その他 (多様な生息地, リサーチ, RITs): 3730万ドル 生物分類群別のプロジェクト • 1つまたは複数の分類群を 対象とするプロジェクト • 「複数」には一つ以上の 分類学上のグループを対象 とするすべてのプロジェク トを含む • 分類群を対象とするプロ ジェクトに対する投資総額 は2980万ドル 12000000 $9.78M 10000000 8000000 $7.17M 6000000 $5.33M 4000000 $2.46M $1.98M 2000000 $797,660 • 特定の分類群を対象としな い投資総額は1億6100万 ドル 0 $696,398 $1.63M 鳥類を対象とするプロジェクトが実施されている ホットスポット、および各々の支援額 鳥類の生息地 7,171,296ドル ケープ植物相地域 84,220ドル カリブ海諸島 62,750ドル コーカサス山脈 150,312ドル 東メラネシア諸島 49,916ドル 東アフリカ山岳地帯と沿岸地域の森林 72,018ドル 東部ヒマラヤ山脈地域 164,955ドル ギニアの森林 34,196ドル インドビルマ 1,600,394ドル インドビルマII 966,424ドル マダガスカル 79,354ドル マダガスカル&インド洋島 20,000ドル マピュタランド、ポンドランド、アルバ ニー地域(Maputaland-PondolandAlbany) 700,587ドル 地中海 465,130ドル 中国南西部山岳地帯 245,117ドル 中央アメリカ北部 19,900ドル ポリネシア・ミクロネシア 1,462,653ドル Succulent Karoo 120,185ドル スンダランド(Sundaland) 80,981ドル フィリピン 511,441ドル 西ガーツ山脈&スリランカ 280,763ドル 合計 7,171,296ドル ご清聴 ありがとう ございました cepf.net
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